「毒の時間」は欠点の克服を焦点に充てていた感じでしたので…
書いてて思ったのは原作で空気読まないキャラのカルマの使いやすさは便利。
後メタ発言の不破とゲスキャラ(?)扱いされがちな岡島、この2人も割と動かすのに使えそう。
「お菓子から着色料を取り出す実験はこれで終了!!余ったお菓子は先生が回収しておきます」
「給料日前だから授業でおやつ調達してやがる」
あれ買ったの俺らだぞ、と前原がぼやく
「地球を滅ぼす奴がなんで給料で暮らしてんのよ」
殺せんせーの行動に突っ込むものがいる中、1人の女子生徒が殺せんせーにフラスコを持って近づく
「あ…あのっ、先生……毒ですっ!!飲んでください!!」
ガタタッ!!
奥田愛美が殺せんせーにフラスコを差し出し、言い放った台詞に対してクラスの大半がずっこける。
「……奥田さん、これはまた正直な暗殺ですねぇ」
「あっ…あのあの、わ私皆みたいに不意打ちとか上手くできなくて…でもっ化学なら得意なんで真心こめて作ったんです!!」
「ああいうの暗殺って言わないよな?」
「言わないと思うぜ…というか飲むやつもいないだろ」
龍哉が斜め前の席にいる菅谷に問いかけると肯定とともにありえない、という答えが返ってきた。
「だよねぇ…」
龍哉も納得して前を見ると
「それはそれは…ではいただきます」
((飲んだ!!))
「!!こ…これは…」
殺せんせーの体がガクガクふるえて…
ニュ
((なんか角生えたぞ))
角が生えた
「この味は水酸化ナトリウムですね、人間が飲めば有害ですが先生には効きませんねぇ」
「……そうですか」
「あと2本あるんですね」
「は、はい!!」
「それでは」
次の毒薬を飲む殺せんせー
「うっ、うぐぁっ、ぐぐぐ…」
今度は苦しんで…
バサッ
((今度は羽生えた!!))
((無駄に豪華な顔になってきたぞ))
「酢酸タリウムの味ですね、では最後の1本」
殺せんせーが最後のフラスコの中身を飲む
((どうなる!?))
ドクン!!
((最後はどうなるんだ!?))
ドクン!!
ドクン!!
(・_・)
((真顔になった!!))
((変化の法則性が読めねーよ!!))
「王水ですねぇどれも先生の表情を変える程度ですね」
「……はい…」
その程度の変化しかなかったので奥田も落ち込んでいるようだ
「てか先生真顔薄ッ!!」
「顔文字みてーだな!!」
「↑でどう表現しようか悩んで顔文字を実際に使ってるしね」
「メタいよ不破さん!!」
「先生のことは嫌いでも暗殺のことは嫌いにならないでください」
「いきなりどうした!?」
「それとね奥田さん、生徒1人で毒を作るのは安全管理上見過ごせません」
「…はい、すみませんでした…」
「放課後時間があるのなら、一緒に先生を殺す毒薬を研究しましょう」
「は、はい!!」
「……
「……後で成果を聞いてみよう」
そう潮田と茅野が話しているさなか、龍哉が殺せんせー達に声をかける。
「殺せんせー、奥田さん、俺も参加していいかな?」
「ニュ?」
「え?」
「お祖母ちゃんの影響かさ、そういうのに興味あるんだ、邪魔はしないからさ」
「せんせーは構いませんが」
「私もいいですよ」
「ありがとう」
そんなわけで龍哉、奥田、殺せんせーはHR後、再び実験室に集まることになった
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「ではそれをエタノールを投入しましょう、気体を吸わぬように気をつけて」
「はいっ」
「しっかし見た目おんぼろなのに設備というか必要なもんは大体揃ってるんですね」
殺せんせーと奥田の実験の様子を見ていた龍哉が言う。
実際、校舎はおんぼろだが授業に必要な設備はほぼ十分にそろっている。
「そうですね…奥田さん、君は理科の成績は素晴らしいんですけどねぇ」
「え?」
「…はい、でもそれ以外がさっぱりで…E組に落とされても仕方ないです」
うわー、明お祖母ちゃんみたい、と龍哉は思った。
明にしろ市之助にしろ龍哉の母方の家系は基本的に専門の知識は半端ないがそれ以外は平凡かそれ以下という具合だ。
「特に…国語が」
「マジで?」
