暗殺教室~拳法家の青春物語~   作:GGG-EX

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学ランを来た別の学校の修学旅行生たちにさらわれた倉橋、神崎、茅野、片岡、矢田。

絶体絶命のピンチに龍哉、カルマ、渚、杉野、磯貝、木村、奥田が駆けつけた。

それで暗殺修学旅行番外バトルレディィィィィゴォ!!!


修学旅行の時間:4時間目

「で、どーすんの?お兄ーさん達」

 

「これだけの事しでかして、ただで済ませる気はこっちには毛頭ないけどね」

 

「…フン、中坊がいきがんな」

 

そうリーダー格の男がいうともう一方のドアから足音が聞こえてきた。

 

「呼んどいたツレ共だこれでこっちは20人、お前らみたいないい子ちゃんには見たこともない不良共だ」

 

「たかが不良なんて、怖くないね」

 

「あ゛?」

 

龍哉の返しににらみつけるが、ドアが開いたことで全員の意識がそっちに向くが…

 

入ってきたのは丸坊主にされ、ビン底眼鏡をかけた7人の男と…

 

(ふりょっ…えっ!?)

 

「不良などいませんねぇ、先生が全員手入れをしてしまったので」

 

「殺せんせー!!」

 

龍哉達の担任、殺せんせーだった。

 

「遅くなってすみません、ですが覇月君と磯貝君がしっかり連携を取ってくれたおかげで、この場所は君達に任せて、他の場所を虱潰しに探す方法が取れました」

 

「前原君と岡野さんは?」

 

「彼らなら心配いりません、烏間先生達がしっかりと手当てもしてくれました」

 

「…で、何その黒子みたいな顔隠しは」

 

「暴力沙汰ですので、この顔が暴力教師と覚えられるのが怖いのです」

 

「「チキンか!!」」

 

「覇月君、磯貝君、渚君がしおりを持っていてくれたから先生達に迅速に連絡を取れたので、これを機に全員ちゃんと持ちましょう」

そう言って奥田、カルマ、木村、杉野にしおりが手渡される。

 

「……せ、先公だとぉ」

 

「ふざけんな!!なめたかっこうしやがって!!」

 

殺せんせーに男達がとびかかるが…

 

「…ふざけるな?」

 

顔を黒く、ド怒りの表情で素早く触手を振るいとびかかってきた連中の顎を払いダウンさせる。

 

余りの早さだったため男達は何をされたのか全く分からなかっただろう。

 

「なぁ、あれって」

 

「こないだ俺が教えたやつは今の殺せんせーの芸当の応用だよ、本来は今みたいのが普通なんだ」

 

と、会話から分かるように今の殺せんせーの行動は龍哉達はギリギリ理解できたようだ。

 

「ふざけるなはこっちのセリフです、ハエが止まるようなスピードと汚い手で…うちの生徒に触れるなどとふざけるんじゃない」

 

「…ケ、エリート共は先公まで特別性かよ」

 

「(小声で)殺せんせー来なかったら全員壁から下半身生えてるオブジェになってたって教えてあげるべき?」

 

「「(小声で)何する気だ!!」」

 

「てめーも肩書で見下してんだろ?バカ高校と思ってなめやがって」

 

そう言って立ち上がってナイフを構えたリーダー格の男に対して龍哉が言う。

 

「バカ高校かどうかは知らないし、関係ないね」

 

「あ?」

 

「あんたらが周りからどういわれていようが、なにされてようが今この時には全く関係ない…あんたらは俺の大切な友人をさらって傷つけようとした犯罪者、ただそれだけだ」

 

「覇月…?」

 

はっきりと『犯罪者』と告げた龍哉の目は…怒りに染まっていた。

 

全員が戸惑っているのは龍哉がこういった人質をとるような行為を嫌う、というのはみんな初めて知ったためだ。

 

「それと、俺達は名門校のエリートなんかじゃねぇよ」

 

「ええ、学校内では差別され、クラスの名前は差別の対象となっています」

 

それを聞きながらじりじりと下がっていく男…その後ろには…倉橋がいた。

 

