リアルでもダメになりたくないなぁ……( ̄▽ ̄;) 【完結済み】   作:先詠む人

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どうもご無沙汰してます。
先詠む人です。
一気にここまで読まれた方は初めまして。更新を待ってくださっていた方はお久しぶりです。

さて、もう現実時間は年すら越してしまいましたがハロウィンです。
それではどうぞ。



第40話 「お兄ちゃんが人気だ」「うらやましぃんか?ほれほれ」

 結局服を渡された服には着替えず、某刑事さんが着ていた(進ノ介スタイル)のに似ているスーツを着て左手首に赤いベルトで手首に固定する特徴的な形をしたブレスレットをつけて下に降りる。

 

「あの服はさすがに勘弁してくれ……ちゃんとコスプレはしたから……な?」

 

 下に降りてから二人の前で両手を合わせて頭を下げる。

 2人はそんな俺を見て

 

「えぇ~」

 

 と玲奈は不服そうに言ったが、

 

「…………あ。そっか。」

 

 と雷香は何かに気付いたように声を上げると

 

「お兄ちゃんごめんね。私お兄ちゃんの気持ち何も考えてなかった。」

 

 逆に俺に謝った。

 

「え!?どういう事!?」

 

 と雷香の様子に玲奈は驚いたようだがなんで雷香が謝っているのかわかっていないようだった。

 

 「玲、奈、も、謝る!!」

 

 そんな玲奈を見て雷香は玲奈の頭を掴み、自分と一緒に下に頭を下げさせた。

 

「痛いわね!!?何すんのよ!」

 

 当然玲奈からしたら暴挙としか思えない雷香の行動に対して玲奈は抗議するが、

 

「じゃあ、お兄ちゃんが私たちが行ったことでどう思ったのか考えた?」

 

 まるであの時蹴り飛ばしたヲ級みたいに冷たい目をして雷香は玲奈に告げた。

 

「ウグッ………そりゃ考えてないけど………さぁ……」

 

 その眼光に恐れを抱いたのか玲奈の抗議は尻すぼみとなっていった。

 

「じゃあ、こっちに来なさい。あ、お兄ちゃんはこの後一緒に私たちと学校に来てもらうからね!それでコスプレの件はチャラにしてあげるわ!!」

 

「…………助かる。」

 

 俺がそういうと安心した表情を浮かべたまま雷香は玲奈を引き釣りながら台所の方へ歩いて行った。玲奈は助けを求めるかのように俺の方へ手を伸ばしているが、すまない。雷香が怖すぎて助けに行けれない……。

 

 こんな情けない兄貴で済まない………。

 

 

 

 内心そう思いながらドナドナされていく玲奈に合掌した。

 

 

 

 

 

 

 

「帰ったわ~。」

 

「………」

 

 数分後に、艦これの画面で言うならキラキラしている状態の雷香はうきうきとスキップしながら、赤い疲労マークが出ている状態の玲奈は死んだような瞳をした状態で雷香に引きずられながら台所の方から帰ってきた。

 

「それじゃあ、行きましょ!」

 

 そう言いながら雷香はぽいっと玲奈を投げ捨て、俺の後ろに回って俺の背中を玄関の方へ押し出した。

 

「お…おい。玲奈はどうすんの!?」

 

 と、雷香に後ろから押されながら背後の方で死体のようにピクリともしない玲奈の方へ声をかけると

 

 「い……行く……」

 

 と、小さいながらも答えが返ってきた。内心答えがあったことに安堵したものの、玲奈の様子をしっかり確認できる前に俺はそのまま玄関へ押し出されてしまった。

 

 玄関で大学の入学式の時に履いた革靴を取り出して履く。

 そして、雷香が結局玲奈の様子を見に再び今の方へ戻ったのをしり目にしつつ、首に巻いたネクタイをキュッと締めて一人

 

 「脳細胞がトップギアだぜ…」

 

 なんて玄関にある鏡の前でやっていると

 

「お兄ちゃん何やってるの…」

 

 と、半分呆れたような声と顔で雷香が声をかけてきた。その背中には口を半分開け瞳孔が完全に開いた(ノビている)玲奈がおぶさっている。

 

