仮面ライダーウィザード
仮面ライダーディケイド
昼過ぎの時刻…
辺境の境にポツンと建っている『博麗神社』は何時もの通りに人っ子一人も来ない。
この神社の主であり、巫女である『博麗霊夢』は当然ながら暇を持て余していた。
「今日も暇ね~……」
……と庭掃除をしながら呟く
霊夢は異変の時などは幸運と鋭い勘を武器に妖怪を退治する頼もしい存在なのだが、異変が起きていない時はこの様に暇を持て余す巫女と成り下がる。
いっそのこと異変の一つや二つ起きてくれないだろうか……と思った矢先、聞き慣れぬ呻き声が聞こえる。
「グゥゥゥ…」
獣とも人の声とも似つかぬその声の方向に目を向けると……そこには岩の様な肌を持った人型の怪物が複数居た。中には槍の様な物を持っている個体も居る。
新種の妖怪だろうか…?と、霊夢は一瞬首を傾げたが彼らの風貌を見るに少なくとも人間では無いと判断するやいなや彼女は懐から数枚の御札を取り出し、人型の怪物……『怪人』に投げつけた。
「グゥ!?グギャァァァ!!」
彼女の投げた札は見事怪人に命中し何匹かの怪人は爆散した。
(やっぱり人間では無かったようね…しかも御札一枚で倒せるという事は、かなり弱い妖怪のらしいわね…動きもかなり鈍いし……なんの妖怪か気になるけど、このまま残りも…)
と高を括った瞬間、彼女はある事に気が付いた。
(しまった……囲まれた…)
そう、自分の周りを数多の怪人が囲んでいるのだ。いつの間にこれ程集まってきたのかは疑問に思ったが、彼女は「今、囲まれている」という状況に集中した。
(…関係無いわ!全員倒す!!)
彼女は数多の御札を懐から取り出し応戦した……が…
(いくらなんでも多すぎるでしょ!?)
どれほど倒しても減る様子が見られない、むしろ増えて行く様に感じる。一体倒せば五体は出てくるそれ程までの勢いである。御札一枚で倒せる雑魚でもここまで多かったら十分に脅威である。
「グゥゥゥゥゥ…グガァァァァ!!」
霊夢の動揺した隙をつき何体かの怪人が攻撃をしかけた。
(しまった!!)
霊夢が防御態勢に入った、その瞬間!弾丸が怪人を追尾するかの様な在り得ない軌道を描き命中し、倒すまでに至らなかったものの大きく吹き飛ばした。
「え!?」
驚いた霊夢は弾丸が飛んできた方向に目を向ける、そこには指輪をつけた青年。
操真晴人がバイクに跨っていた。
「お前達の相手は俺だ!」
『ドライバーオン!』
晴人がバイクから降り、腰に指輪をかざすと謎の音声と共に手の平の形をしたベルトが出現した。
ベルトのシフトレバーを操作するとベルトの手が輝きだしてまたもや謎の音声が鳴り響く。
『シャバドゥビタッチヘンシーン!シャバドゥビタッチヘンシーン!』
晴人は先程は違う赤い顔の様な指輪を取り出して『ある言葉』と共にベルトにかざす。
「変身!」
『フレイム!ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!!』
妙な音声と共に現れた魔法陣をくぐると先程は全く別の姿。
悪夢を止める希望の魔法使い『仮面ライダーウィザード』に変身した。
「さぁ、ショータイムだ!」
「ちょっと何よアンタ!何者!?」
霊夢は何時の間にか怪人の群れを抜け出し、敵かも味方かも解らないウィザードに食ってかかった。
「細かい話は後!まずはグールを倒すのが先決だ!あんたは逃げろ!」
「舐めないで。さっきは油断しただけ。私も戦える!」
霊夢はウィザードに一通り絡んだ後に敵では無いと解ると、再度グールの群れに突っ込んだ。
「……やれやれ凛子ちゃんみたいな子だ。」
愚痴を漏らした後、ウィザードはシフトレバーを操作してベルトの手を右側にする。
『ルパッチマジックタッチゴー!プリーズ!バインド!』
「……!!」
持ち前の勘で尋常ならざらる気配を感じた霊夢は飛行してグールの群れから脱出した。
霊夢の予想通りにグールの群れは魔法陣から現れた鎖に纏められた。
「一気に決める!!」
ウィザードは手に持っているウィザーソードガンをソードモードに切り替え、ハンドオーサーを開いて『握手』をする。
『キャモナスラッシュシェイクハンズ! フレイム!!スラッシュストライク! ヒー、ヒー、ヒー!ヒー、ヒー、ヒー!』