「うん、言葉の良し悪しとか、人間の感情表現とか、何が正解かわからなくて…」
「「……」」
龍哉も殺せんせーも奥田の言葉を黙って聞いている。
「…でもそれで構いません、数学や化学式は絶対に正解が決まっているから」
「まぁ、確かに、理系の奴は『正解』がなきゃ実用性とかもないもんな」
「そう、だから…私には気の利いた言葉遊びも、細かい心情を考える作業も必要ないんです」
「…そうですね」
殺せんせーが紙に素早く化学式とかを記載し、それを奥田の前に掲げて
「ではそんな君に、先生から宿題をあげましょう」
そう言って奥田に紙を手渡す。
それを受け取り、内容を見て嬉しそうにする奥田をどこか腑に落ちない顔で見ている龍哉がいた。
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翌日
「…で、その毒薬を作って来いって言われたんだ」
「はい!!理論上はこれが一番効果があるって!!」
「毒物の正しい保管方法まで漫画にしてある」
「俺もこれ読んだ時殺せんせーどんだけ詳しいんだってびっくりした」
潮田の持っている本は先日殺せんせーが奥田に渡したもので、龍哉も興味本位で読んだのだがその詳しさは専門家レベルだったことにたいそう驚いたようだ。
「相変わらず殺せんせー手厚いなぁ」
「茅野さん、殺せんせーっていつも?」
「うん、ああいって
「…すごいな」
自分の命を狙ってくるものを強くする、傍から見れば矛盾しかしていない。
「きっと私を応援してくれているんです、国語なんてわからなくても私の長所を伸ばせばいいって」
(いや、奥田さんがこのまま研究員を目指すんだったら…おそらく…それにまだ、『手入れ』は多分終わってない)
龍哉が殺せんせーが奥田に対してしたことについて考えていると…
ガラッ
殺せんせーが教室にやってきた。
「あ、来たよ、渡して来れば?」
「はい!!」
殺せんせーのもとへ行く奥田、それを見ていた龍哉は…
「速水さん速水さん」
「何?」
「なんか…嫌な予感するから射撃とかできる準備ってできる?」
「嫌な予感って」
「野生動物か」
2席前の速水に射撃準備を依頼しようとして近くにいた千葉にも話しかけられた。
「漠然とだけど…ね…ただ
「…釈然としないけど、準備はしておくわ」
「俺も」
「信じてくれてサンキュ…俺も準備しとくか」
殺せんせーが奥田から手渡された毒を飲む前に射撃準備をする千葉、速水とハンドガンとナイフを構える龍哉
それを他の生徒達は訝しげに見ていた。
「先生、これ……」
奥田がフラスコに入っている先日作成した毒薬を殺せんせーに手渡す。
「さすがです…では早速いただきます」
ゴクンゴクンゴクン
飲み終えた殺せんせーは震え始める
ドクン
「……ヌルフフフフフ、ありがとう奥田さん」
ドクンドクン
「君の薬のおかげで…」
ドクン
「先生は新たなステージに進めそうです」
ビキビキ、という音がして殺せんせーの体が光り始める
「…えっそれってどういう…」
「グオオオオオオオ」
殺せんせーが雄たけびをあげ、その体が光り輝く。
「「!!」」
全生徒達がまぶしさに目をふさいで再び教卓を見ると…
「ふう」
液状化した殺せんせーがいた
((溶けた!!))
生徒達の驚きを他所に殺せんせーの解説が入る。
「奥田さん、君に作ってもらったのはね、先生の細胞を活性化させて流動性を増す薬なのです」
シャッ
スポッ
言うや否や殺せんせーは素早く動いて片岡の机の中に潜り込む。
「液状ゆえに、どんな隙間も入り込むことが可能に!!」
「皆!!立って構えて!!」
龍哉の指示が飛ぶが突然のことに対処できる生徒はいない。
「しかもスピードはそのままに!!さぁ殺ってみなさい」
ドドドドドシュポシャシャシャッドドドドドド
マッハの速度で本来の体躯よりも小さい殺せんせーが教室内を縦横無尽に動き回る。
「くっそ!!」
「速過ぎる!!」
「ちょっ…無理無理これ無理!!」
「床とか天井に潜り込まれちゃ狙いよう無いって!!」
「なんだこのはぐれせんせー!!」
大半の生徒がパニックになる中、龍哉は冷静に殺せんせーの動きを読んで…
「そこぉ!!」
パァンパァンパァン!!
