リアルでもダメになりたくないなぁ……( ̄▽ ̄;) 【完結済み】 作:先詠む人
それと、ある一点で作者の自己解釈が入ってます。詳しくは後書きで。
私がワタシになる前。要するに私が深海棲艦として完成する前の記憶はこの間思い出すまでワタシにはなかった。それよりも前の記憶は”無”または恨みつらみなどの"闇"しかなかった。
だけど、私は他の深海棲艦たちとある点で大きく違っていた。
ワタシとしての最初の記憶は何やら全体的に白っぽい
ワタシが自己を認識したのは他の艦よりも少し早く、そしてそれがまだ私だったころだったという点だ。
……と言ってもすぐにあの機械のせいでこないだまでそれさえも塗りつぶされるハメになってはいたけれど。
それからしばらくの間、艦娘たちと戦ったり、人間が資材を運んだりするタンカーと呼ばれる船を襲ったりして過ごしていた。ただ、それでも他の艦たちと違って艦娘を沈めたり、人を殺したりするのに抵抗が強かった。
だから艦娘の場合は轟沈しそうな艦は攻撃しないでほっといていたり、攻撃せずに退却したりしてた。
タンカーの場合は襲いはするけれど、人間の死人が出ないように船のみを攻撃したり、他の艦が人間を殺そうとしてたらその艦をつぶしたりして人間に死人が出ないように動いていた。
だからなのだろうか、艦娘たちを指揮する提督がいる世界に行けると聞いたときワタシは何かにはじかれるかのようにヲ級がいる工廠に走り出した。
結局、一人であちらの世界に行ってみたかったのに港湾棲姫(様とつければいいのか今の私にはわからないけど)が一緒に来ることになってしまった。
世界を越えた後、私たちはどこかの公園の中を走る川土手に現れた。
「提督ヲ探シテ殺スタメニモマズハ、拠点ヲ作リマショウ。レ級、アナタハ邪魔ニナルカラドコカイッテナサイ。」
「ワカリマシタ。」
ワタシはそのままこの高い建物がたくさんあって人がたくさんいる街の中をぶらぶらしていると雨が降り始めた。
「雨・・・・・・。」
降りしきる雨に何か感慨のようなものを覚えつつ、町の中を歩いていると
「こんな雨の中、傘も差さずに一人って大丈夫か?」
今思えば、彼とこの時出会わなければ、ワタシは一生私に戻れずにワタシとしていつか人を殺させられていたのかもしれない。そう思えるほどの偶然だった。
ワタシがただ黙って彼の顔を見ていると、彼は
「白いってことは外人さんかアルビノかなぁ~。Cam you speak Japanese?」
「(英語?)・・・・・。」
ワタシは彼が何とかワタシとコミュニケーションを取ろうとしてると思ったから一応うなずいた。
「日本語喋れるのかよ・・・・。あ、もしかしてあまりしゃべたくない感じか。じゃあ、俺迷惑だったかな。そいじゃ、風邪ひかないようにな。」
彼が立ち去ろうとした瞬間、ワタシはなぜか
「マッテ・・・。」
「うん?」
彼を引き留めていた。
「やっぱ迷子かなんかなのか。強がんなくていいのにさ、小さいんだから大人にきっちり頼りんさい。」
彼はワタシの方を向いて笑いながらこういった後、ワタシの方に向けて手を差し出した。。
・・・・まぁ、今のワタシは人生(というか艦生?)の迷子だから迷子と言うのはあながち間違いじゃなかったけど。小さいって言うのは少し余計だと思った。
(この人に着いてけばこの街を見れるかも……)
そう思ってワタシは彼の手をとることにした。
その時何か懐かしい感じがしたけど、それは直ぐに泡のように弾けて消えた。
(………なんだったんだろうあの感じは……)
そう思いながらワタシは彼と一緒に歩き出した。
それからしばらくの間彼はワタシの手をとってこの街を歩き回ってくれた。
ワタシとしてはこの街を見れて良かったけど彼からしたらワタシの親が見つからないからか
「こんだけ目立ちそうな姿をした子を持つ親なら親も目立ちそうな髪の色だったりするんだろうけどなぁ…。」
とか、
「やべぇ、こういうときに限って交番近くにねぇ……。」
とか、色々言っていた。
それでも彼はずっとワタシの手を握ってくれていた。
しかも、彼は途中からワタシに雨が掛からないように傘をワタシに被さるように動かして自分は雨でグショグショになっていた。
「ごめんなぁ…、お前の親よぉ見つけれんわ……どうすっかなぁ………。」
彼はびしょびしょに濡れた顔でワタシに謝ってくれてた。それはワタシにとって意外なことだった。
そして彼が謝りはじめてから数分後。港湾棲姫がこちらに向けて歩いてきていた。
