暗殺教室~拳法家の青春物語~   作:GGG-EX

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倉橋陽菜乃誕生日記念小説です。

どの時期かは本編中で


特別編
誕生日の時間


―――10月中旬

 

中間前に起きた交通事故から若葉パークへの無償奉仕に始まり、中間テストの惨敗に続きその後に起きたイリーナ先生離脱未遂を含んだ死神戦まで終わったある日の昼…

 

「むーーーっ(頬ぷくー)」

 

((((((((陽菜乃ちゃん(倉橋さん)、怒ってるなー))))))))

 

陽菜乃はめっちゃ怒っていた、まぁ理由は一目瞭然ではある、何せ…

 

「(ジーーーッ)これか…いやこっちも…」

 

恋人である龍哉が一心不乱に雑誌を読んでいるからだ…しかし、普通ならばこんなに怒ったりはしないだろう。

 

だが、龍哉が読んでいるのは『普通』の男性用雑誌とかではなかった。

 

読んでいるのは…女性向けファッション誌であった。

 

ぶっちゃけ中学生男子が夢中になって読むような雑誌じゃない。

 

しかし、読んでいる理由はほぼ全員察している、気づいていないのは渚と陽菜乃、愛美位なものだろう。

 

だが、他にも理由があるかもしれないと意を決して桃花が話しかけたら…

 

「いいよね、桃花ちゃんは、凛香ちゃん、菅やんと一緒に龍君とお出かけしたんだから…私なんてここ最近登校する時と学校にいる時しか一緒に居られないのに…」

 

見事に地雷を踏み抜いた。

 

ちなみに真相は龍哉が創介に頼んで一緒に買い物に行っていたところに桃花と速水が偶然合流したというだけなのだが…それを言っても無駄な可能性が高い。

 

そしてそこで『デート』という単語を使わないあたり、その4人ではそういうことにはならないと思っているのか、はたまた認めたくないのか…

 

取り敢えず、クラスメイト達の気持ちを一言でいうなら…

 

((((((((さっさとどうにかしてくれ!!いくらでも手助けしてやるから!!))))))))

 

==========

 

―――放課後

 

この日も龍哉は陽菜乃と一緒に下校せず、創介と商店街に行った。

 

そこの雑貨屋であるものを龍哉達は見ていたのだが…

 

「ん~~」

 

「やっぱ、中々ねえな…こないだ速水にも協力してもらったのにな」

 

「でも、他のにするのは…色々な意味で嫌だ」

 

「まぁな、でもさっさと決めないとまずいぜ、日にちも、倉橋の機嫌もな」

 

「分かってるさ…でも…しっくりくるのが…お」

 

創介の忠告を聞いて龍哉がちょっと視線を広げた先に、目的とは微妙に外れているが、龍哉の琴線に触れるものがあった。

 

「創介、例の」

 

「はいよ」

 

創介が出したあるものを使い、さっき見つけたものを合わせると…

 

「…!!こ、これだ!!」

 

「お、確かにいいな…決まりか?」

 

「ああ、サンキューな、創介!!」

 

「いいってことよ」

 

しっくりきたものがあったのでそれを購入し、龍哉は創介に礼を言う。

 

「これで…準備は万端だな」

 

「喜んでもらえるといいな…まぁその前に」

 

「…ああ、何とか機嫌取らないとな…」

 

「そっちは頑張れとしか言えねぇがな」

 

「流石に手を借りる気はないさ…自業自得って言っても過言じゃないし」

 

「言えてんな」

 

そう言って2人はひとしきり笑いあった後、互いに帰宅していった。

 

==========

 

―――数日後、誕生日当日の放課後

 

「皆、用意は良い?」

 

「「「「「「「「「「「おう(うん)!!」」」」」」」」」」

 

掛け声とともにメグをリーダーに数人の生徒が殺せんせーの暗殺に挑みかかる。

 

また、別の方向からは…

 

「準備はいいか?」

 