「ですが、彼らはそこで様々な事(・・・・)に実に前向きに取り組んでいます、君達のように他人を水の底に引っ張るような真似はしません」

 

「学校や肩書など関係ない、清流に棲もうがドブ川に棲もうが、前に泳げば魚は美しく育つのです」

 

「………………!!」

 

その言葉に反応したのは神崎だ。

 

「さて私の生徒達よ、彼らを手入れしてあげましょう」

 

その言葉に答えるように龍哉以外がしおりを持ってリーダー格以外の男の後ろに立ち…

 

「修学旅行の基礎知識を、体に教えてあげるのです」

 

その瞬間、全員が何のためらいもなく男達の脳天にしおりを振り下ろした。

 

重い一撃を食らった結果、残すはナイフを持ったリーダー格のみとなった。

 

「これで後はあんただけだな…早くその子たちを開放しろ」

 

「…ふざけんな!!」

 

言うや否や倉橋の腕をつかんで立たせると顔の前に手を回し、空いた手でナイフを倉橋につきつける。

 

「ひっ…」

 

首元にあるナイフにおびえ、悲鳴を上げる倉橋…それを見た龍哉の足元から、煙が立ち上り始めた。

 

「…その子を離せ」

 

怒ってはいるが精一杯抑えるような声で龍哉が言う…手は固く握られ、腕は震えているため、相手にはビビっている印象しか与えないのだろう…事実

 

「はっ…俺らが十分に楽しんだら離してやるよ」

 

完全に優位に立ったと思い違い、こうすれば全員引くと思いこんでいる。

 

しかし…

 

「……最後通告だ…その子を…離せ」

 

龍哉の表情はうつむいてて見えないが…表情が見えなくても龍哉が怒っているのは仲間であるE組の皆は分かった。

 

以前、秀治に龍哉が怒るとどうなるか教えられていたためだ。

 

龍哉は怒ると体を震わせ、全身から赤い気を発して熱を出し、足元から煙が立ち上る、と…

 

そのうえ、その状態ではかなり体が熱くなっているため、下手に触れるとやけどするため極力言葉で落ち着かせないと自分達にも被害が及ぶことまで教えられていたためどうにかしたいと思っている…

 

しかし、今の龍哉を見るのが初めてのため、どうしても全員戸惑ってしまう。

 

そんな全員の困惑を知らない男は声をあげる。

 

「てめぇみてえなガキのいう事なんざきくきはねぇよ!!こいつの顔に一生ものの傷をつけられたくなかったらさっさと去りな!!」

 

「そうか…」

 

そう龍哉が言って足を一歩踏み出した瞬間

 

ゴォ!!

 

龍哉を中心に気の暴風が吹き荒れ、周りの物を吹き飛ばし、窓ガラスが割れ、壁にひびが入る。

 

「な、なぁ!?」

 

「!!」

 

余りの事態に全員驚く。

 

そして龍哉が顔を上げると…その両目は怒りで真っ赤に染まっていた。

 

しかし、そんな龍哉を見ても倉橋はおびえず、むしろ何かを決意した表情になった。

 

龍哉はそんな倉橋に気づかず、一歩一歩確実に倉橋達の方に近づいていく。

 

その距離があと数歩となったタイミングで倉橋が大きく口を開け

 

「えい!!」

 

その一声と共に思いっきり男の手に噛みついた。

 

「いでぇ!!」

 

余りの痛みに倉橋を手放してしまい、その隙を龍哉は逃さず攻撃に移り…

 

ゴシャァ!!

 

龍哉のとび膝蹴りが相手の側頭部を的確にとらえ、その衝撃で吹き飛ばされる。

 

また先程の倉橋の行動によって少し頭が冷えたのか冷静に動けたため、倉橋を抱き留めて無事を確認する。

 

「…倉橋さん、無事でよかった」

 

「ううん、覇っ君ならちゃんと助けてくれるって信じてたから…助けてくれてありがとう、覇っ君」

 

龍哉の目をしっかりと見てそういう倉橋に龍哉も

 

「…ああ」

 

少し顔を伏せながらもちゃんと返すのだった。

 

「これで、一件落着ですねぇ」

 