左腕に持ったハンドガンで殺せんせーが次に動くであろう場所に3連の射撃を放つ。
バチュチュ!!
次の隙間に入ろうとした殺せんせーの肉体に2発だけヒットする。
「ニュヤ!!」
「ひるんだ!!」
当然殺せんせーは驚いて動きが一瞬鈍り、その隙を逃さず速水、千葉が追撃するが…
「ニュオオ!!」
殺せんせーが必死に動いたことでよけられる。
「ちっ!!」
「逃げられた…」
「…っ」
「あ、危なかったです」
殺せんせーは龍哉、速水、千葉の射撃が届いても即座に対応できる教室の角に逃げ切り一息つく。
そして落ち着いたタイミングで茅野が奥田に話しかける。
「奥田さん…先生あの薬毒って言ったんだよね」
「だっ…騙したんですか殺せんせー!?」
つーんとした顔をする殺せんせー。
「奥田さん、暗殺には人を騙す国語力も必要ですよ」
「えっ」
急に真面目に話し出す殺せんせー
「どんなに優れた毒を作れても…今回のようにバカ正直に渡したのでは
ああ…と納得した顔をする生徒達
「そして覇月君、君はその可能性に気が付いて対応をしてきましたね」
「はい、国語苦手って聞いたからそうされるんじゃないかと…そんな姿になるのは予想外過ぎましたけどね」
「でもなんで皆に言わなかったのさ」
「言ったろ、あんな姿になるなんて思わなかったって…俺と速水さんと千葉君でどうにかなるって思ったんだよ」
「でもああいう姿だったから3人じゃ足りなかったってわけだね」
「そういう事…まぁ、次からは皆でどうにか出来るように作戦を考えないとね」
「その通りです…そして渚君、君が先生に毒を盛るならどうしますか?」
「え」
急に問われて戸惑う潮田、少し考え込んで…
「…うーん、先生の好きな甘いジュースで毒を割って…特製手作りジュースだといって渡す、とかかな」
「そう、人を騙すには相手の気持ちを知る必要がある、言葉に工夫をする必要がある」
「あ…」
「上手な毒の盛り方、それに必要なのが国語力なのです」
「他にも、相手の事を信用している事を示すためにも、言葉ってのは必要だよな、分かりやすいから」
「その通りです、覇月君。奥田さん、君の理科の才能は将来みんなの役に立てます」
「うん、明お祖母ちゃんも昔は国語とか苦手だった~って言ってたし」
「そうなの?」
「うん、お祖父ちゃんと市之助お祖父ちゃんが元々友達で、その縁で会ってからは苦手だったのをある程度克服したみたい」
「でもなんで?」
「それは自分の才能で役立てたものを多くの人にわかりやすく伝える必要があるからです」
「あ、そっか、いくらすごい薬でも使い方わからなかったら意味ないもんね」
「そうです、ですから奥田さん、毒を渡す国語力も鍛えてください」
効果切れで元に戻ると同時に服をまとう殺せんせー。
「は…はい!!」
「あっはは、やっぱり暗殺以前の問題だね~」
殺せんせーの力の前では…どんな猛毒を持った生徒でもただの生徒になってしまう。
そんな中…
「そういえばさ、覇月って暗殺仕掛け無いの?」
「烏間先生に対して不意を打てるんだし、今のも対応してるんだから殺ってみたら?」
赤羽が龍哉に問いかけ、便乗するように不破優月が提案してくる。
「(…俺の
「ニュ?覇月君、単独で挑むつもりですか?」
「ええ、それと
「ヌルフフフ、いいでしょう、かかってきなさい」
そう言って外に出ていく龍哉と殺せんせー。
