キリト、アスナ、リーファ、ユイはとりあえず飛んだ。
「ありがとう。アスナのお陰で助かったよ」
「いえいえ。ああいういざこざはよくあったから」
「へっ?」
「あーいやなんでもない」
「ごめんね。嫌なことに巻き込んじゃって」
リーファはしゅんっと詫びた。
「いや、俺も火にガソリン注ぐような真似しちゃって……」
「ほんとだよー。キリトくん」
ジトーっとアスナがキリトを睨んだ。
「し、仕方ないだろ!あの言い草は少しイラッとしたんだから!」
「ふーん、まぁ別にどうでもいいケド」
「お前こそナンパされてたじゃないか」
「あんな堅そうなヒト、私はゴメンよ」
「じゃあ、どんな人が好みなの?」
リーファが聞いた。
「私は………」
アスナは口を開きかけて、チラッとキリトを見た。バッチリ目が合い、カァーッと顔を赤くする。
「な、なんでもないわよ!」
「ふぅーん?」
ニマニマするリーファとキョトンとするキリト。
「つまり、アスナさんはパパのことが好」
と、言いかけた所でユイを掴むアスナ。
「余計なこと、言わないで」
「ん〜!ん〜!」
「お、おいアスナ!」
「あら、ごめんなさい」
「ケホッケホッ……う〜……酷い目に合いましたぁ〜」
言いながらキリトのポケットに入るユイ。
「ど、どうしたんだよ……」
「何でもないわよアホキリトくん」
「はぁ?」
アスナの肩にリーファは手を置いた。
「頑張ってね」
「いえ、別に良いのよ。多分、勝てないから」
「勝てない……?」
「なんでもないわ。さ、急ぎましょう」
アスナが速度を上げ、それにキリトとリーファは続いた。
○
PGユニコーンガンダムをオベイロンは持ってきた。ご丁寧にコンセントとか作ってくれた。
『あっ、でもこの世界で電気の再現は中々難しくてねぇ、威力が電気属性武器並みだから、扱い気を付けてね』
それはアスカにとって好都合だった。今はオベイロンはいない。頼んだプリンを取りに行ってる。
(ま、上手くいくかは分からんけど……)
そんな事を思いながらアスカはプラモを作った。
○
四人は洞窟の前に到着。ローテアウトを済ませた。アスナが待機してる間に、和人と直葉が自宅に戻り、鉢合わせした。
「あ、二人とも起きた。おかえり……何かあったの?」
「「いや、なんでもない……」」
「いや、なんでもない事なさそうだけど……」
「なんでもないよアスナ……」
「ちょっと、自分たちに兄妹である資格があるか悩んでるだけ……」
「は?兄妹?」
アスナに聞かれて、二人は頷いた。顔を手で抑えながら。
「…………」
「…………」
「…………行こっか」
「「はい」」
洞窟に入った。
○
「「「…………」」」
三人揃って気まずい。微妙な空気の中、三人は洞窟を進む。すると、リーファにメッセージが入った。
「あ、メッセージ入った。ごめん、たんま」
「ああ」
リーファはそのメッセージを開く。
【やっぱり思ったとおりだった!気をつけて、s】
「………何これ」
思わず呟くリーファ。
「どうしたの?」
アスナに聞かれたので答えようとしたのだが、その前にユイの声がした。
「パパ、接近する反応があります」
「モンスターか?」
「いえ、プレイヤーです。十二人」
「じゅうに……⁉︎」
リーファは絶句した。
「隠れてやり過ごすわよ」
「どこに……?」
「そこはお任せよん」
リーファはそう言うと、キリトとアスナを壁際に寄せ、スペルを詠唱した。すると、薄茶色の壁が出てきた。キリト達から外は見えるが、外からは見えない。
「喋るときは最低のボリュームでね。あんまり大きい声出すと、魔法が解けちゃうから」
「了解」
アスナが短く返事をした。で、三人は通り過ぎるのを待つ。だが、
「あれは、なんだ?」
「へ?」
「モンスターかな?赤い、ちっちゃいコウモリが……」
「⁉︎」
リーファはそれを見るなり、隠蔽魔法から抜け出して、そのコウモリを始末した。
「お、おい。どうしたんだよ」
「高位魔法のトレーシング・サーチャーよ!街まで走るよ!」
そう言うと、三人は走った。たったかたったか湖の上の橋を通る。すると、街の入り口に壁が現れた。
「やばっ……」
「な……」
だが、キリトは走る勢いは止まらない。背中の剣を抜いて斬った。当然弾かれる。
「無駄よ。術者を倒さないと消えない」
「もっと早く言ってくれ……」
「君がせっかち過ぎるんだよ」
「それより、戦うしかないわよね」
アスナが言うと、リーファとキリトとアスナは剣を抜く。
「リーファ、君の腕を信用してないわけじゃないんだけど、ここはアスナと俺に任せてくれないか」
「へっ……?」
「そうね。ごめんなさいリーファ」
「わ、分かったけど……」
で、キリトとアスナは突撃した。キリトが先に斬りかかった。が、前衛の盾装備にガギィィンッ!と阻まれる。そのキリトの背中をアスナは踏み台にし、あっさり前衛を突破すると、敵の真ん中に飛び込んだ。
「えっ」
「あれ?」
そして、背後から盾装備をあっさり撃破。
「あっ……」
「サンキューアスナ!」
それによってキリトも懐に潜り込んだ。
「なっ……!」
後方からの魔法の援護をキリトは橋の欄干を跳ねて躱し、斬った。その動きに怯んだ中衛のメンバーをアスナはモーションだけフラッシングペネトレイターで倒した。その様子を見ながらリーファは呟いた。
「………なんなのあの人たち」
強過ぎて引いた。