暗殺教室~拳法家の青春物語~   作:GGG-EX

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転校の前段階の話です。


出会いの時間:1時間目

「帰ってきたんだ…」

 

「うむ、ではさっさと行こうか」

 

「うん、お祖父ちゃん」

 

これだけ聞けば空港のロビーで会話をする祖父と孫にしか見えないのだが…

 

((なんで大量の荷物を背負ってんだ!?))

 

2人の背には人1人では到底持てない量の荷物が背負われていた。

 

「お祖母ちゃん達へのお土産買いすぎちゃったかな?」

 

「それ以外にこれからお世話になる人達への分もと考えたらこれだけの量になってしまうのもしょうがない気がするがの」

 

((いやねーよ!!))

 

そのまま2人は大量の荷物を背負ってロビーを出ていくところを見ていた人達は

 

((というよりどうやって家まで持って帰るんだろう…))

 

と、ありえない光景に半ば現実逃避気味にどうでもいいことを考えていた。

 

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「お祖父ちゃん、俺市内をちょっと見て回ってくる」

 

「うむ、荷物の整理は儂がしておこう」

 

「ありがとう」

 

そう言って龍哉は家を出て市の中心部へ向かったが…

 

(ここって…どこだ?)

 

市の中心部を見て回っていて、買い物に使える店とかいろいろ確認していたら迷ってしまったようだ。

 

(どっかに人は…お)

 

周りを見回していたら人を見つけた。

 

(あの制服って…確か明日から通う学校の生徒だよな…だが…)

 

龍哉が転入するのはちょっと特殊な事情のあるはぐれ教室だからそのクラスメイトとなる生徒以外との接触は極力避けたほうがいいのだが…

 

(あれってどう見てもナンパされてるよな…しかも変な連中に)

 

見つけた先にいる生徒達は幸か不幸か全員女子(ただしナンパされ中)だったようだ。

 

(見過ごすのもあれだし、助けとくか)

 

と、近づいて行くと会話が聞こえてきた。

 

「なぁ~いいじゃねえかちょっとぐらい遊んでもよ」

 

「そうそう、楽しい時間が過ごせると思うぜ~」

 

「私達は用事があるって言ってるでしょう、ほっといてよ」

 

「そんなの後々、そ・れ・よ・り・も!俺達と遊んだほうが有意義な時間を過ごせると思うぜ~」

 

とまぁ口説き文句としては0点の言葉で4人の男子高校生が4人の女子中学生を口説いていた。

 

(…なんであんな真面目そうな子たちがあれで誘えると思ってんだろう…)

 

口説いている高校生はどう見てもチャラくて勉強もスポーツもやっていない、毎日楽に過ごせればいいという考え方をしている感じだ。

対する中学生は容姿はバラバラだが全員イイとこの学校の生徒の感じを醸し出している。

そんな中、なかなか靡かないことにいら立ったのか高校生の一人が茶髪セミロングの子の方を強引につかむ。

 

「なぁ、いいだろぉ。同級生の連中じゃ教えてくれない遊びを教えてやるぜ」

 

「やめて、離して!!」

 

「速水さん!!」

 

それを見て黒髪ロングの子が引き離そうとすると

 

「いいじゃねぇかよ、楽しもうぜ」

 

それを別の男が強引に肩をつかんで引き留める。

 

「神崎さん!」

「有希ちゃん!」

 

黒髪ポニーテールの子と茶髪ゆるふわパーマの子が止めようとするがその前に残りの高校生が回り込む。

 

「いよーし、行こうぜ」

 

「行かないって言ってるでしょ、いい加減にしてよ!」

 

そう言ってセミロングの子が肩をつかんでいた手を強引に振り払う。

その態度に高校生達も空気を一変させる。

 

「くそが、優しくしてやりゃつけあがりやがって!!」

 

振り払われたことが感に触ったのだろう、自分のほうに引き寄せるようにもう一度肩をつかもうとするが

 

「はい、お兄さん達そこまで~」

 

龍哉がその手首をつかんでセミロングの子をかばうように前に立つ。

 

「な、なんだてめえは!!」

 

「この子たちの同級生」

 

全員が驚いた顔をする。

しかし、高校生達は突然割り込んできた第三者である龍哉に絡み始める。

 

「ああ!てめえ、邪魔すんのかよ!!」

 

「当たり前でしょ。あのね、嫌がっている子を強引に誘うってどんな教育受けてきたのよ、幼稚園とか保育園からやり直したら?」

 

「アンだとクソガキ!!」

 

「ガキって…日本じゃ二十歳未満は全員子供だから、ガキだから、俺らより年上なのにそんなことも知らないの?」

 

「なめた口きいてんじゃねぇぞ!!」

 

そう言って自由に動ける2人の高校生が左右から龍哉に殴りかかってくる

 

「「危ない!!」」

 

女の子2人が叫ぶが…

 

「ほいっと」

 

龍哉は手首をつかんでいる高校生と自分の立ち位置を苦もなく入れ替える。

立ち位置が変わったという事は当然

 

バキキッ!!

