リアルでもダメになりたくないなぁ……( ̄▽ ̄;) 【完結済み】   作:先詠む人

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遅れてすみません。

遅れた理由は活動報告に書いていますのでそこを見てください。

………きちんと文体を変えたり進歩できてるといいんですが……。

後アンケートの結果を発表します。

1→6票
2→4表
どちらでも→1票

よって玲奈がいないこの物語を新規に書こうと思います。

しかし、アンケートを取って思ったのは玲奈が自分の予想以上に人気があったことです。(2を選んだ人のほとんどが玲奈がいた方が良いからとのこと)

こっちの作品では今後も玲奈は楽しそうにしてますのでこれからもよろしくお願いします。


第36話 「「「「「話し合い(なのです)(だよ)(よ)」」」」」

「「「「「「…………。」」」」」」

 

 賑やかな町並みから一歩奥に入った筋に店を置くとある喫茶店のテーブルの一角は静寂に包まれていた。

 

「よ。」

 

 俺がそんな状態のテーブルに雷香達を連れてたどり着くとすぐに

 

「あぁ、もっちん。」

 

 と、宇治原が声をかけてきてから俺の首を引っ張り

 

「(おい、これどうすんの?俺がたどり着いた時からみんなこんなに気分駄々下がりなんだけど)」

 

 と小声で言ってきた。それに対して俺は

 

「(わり、俺もあいつらが一体どういった内容の説明したのか知らないからどうしようもできねぇ。)」

 

 と小声で返していると、大きな音を立てて瑞鶴が急に立ち上がり

 

「あんたちょっとこっち来なさいよ!!!」

 

 そう言うなり俺の首根っこをつかんで店から出ようとしだした。

 

「おい!待て!!待てっつーの!!!」

 

 急に謎の行動を始めた瑞鶴に引きずられながらも、俺はみんながいるテーブルに着席しているであろう半の方へ助けを求めようと見つめると

 

「・・・・・・・・・・。」

 

(ウソだろ!!)

 

 目をうつろに開いて何かを高速で言っている半の姿があった。

 

 店から出て少し歩いたところにあるベンチの所までの間ずっと瑞鶴は俺を引きずり倒していて、その様子はいくら人気が少ない通りとはいえ異様に目立っていた。

 そして、ベンチの所までたどり着いたタイミングで瑞鶴は俺をベンチの方へと放り投げた。

 

「ってーな!!てめぇなんでこんなことすんだよ!!!」

 

 俺が首もとが伸びた服をどうにか調節しながら苦情を訴えると

 

「あんた、なんでこんなことを企画したの?私こんなこと知りたくなかったんだけど。」

 

 怒りからか目をいつも以上にきつくした瑞鶴の睨みと低い声が帰ってきた。

 

「俺はお前らがいなくなった後にこの日本で起きた悲劇を知ってもらいたかっただけだ。それ以外の目的は何もない。」

 

「だから!!私は知りたく「知りたくないからですまされる問題じゃねえからだよ。」………え?」

 

 俺の考えを告げると瑞鶴は勢いよく反論して来ようとしたが、俺はそれをかぶせるような形でつぶした。

 店に入ったらいきなり長い距離を引きずられ、しかも知りたくなかったと文句を言われる。正直我慢の限界だった。

 

「知りたくないからじゃこの問題(原爆)は済まされない。今だってこの地に落ちたあれよりももっと破壊力がある爆弾は世界中にたくさん存在してる。……お前らの中じゃ長門さんが一番その恐ろしさを知ってるかもしれんが下手に聞くなよ。多分トラウマになっててもおかしくないはずだから。」

 

「う……。」

 

 俺が静かな言葉に込めた感情に怖じ気ずいたのか瑞鶴はその場を一歩下がった。

 そんな瑞鶴の様子を尻目に俺は続けた。

 

「それに今この瞬間にこの地に再びあの惨劇が繰り返されても全くおかしくはねぇんだよ。だからこそ、今この時代を生きている俺たちは過去に起きた悲劇から目をそらさずに知れるものすべてを知っておかなきゃいけない。」

 

「だからこそ、俺は今日。70年前、悲劇が起きた日のことをお前らみんなに知ってもらおうと思ってこれを企画したんだ。」

 

 俺はそう言うと首だけ後ろへと回して

 

「そこの陰にいるんだろ。隠れてないで出て来いよ。」

 

 とだけ言うと

 

「やっぱりばれちゃったのです……。」

 

 と、残念そうな顔をした電が

 

「正直トラウマになるかと思ったんだけどそれが狙いだったの?」

 

 瑞鶴ほどではないが、少し怒った表情の瑞鳳が

 

「ほら、お兄ちゃんのことだから心配いらないじゃない。」

 

