律についてはずっとこの予定でした。
……後半には龍哉と陽菜乃の恋愛劇もありますよ。
「今日から通常授業か~」
「昨日烏間先生から一斉メール連絡あったけど見た?」
「ああ、多少外見で驚くって書いてあったな」
修学旅行が終わり、いつもの通学路をいく龍哉、渚、友人の3人…そこに
「お~い」
「おはよう、悠馬」
「おはよう、昨日のメール見たか」
「ああ、今その話をしていたとこだ」
「文面から言ってどう見ても…」
「ああ…ついに来たな、転校生暗殺者」
「転校生ってことは龍哉と同じで俺らとタメなんだよな」
「そこよ」
「うお!!」
「大河、急に出てくるな…みんなびっくりしてるじゃないか」
「悪い悪い…俺気になってさ、顔写真とかないですかってメールしたのよ」
「俺ん時ってどうだったんだ?」
「龍哉の時は男子生徒がくるって聞いてたからな~」
「というより殺し屋的な感じでは言われなかったからな」
「そうなのか…まぁ烏間先生はある程度事情を知ってるからなぁ…殺し屋名目には出来ないよな」
「それでよ、返ってきた写真がこれよ」
「うぉ!!女子か!!」
「へぇ~結構かわいいじゃん」
「どんな能力持ってんのかな…」
「お前が気にするところはそこかよ」
「だってよ、それがわかんなきゃ集団暗殺にどう生かせばいいかわかんねぇじゃん」
「あ~、確かにな」
「速水さんみたいなスナイパータイプかな?」
「まぁ直接本人に聞くか」
「そうだな」
==========
「さぁ~てきてっかな転校生」
「いや、俺の時みたいにHRで紹介だ…あ、メグさん、ひなちゃん、おはよ」
「あ、龍君、おはよ~」
「おはよ」
「何見てたんだ?」
「「あれ」」
そう言ってメグと陽菜乃が指した先にあったのは…
「サーバー?」
「いや、モノリスじゃね?」
その瞬間、機動音と共に上部にあった液晶に人の顔が現れる。
「おはようございます。今日から転校してきました、自律思考固定砲台と申します、よろしくお願いします」
「「「「「「そう来たか!!」」」」」」
そしてHRの時間
「え~、既にみんな知っていると思うが、転校生を紹介する」
烏間先生が黒板に名前を書き
「ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ」
「よろしくお願いします」
(烏間先生も大変だなぁ)
(俺あの人だったら突っ込みきれずにおかしくなるわ)
そんな自律思考固定砲台を見て殺せんせーは笑っている。
「お前が笑うな、同じ色ものだろうが」
まぁ確かに…と、ほとんどの生徒が同意する。
「いっておくが、「彼女」は
「ってことは」
「そう、あの場所からずっとお前に銃口を向けるがお前は彼女に反撃できない…「生徒に危害を加えることは許されない」それがお前の教師としての契約だからな」
「……なるほどねぇ、契約を逆手にとって…なりふり構わず機械を生徒に仕立てたと…」
(やることなす事むちゃくちゃだな)
龍哉が烏間先生の話を聞いて政府のやり方に憤りを覚える。
「いいでしょう、自律思考固定砲台さん、あなたをE組に歓迎しま「ちょっと待ってくれんかの」ニュヤ?」
殺せんせーの言葉を遮って初老の男性が教室に入ってくる。
その人物は…
「市之助祖父ちゃん!?」
「なぜこちらに?」
「なに、少し、気になることがあってな…そこの自律思考固定砲台にな」
「どういうことですか?」
「それを、今から調べるんじゃ…龍哉、すまんが手伝ってくれんか?」
「いや、いいけどさ…」
そういうと市之助は自律思考固定砲台の後ろに回るとカバーを開いて回路を露出させ、そこにノートPCを接続してプログラムを解析する。
「いったい、何が気になるのですか?」
「わしは昔留学した時に軍事の兵器開発にも少し携わったことがある…といっても、今回の自律思考固定砲台のようなものだがな」
「それで?」
「留学後もそういった情報は逐一仕入れていたが…こういった自律思考を完成させたという情報はなかった」
「それでは、今回のことで完成したという事では?数か国が合同で作り上げたといっていましたし」
