孫呉ルート   作:眼鏡最高

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タイトル詐欺です。
アニメの孫静とは別人です。
牙連視点です。


6、狂愛盲進

久しぶりに故郷に戻り、まず僕は母上のお墓に向かいました。

 

母上のお墓は、町の外にある穏やかな丘の上にあります。そして母上のお墓が見える場所まで行くと、父上がぼんやり空を見上げ母上のお墓の隣に座っていました。

父上は母上が死んでから、ずっと墓守をしています。

 

「父上、お久しぶりです」

まず父上に挨拶し、次に母上に挨拶をしました。

しばしの間、僕は目をつぶりました。

僕が目を開けてから少しして。

 

「あぁ、元気だったか?」

父上は立ち上がり、僕に尋ねました。

 

「えぇ。元気ですよ」

それから僕は旅の内容を話しながら父上と一緒に町へ向かいました。

 

 

 

その数日後。

雪蓮から、もとい冥琳から手紙が来ました。

手紙の内容は、盗賊狩りを終えたら父上の家に寄り道する、そうです。

 

さらに数日後。

僕がのんびり庭の木に寄り掛かり本を読んでいた時、雪蓮達がやって来ました。500人ほどの兵と、祭さん、冥琳も一緒です。

 

「久しぶりだね。元気だった?」

僕は立ち上がり、まず雪蓮に声を掛けました。

 

「もちろん元気よ、牙連も元気そうね。旅してるって聞いたけど、帰ってきたの?怪我とかしなかった?」

雪蓮は太陽みたいな笑顔で答え、その後、僕の事を心配してくれた。二年五ヶ月二十一日ぶりに会ったが、やっぱり雪蓮は可愛いくて綺麗だ…

 

「うん。大丈夫だったよ」

もっと雪蓮と話をしたいが、我慢しないと延々と喋りそうで僕は祭さん冥琳に向き直った。

「祭さん、冥琳、元気だった?」

 

「当たり前じゃろう」

「壮健そうで何よりだ」

最初に祭さんが笑いながら答え、次に冥琳が穏やか顔で答えてくれた。

 

それから僕は雪蓮達の近況を聞きました。

雪蓮の母が亡くなってから孫家は袁術の軍に組み込まれ、今も袁術にいいようにつかわれてるわ、と雪蓮は愚痴っていました。

ここには居ない、蓮華や小蓮、思春と明命、韓当兄に程普爺ちゃん、皆の事も聞きましたがどうやら皆元気なようです。ただ程普爺ちゃん以外は、拠点を別々にされているので手紙でやり取りしているとの事です。

…皆に会いたいなぁ。と僕が感慨にふけっていたら。

 

「孫静は、どこに居るの?」

雪蓮は少し辺りを見回し、僕に尋ねてきました。

ちなみに僕の父上の名前が孫静です。

 

「たぶん父上なら母上のお墓に居るよ」

ほとんど毎日、母上のお墓に父上は居るので間違いないはずです。

 

庭から家の中に雪蓮達を通し、お茶を入れるよう家の者に指示を出して、僕は父上を呼びにいきました。

 

 

 

 

父上を連れて帰り、挨拶もそこそこに。

「孫静。私達の力になって欲しいの。母が亡くなった時も助けてくれたでしょう?お願い」

真っ直ぐに父上を見つめ雪蓮は単刀直入に言いました。

 

先ほど冥琳が人員不足だと言っていたので、少しでも優秀な人物が欲しいのでしょう。身内のひいき目無しに、父上は文武に優れた人物です。

それに、雪蓮の母上が亡くなった時、父上は浮き足立つ一族をまとめ、雪蓮をたて一配下として使えました。きっと雪蓮から見れば信頼できる数少ない人物なのでしょう。

 

ただ父上は。

「この老いぼれには荷が重いですよ」

お茶を飲んでから、ゆっくり答えました。

 

「どうしても駄目なの?」

雪蓮が再度聞きましたが、父上は黙ったままです。

 

次に口を開いたのは冥琳でした。

「孫静様が居れば心強い。あなたが居れば後ろの守りを安心して任せる事が出来ます」

真摯な瞳で父上を見ていました。

 

「…もう私には、無理ですよ」

少しためらい苦笑い気味に父上は答えました。

 

「元々が戦嫌いじゃ。それに恩賞や官位に興味が無く、故郷に留まる事を願うような奴じゃぞ。諦めよ策殿」

祭さんは目で父上を見て、肩を竦めていました。

 

「そうね…」

雪蓮にしては珍しく、沈んだ声を出していました。

 

少しの間、沈黙が包み。

「僕が一緒に行くよ」

大きめな声で言いました。

 

「えっ?でも…争い事が牙連は苦手でしょ?ちゃんと戦える?」

驚いた表情の雪蓮が僕に尋ねましたが。

 

「大丈夫。戦になれば、ちゃんと殺すよ」

明確に僕の意思を伝えました。

 

何故か皆は眼を見開き驚いていました。

 

 

 

 

父上と別れの挨拶をし、僕は雪蓮達と一緒に袁術の元へ行きました。

ちなみに弟が一人いるのですが、今は武者修行の旅に出て家には居ません。

 

七日ほど歩き、袁術の居る都に到着しました。

 