「ア……。」
「ん?あぁ、あれ親御さん?すいませーん。」
「ハイ、アァ有難ウゴザイマス。」
港湾棲姫とワタシが合流したのを見た彼は
「最近物騒らしいんで、気を付けた方が良いですよ?それじゃ自分はこれで。」
盛大なくしゃみをしながらその場を立ち去っていった。
「ネェレ級。」
「ハイ。」
「アノ男ヲ殺シナサイ。」
「!?」
「ワタシタチハ本来ココニイナイハズノモノ。ダカラシラレテイテハコマルノヨ。」
その瞬間、ワタシは港湾棲姫に砲を向けてぶっぱなした。
そこから先はあまり覚えていない。
気づいたらどこか大きなガラスがあるお店の前でしゃがみこんでいた。
そして、ガラスに写った自分の姿を見て塗りつぶされていた過去を思い出した……。
ワタシは………いや、私は暁に勝利を刻む鎮守府に所属していた雷だった。
建造された次の日。
司令じゃない誰かの声が鎮守府に響いたその数分後、私はその時大破状態だったのにその誰かは私を吹雪さんと一緒に出撃させた。
司令ならこんなことはしない。
あの人は小破でも完治するまでは出撃させないってことは初日の時点でわかっていた。
それなのにこんな采配をするはずがない。
あの司令がまるで私たちのことをものか何かのように扱うなんて到底思えなかった。
それでも指示には従わないといけない。私達はしぶしぶその指示にしたがって出撃したわ。
………その結果私は沈んでしまったけど、不思議なことが沈む寸前に起こったの。
司令の声が聞こえたと思ったら海上の方から手が延びてきてそれが沈み行く私の手を握ったのよ。
とてもその手は暖かくてそのまま司令の声を聞きながら私の意思は闇に飲まれたわ。
気づいたら何かカプセルの中に入れられて改造されていたの。茶髪だった私の髪の色が真っ白になってる所までしかその時はわからなかった…。
だってその次の瞬間何かの機械に視界を覆い隠されてそのまま人類や艦娘達への恨みや妬み等の負の感情に全て塗りつぶされて私と言う存在は何も無くなってしまったから。
そして今日まで私は変なレ級として生きてきた。
だけどね。今は違うわ。
今の私はレ級になっちゃった雷。だから司令に会いに行く。あってあの日に何があったのか聞きに行く。
そう思いながら探そうとしたのだけど………
(司令どこにいるのぉ……………。)
当然ながら元々こちらの世界に住んでないが故に家も知り合いも存在しない。
唯一頼れるのは自分の直感だけと言う状況で彼女は
「あの人、司令に似てたなぁ…声もだけど雰囲気が……(フンスフンス)まだ臭い残ってる。これを頼りにまた会えないかなぁ……。」
握ってくれていた掌にほんの…………ほんの僅かに残っていた残り香を頼りに青年を探し始めた。
結局、彼女はヲ級が倒されたのを察知して青年の家にたどり着くが、その時青年は既に家を出て雷とまな板と共にお昼を食べに行っていた。
「(あ、あそこの窓が開いてる………)よいしょっよいしょっ‼」
壁を登り、窓のさんを伝い、そして彼女は青年の部屋に入った。
「ウフフフ、しれぇのにおぃ~。ウフフフフフ…zzzzzzzzzzzzz」
そして、窓際にあった青年の布団にくるまり臭いを堪能している最中に、そのまま探し続けた疲れが出て寝てしまった…………。
作者の自己解釈は
深海棲艦には3つ種類がある
と言う点です。
内訳としては
・自然発生型
・建造型
・艦娘改造型
となってます。
本家で出てくるわるほにゃららさん系統の深海棲艦は3つ目の種類と自己解釈では分類させてもらいます。
因みにレ級は文中で書いてる通り3つ目です。
改造のプロセスとしては
轟沈した艦娘を深海棲艦版の明石みたいなやつが回収→深海棲艦のドックへ→無理やり耐久性とかあげる反動で全体的に色素とかが体が壊れるのと同時に抜けていく→それを無理やりドッグの機能で修復していくことで練度を強制的に上げていく→最後に洗脳装置で深海棲艦としての全てで元々を完全に塗りつぶす。
といった感じです。
因みにこのレ級の場合は洗脳装置で最初に塗りつぶされる前に自分の意識を一時的に回復していたのでなにかを切っ掛けに何時でも洗脳が解ける状態でした。
このレ級の切っ掛けは隼人の手です。沈む寸前に隼人が画面に手を伸ばしたのが奇跡的に暖かさだけ雷に届いてたと言う超ご都合主義(笑)
……てか、最初のプロットと違ってレ級が臭いフェチになっちゃったのは読者さんからは可か否かどっちに捉えられるんだろう………。
感想、評価を貰えると作者はきらきらになります。