東方空物語   作:雪衣

8 / 9
しばらく、更新して無かった訳ですが、もう1つの作品で書き方の練習してました。(ーー;)
一応、もう1つの作品は手抜きがひどいです。
そろそろ、こっちの作品に力を入れていきたいですね。
いろいろと忙しくなるので更新スピードは何とも言えないですが……


第8話 ありがとう

「よっこらしょっと」

狐の妖怪が背負ってきた犬の妖怪を部屋の布団の上に降ろす。

僕はその間に自室の薬を取ってきた。

「ほんと、物好きだな。人間が妖怪を助けるなんて馬鹿も良いところだぞ。もしかしたら、喰われる可能性だってあるのに」

「そうかもね…でも、僕はね、助けられるなら、人じゃなくても助けたい」

私は気が付けばこう聴き返していた。

「なぜだ?」

彼は空を見上げる様にして、どこか遠くを見つめて答えた。

「………助けたかった人が居たんだ。彼女はみんなを助けようとした。だけども、全員は助けれなかった。人より優れた力をもっていても無理だった。そして、村人は全員を助けれなかったことを責めた。そして、彼女を見捨てた。

もしかしたら、僕はそんな人達と同じにされたくないのかもしれないね」

私は人間に殺されかけられた身だ。だから、人間に対して恨みがある。こいつはその人間に友人を見殺しにされたのだろう。こいつも少なからず人間に恨みを持っているのだろう

(少なくとも他の人間よりかは信頼できるな)

私はこいつの頭に手を置き

「ひとまず、信頼はしてやる。命を助けて貰った身だ。借りを返すまではここで厄介になるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

それが僕達の分かり合えた瞬間だった。

どの位の年が経っただろうか、空の奴はたまに怪我をした妖怪を拾ってきて、ここに匿って、この村のようなものに私達以外の妖怪が棲むようになった。

 

背中に見える2本の毛先が白色で全体的に黄色の尻尾を除けば、後ろ姿でもその姿に目を惹かれるであろう高身の女性と見た目、10歳程の黒髪の少年が流し台の前で料理をしているようだ。

「空、こっちはできたぞ」

グツグツと音を立てる鍋をかき回し、それに釣られるように2つの黄色の尻尾を回す。

「分かった。僕もそろそろ終わる」

2つの尾を持つ人の隣で白い割烹着を着た人が奏でるトントンと心地の良い音が止まる。

その2人の背後の机に近寄る影、それは顔を伸ばし、机の上の皿に近づける。

「あつぅぅいにゃー!!」

2本の長い尻尾を持つ猫が叫びながら飛び跳ねる。

そして、その猫は尻尾だけを残して少年と同じ年の姿をした、白を基調とした。花柄の着物を着た白髪の少女の姿に変わる。

 

彼女は猫又で名前は雪花(ゆきか)

 

「勝手に食べるな」

恨みがましそうに正面にいる人物を睨む。

その視線の先には、金髪に金色の瞳に割烹着を着ていてもなんとなく分かる程の豊かな胸と頭の獣耳を持つ人型の妖怪が先程、鍋をかき回していたお玉を持って、立っていた。

 

彼女は妖狐で名前は牡丹、僕が名付けた。

 

「雪花も懲りないねぇ」

「だってぇー、私の好きな物があるんだもん」

「なら、お前の分は無しにするか?」

「なんでにゃ!」

「お前の分が無ければつまみ食いしないだろ」

「ならみんなの分まで私が食べてやるにゃ」

「できるのか?百鬼の分もか?」

たくらみ顏で言う

「ニャ〜〜!」

最初は強気の姿勢がだんだんと弱くなっていき、逆立っていた尻尾もヘタッとなる。

「ムリにゃ〜」

「ぷっ」

「そぉらぁ〜」

「ごめんごめん、いつものことだけど面白くてね」

何か考える顔になる雪花。そして急ににやけると

「………ニヤァ 空の魚をくれるなら許してやるにゃ」

牡丹が再び雪花の頭にお玉を乗せる。

ジュー「あついにゃー‼︎」

再び飛び跳ねる。

「強請るな」

僕はついつい、笑いが堪えきれなくなってしまう。

「あはははは」

そんな感じで1日が始まる。

 

僕達は縁側の近くの見晴らしの良い部屋に料理を並べる。

それを何時ものように、軽く結界で囲み、振動で倒れないようにする。

 

外からどーん、どーん、と地響きがする。それが家の前で止まり、開けっ放しの窓から巨大な顏が見える。

「帰ったぞ!ほら、みやげだ!」

そう言うと、どさりと音を立てながら、野菜が置かれる。

「みやげって、私達の畑のですよね。それにそんなに取ってきて、どうする気ですか?」

微妙にこめかみに青筋を立てながら牡丹は聞く

「こまけぇことは気にすんな、畑はだいたいは俺が耕してんたがら変わんねぇさ」

その畑はもともとは村の物だったが、その村人がいないので、畑はみんなで共有している。

 

彼は百鬼、見ての通りの鬼である。しかし、その背は高く8〜9メートル程もある。体色は肌色に赤を足したような色である。その巨体から分かるように並の敵では相手にならないだろうが、真っ直ぐ伸びていたであろう、2つある角の右側は途中で折れており、左の角しか無い。

 

「余ったら、坊主にまかしとけば安心だろ」

「はぁ、確かに保存できますけど、疲れるんですよ、百鬼さん」

ため息を吐きながらも、頼られている事に嬉しそうでもあった。

 

