時空のエトランゼ   作:apride

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9話 冥王星攻略【後編】

「こちらアルファ1古代! アルファ2山本聞こえるか? 」

 

「こちらアルファ2山本! 感度良好! 」

 

「今度は正式な任務だ! 期待しているぞ! 」

 

「はい! 」

 

 

二機のコスモゼロが発艦する。艦底ハッチからはコスモファルコンが次々と発艦してゆく。

 

 

「アルファ1より各機へ! これより目標発見まで通信を封鎖する! 成功を祈る! 」

 

 

 

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《 第二艦橋CIC 》

 

「全機発艦完了! 周域に敵影認められません」

 

「森、対空警戒を厳に! 敵衛星に動きはないか? 」

 

「‥(そろそろ来るぞ! ま、初弾は喰らうだろう)」

 

「静かすぎる…」

 

島が呟いた‥その時‼

 

「敵衛星に動きが! あっ! 高エネルギー体! 直撃します‼ 」

 

森船務長が叫んだ‼

 

「衝撃に備えろっ‼ 」

 

 

『 ド オ ォ ォ ン !! 』

 

 

「うあぁっ! 」「きゃぁぁ! 」

 

凄まじい衝撃が襲ってきた!

 

「うぁっ! ‥ぐ、うぅ‥(なんだ? ‥この感覚? )」

壁に張り付き倒れた私は異様な感覚に襲われた。

 

 

「左舷艦央に直撃! 軽微破口有り! 」

 

 

「あと2・3発喰らうと波動防壁がもたんな⁉ 衛星にしては威力が大きいな? 」

 

真田副長は新見情報長を見る。

 

「衛星からの直接射撃ではありません! 地上からのエネルギー体を衛星が反射しました! 」

 

「新見君! 次弾の予測は? 」

 

「初弾の発射から予測座標を算出しました! 座標データを射撃システムへリンク! 」

 

「いつでも撃てます! 」

 

砲雷長の南部が握り拳を掲げる。

 

「衛星に動き有り! 次弾きます! 」

 

「主砲発射! 」

 

次の瞬間‼ 一瞬早く衛星を撃ち砕いた!

 

目標を失ったエネルギー体は漆黒の闇へ吸い込まれる如く消え去った…

 

「よしっ! 」

 

南部は得意気にガッツポーズする。

 

「いつまでも防げるものでもない…南部! 衛星迎撃態勢で航空隊からの連絡に備えろ」

 

「はい! 敵衛星へはショックカノンと対空ミサイルにて対処します! 」

 

「島! 冥王星へ降下! 新見! 地表に隠れる場所はあるか? 」

 

「‥山脈・渓谷などは見当たりません! 凍結していますが、海が存在します! 」

 

 

「敵衛星に動きが! 次弾きます! 直上! 」

 

「いつの間に!! 間に合わないっ!」

 

『 ド オ ォ ォ ォ ン !! 』

 

 

 

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コスモファルコンが二機

 

ブラボー1(加藤)ブラボー2(杉山)

 

不意に加藤の後ろに閃光が!

 

『 ド ガ ッ !』

 

「 杉 山 っ! 」

 

加藤の目には、爆発四散する杉山機…キャノピーにへばり付く杉山だった物が見えた気がした…

 

『ピー ! ブラボー2 ・ ロスト 』

 

無機質に音声案内が響いた‥

 

「ちぃぃ! ここが本命かっ! こちらブラボー1 敵基地発見! 」

 

 

 

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その頃、ヤマトでは‥

 

「ダメージコントロール‼ 損害知らせ‼ 」

 

「両舷中央区に複数破口! 損害は軽微なれど浸水中! 排水作業中です! 」

 

現在、ヤマトは水深300㍍の海底にいる。

 

「擬装爆発で騙せたようだな。通信ブイ上げろ! 航空隊からの連絡を待ちながら、損傷箇所の復旧を急げ! 」

 

 

「…(先手を打ち、流れを変えたはずが‥結局こうなるのか! )」

 

流れを変えたら、その後の流れも違ってくるのは当然なのだ。戦いは相手も必死だ‥そうそう都合良くは行かない。‥私は尻もちをついた状態のままで次に起こりうる状況を考えていた。

 

「‥っ!‥ミハル⁉ 」

 

見ると、新見が心配そうに覗き込んでいる。

 

「‥心配ない。ちょっと背中を打っただけだ」

 

「そう? でも、凄い汗よ⁉ 」

 

額から汗が滴り落ちていた…

 

「おやぁ? まさかPTSDかぁ? 後でカウンセリングを頼むよ‥ハハハ ‥(まだか古代!)」

 

と、その時‼

 

「ブラボー1加藤機より入電! 交戦中の目標サイト5! 」

 

相原が叫んだ‼

 

「そこが奴等の基地か!! 」

 

南部は歓喜の声を挙げる!

 

「いや、まだ敵の本拠地と特定できたわけではない」

 

真田副長は相変わらず冷静だ。

 

 

「たとえ不確かでも‥それに賭けねば拓かれぬ戦もある」

 

 

沖田艦長は反撃に転じる決断をした。

 

「本艦はこれよりガミラスへの反抗に転じる! 」

 

 

『総員第三種戦闘配備!! 』

 

 

 

 

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その頃、古代と山本は‥

 

『こちらブラボー1 敵基地発見! サイト5だ! 』

 

「行くぞ山本! 」

 

古代は機体を旋回させ離脱してゆく‥

 

古代に続き旋回しようとした山本の視界に(揺らめく光)が映った!