「まぁ…ね」

 

==========

 

「うわ、もう夕方かよ」

 

「かなり時間たってたんだな」

 

「しかし…何かありましたか神崎さん?」

 

「え?」

 

「ひどい災難いあったので混乱しててもおかしくないのに…何か逆に、迷いが吹っ切れた顔をしています」

 

「…特に何も殺せんせー、ありがとうございました、覇月君もありがとう」

 

「いや、俺は…」

 

「覇月君」

 

礼を言われても答えを濁す龍哉に殺せんせーが声をかけた。

 

「君の行動は立派でした。人質を取られたからといって取り乱さず、怒りにかられず至極冷静に対処しました」

 

「でも…」

 

「覇月君、もし自分がもっとしっかりしていたらまず人質に取られなかったと思っているのならそれはただのうぬぼれ、自信過剰ともいえます」

 

「えっ」

 

「確かに君には力がある、ですが、こういう事態の経験は自分自身がなった時のものしかありません」

 

「!!」

 

「君は自分がそういう経験をしているからこそ人に同じ思いをさせたくないと思っているようですが、それだけではだめです」

 

そう言いながら殺せんせーは顔をオレンジにして×字を浮かべ、触手でも×マークを作る。

 

「そうしないようするにはどうすればいいのか、どう動けばいいのか、覇月君、君はそれを全く考えていません」

 

「…」

 

「思っているだけではだめです、そして知らないのでしたら人に相談するなりしてください、もちろん、先生は全力で答えますよ」

 

「…はい、ありがとうございます、殺せんせー」

 

「なぁ覇月、俺らも今後こういうのに巻き込まれないとは限らないからさ、護身術とか教えてくれないか?」

 

「磯貝君?」

 

「あ、私も」

 

「神崎さん?」

 

「あ、それいいかも」

 

「うん、烏間先生と同等の強さを持ってる龍哉に教えてもらえばまたこうなった時に対処できるよね」

 

「…いいのか?」

 

「うん!!」

 

「もちろんです!!」

 

「…分かった、でも、他の皆にも聞いてね、今回の件からそう思ってる人他にもいるかもしれないし」

 

「もちろんだ、じゃあ食事の時にでも聞くか」

 

「そうね」

 

そして龍哉に教えてもらう日程とかを話始めたが、中心である龍哉はなにかを思い出したのか夕日を見つめていた。

 

(…そういえば…あの子に…ひなちゃんに会った時もこうだったな)

 

思い出したのは昔であった少女の事だった。

 

(あの日…あの日も、こういう風に人に教えてもらって気持ちが良くなったっけ)

 

==========

 

龍哉は祖母に呼ばれ、両親と共に京都に来ていた。

 

呼ばれたのは子供服のモデルをしてほしいという事であり、祖母の役に立つならと1日だけという条件の元引き受けたのだが…

 

(なんで何日もなんでこんなことばっかりしなくちゃいけないんだろう…)

 

既に3日ほど経過しており、龍哉は両親と終わった後の予定がなかなか消化できないことに内心イライラしていた。

 

だが、龍哉の容姿に加えて祖母の祖母バカが発動してしまい、長時間拘束されている。

 

(…よし、脱走しよう)

 

なんでそんな考えになったのか今となっては思い出せないが…

 

(確か、トイレの窓の近くに木があった、そこから外に出られるはず…よし、準備していこう)

 

そう思うや否や、龍哉は素早く自分の部屋に戻ると動きやすい服装に着替え、財布をポケットに突っ込んだ。

 

(…一応確認しておこう)

 

龍哉が何かに警戒して服を確認すると発信器と思われるものが上下で見つかった。

 

(…母さん、絶対警戒してたな)

 

もちろん警戒しているのは脱走ではなく誘拐や迷子だが…今回脱走する時には邪魔でしかないため外して…

 

(…ばれた時のためにダミーとして持っていこう)

 

持っていくことにした。というかこいつ本当に5歳児だろうか…ここまで普通は考えないだろう。

 

(よし、行こう!!)