その瞬間にウィザーソードガンの刀身は火を宿し、ウィザードは回転し遠心力を利用してグールの群れを一匹残らず切り裂き、グールは断末魔共に爆散した。
「ふぃ~」
お約束の溜息と共にウィザードは晴人に戻る。
「…で!?アンタ何者?人間?妖怪どっち?」
一悶着終えるとまたもや霊夢は晴人に近寄り食ってかかった。
「俺は操真晴人。お節介な魔法使いさ。」
「魔法使い?と言う割りには魔理沙とかとは同じ様には見えないけど…」
「何!?俺以外にも魔法使いが居るのか!?」
「ちょ…何よ突然声を荒げて。食ってかかった私が言う台詞じゃ無いけど落ち着いて。……!?」
瞬間、『ゾクリ』とドス黒い殺気が辺りを満たした。
「この殺気は……!!」
晴人は殺気の正体を既に見抜いていた。それは出来る事なら二度と会いたく無かった…否、もう二度と会うはずの無い怪物の殺気だった。
「久しぶりだね?指輪の魔法使い。」
「グレムリン……!!」
悠々と階段を上って来た中性的な顔立ちの服装に拘りを感じさせる男の名前は『グレムリン』又の名前を…
「違うよ。僕の名前はソラだよ。」
滝川空。人でありながら怪物であり、異形である事に苦悩する者の一人である。
「何でお前が…!」
グレムリンはかつて、ウィザードと死闘を繰り広げ、『希望の魔法』に負けて消滅した筈である。
「僕も解らないよ。賢者の石の力も無くしてるし。まぁ、でも今はもっと重要な事がある。そちらの白い服を着た長い黒髪のお嬢さん。名前を聞かせて貰えないかな?」
「…博麗…霊夢よ。」
「霊夢ちゃんか~良い名前だね。良かったら…僕のサロンに来ないかい?」
その言葉を聞いた途端に晴人は瞬時にウィザードに変身して、空に斬りかかった。
「邪魔しないでよ。また君は人の希望を奪いつもりかい?」
空もまたグレムリンに変身し、双剣ラプチャーでウィザードの斬撃を受け止めた。
「何回でも言ってやる!人の心を失くしたお前は、人じゃない!!」
グレムリンは斬撃をはじき返し、ウィザードは瞬時にインフィニティーリングを取り出す。
しかし、グレムリンはその事を意にも介さずに霊夢に飛び掛かる。
何時もの霊夢なら対処出来たが先程の気味の悪い言葉に身を硬直させてしまい、致命的なまでに対応が遅れてしまった。
「しまった…!」
ラプチャーを鋏の形にして霊夢の首を刈り取ろうとした。その瞬間…!
『アタックライド!ブラスト!』
突如として右から出現した4つの銃撃はグレムリンを見事に捉え、大きく吹き飛ばした。
「誰だ!僕の邪魔をするのは!?」
「通りすがりの仮面ライダーだ……覚えておけ!」
銃撃の主はバーコードの様な顔を持ったウィザードとは別の『仮面ライダー』
通りすがり続ける破壊者『仮面ライダーディケイド』だった。
「魔法使いの仲間か…流石に分が悪いね。ひかせて貰うよ!」
退散しようとするグレムリンをウィザードはバイクに跨り追いかけようとするがディケイドに止められてしまう。
「何するんだ!あいつを野放しにして置くの危険だ!!」
「確かにそうだが。説明が先だ。ここが何所なのか。何故俺達が呼ばれたのか。そうだろ紫。」
ディケイドは変身を解いて、門矢士に戻り何時も通りに謝る様子無く尊大な態度で言い放った。
あと何故か今回は伊達眼鏡とハンチング帽を身に着けている。
士が目を見つめた先には何時の間にやら八雲紫が立って居た。
「えぇ…そうね。説明しましょう。貴方達、平成ライダー達を呼んだ理由を…!」
こうして終わった筈の物語達は幻想郷で再び動きだす。
2000の技を持つ者
記憶取り戻した者
戦いの果てに倒れた者
夢を見つけた者
友の為に運命と戦い続ける者
今だに尚鍛え続ける者
天の道を行き総てを司る者
時空を超え続ける者達
鎖を解き放つ者
全てを破壊し全てを繋げ続ける者
街の涙を拭う二人
手を伸ばし続ける者
ダチを作り続ける者
希望を守り続ける者
新世界を作った者
…そして、伝説を受け継ぎ続ける未来の『英雄』達。
『正義の系譜』は幻想の地で如何なる伝説を残すのか、それはまだ誰も知らない…。
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