アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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ファントムバレット
第44話


 

 

学校。相変わらず、明日香のファンは減る様子もなく、そろそろ本気でファンクラブを解散させてやろうかと思っている明日香は和人と下校していた。

 

「なぁ、明日香。今週の日曜日は暇か?」

 

「え?うん、暇だけど」

 

も、もしかして、デートのお誘いかな?と明日香は心の中で舞い上がった。付き合い始めてから何度かデートは行ってるものの、ほとんどがALOの中だ。たまには遊園地だの水族館だの、なんならゲーセンでもいいから行きたかった。

 

「ならさ、今度新生アインクラッドで新しい階層ボスが解放されるから行こうぜ」

 

「…………暇って、それに付き合わせるの?」

 

「えっ、やだった?」

 

「……………」

 

マジで殴ってやろうかと思ったが、堪えた。

 

「あのさぁ、カズくん。たまにはもっと、こう……なんての?ALOの外に行かない?」

 

明日香は夏頃から、和人の仲の良いクラスメートの影響であだ名で呼ぶようになった。ちなみに、学校でも明日香は女子より男子の友達の方が多い。

 

「へ?な、なんで?」

 

「そりゃお前……その、なんていうのかな。その方が、新鮮?じゃない?」

 

「うーん……でも、この前プール行ったじゃないか」

 

「あれ他に人いたし、私だけカウンセリングとかで菊岡さんに呼び出されてたし」

 

「そ、それに外は寒いだろ?」

 

「手を繋げばあったかいだろ?」

 

「………………」

 

言ってから、明日香の顔は真っ赤になる。こいつら、

 

「………自滅するなら言うなや」

 

「う、うるさいうるさいうるさい!とにかくどこか外に行こう!それとも外でデートするの嫌なのか?」

 

「い、嫌じゃないけど……その、周りの人に見られると、恥ずかしいだろ?」

 

「………学校では平気のくせに」

 

「し、仕方ないだろ!それに、お前を連れて外に出ると親衛隊やら何やらがうるさいんだよ!」

 

「知らねーよ。とにかく、日曜日のデートは外に出るからね!……まったく、せっかく夏休みに私も二輪免許取ったのに……」

 

和人とツーリングするためというのは内緒である。

 

「ちなみに明日香。明日は?」

 

「明日?……あー、明日はちょっと無理かな。用事あるから」

 

「ふーん……なんの?」

 

「ば、バイト……」

 

目を逸らしながら苦笑いする。

 

「お前、嘘つくの下手だな」

 

「ほ、ほんとだもん!」

 

「じゃあ何処でバイトしてるんだ?」

 

「え、えっと……こ、コンビニ?」

 

「何処の?」

 

「…………さらばっ!」

 

「あ、おい!」

 

明日香は逃げ出した。

 

 

 

 

翌日、明日香は銀座の喫茶店に入った。

 

「おーいアスカくん、こっちこっち!」

 

店の奥からアホな声が聞こえた。菊岡が明日香に大きく手を振っていた。明日香はため息をつき、少し体を縮こまらせて菊岡の元へ向かった。

 

「………菊岡さん。恥ずかしいから大きな声出さないでくださいよ……」

 

「ははは、ごめんごめん。まぁここは僕が持つから許してよ。好きなの頼んで」

 

「本当に?じゃあ、一番高いのにしよーっと」

 

意地悪のつもりで言ったのだが、菊岡の表情はさほど変わらなかった。で、注文し、そのあとすぐに注文の品がやって来た。

 

「それで、今日はなんの御用ですか?」

 

「ちょーっと待ってね……」

 

菊岡はタブレット端末をついついっと動かしながら言った。

 

「いやあ、それがねえ。ここに来て、バーチャルスペース関連犯罪の件数がまた増え気味でねえ……」

 

「へえ。具体的には?」

 

「ええと……その中の一部で、これ」

 

菊岡の見せたタブレットには《死銃》と書かれていた。

 

「それ、なんて読むんですか?」

 

「しじゅう……って読むみたい」

 

「本体は一匹しかいない人間好きの化け物みたいな名前ですね」

 

「………トリコを読んだことがあるの?」

 

「うん。インフレがとんでもない奴ですよね?」

 

「そういうこと言わないの」

 

「で、その死銃が何?」

 

「実は、ゲームの世界で撃たれたプレイヤーがリアルでも死んでいるんだ」

 

「……………へぇ?死因は?」

 

「心不全だったらしい」

 

「なんで止まったんですか?」

 

「わからない。死亡してから時間が経ちすぎていたし、犯罪性が薄かったこともあって精密な解剖は行われなかった。ただ、彼はほぼ2日に渡って何も食べないでログインしっぱなしだったらしい」

 

「ふぅーん……人って明日にはどうなってるか分からないものなんですねぇ……」

 

「いや、そんな世間話をしに来たわけじゃなくてね?こういうのが二回起こってるんだ。しかも、その死亡時刻が、ちょうどあるゲームで一人のプレイヤーがその亡くなった二人、ゼクシード氏と薄塩たらこ氏を撃った時刻と被っているんだ」

 

「撃った?なんてゲームなんですか?」

 

「ガンゲイル・オンライン、通称GGOと呼ばれるゲームだよ。しかも、撃った奴は自分をさっき言った《死銃》……《デス・ガン》と名乗っていったそうだ」

 

「ふぅーん……偶然、とは考えにくい、かな?その情報は確かなんですか?」

 

「いや、あくまでネット掲示板からのものだから正確さには欠けるんだ。でも、死因の心不全というのは確かだよ」

 

「………で、私にどうしろと?」

 

「食べないの?ケーキ」

 

「あ、忘れてた」

 

「食べないなら僕に」

 

「断る」

 

言いながら明日香はケーキをもっさもっさと頬張る。

 

「で、君にどうしろっていうのはね、ガンゲイル・オンラインにログインして、この死銃なる男と接触してくれないかな」

 

「………接触、ねえ?」

 

「もちろん、本来なら君のような女の子にやらせたくはないよ。でも、死銃は強い奴しか狙わないんだ。僕じゃプロもいるこのゲームでとてもトッププレイヤーになんかなれない。そこで、SAOを倒し、さらにALOで囚われの身だったにもかかわらず、128人を解放してみせた君なら出来ると思うんだけどね?」

 

「…………私が断ったら、次は誰にお願いするつもりなんですか?」

 

「そりゃあ……僕の知る限りだとキリトくんかな?」

 

「……………」

 

明日香は仕方なさそうにため息をついた。

 

「わかりましたよ。やります。その代わり、失敗しても怒らないで下さいよ」

 

「怒らないよ。こちらからお願いしてる立場だ。文句を言えた義理ではないさ」

 

「あと、キリトとかには内緒にすること。いい?」

 

「……ああ。構わないよ。何も、撃たれてこいとは言わないから。見た感じの印象で判断してくれればいい」

 

「分かりました」

 

「じゃ、よろしくね」

 

二人は別れた。

 

 

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