【更新停止】ご注文は義兄ですか?   作:Gurren-双龍

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おはこんばんちは、Gurren-双龍です。
サブであるこっちの方がメインであるチルレコよりお気に入り登録数が多い……
ハーメルンじゃあ良くあることだよね……
では、どうぞ


First Order
第1羽 もふもふ愛好家の少女がご来店


「ここが木組みの街か〜。綺麗だな〜」

 

小さい頃に来て以来、ずっと好きだったこの街のある家に居候する事になった私「保登 心愛」は、以前来た時から変わりない街並みを楽しみながら、下宿先の家を探していた。

 

「ん?喫茶店……『ラビットハウス』…?」

そんな時、ある喫茶店の看板と名前が目に付いた。その名前を見て私は猫カフェのような物を想像した。

 

「ちょっと休んでいこうかな」

 

興味を惹かれた私は、この喫茶店、「ラビットハウス」で休憩する事にした。

 

 

◇◆◇◆

 

 

ガチャ、カランカラン

 

「うっさぎ〜うっさぎ〜♪」

「「いらっしゃいませ」」

 

お客さんが来たので、チノと一緒にお出迎えすると、その少女は僕らを見るや否や突然キョロキョロしだし、そして、

 

「ウサギがいない!?」

((なんだ…この客))

 

突然そんなことを言い出した。しかしそんな事を思った事とは裏腹に、僕はある事を思い出した。例の居候の子が来るのはこの時間帯だと聞かされている。見る限り彼女は僕と大して歳が変わらないように見える。

 

(もしかして…この子がそうなのかな?)

 

写真とか名前まで聞かされていないので、断定は出来なかった。しかしそれでも彼女は客だ。もてなさねば。

 

「…もじゃもじゃ」

「…は?」

 

しかしそう思った矢先にまたもや意味不明な事を言い出した。しかし僕とチノは、その視線がチノの頭の上に向いている事に気付いた。どうやらティッピーが気になるようだ。

 

「これですか?」

「これは『アンゴラウサギ』のティッピーです。うさぎですよ」

「え!?その子が!?」

 

そう説明された事に驚いているようだが、まあ無理もないだろう。知らなければ分かりにくいだろうし。今思えばなんで爺ちゃんはウサギはウサギでも「アンゴラウサギ」を選んだのだろう。聞いてみたいものだ。後で聞くとしよう。

 

「まあそれは兎も角として、お席はこちらです」

「あ、はい。ありがとうございま〜す」

 

取り敢えず立ち話も何なので、席に座らせる事にした。彼女が座ったのを確認して、チノに注文を聞くよう目配せした。理解したのか、チノは彼女に向き直す。

 

「ご注文は」

「じゃあ、そのうさぎさん」

「非売品です(キッパリ)」

 

突然さらに意味不明な事を言い出した。すぐにチノが切り捨てたが。それにしても喫茶店でうさぎを注文するとは変わった客だ。……喫茶店でアンゴラウサギを飼ってるウチが言えた事じゃないけど。

 

「せめてモフモフさせて!」

 

しかし非売品と言われたのにも関わらず、ティッピーをモフモフする事を諦めていないようだった。

困ったようにチノが僕の方を見ると、僕は一つ提案をした。

 

「コーヒー1杯で1モフモフではどうでしょうか?」

「じゃあ3杯!!」

「種類は?」

「オススメで!」

 

取り敢えずこちらもあちらも損をせず、それどころか得をするこの方法。中々良い提案だと思う。今日の僕は冴えてるのだろうか。

取り敢えずチノに淹れてもらおうと目配せすると、チノはカウンターに向かっていった。しかしその時にティッピーがこちらを睨んでいた。

大方、「ヒロ!ワシを!祖父を売る気か!?」とでも言っているのだろう。

なので僕は、「爺ちゃん、犠牲は付き物さ。それに儲けが出るんだ。我慢して」と目で言った。言いたい事が分かったのか、爺ちゃんはさらにキツく睨んできた。なんでさ。

 