他の生徒達に烏間先生も見逃せないとともに校庭に出ていくのであった。
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距離をとって対峙するよう校庭の真ん中に移動する殺せんせーと龍哉、他の生徒達は烏間先生と共に先日のように校庭近くの斜面に集まっており、結果を予測しあう。
「どうなると思う?」
「まぁ触手の一本でもとれりゃ儲けもんじゃないか?」
「烏間先生に勝ったといえどマッハ20で動ける殺せんせー相手だもんね」
そんな中潮田が烏間先生に尋ねる。
「烏間先生はどう思いますか?」
「あ、烏間先生は覇っ君の実力を間近で見たから」
「結果を予測するのに最適ですね」
そう生徒達に言われ、烏間先生は少し考え込んで…
「正直に言えば…分からない」
「へ?」
「何でですか?」
「俺は覇月君に覇月君のお父さんとも戦ったことがあるが…覇月君も覇月君のお父さんも
「ど、どういうことですか!?」
「覇月君も覇月君のお父さんも覇月君のお祖父さんがインドの拳法を基に編み出した独自の型を持った拳法を使う、とは聞いたことがある…そしてそれには気功術を用いた技もあるといわれているが…実際に見たことはない」
「じゃあそれってただの噂なんじゃないですか?」
「だが、そう言われる程、あの拳法の型は独特なんだ…俺の数期前の新人達は生意気なものが多かったため、その拳法の一部を使って更生させたとご本人が言っていたとも聞いたな」
それゆえ、実際の実力はまだ未知数だ、とも烏間先生は告げる。
そして殺せんせーと龍哉が校庭の真ん中で対峙したことで全員会話をやめてこれから始まる暗殺に注目する。
「それでは始めましょうか」
「ええ」
―暗殺―開始!!
そんな声がかかったかのように龍哉が一直線に殺せんせー向けて駆け出し、懐に手を入れる。
(まずは射撃ですか…ですが、動きながらせんせーに当てれますかねぇ)
龍哉が懐に手を入れたことで銃による射撃と予測する殺せんせー、しかし、実際に龍哉が取り出したのは…
ビッ!!
鋭く繰り出された
ドチャ
殺せんせーの右腕(?)の触手が切り落とされ、続くようにナイフの攻撃範囲でもないのに切るような風切り音が殺せんせーに襲い掛かる。
「!!」
これには殺せんせーも驚き、どうにか逃げ出そうとするが、龍哉の攻撃道具がそれを阻んでいる。
「あれって…」
「ああ、こないだ言ってた…」
「「あの布だ!!」」
龍哉が使っていたのは先日の昼食時に見せられた布だった。
効くのか疑っていたものの、今の状況を見れば有効な武器であったことは間違いない。
布の軌道は龍哉の手首や腕の動きで即座に代わるため、予測することに長けた龍哉にあった武器といえる。
しかし…
「ニュオオオオ…ニャ!!」
「!!」
龍哉が大振りで殺せんせーを攻撃したことで隙が出来てしまい、殺せんせーは布の攻撃範囲から脱出する。
「ああ!!」
「逃げられた!!」
観戦していた生徒達が逃げられたことに落胆の声を上げる。
脱出し、荒れた呼吸を整える殺せんせー。
「ぜーっ、ぜーっ、まさか布とは…驚きましたが、ここまでは…」
しかし、龍哉は全く意に介していない。
むしろ、殺せんせーが逃げた距離も、逃げた位置も、全て予測通りといわんばかりの表情を浮かべている。
「ニュ?」
龍哉の右腕に何かの力が集まっている…そう殺せんせーが認識した瞬間!!
