月村家のたくさんの猫たちのなかの一匹の物語   作:向日葵星人

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第8話

フェイトとアルフが逃げ帰った後、まず、ユーノがクロノに謝罪をしました。

ユーノにわたしも謝るようにと、諭されましたが、わたしは到底承服できないと返答しました。

クロノには、「お前は何者だ」と言ってやりました。

その態度にクロノは大変腹をたてていましたが、リンディ・ハラオウンと名乗る女性からの通信によって、その場はおさめられました。

このあと、時空管理局の次元航行船というものへと初めて足を踏み入れることとなりました。

 

転移魔法によって、次元航行船なるものの内部へとやってきました。

わたしは、初めての場所に心を躍らせ、目を輝かせていましたが、なのははというと、不安でいっぱいであったようでした。

『ユーノ君、ここって、いったい』

『えと、時空管理局の次元航行船の中だね』

ユーノは、次元航行船の説明として、いくつもある次元世界を自由に行き来するための船と補足していたけれど、なのはは良くわからないといった返答をしていました。

わたしは、なにかのSF小説で似たようなものが出ていたななどと考えながらその説明を聞いていました。

また、ユーノによれば、時空管理局とはそれぞれの世界に干渉しあうような出来事を管理する機関であるということでした。

それを聞いて、なるほど警察組織のようなものか、確かに喧嘩を売って良い相手ではなかったかなどと思いました。

 

「いつまでもその格好でいるのは窮屈だろう。バリアジャケットとデバイスは解除して平気だよ」

扉を1枚通り過ぎると、クロノは振り向き言いました。

なのはは、小学校の制服の姿に戻りました。

そして続けて、クロノが言いました。

「君も、元の姿に戻ってもいいんじゃないか」

すると、ユーノは鼬の姿から、人間への姿へと戻りました。

なのはは、なにか、言葉にならない叫びをあげ、混乱し、非常に愉快な挙動をしていました。

どうやら、この変態鼬は、なのはに事情を説明していなかったようでした。

部屋に居着き、着替えをのぞき、風呂まで一緒にはいったとなれば、たしかにユーノが自分から言い出すことなどできるわけ無いかと思いました。

 

この後、艦長室へ呼ばれ、我々がジュエルシードの捜索を行うようになった経緯を説明し、ロストロギアであるジュエルシードがいかなるものであるか、という説明をうけました。

そして、この後、ジュエルシードの捜索は管理局で行うと、そして、我々3人は元の生活に戻るようにということでした。

クロノは、我々3人がジュエルシードにかかわることを完全に否定しているようでしたかが、艦長リンディの方は、それほど強硬に否定しているわけではなく、やめておいた方がいいんじゃない、といった具合であるように感じられました。

 

『ところで、リンディ艦長、わたしはフェイトの後ろ盾に覚えがあるのだけれど』

話に一区切りついたのを感じて、わたしは発言しました。

その場にいた全員が、何を言っているのかといった表情で、こちらに視線を向けました。

『いや、今日、臨海公園へ到着する前、フェイトの後を追って、プレシア・テスタロッサのところへ行ってきたのだよ』

皆が言葉を忘れてしまったように黙ってしまったので、わたしは言葉を続けました。

「まず、なにから聞いたら良いのかしら、そう、ね、まず、プレシア・テスタロッサというのは誰なのかしら」

リンディは、戸惑いながらもわたしに質問をしました。

『プレシア・テスタロッサは、フェイト・テスタロッサの母親だよ』

ちょっと事情が込み入っているけど、と心の中で付け加えました。

この場ですべてを話す気は、さらさら無かったのです。

そもそも身分を保証されていない状況で、知っていることを全て話したら、少々、いやかなりわたし自身の立場が怪しくなるように思えました。

相手は、異界の警察機構なのだから、用心して、用心しすぎることはないと、わたしは思っていました。

そのような訳で、わたしが積極的に話さないので、リンディは次々に質問をしてきました。

「そう、そしたら、プレシア・テスタロッサが、フェイトに命じてジュエルシードをあつめていると」

そういうことかしらと、リンディは言いました。

『そのようであるらしい』

リンディは、やはりそういう事情であったか、と言った表情を浮かべました。

「プレシア・テスタロッサがなぜジュエルシードを集めているかは、ご存知」

『いや、そこまでは把握いない』

これは、まったくの事実で、むしろ、先ほどのハラオウン親子によるジュエルシードについての説明によって、余計にわからなくなった事項でした。

プレシアの日記を読んだとき、わたしは、ジュエルシードがただ願いをかなえるためのものであると認識していました。

ですから、数を増せば、より困難な願いが叶えられるのではないか、などと考えていました。

しかし、さきほどの説明では、ジュエルシードは次元干渉型のエネルギー結晶体だということでした。

願いが叶うというのは、むしろ副次的効果なのでしょう。

おそらく、そのようなことは科学者であるプレシア・テスタロッサも承知のことでしょう。

ならば、なぜ、ジュエルシードを集める必要があるというのでしょうか。

プレシアの成し遂げたいこと、それは、アリシアの復活なのでしょう。

次元干渉型のエネルギー結晶体を用いて、それをどのように行うのか、それは猫であるわたしには到底わからないことでした。

このあと、プレシア・テスタロッサの居場所について質問されましたが、生憎、位置座標を記憶しておらず、わからないと、返答するにとどまりました。

「君らは、とんだむちゃをする面子だな」

最後にクロノがそのようなことを言い、場を締めくくったのでした。

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