アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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第3話

 

 

翌日。第一層フロアボス討伐隊が集まった。その中央に立つ男、ディアベルが噴水の縁に立った。

 

「みんな、もう俺から言うことはたった一つだ」

 

そう言って、腰の剣を抜いて、空に剣を向けた。

 

「勝とうぜ!」

 

それに、そこにいたプレイヤー達が拍手喝采を送った。討伐隊は出発した。

 

 

 

 

全員はディアベル達の後ろに続き、フロアボスのいる扉へと足を運ぶ。その途中、アスナはキリトに声をかけた。

 

「ねぇ、他のゲームでもこんな感じなの?」

 

「こんな感じ?」

 

「ほら、みんなで一緒に歩くというか……遠足みたいな」

 

「え、遠足……か。でも、他のゲームじゃこうはいかないよ。フルダイブ型のゲームじゃないから、移動するのにキーボードやらコントローラやらマウスやらを操作しなきゃならないからさ。少なくとも話してる暇は無い」

 

「ああ、なるほど……」

 

「ボイスチャット搭載のゲームなら話してる人もいるかもだけど……俺はそういうのやってなかったからな」

 

「ふうん……。ねぇ、あなたはどうなの?」

 

アスナはアスカに聞いた。だが、返事はない。

 

「ちょっと聞いてるの?」

 

それでも返事は無い。帽子を深く被ったまま、俯いて歩いてる。

 

「ねぇ」

 

アスナはアスカの肩を叩いた。その瞬間、「ひゃうっ!」とヤケに甲高い悲鳴が上がる。

 

「な、何⁉︎もうボス戦⁉︎」

 

「違うよ。どうしたんだお前。緊張してんの?」

 

キリトがいつに無いほど顔を真っ青にしてるアスカに声をかけた。

 

「う、うるさいな……。私、昔から本番に弱いんだよ。試験とかいつもそうだもん……」

 

と、今にも吐きそうになって答えた。すると、アスナがジーっとアスカを見つめた後、ちょいちょいと手招きした。頭に「?」を浮かべながらも、近寄ると、ギューッと抱き締められた。

 

「うえっ⁉︎」

 

「んなっ……⁉︎」

 

動揺するアスカとキリトを無視してアスナはそのまま抱き締めること数秒、ようやく離した。

 

「どう?収まった?」

 

「えっ、あっ、うんっ……」

 

「ならいいわね。しっかりしなさい」

 

と、そのまま頭を突かれる。

 

「あ、あの……なんの、マネですか?」

 

まるで敵の三下のような質問をした。

 

「私の妹にもあがり症の子がいてね。その子にこうやって、してあげられれば良かったなぁって思って……」

 

昔、してあげられなかっあことを後悔するようにアスナは言った。キリトもアスカも、しんみりした空気に目を逸らした。

 

「ま、なんだ。リアルに戻ったらめいいっぱいやってやれよ」

 

と、アスカはアスナの肩を叩いた。

 

「……そうね。そうするわ」

 

そんなことを話しながら歩いてると、ボス部屋に到着した。そして、先頭のディアベルは後ろに振り返り、頷いた。他のメンバーも大きく頷く。

 

「行くぞ!」

 

そう叫び、ドアを思い切り押し開けた。

 

 

 

 

部屋の中央にはイルファング・ザ・コボルドロードという太ったカンガルーみたいな奴がいた。

 

「グルルラアアアアッ‼︎」

 

と、咆哮がボス部屋内に響き渡った。予定通り、全員全部隊が配置に着く。キリト、アスナ、アスカは一番後ろで予定通りに狩り漏らしを倒していた。

 

「ほっ」

 

と、息を口から漏らしてアスカは取り巻きを片付ける。アスナもその隣で剣を振るう中、その二人の様子をキリトはなんとなく眺めていた。

 

(似てる………)

 

というのが感想だった。いや、戦闘スタイルは全く似てないし、むしろソードスキルをよく使うアスナと、まったく使わないアスカは正反対ですらあった。だけど、なんか雰囲気が似てた。うわあ、曖昧。

そんなことを考えながらふとボスの方を見ると、ちょうど最初のHPゲージが消えた。あちらも順調のようだ。なら、今は余計な事は考えないで、キリトも前の戦闘に加わった。

 

 

 

 

ボスのHPゲージがようやく残り一本になった。キリトもアスナもアスカも仕事が終わりかけていた。アスカは隣のアスナを見ながら「この人つえーなー」とかぼんやり思いながら戦ってると、後ろから声がした。

 

「だ……だめだ、下がれ!全力で後ろへ跳べーーッ‼︎」

 

キリトの声だ。何事かと思ってアスカはキリトの視線の先を見ると、ディアベルがボスのカタナスキルによってフルボッコにされていた。大きくぶっ飛ばされ、ドシャッと落下するディアベル。

キリトはポーションを持ってディアベルに駆け寄ったが、ディアベルのHPはすでになくなっている。

 

「……あとは頼む、キリトさん。ボスを、倒」

 

そこでディアベルは、青い欠片となって四散した。その瞬間、うわあああああっ!と、悲鳴に近い叫びが響いた。全員が絶望的な声を上げる。

 

「なんで、なんでや……ディアベルはん。リーダーのあんたが、何で最初に……」

 

キバオウが声を漏らした。リーダーが最初に死ぬ、それは普通ならありえてはならならことで、言うなれば逆シャアでいきなりリ・ガズィにサザビーが堕とされるレベルであり得なかった。本来なら、ここは退くべきだろう。ほとんどのプレイヤーが戦意喪失してるからだ。

だが、キリトは立ち上がった。さっきディアベルが言いかけたこと、『ボスを、倒』。間違いなく「倒せ」だろう。

 

「へたってる場合か!」

 

キリトはキバオウの肩を掴んで言った。

 

「な、なんやと?」

 

「E隊のリーダーのあんたがへたってたら隊は全滅するぞ!周りの取り巻きの狩りはあんたが指揮するんだ!」

 

そして、キリトは剣を抜いた。ボスを睨みながら。すると、その隣にアスカが立った。

 

「私も手伝うよ。一応、パートナーだし」

 

さらに、そのキリトの反対側にアスナが立った。

 

「行くぞ、二人とも。手順はセンチネルと同じだ」

 

そのまま三人で突撃。その時、アスナがフード付きケープを邪魔そうに掴み、身体から引き剥がした。そこからでてきた顔は、アスカにとってこの世界で一番見たくない顔だった。

 

 

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