アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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第12話

 

 

翌日。アスカは転移門の前に集まった。すでにそこにはキリトが待っていた。

 

「ふわぁ……眠い……。おはよー、キリト……」

 

「眠そうだなアスカ。おはよう。アスナは一緒じゃないのか?」

 

「は?なんで?」

 

キョトンと首を捻るアスカ。

 

「や、だって姉妹だし、少なくともしばらくは一緒に行動するんだから、てっきり一緒に暮らしてるもんかと」

 

「恐ろしいこと言うなよ。気まずさで死んで欲しいの?」

 

「早く仲直りしろよ……」

 

「昨日、夜のベンチでずーっと血盟騎士団に入るか入らないかの談義してた私達に言えるか?それ」

 

「ごめん……」

 

「ていうか、血盟騎士団なんて入りたかないよ。絶対堅苦しいしノルマとかありそうだしボス戦の時はキリトとパーティ組めなくなるし」

 

「はっ?さ、最後、なんて……?」

 

「は?最後?………あっ、いや今のは……ほら、ソロ同士で組んだ方が気が楽じゃん?」

 

「ああ、そういう……」

 

誤魔化せた……みたいな感じでアスカが一息つくと、「お待たせ」とアスナがやって来た。そのアスナを見た瞬間、思わずアスカは吹き出しそうになった。私服だったからだ。しかも、女性ならみんな知ってる、裁縫スキルを最初に千に到達させたアシュレイさんのお店の服だ。

きっと着ていく服に悩んでたんだろ〜なーっと、想像しながらアスナを眺めつつ、キリトの様子を見ると、「おはよう」と、服のことなどまるでスルーしていた。

 

「………嘘でしょ」

 

「どうしたアスカ?」

 

キリトが聞いてきた。そのキリトの耳元でアスカはぼそぼそ喋る。

 

「おい、気付いてやれよ」

 

「? 何が?」

 

「や、もうなんでもない」

 

呆れるアスカ。

 

「それより、どうするの今日は?」

 

アスナが声をかけた。それにアスカが思い出したように言った。

 

「そうそう、私考えたんだけどさ、貫通ダメージの武器をぶっ刺したまま圏内に入ったらどうなるんだろ?」

 

「あー……止まる、んじゃないかな?」

 

「だからさ、試してみない?」

 

「は?」

 

で、三人はフィールドに出た。

 

「試すって、どう試すのよ」

 

アスナに聞かれてアスカは短いスピアを取り出した。

 

「今更だけど、アスカってメイン武器はなんなんだ?いつもバラバラの武器だよな」

 

「私はオールラウンダーを目指してるんだよ」

 

「でも一番得意なものとかあるんだろ?」

 

「それは……片手剣か、レイピアかな?いや、ダガーもいいかも……」

 

「結構軽めの武器が好きなんだな」

 

「うん。その方が体が自由に動かせるし」

 

言いながらアスカは取り出したスピアを自分の腕に刺そうとした。

 

「待ちなさい!何する気⁉︎」

 

アスナがそれをガッ!と止めた。

 

「何って……試すだけだけど」

 

「圏外じゃ何が起こるか分からないのよ⁉︎」

 

「へーきだよ。私、自動回復スキルもあるし……」

 

「ダメよ!そんなのそこのにやらせておけばいいのよ!」

 

「おーい、俺の人権は?」

 

二人のやり取りの中、サラッと傷付けられて思わずキリトはボヤくが無視された。

 

「とにかくやめなさい!」

 

「………………」

 

「何よその目」

 

「いや、なんか私のこと意外と心配してくれてるなーって思って……」

 

「そりゃそうよ。妹だもの」

 

「…………………」

 

感動のあまり、泣きそうになってると、キリトが釘くらい短い剣のようなものを取り出した。

 

「これならいいだろ?アスナ」

 

「……それなら、ね」

 

で、実験してみると、止まった。

 

「止まったな……」

 

「ええ、止まったわね」

 

…………でっ?みたいな空気が流れた。

 

 

 

 

どっかの建物。ヨルコとお話の日。

 

「悪いな、友達が亡くなったばっかりなのに……」

 

「いえ、私も早く、犯人見つけて欲しいですし……」

 

言いながら、アスナに視線を逸らすヨルコ。すると、感嘆の声を上げた。

 

「うわぁ、すごいですね。その服全部、アシュレイさんのお店のワンメイク品でしょう。全身揃ってるとこ、初めて見ましたー」

 

アスカはブハッと吹き出した。

 

(あ、あっさりバラしやがった………)

