アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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第30話

それから二週間ぶりに、キリトとアスカはグランザムに戻った。実はこの二週間はほとんどアスカのファンからの逃亡の所為だったのだが、その時にユイと色々あったりしたのだが、ぶっちゃけ原作とやってること変わらないのでいいとして、まぁとりあえずヒースクリフに呼び戻されてグランザムである。

 

「偵察隊が、全滅……⁉︎」

 

隣にアスナを控えさせているヒースクリフからそれを告げられた。

 

「昨日のことだ。75層の迷宮区のマッピング自体はなんとか、犠牲者を出さずに終了した。だが、ボス戦はかなりの苦戦が予想された……。そこで、我々は5ギルド合同のパーティ20人を偵察隊として送り込んだ。前衛の10人が部屋の中央に到達して、ボスが出現した瞬間、入り口の扉が閉じてしまったのだ。扉は5分以上開かなかった。鍵開けスキルや直接攻撃しても無駄だったらしい。そしてようやく扉が開いたとき……」

 

そこで、一瞬目を閉じ、言葉を続けた。

 

「部屋の中には何もなかったそうだ。10人の姿も、ボスも消えていた。転移脱出した形跡も無し。つまり……」

 

そこから先は言葉に出さなかった。キリトは唾を飲み込んだ。

 

「いよいよ本格的なデスゲームになってきたわけだ……」

 

「だからと言って攻略を諦めることはできない。結晶による脱出が不可な上に、今回はボス出現と同時に背後の退路を絶たれてしまう構造らしい。ならば、統制の取れる範囲で可能な限り大部隊をもって当たるしかない。了解してくれ給え」

 

言われて、キリトもアスカも頷いた。

 

「では、攻略開始は3時間後。予定人数は君たちを入れて32人。75層コリニア市ゲートに午後1時集合だ。解散」

 

そう言われ、二人は出て行こうとした。が、

 

「ところでアスカくん」

 

「はい?」

 

「あの血盟騎士団の衣装は着ないのかね?」

 

「くたばれ」

 

今度こそ部屋をあとにした。

 

 

 

 

で、早くも3時間後。キリト、アスカはクライン、エギルと共に「最後の晩餐になるかもしれん!」みたいなよくわからん理由で五分前まで飯を食っていた。ギリギリセーフで到着し、ヒースクリフが挨拶をする。

 

「欠員はないようだな。よく集まってくれた。状況はすでに知っていると思う。厳しい戦いになるだろうが、諸君の力なら切り抜けられると信じている。開放の日のために!」

 

その力強い声にプレイヤーたちは一斉にときの声で応えた。

 

「キリトくん、アスカくん、今日は頼りにしているよ。《二刀流》と《ワイヤーブレード》だったかな?存分に振るってくれ給え」

 

ワイヤーブレードはリズに頼んで新調しておいた。

ヒースクリフはポケットから回廊結晶を出した。全員でコリドーの中に入り、ボス部屋の前に移動。そこで、ヒースクリフは十字盾をオブジェクト化させたあと、言った。

 

「では、行こうか」

 

その声とともに扉に手をかけた。キリトはクライン、エギル、アスカの肩を叩いた。

 

「死ぬなよ」

 

「へっ、お前こそ」

 

「今日の戦利品で一儲けするまではくたばる気はないぜ」

 

「せめてラスボスの顔くらいは見てみたいからね」

 

キリトの声に、三人は言い返した。

 

「戦闘、開始!」

 

ヒースクリフの声で、全員が一斉にボス部屋の中に走り出す。全員、自然な陣形を作って立ち止まる。が、ボスの姿は見えない。

 

「上よ!」

 

アスナが叫んだ。上を見ると、デッカい変なのが天井に張り付いていた。全員が動揺する中、アスカはワイヤーブレードを伸ばし、モンスターの腕の鎌に巻き付けた。

 

「アスカ!無茶だ!」

 

キリトに言われるが言うことを聞かない。というか、無茶ではなかった。

 

「ふんごぉおおっ……!」

 

思いっきり腕に力を込めると、天井のボスが傾いたのが見えた。

 

「全ッッッ員、武器を抜いて退けェエエエエッッ‼︎‼︎」

 

ワイヤーブレードのソードスキル、フォーシブル・フィッシャー。自分の攻撃力のステータスが一定以上なら、無条件でモンスターをブン投げられるソードスキルだが、その分、直後の硬直時間も長い。

アスカはそれを使ってボス、ザ・スカルリーバーをブン投げた。それが、ボス部屋の奥の壁に叩き付けられる。

 

「総員、一斉攻撃!」

 

ヒースクリフの台詞で、アスカ以外の全員が隙だらけのボスをボコボコにした。

開戦後のスタートは完璧に切れた。

 

 

 

 

一時間後、ようやくボスが四散した。全員が全員、喜べたものではない。理由は、戦死したプレイヤーの数だ。

 

「何人、やられた?」

 

クラインが聞いた。

 

「………9人、死んだ」

 

「嘘だろ………」

 

完璧なスタートを切ったにも関わらず、このザマである。キリトもアスナもアスカも、生き残ったのに空気は暗かった。これでまだ4分の3、このレベルのボスがこれからも続くとなると、攻略組は更に減っていくだろう。

どのプレイヤーも、俯いたり疲弊したりしている中、一人だけ異様な奴がいた。キリトとアスカがそいつを見る。

ヒースクリフ、無論彼も無傷ではなかったが、それでもHPは緑を切っていない。ボスのあの強力な鎌、あれはアスナとキリトが二人がかりでギリギリ捌き切ったものだったが、ヒースクリフはそれを一人で捌いていた。それだけでも疲労しても不思議ではないのに、涼しい顔でプレイヤー達を見下ろしている。

その時、二人はデュエルの時のヒースクリフのとんでも反応を思い出した。キリトのスターバースト・ストリームの最後の一撃を捌き切ったあのとんでも回避。

その瞬間、キリトが動き出した。が、そのキリトの肩にアスカが手を置く。

 

「ダメだキリト」

 

周りに聞こえないような声でアスカは言った。

 

「えっ?」

 

「SAOの攻略に、キリトは必要不可欠だ。それくらい分かるでしょ?もし違ったら、キリトは攻略組にいられなくなる」

 

「それは……!」

 

「だから、私が代わりにやる」

 

「え?」

 

「もし違ったら、お姉ちゃんとお幸せにな」

 

「待っ……!」

 

その瞬間、アスカはワイヤーブレードをヒースクリフに飛ばした。

 

 

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