「そういう雷香こそ、玲奈に何したの…?」

 

 恐る恐るそう聞いてみると

 

「別に?何も足柄さんに教えてもらった八卦六十四掌なんて打ち込んでないわよ?」

 

「それ自白してるよねもう!!?」

 

 そうツッコむも雷香は

 

「別に何もしてないからいいじゃない!!」

 

 と言って、そっぽを向いてしまった。そして玲奈を背負ったまま片手に持った革靴(ローファー)を履きだしたところで玲奈の足元が目に入った俺はあることに気が付いた。

 

「そう言えば、玲奈の靴って何かあるんじゃないのか?」

 

 今玲奈が身に纏っているFateの”ジャック・ザ・リッパー”は靴なんてなかったような気が……

 

「今玲奈が履いているのがそのまま靴みたいよ?足裏の素材的に。」

 

「あ、そうなの?なら大丈夫か。」

 

 そう言って俺は靴を履き終えて立ち上がろうとする雷香の手を取り、

 

「大人ぶって革靴履くのはいいけどこけるなよ~。」

 

 と言いながら後ろに回り込んで雷香の背中で死んだようになっている玲奈を抱きかかえた。

 

「あ、ズルい!!」

 

 そう言って怒る雷香を放置して俺はそのままお姫様抱っこのような形で玲奈を抱きかかえたまま歩き始めた。

 

(………やけに軽いな?)

 

 玲奈を抱きかかえたまま小学校の方へ歩き始めて十数分。

 普通玲奈みたいに小学生ぐらいの子供だとしてもその重さはそれなりのもののはずなのになぜか玲奈の重さは書類があまり入っていない段ボール程度の重さしかなかった。

 その事実に首をかしげつつ、後ろから殺気のようなものを感じながら歩く。

 

「……雷香。」

 

「何よ。私よりも玲奈の方が大事なんでしょ!」

 

 振り返って雷香の方を見て声をかけるとどこぞ(ホワイトクソ提督の鎮守府)ツンデレ娘(ぼのさん)のように顔を膨らませてそっぽを向く雷香がいた。

 

「いや、どっちも大事だから。」

 

 そう言って片手で腕の中の玲奈のバランスを取りながら雷香の頭をなでる。

 

「え…ウフフ」

 

 そうやって頭をなでたらご機嫌になったようで雷香は急に俺の前に出て

 

「だったらお兄ちゃんを私が撫でてあーげーる~!!」

 

 そう言いながら必死に背を伸ばすも、身長が170cmほどある俺との身長差がありすぎて撫でれるわけがない。

 

「むーーーー!!!!」

 

 結局ぴょんぴょん跳ねながらむくれてしまった。

 

「……ほれ、行くぞ。」

 

 そうやってむくれてしまった雷香をもう一度撫で、俺は再び小学校の方へ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 家から半刻ほど歩いた距離に雷香と玲奈が通う小学校はある。

 妖精さんがどういった基準で選んだのかはいまだに俺からしたら謎なのだけど、この小学校はうちの近所の中でそれなりに名のしれている小学校だった。ハロウィンの時期にあるイベントを行うということで。

 

 そのイベントというのは生徒たちが仮装して保護者や兄弟と一緒に商店街を練り歩くというものなのだが、いつも唐突に行う上にここ10年ほどの間は世情が物騒になってきたということで中止を繰り返していた。

 そのため、俺もそんなイベントがあることなんて覚えてもいなかったし今年やるということも知らなかった。

 

 そんなわけで小学校の校庭に俺は校門をくぐったあたりで目を覚ました玲奈と、さっきから俺と手をつないでご機嫌な様子の雷香と三人俺を中心に手をつないで中心あたりに立っていた。

 

「……それでさぁ。」

 

「うん。」

 

「何よお兄ちゃん。」

 

「これどうにかして。」

 

「ベルトさんはどこー?」

 

「ドライブに変身して~!!」

 

「のうさいぼーはろーぎあなの?」

 

「トライドロンどこー?」

 