 

「ぐぉ!」

 

龍哉に手首をつかまれている高校生が左右から龍哉の代わりに殴られる。

 

「あらら~、お仲間を殴るなんてひっどいねぇ~」

 

「てめぇのせいだろうが!!」

 

黒髪ロングの子をつかんでいたやつも逆上し、つかんでいた手を放して龍哉のほうに向かってくるが

 

「まぁこのまま殴られ続けるのもかわいそうだし離してあげるよ」

 

そう言うや否やつかんでいた高校生を向かってくる高校生のほうに離す龍哉。

だが高校生は殴られて少し足取りはおぼつかないため…

 

「「うわっ!」」

 

向かってきた高校生のほうに倒れこんでしまい、それに足を取られて向かってきた高校生毎地面に倒れこむ。

 

「てめぇ!」

 

「いい加減にしやがれ!」

 

今度は真正面から2人が突っ込んでくるが

 

「あらよっと!」

 

龍哉はその2人の手首をつかんで倒れこんでいる高校生のほうに軌道を変える。

強引に軌道を変えられた2人の体はバランスを崩す、崩した先にはすでに倒れこんでいる高校生がいるため…

 

「「ふぎゃ!」」

 

すでに倒れこんでいる高校生達が悲鳴を上げる。

当然隙だらけなため

 

「今のうちに逃げるよ!」

 

「「「「は、はい!」」」」

 

龍哉と中学生達は見つからないよう、追われないように注意してそそくさと逃げ出した。

 

=======================================================

 

「ここまで逃げてくればもう安全かな」

 

「はい、たぶん大丈夫だと思います」

 

龍哉達が逃げ切った先は市内でも人が多いところだ、同じ制服の子もちらほら見かけるためまたナンパされる可能性は低いだろう。

 

「あの、助けてくれてありがとう」

 

「うん、でも本当に同級生?見たことないんだけど」

 

ポニテの子がお礼を言い、ゆるふわの子が同調するも恐らく全員が疑問に思っていたことを口にする。

 

「そういえば…確かに、本校舎でも見たことないわ。本校舎に転校生が来ると私達にも話は来るし」

 

「あ~、うん、嘘はついていない…転校生だけど、学校に通うのは明日からだ」

 

「あ、もしかして先生が言っていた新しい生徒ですか?」

 

「うん、そうだと思う…山の上にある教室への転校生だ」

 

「あ、じゃあ明日から同じクラスなんだね!」

 

「え?」

 

「ここにいるのはみんなあなたが明日入るクラスに在籍しているのよ」

 

「そうだったのか…あ、自己紹介がまだだったな、俺は覇月龍哉だ。明日からよろしくな」

 

「うん、私は神崎有希子。明日からよろしくね、覇月君」

 

「私は倉橋陽菜乃!よろしくね!」

 

「速水凛香。その…よろしく」

 

「矢田桃花だよ、よろしくね、覇月君」

 

「神崎さん、倉橋さん、速水さん、矢田さんね。ああ、よろしくな」

 

ここで何か思い出したのか倉橋が携帯で時間を確認すると

 

「…あ!!もう時間すぎちゃってる!!」

 

「ほんとだ…ナンパしてきた人達のせいで行けなくなっちゃった」

 

「なんか用事でもあったのか?」

 

「うん、ちょっと限定ケーキ買いに行く予定だったんだけど…」

 

「あのナンパ軍団のせいで販売時間が終わっちゃったのよ」

 

とうやら神崎達はケーキを買いに行く予定がおじゃんになったらしい。

 

「あ~、なるほどな…そいつは災難だったな」

 

「ほんとよ「ん、龍哉、龍哉じゃないか!!」

 

「あ、市之助祖父ちゃん、明お祖母ちゃん!」

 

「覇月君、この人達って…」

 

「俺の母方の祖父母だよ、市之助祖父ちゃん、明お祖母ちゃんこの子達は俺の明日からのクラスメート」

 

「おお、そうかわし等の孫と仲良くしてやっとくれ」

 

「皆さん、龍哉のことよろしくお願いします。あ、龍哉これ」

 

「明お祖母ちゃん、ありがとう。これ、ケーキ?」

 

「ええ、そこのお店の限定ケーキよ」

 

「「「「限定ケーキ!?」」」」

 

「あ、もしかしてみんなが買おうとしてたケーキってこれ?」

 

そう言って龍哉は箱を開けて中身を神崎達に見せる。

その中には桃をふんだんに使った限定ケーキが6個鎮座していた。

 

「うん、これこれ!!」

 

「うわ~、おいしそう…」

 

「んじゃあ食べるか?」

 

「え、いいの!?」

 

「でもこれ覇月君のお祖父ちゃん達が覇月君のために買ってくれた奴じゃ…」

 

「そうだけどさ、俺とお祖父ちゃんだけじゃ6個も食えないしね」

 

「お祖父ちゃんって」

 

神崎達の視線が市之助に向くが

 

「いやいや、わしじゃない、龍哉の父方のほうじゃよ」

 

「龍哉は秀治さんをお祖父ちゃん、私達のことを名前とお祖父ちゃん、お祖母ちゃんで呼び分けてるのよ」

 

「へ~、そうなんだ」

 

「そう、あ、なら家で食べてかないか?市之助お祖父ちゃん達も家に来るつもりだったんでしょ」

 

「え、そんな、悪いよ」

 

「気にしない気にしない、引っ越してきたばっかだけど、荷物は最低限しかないし、お祖父ちゃんのことだからもう荷解きと仕分け終わってるだろうから」

 

「はいは~い、私行きた~い!」

 

「ひ、陽菜乃ちゃん!」

 

龍哉が気にしないよう言うと即座に倉橋が立候補し、まずいと思ったのかすぐに矢田がたしなめるように名を呼んだ。

 

「だから気にしなくていいって、食べたかったんだろ、このケーキ」

 

「「「う…」」」

 

龍哉がダメ押しのようにケーキを見せれば…

 

「「「お邪魔させていただきます」」」

 

残る3人も折れ、そんな5人を紅日夫妻は暖かく見守るのだった。

 




はい、E組の子たちとの出会いの時間でした。

…いきなり2話構成になるって…

ちょっといろいろ忙しいので2週に一度投稿出来たらいいほうと思っててください。
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