「それだけならな…ただ、気になって少し調査したらな…雨奈が最後に作り上げたシステムがコピーされた跡があったのだ」
「!!」
「それってつまり、龍君のお母さんが作ったプログラムが使われているかもしれない、という事ですか?」
「そういうことじゃ…やはりな」
「ビンゴってこと?」
「うむ、この特徴はまず間違いなく雨奈が作ったものじゃ」
「どういう特徴があるんですか?」
「普通のプログラムなら構成している箇所毎に独自性と可用性があるのじゃが、雨奈はあえてなくしたんじゃ」
「どうしてですか?」
「おそらく、勝手に改造されたうえで軍事利用を避けるためでしょう…」
「その通りよ、もともとこのプログラムは龍哉のわがままをかなえるために作られたのじゃからな」
「俺の!?」
「「「「「「「「「「我儘!?」」」」」」」」」」
「さよう、昔龍哉が「妹が欲しい!!」といったのじゃが…」
「覚えてる?」
「…確かにひなちゃんと会ってしばらくしたらいったような気はする」
「しかしな…土門君も雨奈も忙しくてそんな暇が中々ないが、龍哉が珍しくいった我儘をどうにかかなえたいと思っておった」
「あの~もしかして…」
「そう、その結果出来上がったプログラムがこれじゃ!!」
「母さん…こういう時、どういう顔をすればいいのか全然わかんねぇ」
「…笑えばいいと思うよ」
「笑えるか!!」
「というわけで龍哉、これで網膜認証を行うんじゃ」
「どういうわけだよ…やるけどさ」
((((((((((やるんだ…))))))))))
ピピピピピピ……ピピィー
「マスター認証確認、最上位マスターとして覇月龍哉、覇月土門、覇月雨奈を登録しました」
「「「「「「「「「「最上位マスター?」」」」」」」」」」
「まぁ最高権限じゃな、これが基幹プログラムの根底を成しているから、変えてしまうとそもそもプログラムが全て破たんしてしまう」
「どういうセキュリティですか!?」
「まぁ悪用を防ぐためよ、雨奈達がおらんゆえ、龍哉一人だけじゃがな」
「でもそれって大丈夫なんですか?」
「全然大丈夫ではないな、もし龍哉が悪意を持って使えばだれも止められん」
「俺次第ってことじゃないか」
「さよう、じゃからこのクラス全員にそれに準ずる権限を持ってほしいんじゃ」
「ああ~俺を使って自律思考固定砲台を使おうとするのを防ぐためね」
「そういうことじゃ、まぁ強制ではないがな」
「私はやります!!」
「僕も!!」
陽菜乃、渚を筆頭に何人もの生徒が立候補する。
「ではこれで網膜を登録するんじゃ、それで龍哉が悪用しようとしても止めることが出来る」
立候補した人達は次々と順番に網膜を登録し、サブマスターとして自律思考固定砲台に登録されていく。
「しかし、この登録は改造ではないのですか?」
「いや、これは最上位マスター登録がされねば起動しないようプロテクトがかかっておる、そしてその権限を付けるには龍哉の網膜に共通するパターンが必要だったのじゃ」
「網膜は1人1人違いますからねぇ、それに指紋と違い時間経過で変わることもありませんからカギとしては一番ですねぇ」
「そういうことよ、しかも本人の目からでなければならぬようにもしてある…やはりか」
「どうしたの?」
「作ったところがわかった、これからわしはそこに赴いて交渉してくる」
「ああ…うん、行ってらっしゃい」
「うむ」
そう言って接続を終わらせ、身支度を整えると去っていった市之助…
「で、これから先この自律思考固定砲台どうすんのさ?」
「名目上俺の妹として扱えばいいだろう、まだ正式じゃないけど」
「そうですねぇ…覇月君、すみませんがお祖父さんが交渉完了するまで面倒をお願いしても?」
「元々俺にも原因はありますからね、引き受けますよ」
そうしてその日の授業は始まった。
途中、勝手に自律思考固定砲台が発砲を開始したものの龍哉の手により強制停止させられた。
==========
「でも今日はびっくりしたよね~」
「まさかの転校生が…ね」
「一番びっくりしたのは俺だっての」
放課後、龍哉は渚、カエデ、陽菜乃と共に下校していた。
「でもどうなるんだろうね?」
「あ~、それならお祖父ちゃんもついてったから大丈夫だと思うよ」