 何時もの飄々とした表情で玲奈が

 

「だって心配だったんだからしょうがないじゃない!」

 

 玲奈にからかわれて顔を真っ赤にした雷香が1()()()電柱の陰から出てきた。

 

 

 

「……‥ってどうやって隠れてたんだよ!!!」

 

 出て来た4人を見てそう突っ込んでしまった俺は悪くないと思う。

 

「……ま、いっか。ほら、解決したから喫茶店に戻ろうや。あいつら待ってるだろうし。」

 

 俺は自分の中の困惑を強制的に終わらせて、そう言ってから喫茶店の方に歩き出した。

 

 

 

 

 

 

「なによあいつ……。」

 

 (瑞鶴)はまだ怒っていた。

 

『知りたくないからじゃこの問題(原爆)は済まされない。今だってこの地に落ちたあれよりももっと破壊力がある爆弾は世界中にたくさん存在してる。』

 

『だからこそ、俺は今日。70年前、悲劇が起きた日のことをお前らみんなに知ってもらおうと思ってこれを企画したんだ。』

 

 普段提督さんから聞いていた岡本隼人という男のイメージは先ほどあいつが見せたものとは全く真逆だった。

 

 提督さんがいつも私に言っていたあの男のイメージは温厚、柔和、そして優しいの3つだったけど、さっきあの男が見せたのは私が海で深海棲艦と戦っているときにいつも感じていた物。

 特に姫級、鬼級と相対したときと同じレベルの殺気だった。

 

「あいつ一体何なのよ!!あーもうむかつく!!」

 

 私がそうやってイライラしていると雷ちゃんが

 

「瑞鶴さんイライラするからってお兄ちゃんに当たっちゃだめよ!お兄ちゃんだってぎりぎりまでやるかどうか考えてたんだから!」

 

 と言ってきて、電ちゃんも

 

「雷ちゃんの言う通りなのです。確かに嫌なものもあったのかもしれないですが、これも私たちが歩むかもしれなかった歴史なのですから……。」

 

 あの男に賛同するような意見を言った。

 

「ねぇ、瑞鳳はどうなの?あんなもの見せられて気分悪くないの?」

 

 だから私がさっきからずーーっと黙っている瑞鳳に尋ねてみたら

 

「さっきの殺気……深海棲艦のものと一緒だった?」

 

 とぶつぶつ言ってこっちの話を聞いていなかった。だから私は

 

「ずーいほーう!!」

 

 とほっぺたをつかんでこっちに顔を無理やりむかせて

 

「あんたはあんなもの見せられて気分悪くないの!?」

 

 もう一度尋ねてみた。すると、

 

「あ~、えーっとね。私資料館に入ってないんだ。それにほとんど堅二さんと一緒にいちゃいちゃしてたし……」

 

 両方の指の先をあわせてつんつんしながら顔を真っ赤にしてそう言いだした。

 

「…………」

 

 私は唖然とするしかなかった。

 

「ほら、行きましょ!お兄ちゃんが待ってるし!」

 

 唖然とした私を置いておいてレ級がそう扇動すると他のみんなは

 

「は~い(なのです)!」

 

 と答えて歩き出しちゃった……。

 

 

 

 

 

「おぅ、もっちん。こっちはどうにかできたぜ。」

 

 俺がさっきの喫茶店に戻ると宇治原がそう言って正気に戻ったらしい半の方を指差した。

 

「お疲れ。でも、一体何であいつあんなことになってたんだ?」

 

「あぁー、えっとな……」

 

「おい、じらすなよ。じらしても特に何の有利も生まれない話だろこれ。」

 

「いや、ちょっと何で瑞鶴っつーんだっけかあの子。あの子が怒ったのかいまいちわかんなくてさ。資料館に連れて行ったらああなったらしいってことしかわかんなかった。」

 

「あ~、なるほど。てことは例のトラウマ製造機に引っかかったか?俺も雷香も玲奈もその口だが。」

 

「いや、それ以前の問題で入口のあたりで『もう帰る!帰らせて!!!』って暴れ始めたそうだ。」

 

「てことは、半……あいつまさか…………」

 

「あの子を必死に抑え込んでるうちに胸触っちまってあそこまでへこんだんだと。」

 

「あいつが壊れてた理由判ってんじゃん!なんでそれすらもわかんないって言ってたんだよ!!」

 

「え?もっちんが知りたかったのってあの子が怒ってた理由じゃないのか?」

 

「ちげぇよ。あと、お前の心配はさっきとくとくと言い聞かせて来たからその辺は大丈夫だろ。まぁ、艦載機で後々爆撃されそうで怖いんだが。」

 