「「「「「「「「「「うん(はい)!!」」」」」」」」」」

 

同じく悠馬をリーダーに別のグループが殺せんせーの暗殺を敢行する。

 

そして2グループは合流と分割を繰り返して殺せんせーが教室から離れられないように暗殺を実行する。

 

しかし…

 

「ニュ~…皆さん、今日は一段と真剣ですが…殺気はそれほど強くありません………そういえば…いつもは覇月君と倉橋さんもいるのに今日はいませんね…まさか!!」

 

殺せんせーも龍哉達がいないことに気づき、どうして他の生徒達が離れようとするタイミングで暗殺してくるのか察する。

 

「ヌルフフフフフ、ですが皆さん甘いですね…せんせー自ら行けなくても律さんが「すいません、殺せんせー、流石に今日は嫌です」ニュヤ!?なぜですか律さん!!」

 

ならば、と自分が飛んでいこうとすると遠距離射撃による狙撃から生徒達が暗殺を仕掛けてくる。

 

「今日は絶対に行かせません!!」

 

「絶対にね!!」

 

「どうしてですか!!せんせーは生徒達の恋愛を見守る義務が「「「あるわけねーだろ!!この糞でばがめ教師!!」」」ひどい!!」

 

こうしてこの日、殺せんせーは日暮れギリギリまで暗殺を仕掛けられ、その後は生徒達が次々と各教科に対する質問をして家から家へと回る羽目になるのだった。

 

==========

 

―――椚が丘市内

 

ここで龍哉と陽菜乃はゆっくりとデートを楽しんでいた。

 

「でも今日は珍しいね~私達以外の皆で暗殺なんて」

 

「…そうだな(やっぱり、覚えてないのか)」

 

「で、今日はどこ行くの?」

 

「ああ、前に行きたいって言ってたところがあるだろ?そこに行くよ」

 

「ホント!?やった~!!」

 

「(この笑顔見ると…今日まで引き延ばしておいてよかったと思う)フフ、もうすぐだよ」

 

「うん!!」

 

龍哉と陽菜乃は少し歩いて目当ての店につく。

 

そこはアニマル喫茶だった。

 

犬、猫、猿に梟の他にポニーやミニブタといったこういう喫茶店では珍しい動物もいる。

 

「わあぁぁぁぁぁ~~~(キラキラ笑顔)」

 

「(無言で無音カメラで撮る)ほら、あそこ、空いてる席に行こう」

 

「うん!!」

 

そうして席について動物達と戯れながら龍哉はコーヒーを、陽菜乃はオレンジジュースを飲む。

 

「動物達とこうやってすごせて、龍君と一緒にお茶とかサイコ~~~!!」

 

「それは良かった…(やっぱ気づいてないか…それじゃ、そろそろだな)」

 

龍哉がお店のスタッフに手で合図を陽菜乃に見えないように出し、それを見たスタッフも頷いて用意に入る。

 

そして数分ののち…

 

「お待たせいたしました」

 

「へ?」

 

「こちら、倉橋陽菜乃様へ覇月龍哉様からの誕生日ケーキとなります」

 

「…ふえ?」

 

「誕生日おめでとう、陽菜」

 

「……えぇぇぇぇ!」

 

龍哉はいたずらが成功した子供のような顔で笑っている。

 

対する陽菜乃はかなりびっくりした顔だ。

 

いつのまに、なんで、どうして、とでも言いたいのか顔を百面相させている。

 

その間に店員はケーキを置いていき、再び2人だけになっていた。

 

「龍君、私の誕生日…覚えてたんだ」

 

「もちろんさ、大切な人が生まれた日だからな…生まれてきてくれてなければ、こういう風に会うこともできなかったんだからな」

 

「…うん、ありがとう」

 

「それと…これを」

 

龍哉は以前創介に協力してもらって購入したものを陽菜乃に渡す。

 

「これって…」

 

「ああ、誕生日プレゼント…創介や速水さんや桃花さんにも手伝ってもらったけどね」

 