「じゃあ今日龍君家って誰もいないの?」
「ううん、今日お祖母ちゃんが京都からこっちに来るって言ってたからもういると思う」
「そうなんだ」
「…今日のことお祖母さんが知ったらどうなるんだろうね」
「龍哉が怒られるんじゃない?」
「いや、今回の場合は父さん達だと思う…俺も怒られるだろうけど…てk「~~♪」俺の携帯だ」
自律思考固定砲台のことで話し合っている最中、龍哉の携帯に着信が入る。
「もしもし、どうしたの?お祖母ちゃん」
(((なんでピンポイントなタイミングで電話がかかってくるんだ)))
人、それを噂をすれば影が差すという。
『龍哉、話は市之助さんから聞きました』
「(国家機密にかかわる話を何ばらしてんの!!)え~と、それって」
『ええ、それで私もちょっと行ってきますから』
「は?」
『ですので戸締りはしっかりするんですよ、友達の家に泊めてもらうなら話は別ですけどね』
「いや、ちょ、え?」
『ではもう搭乗時間なので、行ってきますね』
ピッ、プーッ、プーッ、プーッ
きれた電話を呆然とした表情で見る龍哉に陽菜乃が声をかける。
「龍君、どうしたの?」
「あ~…お祖母ちゃんもどうやらついてっちゃったみたい」
「ついていったって…交渉に?」
「多分…こりゃ相手地獄見るぞおい」
「どんだけなのさ」
「お祖母ちゃん…ああ見えてすげぇ苛烈でさ…キレるとお祖父ちゃんをぼこぼこにできるレベルだぜ?」
「「ああ~」」
それを聞いて修学旅行の時に聞いたことを思い出して渚とカエデは納得する。
「お祖母さんも強いの?」
「強いよ、薙刀はどっかの道場の免許皆伝だって言ってたし、格闘術もできるからさ、こないだの件で女子はお祖母ちゃんに見てもらおうとも思ってる」
「でも大丈夫なの?」
「…多分お祖父ちゃんが巻き込むからいいよ、「神奈だけ知らんのはダメじゃ!!」とかなんとか言って…」
「それってどうなのさ」
「言わないでくれ、自分でも言っててなんかむなしくなってきたから」
「でもさ、家族全員で暗殺に関われるっていいね」
「あ~、そっか、他の皆は家族には秘密にしてないといけないだっけ」
「うん…ちょっときついものはあるかな」
「まぁ殺せんせーは無害な存在とは言えないからな~」
「で、龍哉は今夜どうするの?」
「どうするって?飯とかの事?」
「うん、1人じゃ寂しいんじゃない?」
「…まぁ確かに今まで1人で飯食ったことは数えるほどしかないな」
「あ、それじゃあ私の家に来ない?」
よしっ、とカエデは思った。
渚も流れるような誘導に少し感心している。
「ひなちゃん家に?う~ん…大丈夫なの?」
「うん、お母さんに連絡すれば大丈夫!」
((どの家も女性が強いんだ))
渚と龍哉は思わずそんなことを思った。
「…じゃあお願いしようかな」
「うん!任せて!!」
「あれ?悟朗はいいの?」
渚がふと思い出した悟朗について龍哉に問う。
「ああ、それなら大丈夫、元々親元に返すつもりだったから野生で生きれるよう自力で食いもん取れるようにしておいたんだ」
「そうだったんだ」
「龍君は優しいね」
「そうかな?」
「ううん、僕もそう思った」
「私も」
「…ありがと」
その後、陽菜乃は母親に連絡を取って龍哉を夕食の席に招待することの許可を取り、渚達と別れ龍哉と共に帰宅した。
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「ここだよ」
「へぇ」
陽菜乃に案内されてきた倉橋宅は一般的な2階建ての一軒家だった。
「ただいま~、龍君、さ、上がって上がって」
「ああ、お邪魔します」
「あら陽菜乃、その子がさっき電話で言ってた子?」
「うん、昔京都で助けてくれた龍君!!」
「ああ、あの時の」
「お久しぶり、ですね」
「いえいえ、こちらもあの時お礼を言えなくてごめんなさいね」
「いえ、お構いなく」
「お父さんは?」
「今日は遅くなるって」
陽菜乃は母親の言葉に内心ほっとする、父親が龍哉と顔を合わせると何が起きるかわからないからだ。
「あ、ご飯出来るまでまだ時間かかるからもうちょっと待ってて」
「分かりました」
「陽菜乃、あなたの部屋に案内してあげて」