「超級覇王…日輪弾!!」
「ニュアアアアア!!」
龍哉が叫ぶとともに右腕を突き出すと右腕から白く発行した球体が真っ直ぐ殺せんせーめがけて飛んでいく。
そんなものが飛んでくるとは思っていない殺せんせーは思わず上空に逃げ出す。
その直後に殺せんせーのいた場所に超級覇王日輪弾が着弾し爆発音と共に土煙をあげ、龍哉のいる位置まで土煙にまかれる。
「うおぉ!!」
「な、なんだあれ!!」
「あれが…気功術を用いた技!?」
「ていうか覇月が見えねぇ!!」
「殺せんせーは!?」
「あそこ、空だよ!!」
「あ!!」
超級覇王日輪弾に生徒達が驚き、龍哉が見えなくなり、殺せんせーが上空にいることまで確認した直後、太陽の部分を背にしている殺せんせーの背後に影が出来る。
それに気が付き殺せんせーが振り向くと…
そこには、右腕を発火させた龍哉がいた。
「は、覇月君!!その右腕は!?」
「俺の右手が真っ赤に燃える!!」
「質問に答えてください!!」
「勝利を掴めと轟き叫ぶ!!」
「無視ですか!?」
「
何やら口上を唱えて殺せんせーに右腕を突き出そうとする龍哉、そしてそれを防ごうとする殺せんせー…
殺れる!!
そう思ったものが大半だろう…
しかし…
「ニュ!!」
龍哉の右腕が殺せんせーにあたるよりも早く殺せんせーは攻撃範囲から脱出する。
そしてそのまま互いに地面に降り立った。
「あー!!」
「惜しい!!」
「もうちょっとだったのに!!」
そう口々に言う生徒達…それに対し、烏間先生はやはり、という表情をしていた。
「ヌルフフフ、惜しかったですねぇ…覇月君」
「…いえ、出来るかと思ったんですけど…やっぱり無理みたいですね」
「でしょうねぇ」
龍哉と殺せんせーの会話を聞いて疑問符を浮かべる生徒達。
「で、どうします?続けますか?」
「いえ、手の内をこれ以上晒すのは危険ですから…やめておきます」
「ヌルフフフ、あ、右手は大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ、ほら、やけどの跡一つないでしょう」
「おお、先程聞こえた気功術の技ですか?」
「ええ」
そう会話をしながら斜面のほうに向かっていく龍哉と殺せんせー。
そしてたどり着いたところで生徒達が龍哉のもとに集まってくる。
「惜しかったなー、覇月!!」
「ほんと、あそこまで追い詰めたのにね」
「でも、これで殺せる可能性は一気に上がったよな」
「だね」
「覇月君、右手って大丈夫なの?」
「ああ、さっき烏間先生が言ってた通り気功術の奴だから全く問題ないよ」
覇月の返答に何人かがほっと息をなでおろした。
「覇月君」
そこに烏間先生が声をかける。
「やはり…無理かね」
「…はい」
「あの、烏間先生、無理ってどういうことですか?」
「それについては俺から言うよ」
磯貝が烏間先生に龍哉が無理の理由を尋ねると龍哉が自分の口で言うと返す。
それを聞いて全員が龍哉の言葉に耳を傾ける。
「…俺は…殺すことが…出来ない」
「「!!」」
生徒全員が驚きの表情をし、殺せんせーは納得の表情だ。
「先程の最後の一撃、殺られたと思った瞬間、わずかに覇月君の動きが止まりました」
「えっ!!」
「ああ、本当だ…殺せる、そう感じ取った瞬間…俺の動きは鈍ったんだ」
「ええ、だからせんせーはもらわずに回避できたんです」
「そうだったんだ」
「でもなんで?」
「…俺の両親のことはこの間…話したよな」
寺坂組を除く生徒全員が頷く。
「その時のトラウマで…俺は…何よりも『命』を大切に思うようになった」
「あ…」
目の前で両親が殺されたのだ、そう思うようなってしまうのも無理はないだろう。
「昔は食事も碌に取れなくて…最近はましになってきたけど…それでも拒否感はある…」
「そっか、ご飯も大半は他の生物だもんね」
「ああ、で、超生物といえどちゃんと『命』を持ってる…そう思っちまった瞬間、本能的に殺さずに済むようにしちまったんだ」
殺せんせーを追い詰めても殺せなかった理由…それは龍哉自身にある問題が原因だった。
「だから…俺は
「で、しっぽ巻いて逃げ出すってわけ?」