 …………目を輝かせた子供たちにすごい詰め寄られる形で。

 

「あぁ………」

 

「ごめん無理。こうなったうちのクラスのみんなは止まらない……。」

 

「この裏切者ぉーーー!!」

 

 きっかけは玲奈がある少年に

 

「姉御!その過激な衣装は何ですかぁ!!!」

 

 と、大きな声で声をかけられたところまで遡る。

 

「あれ誰?」

 

 と俺が玲奈に聞いてみたら

 

「………東芝の奴明日覚エテロヨ……」

 

 と、コンタクトレンズ越しでもわかるレベルで目を赤く染めながら呟いていたので

 

「落ち着け。」

 

 と、つないでいた手を離して頭を撫でていた。すると

 

「うっひょー!横のお兄さんイケメンじゃねぇっすか!姉御のコレですか?」

 

 と、右手の小指のみを上げた状態の拳を自身の顔の前でウェイウェイと上下させていたのでそれは違うと訂正しようとすると

 

「そうよぉ~、私たち結婚するの!!」

 

 と、玲奈が言い出したので

 

「は!?」

 

 と、俺が驚いた瞬間だった。

 

「玲ぇ~奈ぁ~!!」

 

 と底冷えするような声が響き、俺の右手がきつく握りしめられた。というか、そのせいかわからないけれど体感温度が一気に下がった。

 そんな底冷えするような声の元は俺の右となり。雷香の方からだった。

 

「後で覚えておきなさい。あぁ、東芝君もこんにちわ。」

 

 雷香は俺から手を放し、玲奈の耳元でそう呟くと笑顔で右手を顔の横に上げながら東芝?君にあいさつした。

 

「あ、おかんちーっす。」

 

「おかんじゃないっていつも言ってるでしょ!!もぅ!!」

 

 ぷんすか!という表現が一番似合いそうな様子で東芝?君と話す雷香は楽しそうだったのだが、その一方で殺気をぶつけられた玲奈はガクガクブルブルという表現が似合う状態になって震えていた。

 

「おぉーよしよし。」

 

 だから俺が玲奈を抱きしめて頭をなでていたのだけれども、それが他の生徒の目に留まったようで……

 

「あ、姉御泣いてる!!」

 

「あの人が泣かせたんじゃね!?」

 

「いや、泣かせたんなら姉御のことだから泣かせた奴に蹴りを入れて逆に泣かせかえしているはずだ!!」

 

「とりあえず姉御のとこいこーぜ!!」

 

 といった感じでどんどん集まってきた。そうやって集まってきた中にどうやらドライブを見ていた子がいたようで……

 

「……あれ?あの人の手首に巻いてるの進ノ介が手首に巻いてるやつじゃね?」

 

 と誰かがつぶやいたのをきっかけにみんなが一気に俺の顔を見て質問攻めになった結果がさっきの様子だった。というか、今もか。

 

「聖徳太子じゃないから一気に聞かないでくれ!」

 

 そうやって俺が子供たちの波に流されていく中で二人からどんどん離れていく。

 

「ヤバっ!?」

 

 そう思って慌てて二人の方へ行こうとしたが、

 

「「……」」

 

 2人そろって首を横に振った後、笑顔で手を振った。

 

「マジかよ!?」

 

 そう内心叫ぶ中で俺は流されていった。

 

 

 

 一方、手を振っていた二人はというと

 

「お兄ちゃんが人気だね。」

 

「そうやって大人ぶって、本当はうらやましいだけなんじゃないのぉ~?」

 

「んもぅ!玲奈のバカ!!スカポンタン!!あほ!間抜け!!」

 

「それ、ただ雷香が知ってる罵倒を並べただけじゃない!あぁ、おかしい!!!」

 

「ぐぬぬぬ…えぃ!」

 

「キャ!?何するのよ!」

 

「悪い子にはお仕置きよ!!」

 

「やめて!この服露出多いからそんな冷たい手で体中障られるとキャッ!?」

 

 周りの保護者たちが温かい目で見守るぐらいの感じでそのままお互いに体中を触りあってじゃれていた。




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