孫呉ルート   作:眼鏡最高

9 / 10
「一騎打ち」と「決闘」
無理矢理、合わせました。

タイトル違いますが後編です。
ごめんなさい。



8、一騎決闘

 

派手な剣戟の音が響き渡った。

 

「いきなりねー」

女は驚いたような顔で言ってはいたが。

 

「あれぐらい、どうって事ないだろ」

俺がニヤリと笑うと。

 

「ふふっ、まぁね」

女もニヤリと笑った。

 

たぶん女も強い敵と戦いたかったのだろう。さっきまでは物憂げな表情だったが、今は目を爛々と輝かせてる。

 

「あんた何やってんすか!?」

後から追いかけて来た陳武が大声を出していた。

 

「あ?見るからに名のある武将だろ。討ち取った方が良いだろうが。野暮な事はすんなよ」

ぶっちゃけ最近あまりに暇だったから体を動かしたい。つか戦いたい。

 

「あれ?私のこと知らないの?」

女は不思議そうな表情をしていた。

 

「会ったことあったか?」

こんな良い女に出会ったら忘れないはずだが…

 

「あははっ、ないわね」

何故か女は、ほがらかに笑っていた。

 

「せっかくだ降りてやらねぇか?」

顎をしゃくって指し示せば。

 

「ふふっ、いいわよ」

かろやかに頷いた。

 

「話がわかる女だ」

「あなたも話がわかる男ね」

 

「俺の名は『太史慈子義』だ」

「私の名は『孫策伯符』よ」

 

「「いざ、尋常に勝負」」

女は、最高の笑顔になっていた。

もちろん俺もだが。

 

お互いに駆け出した。俺が横薙ぎの一閃をすると孫策は避けずに受け止めやがった。しかも逆に押し返してきた。馬鹿力が!

その後は孫策が矢継ぎ早に仕掛けてきた。剣を、受け流し、かわし、受け止め、俺やや押され気味。つうのも孫策がまったくフェイントに引っかからない。

態勢を崩したように見せて俺は剣を受け止めた。そこで、足を入れようとしたら、これも防ぎやがった。マジでブラフは意味がないな。

 

数十合、斬り合った。

そこで初めて孫策の隙があった。

自然に体が動いた。そして刀を振り上げた瞬間、ヤバイと直感した。この女が戦いのさなかに隙を見せるか?

 

しかし、もう止まらねぇ。

仕方なしに俺は刀を伸ばした。その反動も使い、足に力を込め、後ろへ飛んだ。

 

孫策の髪飾りを切った。

が。

俺は前髪を切られた。

 

そして俺達は、いったん距離をおいた。

決着を着けようと、お互い走り出そうとした時。

 

「雪蓮!!」

その声に、俺と孫策はギクリと動きを止めた。むしろコケる勢いで動きを止め、俺達は停止した。

 

もう一度、距離を取りなおして、孫策は振り返り、俺は孫策の後ろに目をやった。

 

「マジかよ…」

馬に乗り、颯爽と周瑜が到来した。

 

周瑜は馬から降りると孫策につめより、当主の自覚が足りない、一人で突っ込むな、などなど俺にまで聞こえる声でガミガミと説教をしていた。

 

ようやく話し終えると、孫策はしょんぼりしていた。そして、やっと周瑜は俺の方に顔を向けた。

 

「太史慈子義」

やっこさんはガン睨みだ。

 

「よう、久しぶりだな周瑜公瑾」

昔の事は水に流そうぜ、的な感じで話しかけたが。

 

「なにが久しぶりだっ」

さらに周瑜は睨んできた。周瑜が目で殺せるなら、俺は死んでただろう。そんぐらい周瑜は俺を睨んでいる。

 

「あれ?冥琳と知り合い?」

孫策は戦う気が失せたのか、すっかり気が抜けた雰囲気になっていた。しかし気を抜きすぎだ。

 

「んー?んー、ちょっとな」

まぁ俺もすでに戦う気は失せていたがな。

 

「甘皮一枚分すら知り合いでは無い」

吐き捨てるように周瑜は言葉をはっした。

 

ん?つか待てよ?雪蓮って?