雪蓮は袁術に報告しに行き、僕は祭さんや冥琳と一緒に宿舎に行きました。宿舎に入ると、シワシワの顔に白い髪と髭が特徴的な見知った顔の人物を見つけました。

 

「程普爺ちゃん。久しぶり」

 

「おお。牙連の坊主か大きくなったのう」

 

程普爺ちゃんは雪蓮の母上の時代から長年孫家に使えています。いわば生きてる化石です。年齢は本人も分からないらしいですが、僕が幼い頃からお爺ちゃんだったので、いつポックリ逝ってもおかしくない歳です。その後、程普爺ちゃんと色々な事を話しました。

 

 

それから数日後。

袁術に言われ、周キンを討伐する事になりました。冥琳いわく、周キンは領民から金を搾り取ってるずる賢い小悪党らしいです。

 

まず僕たちは会稽に進軍しましたが、その途中にある狭い道に周キンや配下の武将が硬く守っていました。なかなか攻めずらい、良い場所を選び立て籠もりましたね。

 

なので僕は雪蓮と冥琳の二人に、迂回して背後から査瀆を急襲しておびき出し、そこで一気に叩く事を献策しました。すると二人とも納得し、僕の策が起用されました。

 

その後、僕と祭さんで背後を急襲し、援軍に来た周キンを殺しました。

ちなみに雪蓮は「私も戦いたかった!」と喚いていました。しかし、そんな姿も可愛いかった。

 

 

 

 

次に王郎を討伐するよう袁術に言われました。

なんの名目かと言うと、反乱を企てたとの事です。ただ冥琳に言わせると「いちゃもんだな」とボヤいていました。僕が王郎と言う人物がどうゆう人か聞くと「真面目だけが取り柄だな。真面目に皇帝の地を守っているから袁術には気に食わないんだろうよ」と冥琳は言っていました。

 

王郎との合戦が始まりました。

ただただ愚直に王郎は突っ込んで来ます。策も何もありません。まぁ良く言えば正々堂々と戦を王郎はしています。まぁ簡単な罠や策にかかるので助かります。

 

あっさり僕達は勝利しました。

雪蓮は不満たらたらで「もっと強い奴と戦いたい!」と叫んでいました。そんな怒った表情も可愛いかった。

 

王郎は捕虜の後「いい奴なので解放!」と雪蓮が勝手に決め、逃がす事になりました。冥琳はとても怒っていました。

 

 

 

 

また数日後、白虎賊の討伐を袁術に言われました。

すぐに僕達は白虎賊の本拠地に向かいました。

目と鼻の先にまで近づくと、前方の道から白虎賊の厳興なる人物が数人の供と共に和睦に来ました。どうやら厳興は白虎賊の副団長のようです。

 

僕達全員が居る天幕に厳興はやって来ました。厳興は無駄な事を無駄に喋り、やっと本題かと思ったら…雪蓮に卑猥な言葉を吐きました。

 

「下種だね」

僕は剣を抜き、厳興を斬り殺しました。

 

「何をしてる!?牙連!?」

驚いた表情を冥琳していました。

 

「大将を、雪蓮を馬鹿にしたんだよ。それに元々討伐に来たんだから別に問題は無いでしょう?」

そう言うと何故か冥琳は溜め息をついていました。

そのあと雪蓮が言葉を発しました。

「私がやりたかったかわ。すぐ牙連がやっちゃうんだもん」

ぶーぶー文句を言われました。そんな姿もやっぱり可愛いなぁ。

 

その後、白虎賊を討伐しました。

 

 

 

 

雪蓮は袁術に白虎賊の討伐を報告し、休みを貰いました。

戦続きだったので、皆喜んでいました。

 

宴会をやる事になりました。

忙しくできなかった戦の勝利祝いと僕の歓迎会です。

 

飲んで騒いで皆楽しそうです。冥琳は酒を飲みながら部下を叱り、祭さんは部下と飲み比べをしていました。僕は雪蓮に何度も恋愛面の話を尋ねられました。

 

「だ〜か〜ら〜、好きな子教えてよっ。誰なの?」

 

「内緒だよ」

僕は苦笑いで答えました。

 

「いいじゃないケチね。お姉ちゃん悲しいわ」

雪蓮は、よよと泣き真似をしていました。

泣きたいのは僕の方なのにな…

 

「…内緒だよ」

力なく僕は答えました。

 

 

しばらくして宴会は終わりました。

雪蓮は酔っ払い足がふらふらだったので、僕が肩をかし部屋に向かっていました。その途中で、また雪蓮は僕に恋愛の話をふってきました。

 

「牙連の好きな子は誰なの?」

 

「…そんなに、知りたいの?」

 

「うん!知りたい!」

目を輝かせて雪蓮は笑っていました。

 

「部屋に着いたら教えてあげるよ…」

 

「ほんと!やった!早く行くわよ!」

 

 

部屋に着いて、寝床に雪蓮を座らせました。

 

 

「早く!早く!」

 

「じゃあ…、耳寄せて」

 

「うん!」

 

雪蓮の頬に手を添え、僕は素早く一瞬で唇に接吻しました。

あまりに雪蓮が笑顔で腹が立ち、やってしまいました。

 

「僕が好きな人は、雪蓮だよ」

 

「………」

 

呆然としていた雪蓮を置き去りにして僕は部屋を出ました。

 

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