「そうはいっていない…俺だけで殺せないなら、他の人にとどめを刺してもらうさ…さっきみたいにな」
「「あ…」」
先程の液状化した殺せんせーへの攻撃の時、龍哉は速水と千葉に協力して攻撃していた。
つまり…
「俺は殺せんせーを追い込むことしかできない、でも、とどめを刺せる力を持った仲間がいる」
龍哉はそう言って生徒全員を見渡す。
「…俺が追い込んで他の皆でとどめを刺す、そういう暗殺をこれから…やれないか?」
龍哉が提案した内容…はっきり言って例え成功しても龍哉に何もメリットはない。
「それで…いいの?」
「…やっぱ、無理だよね…」
「ああ…」
龍哉が無理かと聞くと肯定の答えが返ってきたため、龍哉は烏間先生の元に向かう。
「烏間先生、申し訳ないですけど…」
「覇っ君?」
「…覇月君、何か思い違いをしていないか?」
「え…」
「皆が君の提案を受け入れようとしないのは、君に何もメリットがないからだ」
「!!」
「確かに、君が奴をぎりぎりのところまで追い込み、他がとどめを刺す、しかし、賞金は殺したものに渡される」
「はい、分かっています」
「つまり、例え成功しても君には何もない…それでもいいと考えてそう提案したのか?」
「はい」
龍哉ははっきりと答えた。
「なぜだ?」
「はっきり言って、百億という賞金に興味はありません」
「えっ!!」
「興味ないの!?」
「うん、それ以上のものが欲しいから」
「賞金以上のなんて…」
「俺は…ほとんどが家族としか過ごしてないから…実は、友達とかって動物しかいないんだよ」
「あ…」
「だからさ、友達とか、仲間とか、それさえ手に入って暗殺さえうまくいけば…賞金何ていらないんだ」
「覇月…いや、龍哉!!」
「杉野君!?」
いきなり龍哉の呼び方を変えた杉野、その眼にはちょっぴり涙が浮かんでいる。
「そういう水くせー事いうな!!もうこの教室に来たからには俺達は仲間だ!!」
「うん、杉野の言う通りだよ」
「そうだな」
「友達なんてそっからなってきゃいいしね」
「でも、本当にいいの?」
「うん、俺、実はこういうのにちょっとあこがれてたから…」
そういった瞬間、大半の生徒からもみくちゃにされる龍哉、しかし皆笑って楽しそうだ。
「こんな俺だけどさ、皆、これからもよろしくな!!」
「「ああ!!よろしくな、覇月(龍哉)!!」」
こうしてさらにE組との絆を深めた龍哉、その一方で…
「……しかしながら本部長それは、生徒達に不安を与えはしないでしょうか」
烏間先生は皆から離れたところで電話に出ていた。
ちょうど龍哉が賞金以上のものを~といったタイミングで秘匿回線でかかってきたため、誰にも告げずに盗み聞きされない位置まで移動したのだ。
「『烏間君、君は生徒の不安と地球の不安、どっちが優先だ』」
その問いに渋い表情をする烏間先生。
「国の決定だ、もとより素人の子供達に殺れるとは思っておらん』」
「…それで、どのような人物なのでしょうか」
「『手練れだよ、世界各国で11件の
その報告を聞いて浮かない表情のままいくつか話をして電話を切る烏間先生。
ふと生徒達の方を見ると龍哉を中心に何やらとても楽しそうだ。
(…送り込まれてくる暗殺者…何も問題が起きなければいいが…)
問題が起きないことを願う烏間先生…しかし、彼は知らない。
その暗殺者により…大問題が引き起こされることを…
殺せんせーが毒を飲んで真顔になり、不破のメタ発言に対してい亜kのような会話文を入れようと思ってました。
「そういうのは言っちゃダメだろ!?言ってもいいのは異世界の烏間先生だろ!?」
「覇月君のほうがアウト!!ていうか何で知ってるの!?」
アニメの中の人ネタです、外したのは龍哉の設定がぶれかねないからです。
地の文のキャラ表記ですが基本的に主人公の呼び方に準拠しています。
作中で名前呼びになると名前に変更します。
…取り敢えず修学旅行の班振り考えないとな…
というわけで活動報告でアンケート取ります。
龍哉が所属する修学旅行の班はどこにするか、です。
締め切りは1月10日の23:59まで
待ってま~す