アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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第43話

 

 

和人はログアウトした。

 

「あ、お兄ちゃん」

 

「やぁ、スグ」

 

「何を話してたの?アスカさんと」

 

「話してたのはアスカじゃないよ。や、あいつもいたけど」

 

「ふぅーん……」

 

「それよりスグ、木刀貸してくれるか?」

 

「へ?な、なんで?」

 

「護身用」

 

「べ、別にいいけど」

 

で、木刀を出してもらった。

 

「じゃ、行ってくるわ」

 

「うん。行ってらっしゃい」

 

和人は木刀を竹刀袋に入れて出掛けた。病院に到着し、駐輪場にチャリを止めた。そして、駐車場を駆け抜けた時、人とぶつかりそうになった。

 

「あ……」

 

すいません、と詫びて躱そうとした時、ギラリとした生々しい金属の輝きが横切った。

 

「っ⁉︎」

 

反射的に和人は木刀でガードした。竹刀袋を斬り裂き、破れる。和人は木刀を抜いた。

 

「遅いよ、キリトくん。僕が風邪ひいちゃったらどうするんだよ」

 

「す、須郷……!」

 

アスカの読み通りだった。

 

「酷いことするよねぇ、キリトくん。まだ痛覚が消えないよ。まあ、いい薬があるから構わないけどさ」

 

やったのは俺じゃない、いや俺も刺したけど、と和人は思いながらも和人は身構えた。

 

「須郷、お前はもう終わりだ。あんな大き過ぎる仕掛けを誤魔化しきれるものか。おとなしく法の裁きを受けろ」

 

「終わり?何が?何も終わったりしないさ。まあ、レクトはもう使えないけどね。他にも僕を欲しいっていう企業ら山ほどあるんだ。僕には今までの実験で蓄積した膨大なデータがある。あれを使って研究を完成させれば、僕は本物の王に、現実世界の神になって慣れる。まぁ、」

 

と、そこで言葉を切った。

 

「その前に、とりあえず君は殺すよ、キリトくん」

 

そう言うと、須郷は地面を蹴ってナイフで斬りかかった。それを和人は躱し、木刀を須郷の脇腹に叩き込んだ。

 

「ッ……!」

 

「諦めろ、須郷」

 

「諦めろ、だって……⁉︎偉そうに言うなクソガキがぁ!」

 

吠えながらナイフを持ち替えて上から刺そうとする。和人は木刀の柄でナイフを持つ手首を打ち払った。ナイフを落とさせた。

 

「なっ……⁉︎」

 

そして、拳で須郷の顔面をブン殴った。車に叩きつけられる須郷。

 

「もう一度言う、諦めろ」

 

「諦めない……僕はこんなところで終わらない!終わっていい人間じゃないんだぁああ!」

 

叫ぶ須郷。だが、動こうとしなかった。和人はかわいそうな人を見る目で須郷を一瞥すると、警察に連絡した。

 

 

 

 

和人は明日香の病室を開けた。

 

「明日香」

 

中では、ナーヴギアを外し、窓の外を見ている明日香がいた。その明日香が、和人に気付き、振り向いた。

 

「………キリト、だよね?」

 

明日香に聞かれた。

 

「ああ。そうだよ、アスカ」

 

和人は明日香のベッドに腰を下ろした。

 

「さっき、ようやく……本当の戦いが、終わったところなんだ」

 

そう語る和人の頬に、明日香は手を添えた。

 

「ごめん、まだ……耳だけよく聞こえないんだ」

 

「………そっか」

 

「でも、教えて?この前の、返事」

 

明日香が聞くと、和人微笑んだ。そして、自分の唇を、明日香の唇に押し付けた。そのまま、明日香の背中に手を回し、抱き締めた。数秒後、唇が離れる。明日香の目から、涙が零れ落ちた。

 

「これが、答えだよ。明日香」

 

「………うん、ありがと、和人……愛してるよ……」

 

涙ながらに二人は微笑み合った。

 

 

 

 

数ヶ月後、学校。チャイムが鳴り響いた。

 

「それでは、今日はここまで。課題ファイル25と26を転送するので来週までにアップロードしておくこと」

 

教師はそう言うと、大型パネルモニタの電源を落として教室から去った。

 

「あ、カズ。食堂行くなら席取っといて」

 

立ち上がった和人に隣の席の生徒が声をかけた。

 

「無理無理、今日は姫に謁見の日だろう、カズは」

 

反対側の席の生徒がニヤリと笑いながら否定する。

 

「あ、そうか。ちくしょう、いいなあ」

 

「うむ、まあ、そういうことだ。悪いな」

 

言うと、和人は教室の窓際後ろから二番目の席を見た。そこでは、明日香が気持ちよさそうに寝息を立てていた。

 

「………ほれ、白雪姫をキスで目覚めさせてやれよ」

 

「ば、バカ言うな。こんな所で出来るか」

 

和人はそう言うと、絶賛熟睡中の明日香の元へ歩いた。

 