「お待たせしました」

「やった!これで3回モフモフ出来る!それじゃ…」

「先に飲んでくださいね?」

「ガーン!」

 

チノが自分で淹れたコーヒーを3杯、彼女のテーブル席に運んで来た。相変わらず良い匂いだ。

しかしコーヒーを飲まずにモフろうとしていたので、そうはさせまいと注意する。当然だ。

ともあれ、この少女は素直なのか、すぐにコーヒーカップを一つ手に取った。

あの匂いは確か「コロンビア」だ。そして彼女は一口飲むと、

 

「この上品な香り!これがブルーマウンテンかー」

「いいえコロンビアです」

 

いきなり通ぶった感じの事を言い始めた。しかし物の見事に外している。そして僕は正解した。やったよ爺ちゃん。

そして彼女はすぐに二つ目のコーヒーに口手を伸ばす。あれが「ブルーマウンテン」だ。多分。そして彼女はさっきと同じ様にまた一口飲むと、

 

「この酸味…キリマンジャロだね」

「それがブルーマウンテンです」

 

またもや外している。そしてまたもや僕は当たった。僕の勝ちである。何をもって勝ちというのかは知らないが。

そして三つ目に手を付ける。あれは……確かウチのオリジナルだった筈だ。 こればっかりは自信がない。

そしてまた彼女は一口飲むと、

 

「安心する味!これがインスタントの…」

「うちのオリジナルブレンドです」

「………」

 

………………ハァッ!?「インスタント」だとぉ!?事もあろうにうちのオリジナルブレンドを「インスタント」だとぉ!?見習いとはいえ、一バリスタである身としてはブチ切れたくなったが、我慢して営業スマイルを作る事にした。チノはプルプル震えているが。チノは間違っていない。

そして、もう飲んだ、とでも言いたいのか、彼女はティッピーへと手を伸ばして捕まえ、胸元に寄せ始めた。どうやらモフる気のようだ。約束は約束なので、ほっとく事にした。

爺ちゃんが助けを請うようにこちらを見つめてきたが、助けられないので目を逸らした。爺ちゃんは「ガーン!」と効果音でも出そうな顔をした。哀れティッピー。

 

「はぁ〜もふもふ気持ちいい〜。…いけないよだれが……」

「のおおおおお!」

「あれ?このうさぎ叫ばなかった?」

「気のせいです」

 

そしてティッピーは凄く「ふにゃ〜」とした表情をした彼女に激しくモフられ始めた。野太い声を上げながら。聞かれてたようだが、チノの言った通り「気のせい」で済ませる事にしたようだ。ある意味凄いなこの娘。

 

「それにしてもこの感触癖になるなぁ」モフモフ

「えぇいはやく放せ小娘が!」

「??なんかこの子にダンディな声で拒絶されたんだけど」

 

とうとう耐え兼ねたのか、絶叫する爺ちゃん。そして今度こそは勘付いたようだ。またもや困ったようにチノがこちらを見つめてきた。しょうがない。一芝居打とう。チノの為にも爺ちゃんの為にも。

 

「僕の腹話術ですよ?」

「そうです。それと早くコーヒー全部飲んでください。冷めてしまいます」

 

そう言うと、素直に残ったコーヒーを飲み始めた。どうやら普通にいい娘のようだ。捻くれてたら軽く威圧してでも飲ませなきゃだったし。

 

「私、春からこの街の学校に通うの」

「「はあ」」

「でも下宿先探してたら迷子になっちゃって」

 

突然彼女が身の上話を始めた。そして僕はそれを聞いて、彼女が居候の子なのでは?という予想が強まってきた。まあそんな僕を置いて彼女は話しを進め始めた。

 

「道を聞くついでに休憩しようと思ったんだけど、『香風』さんちってこの近くの筈なんだけど知ってる?」

(……やっぱりこの娘か……)

 

確信した。間違いなく彼女がウチの新しい居候の子だ。チノも自分達の姓が出た事に驚いているようだ。普通の人には分かりにくいが。

 

「……『香風』はうちです」

「え!?」

 