 

そのままの勢いでトイレに行き、窓から飛び出て木に飛び移り枝を伝って外にでる。

 

そしてそのまま京都市内を歩き回る。

 

と、そこに…

 

「うぅ~…ここどこぉ~」

 

涙目の女の子がいた。

 

「…どうしたの?」

 

龍哉は両親に祖父母の教育により、困っている人、特に泣いている女の子に対しては親切にと教えられている。

 

「…パパとママとお兄ちゃんたちとはぐれちゃったの」

 

「はぐれたんなら探しているんじゃないの?」

 

「…でもパパたち、私がよくちょうちょとか追いかけていくから…どこを探したらいいかわからなくて…かんこーちを見てるかも…」

 

(どんな家族!?なんなのこの子!?)

 

「今日も珍しいちょうちょ見て…それで…」

 

「…そう」

 

龍哉は少し考え込むと…

 

「じゃあさ、一緒に観光地行こうよ、そうすれば会えると思うよ」

 

「いいの?」

 

「うん、ただ遠いところには行けないけど」

 

「大丈夫!私でも歩いていけるところにしか今日は行かないって言ってたから」

 

「じゃあ行こう!!…あ!!」

 

「どうしたの?」

 

「はぐれちゃだめだからさ、はい」

 

龍哉が右手を差し出す。

 

「うん!!」

 

女の子は喜んだ顔で龍哉の右手を掴む。

 

そうして2人はいろいろな場所を歩き回った。

 

そんな中疲れたため茶屋でアイスクリームを一緒に食べている(龍哉がお金を出した)。

 

「龍君、ありがとう」

 

「ううん」

 

歩いている間に2人は自己紹介をして龍君、ひなちゃんと呼び合っている。

 

「なかなか見つからないね」

 

「うん…でも」

 

「でも?」

 

「こうして龍君とお友達になれたし、良かったこともある!!」

 

「…前向きだね」

 

「龍君はどうしてあんな所にいたの?いろいろ知ってるのってこっちに住んでるの?」

 

「ううん、お祖母ちゃんのところに遊びに来てたんだけど…」

 

龍哉はそこで1日という約束を破られ、ずっと用事の手伝いをしていたことを話した。

 

「はわ~、大変だねぇ」

 

「うん、僕の気持ちの事、ぜんっぜん分かってくれないんだ」

 

「でもさ、そういう約束だったってちゃんと言ったの?もっとパパたちと一緒にいたいって言ったの?」

 

「え?」

 

「あのね、ちゃんと言いたいことは言わないと分からないよ、私もね、約束って言ったのに守ってもらえないことあるけど、でも次はちゃんと守ってねって言ってるよ、龍君は言わないの?」

 

「…言ってない…」

 

「じゃあちゃんと言わないとダメだよ!!」

 

「…言っていいのかな?」

 

「もちろんだよ!!」

 

「迷惑にならないかな?」

 

「約束を破る方が悪いんだよ!!」

 

「ひなちゃん」

 

「なーに?」

 

「僕、ちゃんと言うよ…教えてくれて、ありがとう」

 

「ううん…友達だもん!!」

 

2人は見つめあうと笑い出した。

 

「あははっ…私、友達ってほとんどいないから」

 

「そうなの!?」

 

「うん…私、動物とか、ちょうちょとかが好きなんだけど…それでね、そっちばっかり気にしちゃって…」

 

「う~ん、でも僕とは友達になれたよね?」

 

「うん…なんでなんだろう」

 

「う~ん…あ!!」

 

「どうしたの?」

 

「ひなちゃんさ、ちゃんと友達になりたいこの方見てしゃべったりしてる?」

 

「え…う~ん…あんまり、してないかも…」

 

「じゃあさ、僕とはずっと互いに相手の方見てしゃべってたら友達になれたでしょ?」

 

「うん」

 

「他の子ともさ、そうすればいいんだよ!!」

 

「でも…なれるかな?」

 

「なれるよ!!ひなちゃんはとっても明るくて優しいもん!!」

 

「明るくて優しい?私が?」

 

「うん!!」

 

「出来るかな?」

 

「出来るよ、絶対、大丈夫!!」

 

「…うん!!私、頑張る!!」

 