「……あ!!」

 

そこで陽菜乃はここ数日龍哉が自分と行動せず、創介と行動し、速水と桃花と一緒に居たのか察した。

 

そして、ちょっとひどいことを速水と桃花に言ってしまったことを憂うが…

 

「大丈夫さ、保険として先にそういう事をフォローしておいたから」

 

「…さすが龍君」

 

そして陽菜乃は綺麗に包装された包みを開けて、中のものを取り出す。

 

「これは…」

 

「最初は昔リボンもらったからそういうの探してたんだけど…いいのなくてさ…でも、それなら陽菜乃に似合うと思って」

 

「か、可愛イイ~~」

 

龍哉が陽菜乃に渡したプレゼントは左右に黄色の小さなリボンが付き、デフォルメされた動物の絵柄が描かれているオレンジ色のカチューシャだった。

 

陽菜乃はそれをさっそくつけてみる。

 

「似合う…かな?」

 

「ああ、よく似合ってるよ(喜んでもらえてよかった)」

 

「えへへ」

 

その後、2人はケーキを堪能しつつ動物達と戯れたのだった。

 

==========

 

―――倉橋家

 

本日は陽菜乃の誕生日という事で当然倉橋家でも誕生日パーティーが開催されるのだが…

 

(俺…場違いじゃね?)

 

なぜか龍哉がいた、しかも陽菜乃の親父さんにスっごく睨まれてる。

 

言っておくと龍哉がここにいるのはデート後陽菜乃を家まで送り届けたら陽菜乃の母親と会い、パーティーに参加してほしいと親子から言われたためである。

 

(…なんで?俺なんかしたっけ?)

 

龍哉はなぜ睨まれているのか分からず頭をフル回転させて考えるが全く分からない。

 

「お前が…陽菜乃の彼氏か?」

 

「あ、はい…お嬢さんとお付き合いしている覇月龍哉です」

 

そう言って頭を下げる龍哉…ちなみに陽菜乃は母親と一緒に料理中のため助けは求められない。

 

「…いつからだ」

 

「……6月からです」

 

「…………そうか」

 

ところ変わって台所

 

「あらあら」

 

「…お父さん、龍君に変な事言ってないよね」

 

「例えば?」

 

「『娘と付き合いたくバオレを倒してみろ!!』とか?」

 

「ちなみに言ったらどうなるの?」

 

「…龍君、結構表裏ないし、そういう例えって分かんないから本当にやりそう…」

 

「それで、龍哉君はどれくらい強いの?お父さんも結構強いんだけど」

 

ああ見えて格闘技経験あるし、と陽菜乃の母は付け加えるが…

 

「…龍君、お父さんやお祖父さんから格闘技習ってるし、それにお母さんが生物に詳しくて人体急所も良く知ってるし…」

 

「あら、それじゃいい勝負になるのかしら?」

 

「冷静に立ち回るし、手足もお父さんより長いから一方的にお父さんやられると思う」

 

「あらあら、それは恋人のひいき目?」

 

「…ううん、純粋に龍君とお父さんの実力差を考えただけ」

 

「そう…」

 

そう言って料理作りを再開する2人、ちなみに先の会話の後龍哉達はずっとだんまりだったことをここに加えておく。

 

そして料理が完成し、パーティーが始まったのだった。

 

==========

 

―――パーティー後

 

「ほら、陽菜乃、プレゼントだ」

 

「あ、お父さん、ありがとう」

 

「はい、陽菜乃」

 

「お母さんもありがとう」

 

「あら、龍哉君は?」

 

「龍君からはもうもらってるの、これ」

 

そう言って陽菜乃が頭につけているカチューシャを指さした。

 

「あらあら、そうなの」

 

「呼ばれるとは思っていなかったので」

 

「ふふふ、でも陽菜乃も忘れてたものね」

 

「うう…」

 

「こっちとしてはサプライズが出来たので問題ないんですけどね…と」

 

