リズベット武具店。
「リーズ♪」
「うわっ!」
いきなり背後からリズに飛び付くアスナ。
「あー…ごめんね」
「その台詞、何回聞いたかなあ。……まあ、叩き始めてからでなくてよかったけどさ」
それで、ため息とともにその女性は立ち上がった。
「それで、どうしたの?」
「剣のメンテ、お願いできるかな?」
「はいはい」
で、アスナは剣を渡した。
「………ってこれ、まだ新しくない?」
「うーん……そうなんだけど、ピカピカにしときたくて」
よーく見れば、耳にイヤリングが付いてたり、ブーツが新しくなってたりしていて、それを見るなりリズはニヤリと笑った。
「な、何よ」
「ふぅーん、男だな?」
「ひ、ひみつ!」
「そっかー。最近、元気良いと思ったら男が出来たかー」
「そ、そんなんじゃないわよ!」
からかいながら、作業を進めるリズ。
「しかし、昔は攻略一筋!って感じだったのに、変わるものだねぇ」
「うぅ〜!………そ、そんなに違う?」
「そりゃあもう」
「うう………」
悔しそうに唸るアスナ。
「アスナをここまで変えちゃうなんて、ちょっと興味あるわね……。今度、会ってみようかしら」
「ふえっ⁉︎き、キリトくんのこと知ってるの⁉︎」
「へぇー、キリトって言うんだ」
「あっ……リズ!」
「今のは自爆じゃない。へぇ、キリト、ね。よーく覚えとくわ。あ、終わったわよ」
「もう!ありがと!またね!」
「次は惚気話聞かせてね〜」
そのままアスナはのっしのっしと出て行った。
○
「よーっす!リズー!」
アスカが元気良くリズベット武具店ご入店した。
「あ、今度はアスカ。どしたの?」
「んーちょっとね」
と、ニコニコしながらアスカは言った。
「アスナと仲直りしてからずいぶんご機嫌じゃない」
「えへへーまぁね。なんていうか、15年間一緒に生きてて初めて姉妹として会話した気がしたから、嬉しくて……」
「ふーん……聞いて良いのかわからないけど、どんな関係だったのよ」
「うーん……なんていうか、姉妹なのにライバルというか、周りから比べられるのが嫌っていう自分勝手な理由で毛嫌いしてた。でも、なんか思ってたのと違った」
「違ったの?」
「なんていうか、普通に良い人だった。多分、ちゃんと話す機会があれば、もっと今までちゃん姉妹やれてたと思うんだ」
「ふぅーん……まぁ、良かったじゃん。その姉妹を今はやれてるんでしょ?」
「うん。リズのお陰かな」
「私はなんもしてないわよ」
「でも、お礼言わせて。ありがと」
と、アスカは笑顔でお礼を言ってから、本題に入った。
「でさ、ちょっとリズに相談があってね」
「何ー?」
「エクストラスキルが出たんだけど、そのために剣を作って欲しい……」
「なんですって?」
ガバッと身を乗り出して、アスカの肩を掴むリズ。
「や、だからエクストラ……」
「ど、どんな⁉︎なんていう⁉︎出現条件は⁉︎」
「お、落ち着けリズ!肩痛いから離して」
「ああ、ごめん……」
リズはなんとか手を離した。
「それで、どんなスキルなの?」
「エクストラスキルって言って良いのか分からないけど……」
言いながらアスカは自分のステータスを見せた。片手剣、細剣、両手剣……などと武器の種類とそのパラメータがある中、ワイヤーブレードと書かれたものがあった。
「……何よこれ」
「分かんない……。こんなの何処の武器屋にもないし……だから、リズなら作れないかなって」
「無理よ私でも。なんだか分からないものを作るなんて」
「だよねぇ……出現条件も分かってないし……気がついたらあったっていうか……」
「ふぅーん……アスナには相談したの?」
「してない。ていうか、最近本当に血盟騎士団に入れってうるさくてそれどころじゃない」
「なるほどね……ワイヤーブレード、ねぇ……とりあえず、考えてみるけど……」
「ワイヤーはたくさん持ってきたからさ、使ってよ」
言いながらアスカはワイヤーを山のように出した。
「…………どしたのそのワイヤー」
「戦闘でよく使うんだよ」
「何に」
「先端にピックとか付けて、飛ばしてモンスターに刺して引っ張って殴ったり……」
「バカじゃないの」
「いいじゃん、どーせやるならアニメみたいに戦いたいじゃん」
「あんたの拘りなんかどうでもいいわよ」
なんて話してると、店のドアが開く音がした。
「あ、お客さん。ワイヤーブレードのことは考えといてあげるから、あんたもう帰りなさい」
「はーい」
言いながら二人で店の奥から武器とかが飾ってあるところに出た。
「「リズベット武具店へようこそー!」」
「ってなんであんたも言うのよ」
「いいじゃん」
なんてグダグダに挨拶してると、中にいたのはアスカはどっかで見たことある黒の剣士だった。