「もしかして…、牙連のイトコか?」

 

「えっ、そうだけど?牙蓮の知り合い?」

 

「そうだな。牙連とは友人だ」

 

牙連との知り合った経緯をおおまかに孫策に話した。今は元気か、どうしてるかなど、牙連に関した事をお互い雑談するように話していたら。

 

「雪蓮!何を敵と雑談してる!」

周瑜が怒り心頭していた。

 

「そんな怒らないでよ冥琳。小じわが増えちゃうわよ」

 

「誰のせいだ!」

 

漫才のようなやり取りが終わり、孫策が俺に向き直った。

 

「この決着は、また今度ね」

孫策は笑っていたが。

 

「首を洗って待っていろ」

あいもかわらず周瑜はガン睨みだ。

 

「またな。おーう…」

なんだかなぁ…

 

二人は馬で駆けて行った。

 

なんか疲れた、精神的に。

 

はぁ…

 

「帰るか、陳武」

 

「そうっすね」

 

 

 

 

数日後。

劉ヨウは逃げ出した。

 

配下のおやじ共。

于縻がやられ、樊能がやられ。

笮融がやられ、薛礼がやられ。

ビビった劉ヨウは逃げた。

 

俺も、もう付き合いきれない。

部下が死んで逃げるなどクソだ。それに、まだ孫策と決着がついてない。一応は劉ヨウには話を通そうと思ったが、すでに逃げた後だった。逃げ足、早すぎ。

 

で、何故か俺を慕い残った兵士どもがいた。

こいつら孫家の兵数の知ってんのかね。あきらかに無謀な勝負だ。つか勝負にすらならない兵数の違いだ。

 

まっ、出来ることを今はやるかね。

とりあえず近くの盗賊をスカウトする事にした。

 

まず数ある盗賊団を調べ上げ、選別し、そののち大勢の兵を引き連れて、盗賊団を囲みこみ、盗賊の頭と一騎打ち、ぶち倒し、無理やり部下にした。

 

そんな事を五回ほどやってたら、孫家の奴等すぐに攻めてきた。あちこちで反乱があり鎮圧に時間がかかると思ったが早いな、おい。苛烈すぎる勢いだろ。

 

はい。都を囲まれた。

四面楚歌、これで二回目か。

包囲され終わり、どうするか考えていたら、牙連が兵の中から門の前に出てきた。

 

「我が名は孫瑜仲異!太史慈子義殿に一騎打ちを申し込む!返答はいかに!」

馬鹿でかい声で言い放ちやがった。

 

「あの野郎…」

やってくれるぜ。くっくっくっ。

思わず笑い声がもれた。

 

「陳武、俺が負けたら逃げるか降伏しろ。後は任せた」

さっさと出ようと階段を降りながら言うと。

 

「俺っすか?」

 

「他に任せられるような奴、いねぇだろ」

 

「うーす、わかりました。ご武運を」

陳武の言葉を最後まで聞かず、俺は階段を降りた。

 

 

門の前まで移動し。

「開門しろ!」

でかい扉が開いた。

 

 

「よう。久しぶりだな」

俺は牙連の数歩前で立ち止まった。

 

「うん。久しぶりだね」

笑いながら牙連は穏やかに返事をした。

 

「お前と一騎打ち出来るとはな。やっぱ孫策の為か?」

 

「うん、そうだよ」

 

「歪みないねぇ。つか、えらくゴツイ武器だな」

牙連は分厚い正方形の片刃の武器を持っていた。

 

「うん、まぁね」

 

「長く話すぎたな。やるか」

 

「うん」

牙連は儚げな表情をしていた。

 

 

 

「我が名は太史慈子義!いくぜ!孫瑜仲異!」

初撃をかわした奴はいないぜ!牙連!

蛇腹刀を伸ばし、牙連に向けて放った。

 

牙連はよけるそぶりも見せず刀を構えた。そして、刀がぶつかりあった。一歩もたりとも後ろに下がらず、牙連の奴は受け止めやがった。

 

「マジかよ…」

冗談だろ…

 

「蛇腹刀、使えるようになったんだね」

やる気のある顔を牙連は見せていた。

 

「ちっ、人間成長するもんだから、なっ!」

蛇腹刀を戻し、横に薙ぎはらったが、牙連は飛んでかわし距離を詰めてきた。

 

「そうだね。誠、本気で行くよ。死なないでね」

駆けながら牙連は武器を振り上げた。

 

「はっ!誰が死ぬか!来いよ!」

蛇腹刀を戻し、俺も斬りかかった。

 

刀がぶつかり合った瞬間。

景色が流れた。

 

あぁ俺が後ろへ吹き飛んでるのか。

何故か意識はゆっくりしていた。

しかし体が動かねぇ。

 

そして背後から多大な衝撃がきた。

がはっ、息、止まるぜ。

 

あぁ、目の前が暗くなる。

ちくしょう…

俺の負け、か…

 

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