 俺は、あの有名なせりふを思い出しながらそう言ったが目の前の宇治原は艦これユーザーじゃないせいで俺が何を言ってるのかよくわからなかったみたいだ。

 

「?まぁ、何が言いたいのかよくわかんないけど最初の予定通り話し合いすっか。」

 

「おぅ。とりあえずぼちぼち戻ってくるだろうし……って戻ってきたな。」

 

 俺が宇治原に席に戻ろうと促そうとしたタイミングで玲奈を筆頭にさっき引きずられていった俺を追いかけたメンツが戻ってきた。

 

「じゃ、座って何か注文してから始めようぜ。」

 

「あぁ。」

 

 そう言ってから互いにうなずき、俺たちは席へと戻った。

 

 

「それじゃ、始めるぞ。」

 

 全員が席について注文を済ませてから俺は碇ゲンドウスタイル(あのあごの手前に組んだ両掌をかざす格好)をとってから話し始めた。

 

「人によっては嫌だったりしたりしたかもしれないけど、なんで俺たちが今日こんな風に広島の原爆にまつわる場所を連れて回ったかと言うと、」

 

 俺はそこで一旦喋るのを止めて周囲を見渡してから

 

「こっちの日本は向こうと違って平和だけど、艦としてのみんながいなくなった後のこの国の歴史の一部とその際に引き起こされた悲劇を知ってほしかったんだ。ま、さっき言ったけどな。」

 

 俺がそう告げるとジョジョが

 

「よし、じゃあ今日どう思ったかを一人最低でも一言ずつ。」

 

 と続けると、宇治原が

 

「俺たちはここに住んでる期間が長い。だからその光景が日常の一部となってるせいで新しい見方ができないんだよ。だからこそ聞きたいんだ。」

 

 そうつなげた。艦娘のみんなは少し困っている様子を見せていたが

 

「私は……やっぱり戦争は良くないと思ったのです。それに多くの人を実験目的で殺したんですよね?それはいけないことだと思ったのです。」

 

 電ちゃんがそう言ったことでみんなが堰を切ったように話し出した。

 

「私は今が平和でいいかな……って思ったぐらいかな。」

 

 瑞鳳が何やら含みを持たせたような言い方をして電に続き

 

「私たちが沈んだ後にこんなことがあったってお兄ちゃんに教えてもらえなかったからその点は良かった……って思ったかな。資料館にはまだいきたくないけど。」

 

「私も同じ~。」

 

「玲奈も自分の意志を言いなさいよ!」

 

「え~。」

 

 そんな瑞鳳に玲奈と雷香が続いた。まぁ、玲奈は手抜きだけど一応自分の意見……でいいかな…と思ったが

 

「……私は何もないわ。それだけよ。だって戦争の結果ああなったんでしょ。それに私はもともと行きたくなかったし。提督さん帰りましょ。」

 

 瑞鶴が全部その流れを無茶苦茶にして立ち上がろうとした。だから

 

「………そこの帰ろうとしてる七面鳥は置いておいて話し続けるぞ」

 

「あ”あ”ん!!?」

 

 俺は煽るだけ煽って話を続けることにした。

 

「70年まえの今日、ここに落ちた爆弾はたった一発。その一発の爆弾であれだけの被害が出たんだ。だからこそ、この恐ろしさを知ってなくちゃいけないって言うことと、それともう一つ。もう一発ここじゃないけど原子爆弾は長崎に落ちてるんだ。」

 

「ここだけじゃなかったの!?」

 

 俺がそう言うと、瑞鳳が驚いた様子を見せたが、

 

「そっちは俺あんまり詳しくないから話せないけどな。」

 

 俺は肩をすくめながらそう言わざるを得なかった。

 

「な~んだ。知りたかったのにな~。」

 

「まぁ、自分で調べてみるのもいいかもな。補償はしないけど。」

 

 そうつぶやいた瑞鶴の言葉に対した俺の答えとともにこの集まりはお開きになった。

 

 

 

 家に帰って玄関で靴を脱いでいるときに後ろから玲奈が声をかけて来た。

 

「ねぇ、お兄ちゃん。」

 

「ん?」

 

「私ね。さっきは言わなかったけど、考えてたことあるんだ。」

 

「何をだ?」

 

「今この世界がね。平和で本当に良かったって…。深海棲艦の体で何言ってんだって思われるかもしれないけれど実際そう思うんだ。」

 

「……そっか。その思いを大事にしとけよな。」

 

「……うん。」

 

 俺は右横に座って肩に寄りかかってきた玲奈の頭をそう言いながら静かに撫でたのだった。




感想、評価が入るとうれしいです。
テンションも上がりますしやる気も出ます。


…………玲奈のヒロイン度も上がります。(ポソ)
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