「えっ!?」
陽菜乃の母親の顔はちょっとにやけている…どうやら陽菜乃の恋心は母親には筒抜けのようだ。
「え…えっと…龍君、こっち」
「おう」
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―陽菜乃の部屋
「へぇ、ぬいぐるみとかあって可愛らしいね」
「そ、そうかな」
「うん、女の人の部屋って母さんとかお祖母ちゃん達のしか入った事ないけど…」
「え、じゃあ…初めて?」
「うん、同年代の子の部屋に呼ばれるのは初めてだね」
「そ、そうなんだ…」
同年代の女の子の部屋に入るのは初めてのためキョロキョロと周りを見回している。
それが恥ずかしいのか陽菜乃は顔を真っ赤にしている。
「り、龍君、今日の宿題、一緒にやろ!!」
その空気に耐えられないため、陽菜乃は宿題を一緒にやることを提案した。
「いいよ」
龍哉にも了承が取れたので部屋に備え付けてある小さいガラステーブルを使って一緒に宿題を始める。
途中、陽菜乃は分からないところ龍哉に聞きつつ、順調に宿題を終わらせていく中…
「あっ」
陽菜乃が消しゴムを落としてしまい、拾おうとすると龍哉も気づいていたのか拾おうとしていたため、2人の手が触れ合う。
「あ…」
手が触れ合ったことで陽菜乃の顔が再び真っ赤になり、流石の龍哉も訝しみ…
「ひなちゃん、顔赤いけど…風邪?体調悪いんじゃ」
「う、ううん!!全然、本当に大丈夫だから!!」
勢いよく大丈夫アピールを繰り返す陽菜乃に龍哉も押される。
「それならいいけど…気を付けてね」
「うん!!」
それからは何事もなく宿題も終わり、そのタイミングで夕食が出来たことを陽菜乃の母親から告げられたため龍哉達は部屋を出て食卓に着く。
「うわ、おいしそうですね」
「お口に合うといいのだけれど」
その日の倉橋家の夕飯のメニューはご飯にみそ汁、ブリの照り焼きにホウレン草のお浸しだった。
「いただきます」
「「いただきます」」
食事を開始する3人…途中途中に会話もはさんでいた、例えば…
「そういえば、陽菜乃に中間テスト前に勉強教えてくれたのよね」
「ええ、といってもあともう少しのところだったんですけど」
「いいえ、あれだけ成績を上げれるなんて…教えるのが上手なのね」
「父が教官だったので、その背中を見て育ちましたから」
「あら、そうなの」
「お祖父さんもじゃなかったっけ?」
「あら、そうなの」
「はい」
「すごいわねぇ」
「いえ…」
といった具合だ…そんなこんなで食事も終わり…
「えっと、食器は流しでいいですか?」
「ええ…うちの人とは違うわね~」
「へ?」
「ああ、お父さんいっつもそのままだもんね」
「ええ、おかげで手間が増えるのなんの」
(これ普通じゃないんだ)
ちなみに以前覇月家で食事をした際は全員食器を持っていってくれたのでこうするのが普通と思いこんでいたようだ。
「ついでに洗いましょうか?」
「いいえぇ、お客にそこまでしてもらう必要はないわ」
「そうですか」
「ええ、大丈夫よ」
「あ、龍君、そろそろ」
「ん、もうこんな時間か…すみません、お暇します」
「いいえ、こちらもあまりおもてなせなくてごめんなさいね」
「いえ、こちらこそ急に来たのに手土産の一つもなくすいませんでした」
「子供がそんなこと気にしなくていいのよ、それじゃあね」
「じゃあね、龍君、また明日!!」
「うん、また明日」
そう言って倉橋家を後にする龍哉…その後の親子の会話は…
「陽菜乃、龍君って言ったわよね」
「うん」
「あの子は…いろいろとしょい込んじゃう子よ…好きなら、しっかり支えてあげなさい」
「うん…えぇ!!」
驚いて母親のほうを見ると( *´艸`)と笑っていた。
「お、お母さん、やっぱり気づいて」
「気づかないはずないわ、あなたがあんなにも嬉しそうなんだもの…お母さん、応援してるからね」
「う、うん」
顔を赤くして答える陽菜乃…だけどその顔はどことなくうれしそうであった。
後半書いてて砂吐きそうになりました。
陽菜乃の母親ですが陽菜乃よりしっかりしていてそのまま年を取っていったイメージです。
いつかお泊りもやったろ。