 

額に手を当てる横で、キリトがヨルコに聞いた。

 

「それ、誰?」

 

「知らないんですかぁ⁉︎」

 

だめな人を見る目でキリトを眺めながらヨルコは解説を始めた。

 

「アシュレイさんは、アインクラッドで一番早く裁縫スキル千を到達したカリスマお針子ですよ!最高級のレダ生地素材持参じゃないと、なかなか作ってもらえないんですよー」

 

「へーっ!」

 

と、素直に感心するキリトにアスカは耳打ちした。

 

「ほら、そんなものを着てくるってことは……もう分かるでしょ?(小声)」

 

「………何が?」

 

「だーかーらー!お姉ちゃんの私服褒めてあげなよ。誰のために着てきたと思ってるんだよ(小声)」

 

「お前と仲直りするためだろ?」

 

「違うよバカ!アホ!マヌケ!少しは考えてよ!いいから褒める!(小声)」

 

「さっきから何をコソコソ喋ってるのよ」

 

二人にアスナがツッコんだ。

 

「このバカ二人はほっといていいから。ヨルコさん、グリムロックって名前に覚えはない?」

 

アスナが聞くと、一瞬ピクッと反応するヨルコ。

 

「し、知ってます。私とカインズが所属していたギルドのメンバーです」

 

「そう……辛いこと聞くようなんだけど、あなたとカインズさんと、あとそのグリムロックさんの間で何があったか、教えてもらえる?私は今回、カインズさんをあんな見せしめのように殺した時点で恨みによる事だと思ってるのだから、お願いできないかな」

 

「はい……わたしも、無関係ではないですし……だから、お話します」

 

で、ヨルコの話だと、

・黄金林檎というギルドにいた

・レアアイテムがドロップした

・ギルドで使うか売るか多数決をとった

・五対三で売却になった(内、カインズ、ヨルコ、そしてシュミットという男が指輪反対側)

・リーダーが売りに行ったが帰って来なかった

・生命の碑を見たら、死んでた

という話だ。

 

「……なるほどね」

 

キリトが呟いた。そして、アスカが聞いた。

 

「それで、グリムロックさんはどういう人だったの?」

 

「彼は……黄金林檎のサブリーダーでした。そして、どうじにギルドリーダーの旦那さんでした。もちろん、SAOのですけど」

 

「え、リーダーさんは女の人だったの?」

 

「ええ。とっても強い、と言ってもあくまで中層レベルでの話ですけど、強い片手剣士で、美人で、頭も良くて、私はすごく憧れてました」

 

「………じゃあ、グリムロックさんもショックだったでしょうね。結婚までするほど好きだって相手が……」

 

と、アスナの呟きにアスカが口を開いた。

 

「いや、どうかな?」

 

「どういう意味よ」

 

「SAOでの結婚はアイテムやお金を共有化できるだろ?なら、指輪を売らせたあと、或いは売らせる前に殺せばグリムロックの一人勝ちだよ」

 

「………確かに、あり得る話ではあるわね。でもそれなら、グリムロックの武器はどうなるのよ」

 

「それは……まだ分かんない。そもそも、グリムロックの武器ってだけでグリムロックが殺したとは限らないじゃん」

 

「まぁ。二人とも落ち着けよ。ヨルコさん、嫌な話させて悪かったな」

 

キリトが仲裁し、ヨルコに詫びた。

 

「いえ、私も無関係ではありませんから」

 

 

 

 

ヨルコを宿に送ったあと、三人は歩いていた。

 

「さて、これからどーする?」

 

アスカが聞くと、アスナが答えた。

 

「そうね……とりあえず、元黄金林檎のメンバーに話を聞いてみるとか……」

 

「でも名前が上がってるのはグリムロックとシュミットだけだよ?」

 

「そのシュミットって人、どっかで聞いたことあるような……」

 

「そーだっけ?………って、キリトさっきからどこ見てるの?」

 

アスカがアスナの服装をジロジロ見てるキリトに声をかけた。

 

「えっ、あーいや……えっと、とてもよく似合ってるよ。その服」

 

と、アスナに言うキリト。アスカは額を手で押さえ、アスナは顔を真っ赤にして怒鳴った。

 

「うー!そーゆーのはね、最初に見た時に言いなさい‼︎」

 

着替えてくる!と、アスナは何処かへ早歩きで去って行った。

 

「バカだなキリト……」

 

「解らない。まったく解らない、女性心理というものは」

 

「私もあんたが何考えてるか分からない」

 

冷たく言い放つアスカだった。

 

 

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