「おい明日香、起きろ」

 

「ZZZ………」

 

「明日香ー」

 

「んっ……和人か……」

 

「おい、寝てていいのか?」

 

「大丈夫、この程度なら問題ない……」

 

「グッ……お前、思ったより不真面目だな」

 

「理解できる内容をバカ真面目に勉強する必要ないでしょ……」

 

「そんなんだから明日奈に全部持ってかれるんじゃないのか?」

 

その瞬間、明日香が凍り付いた。

 

「明日香?」

 

「かずと、嫌いっ」

 

ぶいっとそっぽを向いた。

 

「じ、冗談だよ!」

 

「バカズト」

 

「繋げるな!いいから昼飯にしようぜ。腹減ったよ」

 

「………ふんっ」

 

明日香は鞄の中から弁当箱を取り出すと立ち上がった。

 

「屋上行こ?」

 

「いつも思うんだけどさ、なんで一々食う場所変えるんだよ」

 

「えぇ……だ、だってさ、恥ずかしいじゃん……」

 

「何が?」

 

「周りの人に見られたりするの。からかわれたりするかもしれないし……」

 

「いいだろ気にしなければ」

 

「え、えぇ〜……だって、和人は知らないかもしれないけど、体育のときとかよく女子にからかわれるんだよ私……」

 

「え、もう体育に出てるのか⁉︎」

 

明日香は周りの人よりリアルへの復帰が遅かったので、リハビリのメニューとかも入学式に間に合わせるためにかなりハードな物となった。それでも過度な運動は禁止されている。

 

「あんま無茶するなって言ってるだろ!」

 

「えーだって退屈なんだもん」

 

「お前なぁ……医者から許可が出るまでは運動は控えなさい」

 

「えーやだよー」

 

「いいからっ!自分の体は大事にしろ。いいな?」

 

「はいはい、分かったからお弁当食べよう。今日は気合い入れたんだよ(食戟のソーマに影響されて)」

 

言いながら明日香は弁当箱を開けた。中はゆきひら流進化系のり弁だった。

 

「………気合い入れ過ぎじゃね?」

 

「えへへっ」

 

 

 

 

学校が終わり、和人、明日香、明日奈、直葉はオフ会に向かっていた。明日香がため息をつく。

 

「……随分お疲れだね、明日香」

 

慣れた口調で直葉が明日香に声をかけた。あれから二人はだいぶ仲良くなったようだ。

 

「うん……学校では男共がサインサインって騒ぎまくるから逃げるのに必死だったんだよ……」

 

「あーそういえば親衛隊とかあったんだっけ?」

 

「和人も私に黙ってどっかに加入してたんだよ?普通に引いたわ」

 

「お、俺はエギルとクラインがノリで参加するって言い出したから俺もノリでだな……!」

 

「その割には和人くん、SAOで私に明日香の生写真見せてきたよね」

 

明日奈にピシャリと言われて和人は黙るしかなかった。

そんなこんなで、エギルの店(リアル)の前。そこには本日貸切の文字があった。明日香が直葉に聞いた。

 

「直葉ちゃんは、エギルと会ったことあったっけ?」

 

「うん、向こうで2回くらい一緒に狩りしたよ。おっきい人だよねぇ」

 

「言っとくけど、本物もあのマンマだよ。覚悟決めときなよー」

 

「よく言うぜ、明日香だって初めて会った時に腰抜かしそうになった時」

 

「余計なこと言うなよ」

 

なんて話してから、ご入店。四人が店に入ると、わあっと歓声、拍手、口笛が巻き起こる。

 

「………あれ?私達、遅刻したっけ?」

 

明日香が聞くと、リズベット……リアルでは篠崎里香が得意げに言った。

 

「へっへ、主役は最後に登場するものですからね。あんた達にはちょっと遅い時間を伝えてたのよん。さ、入った入った」

 

無理矢理店内に引き込まれ、店の奥の小さなステージに明日香が祭り上げられる。

 

「えーそれではみなさん、ご唱和ください。……せーのぉ!」

 

「アスカ、SAOクリア、おめでとー‼︎」

 

そして、盛大なクラッカーの音。拍手。アスカがぽかーんとしてる間に、いくつものフラッシュが浴びせられた。そして、何人かの男達がサインを求めて明日香に突撃した。

 

「ああもうっ!ここでもなの⁉︎」

 

明日香は天井の電気にぶら下がって逃げた。お陰で男達は明日香の乗っていた小さなステージに突っ込む。

 

「おい、店を荒らすな」

 

エギルが指をコキコキ鳴らすと、全員が静かになった。

 

「にしても、明日香ってリアルでも身軽なんだな……」

 

「あの子、私に運動神経だけは勝ってるのよ。ま、それでもテストや保健の授業の方では結果残せなくて、結局私の方が優れてたけど」

 

和人が呟くと、明日奈がそう言った。まぁ、そんな感じで解決した。

 

 

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