同棲できると思うなよ!?
正直俺は帰りたい。さすがに誰だってただ呼び出すためにあんなことされたらさぁ……
ねえ?もうちょい人の心を理解して欲しいと言うかよぉ……
Gを使って呼び出すとか雁夜おじさんも蟲ジジイだってしないぜ!?
「ハァ……呼び出したからにはなんか用事があるんだろ?」
「うむ。ちと問題が起きての。お主の力にも関係がある話だからの」
「……?」
俺に言ったって
「まあ、わし神様じゃからいろいろな世界の神とも知り合いな訳じゃ」
「おう」
まあそりゃ他の世界にも神はいるだろう。別に知り合いでもおかしくは無いだろう。しかも俺だけじゃなくたぶん誰でも、もしこんなボンクラジジイ一人で全世界管理とかされてたら不安で眠れねえ。
「実はの、英霊がらみの問題を他の世界の神から押し付けられたんじゃ」
!
「詳細を話せぇ!!」
俺はほとんど反射的にものすごい勢いで神様に詰め寄っていた。
いや、仕方ないと思うんだ。
こっちは俺トゥエェー! がしたかった身だから初めのうちは異世界をあきらめてなかった。いや、あきらめきれなかった。せめて型月の世界じゃなくてもいいから、せめて……
だが、だかしかし、まだ全部の能力使えた最初のうちに一度か二度能力フル活用で試してみたんだが、別世界に行くことができなかったんだ。思いつく限りの自身の持つやり方だけではが異世界に行くのはできなかったんだよ!
俺は、神様がそれを阻害していると当たりをつけていた。
何でなんだ神様。俺が何をしたってんだ?
ナポレオンのごとく辞書に不可能の文字はないチートマンになるはずだった俺はこのクソジジイのせいで結局昔通り不可能の文字だらけな辞書とお付き合いしているんだ!
神の力には抗えないってことなのかと力の差を痛感したさ。
そんな時に──
そう、この俺のいる世界じゃいない英霊の話がきたんだ、ここで浮かれずどこで浮かれるってんだ!?
もしかしたら今度こそFateとか月姫とかの世界でチートデビューができるのかなぁ!
待ち望んでたものがいきなり目の前に来た気分だよ!
「あ、お主を異世界に送るとか無いからの?」
……ところがどっこいってか。俺に揺さぶられてるのも意に介さずに神様から言われた。
「お主の席ねぇからの」
「何のだよ」
「主に異世界転生のじゃな。こっちから向こうには色んな者達が行き過ぎたからの。もういっぱいいっぱいで行けないのじゃよ」
「……マジっすか」
「真剣と書いてマジじゃ」
くっ……俺の異世界でチート人生の野望は潰えたのか……
恨むぞ転生したりして別世界にいった主人公どもよ!
「で、本題なんじゃが、実は一人英霊を預かって欲しいのじゃよ」
あーはいはい。親戚の子供をしばらく預かってくれ的なノリですか……
「!!!??」
ちょ、おま、こいついまなんつった!?
衛星じゃないよね?
英米でもないよね!?
英霊って言ったよね!?
「とはいえお主のところに送るときには普通の人間としてじゃがな。まあ受肉して宝具を取り上げた状態のようなものじゃ」
「!?!?!?」
あ、あわわわわわわ!? こういうとき何て言うんだ!?
棚からぼた餅!?
いや、目からウロコ!?
それともチャリからライダー!?
憧れのサーヴァントが家に来るってのか?
そ、そんな素晴らしい中二病患者の夢みたいなものが叶っちゃっていいんですか!?
さすが神様伊達じゃないな、νガンダム並に伊達じゃないな!
「ホッホッホ。νガンダムより伊達じゃないぞい」
いよっ!にくいぜ神様!
「での、いろいろあって正確には不完全な英霊だった者らしいんじゃが、正式に英霊になることになったそうじゃ──」
俺のくそ寂しい家に人が来るのかー! 楽しみだ~
誰が来るんだろうか、さすがにキャスターは勘弁してほしいな……
だってそうだろう? メディアにしろジル・ド・レェにしろ絶対面倒だ。宝具なくても性格面に問題アリだよ。もう絶対楽できねぇよ!
