アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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第34話

 

ALO。鳥籠の中。

 

「そうなんだよ。僕は研究所の主任なんだよぉ」

 

「へぇ〜!じゃあ、すごいんですね!」

 

オベイロンを調子に乗らせていた。

 

(親衛隊に絡まれた時用に相手を煽てるスキルを付けといて良かった……)

 

と、安心するアスカ。敵意をビンビン出すより、上手く仲間意識的なものを出して油断させようという作戦だ。

 

「ちなみに研究室にはどんなものがあるんですか?」

 

「どんなもの、とは?」

 

「例えば……サイコミュとか?」

 

「ははは、今僕がやってる研究が終わればそれも夢じゃないかもしれないね。でもまずはMSを作らなくては」

 

「そっか。やっぱりまずはザク?」

 

「いや、モビルワーカーだろう」

 

「そっち行くかー!」

 

地味に盛り上がってた。

 

 

 

 

和人は早速、アルヴヘイムオンラインを起動した。早速、名前と種族を決める。とりあえず、キリトと名乗り、テキトーにスプリガンを選んだ。

で、ゲームスタート。まずは自分の領地へと降りるはずだ。その通り、キリトは自分の領地へ落ちていく……はずが、いきなり全ての映像がフリーズした。あちこちでポリゴンが欠ける。

 

「な、なんだぁ⁉︎」

 

そのまま暗闇の中に落ちて行った。

 

 

 

 

「うわああああ!」

 

「きゃああああ!」

 

落下中、いつの間にか声が二つになった。

 

「ありっ?」

 

「あ、もしかしてキリトくん⁉︎」

 

落下しながら会話を始めた。

 

「アスナ!どうしたその青い髪!グレたの?」

 

「そんなわけあるか!ウンディーネを選んだらこうなったのよ!キリトくんこそ、そのオールバックは何⁉︎」

 

「グレたんだよ!」

 

「なんで⁉︎」

 

なんて話してると、いつの間にか地面がわずか3メートル先まで近付いていた。

 

「「あっ」」

 

ボグッと落ちた。

 

「ってて……」

 

で、キリトは辺りを見回す。SAOの時のような世界が広がっていた。

 

「また……来ちゃったなぁ……」

 

「ほんとだね。懲りないね私たち」

 

アスナも苦笑いしながら言った。

 

「一応、確認しとくか……」

 

「? 何を?」

 

「ログアウトボタン」

 

「あー……わたしもっ」

 

アスナも確認した。で、ボタンはしっかり存在し、とりあえず安堵する。ついでに習得スキルやステータス、ヒットポイントなどを確認してみると、首を傾げた。

ヒットポイントや魔力はそれぞれ、400、80といかにも初期値とした数字で、問題はない。だが、始めたばかりで習得スキルだのなんだのが既に存在し、片手剣スキルに至っては1000になっている。

 

「……SAOの中、なのか?」

 

「いや、でもそれはないと思うよ。SAOに魔力なんてなかったし……」

 

何気ないキリトの呟きに反論するアスナ。今度はアイテムを確認してみた。が、ほとんど文字化けしていて、どれがなんなのかサッパリ分からない。すると、キリトの脳裏にある物が浮かんだ。「やることは大して原作と変わらない」という理由でカットされたものの、存在だけはしているアレが。

キリトは指先で画面をスクロールする。

 

「キリト、くん……?」

 

「頼む、あってくれ……頼むよ……」

 

アスナに聞かれても答えない。すると、MHCP001というボタンがあった。そのボタンを押すと、無色透明のクリスタルが出てきた。

 

「それは……?」

 

「俺たちの希望だ」

 

キリトは短くそう答えると、クリスタルを二度叩く。すると、クリスタルはキリトの手元から離れ、空中に上がると、パァッと光った。その光の中から、純白のワンピースの女の子が出てきた。

アスナがそれを唖然として眺める中、キリトは女の子に向けて手を広げた。

 

「俺だよ……ユイ。わかるか……?」

 

すると、ユイと呼ばれた女の子は、キリトのことを見て、声を上げた。

 

「また、会えましたね、パパ」

 

アスナが全力で目を腐らせる中、ユイはキリトに飛び込んだ。

 

「パパ……パパ!」

 

キリトも抱きかかえようとする。が、そのキリトの顔面をアスナは蹴り飛ばした。

 

「パパァ⁉︎」

 

ガビーン!となるユイを捨て置いてアスナは蹴り飛ばしたキリトの元へ歩き、首元に剣をつきつける。

 

「なっ、何すんだよアスナ!」

 

「待ちなさい。あなた、あの子のことどうやって洗脳したの?」

 

「ち、違う!そもそもその子はAIだから洗脳も何も……」

 

「じゃあ何、本当のパパだっていうの?お相手は?」

 