 

「え?‥オーロラ⁉ 待って下さい! 古代さん! 」

 

「どうした? 」

 

その瞬間‼ オーロラを突き破ってガミラス戦闘機の編隊が現れた‼

 

「2時の方向に敵影! 」

 

 

 

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────────

 

 

「 ヤマト浮上!! 」

 

艦底から浮上したヤマトは艦底部VLSから対地ミサイルを斉射した!

 

直後に相原が叫んだ‼

 

「アルファー1古代機より入電! 敵基地発見! 」

 

「よくやった古代! (玲も! )」

 

 

「船体復元180度! 」

 

「主砲を三式融合弾に換装! 敵基地砲撃開始! 」

 

「敵基地座標入力完了! 撃ちーかた始め! 」

 

三基の主砲9門が斉射! 火炎が吹き上がる!

 

放たれた主砲弾は放物線を描き地平線の向こうへ吸い込まれるように消えていった‥

 

「これより本艦は敵基地殲滅に向け出撃する! 上げ舵20度! ヤマト発進! 」

 

沖田艦長の号令で発進したヤマトは、主砲弾を連射しながら突き進む!

 

 

「森! 敵艦艇の反応はどうだ? 」

 

「周域に敵艦の反応ありません! ‥あ、離脱してゆく艦艇有り! 数4! 」

 

「島! 追撃する! 南部! 主砲をショックカノンに切り換え! 」

 

 

「…(敵司令官はワープで逃げる。ここで撃破できれば‥あ、向かってくる戦艦がいるんだった)」

 

考えていた矢先‥

 

「敵艦反転! 向かってきます! 」

 

「‥(‥ほらね)」

 

 

「体当たりする気か!? 」

 

「島! 回避しろっ! 南部! 撃ち落とせっ‼ 」

 

瞬間!? 最大戦速で面舵を切る島!それに合わせ照準を修整し主砲発射を行う南部! 絶妙のコンビネーション!

 

「‥(二人ともやるじゃないか!)」

 

 

 

『 ド ド オ ォ ン ! 』

 

 

突っ込んできた戦艦は大爆発して巨大な火の玉になった。そして、ガミラス艦隊旗艦はワープで戦場離脱した。

 

「‥敵超弩級戦艦 ワープしました。作戦宙域に敵影ありません! 」

 

森船務長がやや上擦った声で報告する。

 

 

「やったー! 」

 

南部の歓喜の声を合図に艦橋内の張り詰めた空気が一気に解かれていった!

 

 

未だ誘爆を続けている冥王星基地を眼下に沖田艦長は宣言する。

 

「ガミラスの冥王星基地はこれで終わりだ。もう地球に遊星爆弾が落ちることはない! 」

 

「かけがえのない多くの犠牲を払った‥長かったな…」

 

そう言って戦場に敬礼する沖田十三の脳裏にはこれまでに散っていった人々の姿が浮かんでいたのだろう。

 

 

勝利に沸く艦橋でひとり…

 

「…(勝ちはしたが、流れを変えることはできなかった)」

 

 

「浮かない顔だな‥参謀長」

 

真田副長が横にいた‥

 

「‥敵将を逃しました。あれがどう動くか気がかりでしてね…」

 

無難な理由を口にしておく…

 

「ふむ‥参謀とはそういったものなのだろう。常に二手三手先を考えている‥か?」

 

「まあ、そんなところです」

 

「流石は武藤第一作戦部長の右腕だけある。今回は被害を最小限に抑えての大勝利だった。‥頼りにしているよ」

 

真田副長はにこりと笑った

 

 

「被害か‥はっ!?」

 

私は足早に艦橋を後にして走り出していた!

 

 

 

──────────────────

 

 

「佐渡先生! 」

 

「なっ? なんじゃ~♪ オヌシもこれが目当てか? 」

 

戦闘が終わったばかりだというのに、佐渡先生は酒瓶を抱えてほろ酔い…ご機嫌のようだ♪

 

「ご機嫌ですね? 負傷者は?」

 

「あぁぁん? たいした怪我人なぞおらんよ! 酒でも飲んで寝とれば大丈夫じゃ! ガハハ! 」

 

「そうでしたか…良かった」

 

「‥戦死一名だけで済んだのは奇跡的じゃな」

 

「‥杉山(やはり避けられない)…失礼しました」

 

医務室を後にする…

 

 

歩きながら考えていた。

 

「‥(メインキャストの流れを変えることはできないか、山本明生も救えなかったしな…)」

 

ヤマト計画が始まる前‥私は偶然にも山本玲の兄〔山本明生〕に出会っていた。詳細は知らなかったが、彼が物語が始まる以前に死ぬこと‥そのことは記憶にあった。その時は純粋に助けたいと…

 

しかし、経緯は違っても…明生は死んだ。

 

 

死ぬ運命にある人物は救えない‥のか?

 

ここでさらに、本来存在しなかった瓜生ミハルが関わることで…死なないはずの人物を死なせてしまうのでは?

 

 

 

『知っている』ということは‥こうも不安なものなのか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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