「僕も、ちゃんと言えるように頑張るから、お互い、頑張ろう!!」

 

「うん!!」

 

と、そこへ

 

「「龍哉!!」」

 

「父さん!!母さん!!お祖母ちゃん!!お祖父ちゃん!!」

 

「「ひなちゃん!!」」

 

「パパ!!ママ!!お兄ちゃんたち!!」

 

「「探したんたぞ!!」」

 

「「ごめんなさい」」

 

各々を探していた2人の家族が現れた。

 

当然、驚きあうが…龍哉とひなちゃんが(運よく)きちんと説明できたためあまり大きな騒ぎにはならずに済んだ。

 

そしてこれは別れの時間でもあった。

 

「龍君…」

 

せっかくできた友達と別れることが嫌なのか、今にもひなちゃんは泣き出しそうだ。

 

「ひなちゃん」

 

龍哉も龍哉で辛そうだ。

 

「…また、必ず会えるよ!!」

 

「え?」

 

「僕は信じてるよ、ひなちゃんとは必ずまたどこかで会えるって」

 

「…私も、信じる!!龍君とは、必ず会えるって」

 

「約束」

 

「うん、約束」

 

「「ゆーびきーりげんまんうそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった!!」」

 

再開の約束のために指切りをする龍哉とひなちゃん、そして龍哉が何かを思いついた。

 

「あ、大きくなってもわかるように、これ、あげる!!」

 

龍哉が渡したのはきれいなハンカチだ。

 

「ちょっと男の子っぽいから使えないだろうけど…」

 

「ううん!!あ!!私も!!」

 

ひなちゃんが渡したのは黄色のリボンだ。

 

「これ…龍君だとつけれないかもしれないけど」

 

「ううん、とってもきれいなリボン、ありがとう、ひなちゃん」

 

「龍君も、きれいなハンカチありがとう!!」

 

これで本当にお別れの時が来た。

 

「またね!!龍君!!」

 

「またね!!ひなちゃん!!」

 

反対方向にわかれる2人…だが、その表情はまた関らず会えるという期待に満ちた笑顔だった。

 

==========

 

「…き!!おい!!覇月!!」

 

「わぁっ!!」

 

「んなに驚くなよ、こっちまでびっくりしたじゃないか」

 

「ご、ごめんごめん」

 

ちょっとの時間だったが思い出にふけっていたため少しぼーっとしていたようだ。

 

「で、日程とかだいぶ決まったぞ」

 

「分かった、教えてくれ」

 

「えっとな」

 

日程はまず基本的は自主的に訓練時間としている放課後と土日、時間は龍哉に任せるらしい。

 

「なるほどな…ただ、教えるにしても人数とかで場所とか考えないといけないから何人参加するのかで変わるから、修学旅行後すぐは無理だぞ」

 

「分かった、じゃあ詳細が決まったらまた教えてくれ」

 

「了解」

 

「にしても珍しいよね、龍哉があんなにぼーっとしてたなんて」

 

「へ?」

 

「うん、龍哉君ってしっかりしてるから」

 

「そっかなぁ…ってかなんで龍哉君なの?神崎さん」

 

「有希子」

 

「へ?」

 

「有希子」

 

「いや、え?」

 

「え?じゃなくて有希子」

 

((ど、どーした神崎さん!?))

 

いきなり名前を連呼する神崎に全員びっくりしている。

 

「有希子ちゃん、それじゃわからないんじゃない?」

 

「あ、ごめんね龍哉君、ただこうやって男の友達を名前で呼ぶのに憧れてて…まずは龍哉君で慣れていこうかなって」

 

それを聞いてあからさまにほっとした表情をする杉野、それを見ていた渚は苦笑いだ。

 

「ああ、そういうことか、分かったよ有希子さん」

 

「あ、呼び捨てじゃないんだ」

 

「さすがにそれはなぁ…なんとなく避けたい」

 

「そっか、でもこうして名前で呼び合える友達が増えたのはうれしいな」

 

「あ~それはわかる」

 

「それじゃ、私は桃花で、メグも名前で呼んでね!!」

 

「桃花!?」

 