チノも彼女も驚いたようなキョトンとしたような表情を浮かべた。まあ驚くのも無理はない。

 

「すごい!これは偶然を通り越して運命だよ!」

((いきなり運命感じられた……))

 

そしてまた意味不明な事を言い出す。もはや慣れてしまいそうで怖い。というかこれが毎日となると慣れそうだ。大事な何かを失う代わりにツッコミスキルが上がりそうだ。まぁ、とにかく自己紹介するとしよう。

 

「私はチノ、『香風 智乃(かふう ちの)』です。ここのマスターの孫です」

「同じくマスターの孫、『香風 大輝(かふう ひろき)』です。『ヒロ』と呼んでください」

「私はココア、『保登 心愛(ほと ここあ )』だよ。よろしくねチノちゃん、ヒロ君。二人は兄妹なの?」

「ええ。まぁ、どちらかというと…「はい。兄妹です」

 

正確には義理の兄妹であると言おうとすると、チノに遮られた。まだ話さなくていい、と言いたいのだろう。なので引き下がる事にする。ココアさんも気にしていないようだし。

 

「あと高校の方針でね、下宿先させて頂く代わりにその家でご奉仕しろ、って言われてるんだよ」

「つまり……うちで働くって事だね。話は聞いてるよ。チノ、案内して」

「はい……って、ヒロ兄さん、何で兄さんは知ってるんですか?」

「チノへのサプライズって事で♪」

「……まあ、それで許してあげます」

 

やっぱり気になったのか、突っ掛かってくる。因みにチノは身内以外の人がいる時には、僕の事を「ヒロ兄さん」と呼ぶ。おい誰だ。「ひろ◯ちお兄さんみたい」って言ったのは。

 

「お願いねチノちゃん……って、えっと…ここのマスターさんは留守?」

 

中々痛いところを突いてくる。貴女がさっきまでモフッてたのがマスターだなんて言えないし。するとチノが、

 

「………祖父は去年…」

 

チノがボソッと呟いた。普通の人なら「亡くなっている」と思うだろう。まあ実際そうなのだが。

 

「(あっ、もしかしてお爺さん亡くなって…)そっか、今は兄妹二人で切り盛りしてるんだね…」

 

何となく察したのか、そんな事を言う。まあ大方合ってるが。

 

「いえ、父もいますしバイトの子がもう一人…」まふっ

「私を姉だと思って何でも言って!」

「………っ!?」

 

んな!?コイツ…リゼでも滅多にやらない事を……!?この娘は少し常識が抜けているようだ。にしてもいきなりチノに抱き付くとは……コイツは要注意人物だ。マークしておかねば。

あと、チノの姉は既にリゼが取っているからダメです。

 

「だからお姉ちゃんって呼ん」

「じゃあココアさん、早速働いてもらうよ。チノ、案内して」

「あ、はい。(お兄ちゃん、さっきの話、あとで聞かせてもらいますよ?)」

「いってらっしゃ〜い。(分かってるって)」

 

何故かココアさんはチノの手を取って「姉と呼んで」とか言ってたが、チノがリゼ以外に「姉」呼ばわりするとは到底思えないので、諦めた方がいいと思う。

とか何とか思ってると、二人は更衣室に向かった。

 

「さてと…リゼもそろそろ戻ってくるかな?」

 

ココアさんより早く来て今着替えている真っ最中であろうリゼが、早速やらかさないかだけが気掛かりだったが、仕事に取り掛かる事にした。




ひとまずここで区切ります。コミックスを読みながら書いたので、大体原作通りの流れの筈です。区切った場所も、ちょうど一羽の真ん中あたりの筈だし。
(私の心の)メインヒロインリゼは次回からです。可愛さが引き立つように書きたい。
私は五人の中なら「リゼ>千夜>チノ>ココア>シャロ」の順に好きです。
前回と比べてヒロのキャラが変わってるように見えますが、単にチノ絡みだと変になるだけのシスコンなので悪しからず。タグに「シスコン」って入れようかな?
では、次回をお楽しみに
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