他人にはなぜ嬉しそうにしているのか分からないだろう。

しかし、ここで共に生活をしている者は言わずもがな分かっていた。

 

空が何人もの妖怪の命を助けたとはいえ、空は人間だ、妖怪と人間は食う者と食われる者、その垣根は深く、なかなか埋まるものでも無かった。それが今では、同じ釜の飯を食べる仲になって、からかいあったりする間柄になっているからである。

 

だが、それは自然とそうなった訳ではない。今の仲になるきっかけとなった事件があった。

 

それはまだ起きてないがこの家に住むある1人の妖怪、僕が2人目に助けた狼の妖怪、銀(しろがね)が中心となった話です。

 

僕はいつものように1人でみんなの分の食事の用意をしていました。

しかし、牡丹さん以外は食べに来ません。

牡丹さんは何も言わず座り机のご飯を食べ始めます。

他の人達が来ません。そして、理由も知っています。みんな、外で、人間や野草、動物を狩っているからです。

それでも僕はお腹を減らして帰ってきた時の為に待っていると、夜になり、みんなが帰ってきました。

「また、待っていたのか。ナメるなよ!糞ガキが、俺はテメェの助けが無くても生きていける!俺がお前を食わねえのは、借りを返してるからだ!分かったら、なめた真似すんじゃねぇ‼︎」

百鬼さんはこう言って、立ち去り、神社の裏で寝そべる。

銀さんや雪花さんは何も言わず、部屋を素通りして、寝室に行く。

そして、いつものように、ご飯が冷めた頃に1人で食べるそんな日々が続き、また、僕は翼を怪我した鴉の妖怪を、介抱しました。その介抱も数日で終わり、鴉とは何も話さずに何処かへ行きました。彼は日に何度が来て、他の村と外で狩りをしている人の情報を集めてきてくれた。しかし、その理由が分からず聞いてみた。

「どうして、他の村の事を教えてくれるの?」

「そうだな、1つ目に助けてくれた礼だ。

2つ目に、もしもの為の隠れ家の見立てを立てる為だ。利用価値があると見せつければ、匿ってもらいやすいからな、お前は人間だからな、まさか、人間が妖怪を匿っているなんて思わないだろ。」

「そんなことしなくても、僕は君が困ってたら助けるよ」

「そんなこと言って、お前が逆に妖怪の仲間の振りをしているんじゃないか?他の奴もそう思っているみたいだしな」

「そんなこと…」

僕はみんなに信頼されてないと知ると沈みこんでしまった。

「…そうだ、ひとつ伝え忘れていたな。お前の所の狼、名前はしろがね?だったか、そいつが、付近の村に捕まったらしいぞ」

「え?」

「まあ、そのうち、毛皮にされておしまいだろう。運が無かったな」

鴉は当たり前のように何時もの調子で言う。それが僕にはおかしいとしか思えない。

「どうして?」

「へ?」

私は疑問が帰ってくるとは思ってなかった。

だって、それは当たり前なのだから、人間に捕まったというのは何処でもありえること。逆に人間に助けられたなんて言うのは実際に体験しても信じきれないくらいおかしなことだ。

「なんで、仲間が殺されるのに平然としているの?」

「なんでって、そりゃ当然の事だろ?何もおかしいところなんてないが」

「そう…」

「他に用がないなら、帰るぞ。………そんなに気になるなら、しばらく、あの狼の様子を見といてやるよ」

鴉は飛んで行った。

 

その夜、僕は食事の用意を忘れて、自室で考え事をしていた。

「おい、飯の用意ができたぞ」

部屋のふすまが開き、牡丹さんが部屋を訪ねてきた。

「……今、行きます」

廊下を明らかに沈んだ様子で牡丹さんの後ろをついて行き、席につく。しかし、僕はご飯に手をつけずに座っているだけだった。

「……カチャ…………カチャ………おい、何があった?」

牡丹さんは僕に構わず食事をしてたのをやめました。

「……銀さんが人間に捕まりました」

「そうか」

「……………「このままで良いのか?」……えっ?」

「はぁ、何を悩んでいるかは知らんが、助けたければ、助けに行けばいい」

呆れ顔で僕に言葉を投げかける。

「良いのかな?」

彼らは、僕を嫌っている。なのに助けに行って良いのだろうか?

「何が良いのか知らんが、やりたいようにすればいいあいつが勝手に捕まったんだ。お前が勝手にあいつを助ければいい」

「…うん!そうだね、行ってくるよ‼︎」

「あー、ちょっと待て」

牡丹さんは僕の頭に手を乗せると何かぶつぶつと唱える。

すると、僕の服装が牡丹さんの服装と似た感じだが、黒っぽいゆったりとした長袖ロングスカートに変わり、頭は牡丹さんのよりつばが長く、顔が軽く隠れる帽子を被っていた。

「これで簡単には見つからないだろうし、余計な者も近づかないだろう」

「ありがとう!」

僕は笑顔で外へ出て行った。

牡丹さんはキョトンとした顔をしていたけど、僕は気にせず走る。

 

「ふっ ”ありがとう” か」

少し笑みを浮かべながら、さっきの言葉を繰り返す。

 

 

 




「久しぶりの登場で忘れてる?諏訪湖様だよー!」
「作者の放置については今回は目を瞑ってあげてね(*^^*)練習していたのは本当だからね。
出してないけど、10個位あっちの方は書きだめてるみたいだけど、あんまり納得はしてないみたいで、ある程度納得が行くまでは出さないみたい」

「別にお菓子に釣られた訳じゃないからね!
……本当だよー(¬_¬) 」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。