矢田が便乗し、それに片岡が突っ込む。

 

「別にいいよ、桃花さん、メグさん」

 

「覇月まで!?」

 

しかし、そんな片岡の突っ込みもむなしく終わる。

 

「俺らもいいかな?」

 

磯貝も便乗すると木村もとなりでうなづいている。

 

「おう、悠馬、正義」

 

「あ、あの!!私も…いい…ですか?」

 

「いいに決まってんじゃん、愛美さん」

 

奥田も恐る恐る名前呼びがいいというと普通に許可を出す龍哉にぱぁっと奥田も笑顔になる。

 

「じゃ、私もね!!」

 

「うん、カエデさん」

 

こうして倉橋を除いた全員を龍哉は名前呼びするようになったため…

 

「あ、倉橋さんはいいの?」

 

「ふえ?」

 

「あれ?もしかして倉橋さんもちょっとぼーっとしてたの?」

 

「えへへ…ちょっとこの夕日見てたら昔京都で会った男の子と思いだしちゃって」

 

「男の子?」

 

「それってさっき言ってた子のこと?」

 

「うん!!その時にね、また会おうねって指切りしてハンカチとリボンを交換したの」

 

「へぇ~、なんかロマンチックだね」

 

「うん」

 

「ハンカチか…そういや俺も子供のころにそんなことしたな」

 

「龍哉も!?」

 

龍哉の言葉に全員が驚き、まさかという思いがしたため即座に連携をとって話を聞き出す。

 

「龍哉君、陽菜乃ちゃん、そのハンカチってどんなの?」

 

「えっと…」

 

「確か…」

 

「「青地にストライプ柄の男の子っぽいやつ…え?」」

 

「そ、それじゃリボンは?」

 

「「黄色の先端が二股に別れてるやつ…ええ?」」

 

この回答に2人とももしかしたらというのが出てきたのか、顔を見合わせる。

 

「「…もしかしてひなちゃん(龍君)!!」」

 

それと同時に2人ともブレザーの内ポケットに手を入れると倉橋はハンカチを、龍哉はリボンを取り出す。

 

「「ってなんで持ってるんだよ!!」」

 

全員が言う通り、なんで持ってるんだ、この2人。

 

「「いつ会うか分からないから毎日に持ってた」」

 

それに対してはもって答える2人、なんといおうか…

 

「似た者同士だね」

 

「夫婦か」

 

そんな渚と杉野の突っ込みが響いた。

 

「というか2人とももしかしたらって思ってたんじゃないの?」

 

「え?」

 

「なんで?」

 

「うん、陽菜乃ちゃん、ちらちら龍哉君の事見てたし」

 

「龍哉も倉橋の方見ていること多かったもんな、中間前から」

 

「「そんなに?」」

 

「「うん」」

 

そこまで指摘されて恥ずかしくなり、倉橋はちょっと顔を赤らめてうつむき、龍哉は自分の行動を思い返していたが…

 

「…そろそろ移動しませんか?もう夕食の時間ですよ」

 

「「あっ!!」」

 

ずっと忘れられていた殺せんせーの一言で時間を思い出した全員が大慌てで戻る準備をする。

 

そんな中…

 

「ひなちゃん」

 

「ふえ?」

 

「で、いいよね」

 

「…うん、龍君!!」

 

「龍哉、こっから旅館までの最短ルート分かるか?」

 

「問題ない、戻るときのことも考えている」

 

「さっすが!!」

 

「ドンくらいかかる?」

 

「体力無い連中の事考慮してもそんなに時間はかからない」

 

「よし、案内してくれ」

 

「了解!!」

 

そうして龍哉の先導の元旅館にダッシュで帰る面々…

 

これでようやく、長かった修学旅行の2日目の自由行動が終わったのだった。

 

 




戦闘自体はちゃっちゃと終わったのにその後のオリストにだいぶ時間取られました。

今回で龍哉と倉橋もとい陽菜乃の出会いが分かりました。

ついでに他のメンツとの距離も縮めました。

…他の女性のフラグは折れてるから問題ない…はず…

誤字等修正しました(2016/05/01)
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