「ママはアスカさんです」

 

「ユゥウィイちゅわはぁぁぁん⁉︎余計なこと言わないで!」

 

「へぇ……私の知らない間に、私がいながら、私の妹と、子供作ってたんだ?」

 

「誤解だ!お願いだから話を聞いてくれ!」

 

 

 

 

なんとか事情を説明し、アスナは納得した。

 

「ふぅーん……ま、そういうことにしといてあげる」

 

「してあげるも何も真実なんだけどな……」

 

と、キリトは呟いてからユイに言った。

 

「で、こりゃ一体どういうことなんだ?」

 

だが、ユイはきょとんとした顔でキリトを見ている。

 

「や、ここはSAOの中じゃないんだよ実は……」

 

「ちょっと待ってくださいね」

 

ユイはそう言うと目をつぶった。

 

「……ここは、この世界はソードアート・オンラインのサーバーのコピーだと思われます」

 

「コピー?」

 

「はい。基幹プログラム群やグラフィック形式は完全に同一です。ただカーディナル・システムのバージョンが少し古いですね。その上に乗っているゲームコンポーネントはまったく別個のものですが……」

 

「ふむう……」

 

キリトが考え込んでると、アスナが聞いた。

 

「じゃあ、私やキリトくんのデータがあるのは?」

 

「ちょっと、パパのデータを覗かせてくださいね」

 

ユイは再び目を閉じた。

 

「……間違いないですね。これはSAOでパパが使用していたキャラクター・データそのものです。セーブデータのフォーマットがほぼ同じなので、二つのゲームに共通するスキルの熟練度を上書きしたのでしょう。ヒットポイントとマナポイントは別形式なので引き継がれなかったようです。アイテムは破損してしまっているようですね。このままではエラー検出プログラムに引っかかると思います。アイテムは全て破棄した方がいいです」

 

「そっか、なるほどな……。アスナもだぞ」

 

「分かってるわよ」

 

で、多少の抵抗はあったものの、二人なんとかアイテムを破棄。おかげで、初期装備のみとなった。

 

「このスキル熟練度は平気かな?」

 

「システム的には問題ありません。プレイ時間と比較すれば不自然ではありますが、人間のGMが直接確認しない限り大丈夫でしょう」

 

「なら、安心だけどなんか普通のプレイヤーのみんなには申し訳ないね……」

 

アスナが苦笑いを浮かべた。

 

「そういえば、ユイはどういう扱いになってるんだ?」

 

「えーと、私はプレイヤーサポート用の擬似人格プログラムになってるみたいですね。ナビゲーション・ピクシーだそうです」

 

すると、ユイは突然発光し、すぐに消滅した、かと思ったら身長10センチくらいに縮み、なんかいつの間にか早着替えしていた。

 

「これが、ピクシーの姿です」

 

「おお……」

 

キリトは感動しながらユイの頬を突いた。

 

「くすぐったいですー」

 

「ねぇ、ユイちゃん。今のユイちゃんはどんなことができるの?」

 

アスナが真面目な顔で聞いた。

 

「私にできるのはリファレンスと広域マップデータへのアクセスくらいです」

 

「そっか……」

 

「ユイ、実はな……」

 

と、キリトが事情を説明した。須郷の事は置いといて、アスカがここにいるということを話した。

 

「大体は分かりました。でも、ごめんなさい。今の私の力では、ママを探すことは出来ません」

 

「いや、だいたい何処にいるかは分かっているんだ。ユイにはとりあえず、地図の代わりになってもらおうかな」

 

「お任せください!」

 

元気良くユイは胸を張った。

 

「じゃあユイちゃん。とりあえず、街まで案内してくれる?」

 

「そうだな、情報が欲しい」

 

アスナの台詞にキリトが賛同する。

 

「分かりました。西の方にスイルベーンという街が有りますね。そこが一番近いので飛んで行きましょう」

 

「そういえば、どうやって飛ぶんだ?」

 

「左手を立てて握るような形を作ってください。そうすれば、補助コントローラーが出ます。あとはそれを手前に引くと上昇、押し倒すと下降、左右で旋回、押し込みで加速、離すと減速となっているようですね」

 

「なるほどな……。うしっ、じゃあ行くか」

 

「うん!」

 

アスナが元気よく答え、キリトとアスナはふわりと浮いた。すると、ユイが「あっ」と声を漏らす。

 

「プレイヤーが四人います」

 

「おお、戦闘中かな。見に行こうぜ」

 

「パパは相変わらずのんきですねぇ」

 

「まぁいいじゃない。どちらかに加勢すれば情報とかタダでくれるかもよ?」

 

アスナの台詞に「だな」とキリトは頷いた。

 

「ユイ、先導頼む」

 

「了解です」

 

三人は飛び立った。

 

 

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