「──だからそれゆえ死んだ際にかなり強い未練や願望が溢れたらしくての、それらが英霊になるのを阻害していてのう──」
アーチャーは……
シロウなら全面的にOKだな。家事全般まかせられる。
が、同じアーチャーでもギル様来たらとりあえず土下座してでも靴なめてでも黄金律でお金ガッポガッポにして貰おう。二度と働かなくて済むしな。
セイバーが来たらとりあえず神に感謝で土下座して……
あー、ライダーみたいな美女ならもう焼き土下座してもいいな~。
ただしライダーはライダーでもイスカンダルだったら想像しただけでめんどくせぇからパス!
もし来たら近所のあのへたれさんに押し付けちゃる。
しかしいいねぇ! 想像が膨らむね!
「──と言うことで、そやつの未練とあまり関係がない別世界で人として全く違う一生をもう一度歩ませることで魂を浄化し──」
キャス狐! キャス狐はアリだな! 狐っ子は大好物だしね!
小次郎は……来たらとにかくいろんなとこに連れていってやろう。……神社巡りとかしたら泣くかな?(いろんな意味で)
女性が来たら美女と同居。そんなスーパーうらやまフラグが神公認で許されるなら死んでもいいっ!
あ、俺一回死んでたわ。
「──という訳で、今言った通りじゃ。早速だが現実に戻って自宅で待っとってくれい」
「え、あ、何て?」
やっべ。俺今トリップしてて後悔が邪魔してなんとかってとこから聞いてないぞ。
でもかなり話長いっぽかったしもう一度聞くのもめんどいなあ……
「……今の話聞いてなくて問題起こっても、それはわしのせいではないからの? 自業自得だからの?」
「ごめんなさいもう一回お願いします」
「却下じゃ! さっさと戻らんか!」
ちょっと怒ってた神様が軽く手を振ると俺の体はだんだんと透け始めた。
これから俺は現実に戻るんだろう。
「せいぜい頑張……ように……」
だんだんと神様の声も俺の耳には届かなくなってきた。
ん?
あれ?
なんか聞き忘れてるような……
あ゛!
「おっ、おい
「ああ………はお主の体に……とか…全て……ルはあまりに……り合いで……やみに使………きれんで壊……んから後……印した……」
だっ、ダメだ!
消えかかってる今の俺にはほとんど聞こえない!
「そ……り宝…結界と……一部と……闘能…しの……つか……のな………ル以……概ね使………い」
ち、ちょっと待ってお願いだから!
依然としてイージーモードへシフトできてないんだよ! ひ、ヒントだけでも!
「イ……ーモー……許され……は学生………ゃぞ」
「オイぃ! 最後だけ何言ってるかはっきりわかったぞゴラァー!」
そこで俺はあのGの塊がいた場所で目が覚めた。
「……結局フリダシですかい」
俺は隣でのびてるへたれをソファーに寝かせてから家に帰った。
* * * * *
若干憂鬱になりながらもいつも通り家のドアを開けて、自室に入る。
瞬間、強烈な光と共に俺の部屋のど真ん中に魔方陣が現れた。(この時の衝撃で俺の部屋のフィギュアが無惨なことになった。絶対クソジジイに弁償させてやる……)
「あ、そ、そうか英霊!」
俺はまぶしさからまぶたを閉じるのをじっとこらえてそれを注視した。
だんだんと強烈な光の中に、足のようなものが見え……!
「──問おう」
!!!!!!!!
この、声はっ!
同時に俺は心からの神への感謝と、その現れた相手に対して、まさにそうなることが決まっていたかのような自然な動作で両ひざをつき、腰を折り、手を大地(という名の床)にあわせ、頭を垂れた。
──マジでありがとう神様。
「──貴方が私のマスターか……え?」
そこにいたのは、金色の髪を持つ──
──「セイバー」その人だった。