「あら、もういい時間ね」

 

「…あれ?龍君今日家に誰もいないって言ってなかった?」

 

「ん?ああ、だけどこれ以上「なら、今日は家に泊まっていったら?」…え?」

 

「何!!認めんぞ!!」

 

「(親父さんナイス!!)いえ、泊まる用意とかありませんし」

 

「大丈夫よ、お付き合いしている以上こういう日が来ると思って用意しておいたから」

 

「「なんで!?」」

 

陽菜乃の母親の発言に龍哉と陽菜乃の父は突っ込む。

 

「あら、あなた…何か文句がおありで?」

 

「何でもありません」

 

そしてそれに対しては陽菜乃の母の凄みのある笑みで一蹴された。

 

「(親父さん…)…まぁ、用意は良いですけど…どこに?」

 

「もちろん、陽菜乃の部屋よ」

 

陽菜乃の母から出てきた言葉にさすがの龍哉も言葉を失い、陽菜乃は顔を真っ赤にしている。

 

「さ、それじゃお風呂に入って…あ、一緒に入ってもいいわよ」

 

「「入りません!!」」

 

こうして、なかばなし崩し的に龍哉の倉橋家お泊りが成立したのだった。

 

==========

 

―――陽菜乃の部屋

 

風呂も上がり、龍哉はそこでちょっと安堵していた。

 

ちゃんと布団が別に用意されていたのだ…もし一緒のベッドで、とかだったら流石にきつい。

 

「龍君、お待たせ」

 

「あ、い、いや…(/////)」

 

龍哉は戻ってきた陽菜乃を見て思わず赤面して顔をそらす。

 

なにせ覇月家にしろ沖縄旅行では寝巻姿はジャージか浴衣だったのでキャミソールにホットパンツというラフな格好を見たことが無かったのだ。

 

そんな龍哉に対して陽菜乃はごく自然に近づこうとするが…

 

「キャ!」

 

「!!陽菜!」

 

やはり緊張していたのと普段と違い布団があるためそこに足を取られ、転びかけたところに龍哉が助けに入る。

 

だが…

 

フニョン

 

龍哉が伸ばした手はちゃんと陽菜乃を支えていたが…つかんだ場所は…胸だった。

 

「り、龍君…」

 

「っ!!ご、ごめん!!」

 

慌てて手を離してはなれようとする龍哉に対して陽菜乃は…

 

「ま、待って!!」

 

手を掴んで止めたのだった。

 

「え…」

 

「じ、事故だからそんなに気にしてないし…何より…その…」

 

「その?」

 

「龍君にだったから…いいかなって」

 

「…他の奴だったら?」

 

「たとえお父さんでも許さない」

 

「(安心すべきかかわいそうにと思うべきか…)そ、そう…と、取り敢えずもう休もう、明日も早いし」

 

「…龍君、今日私の誕生日だよね?」

 

「ああ」

 

「だからね…その…もう一個だけ、プレゼント、お願いしてもいい?」

 

「あまり無理なこと以外なら」

 

「だ、大丈夫…私と…その…一緒に…一緒の布団で寝てほしいの…ダメ?」

 

ちなみにこのとき陽菜乃は龍哉の真ん前に座り込んでいるため、目線は上目遣いとなり龍哉の心はガンガン揺さぶられているが、さらに悪いことがあった。

 

「(さ、さっきチラッとだけどむ、胸が見えた…我慢できそうにないし)…我慢できなくなってもいいなら」

 

「り、龍君だったら…私は…いつでも」

 

「…それじゃ、遠慮なく」

 

そういうと龍哉は陽菜乃に深いキスをすると同時にベッドに押し倒した。

 

「龍…君」

 

「陽菜」

 

互いに名前を呼び合うと再び重なり合い、濃くて幸せな一晩を過ごしたのだった。

 

 




今回はあとがきコーナーなしです。

あまり甘くならないように気を付けました。

でも甘いよな、これ
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