アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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第50話

 

ある日の朝。明日香は朝食を終えて自分の部屋に戻ろうとした。反抗期とかそういうのではなく、母親が苦手なのであまり会話したくないからだ。自室の扉のドアノブに手をかけると、

 

「あーすか♪」

 

と、姉の明日奈が、後ろから元気良く両肩に両手を乗せてきた。

 

「な、何?」

 

「キリトくんから面白いニュースもらったんだよねー」

 

言いながら明日奈は携帯をついっついっと動かし、画像を見せて来た。

画面には【ガンゲイルオンラインの最強者決定バトルロイヤル、第三回《バレッツ・オブ・バレッツ》本大会出場プレイヤー三十名決まる】と、書かれたネットの記事のスクショが載っていた。

その下に短めのリード文と全出場者名が載っていて、【Fブロック1位:Asuka】の文字があった。

 

「へ、へぇ〜。シンか惣流に憧れてるのかな?」

 

「あなたよね?これ」

 

「………違うよ?」

 

「他にも色々あるのよねー。今、『アスカ GGO』で検索すると馬鹿みたいに記事出てくるんだよ。ほら、『アスカ様、GGOで発見』『我ら女神、銃を握る』『ロリアスカがGGOで暴れてるらしいんだが……」

 

「やめてー!認めるから!そうだよGGOにいるよ!」

 

「ふぅん?私やキリトくんに黙って何をしてるのかしら?」

 

「うっ……」

 

苦笑いで目を逸らす明日香。

 

「じ、銃に少し興味があってさ!」

 

「剣しか使ってないじゃない」

 

「お、お金が少し足りなくて……」

 

「この前、たまたま拾った宝くじで5等が当たったってはしゃいでたわよね?」

 

「実はこの前……」

 

「もういいよ言い訳は」

 

はぁ……と、明日奈は深くため息をついた。

 

「一応言っとくけど、キリトくんかなり怒ってたからね。しばらく口聞いてやらないって。自分に隠されてたのが相当悔しかったみたいよ」

 

「うっ……。で、でもその方が今の状況はありがたいかも」

 

明日香の頭の中には昨日のラフコフのボロマントが浮かんでいた。自分を助けてくれたキリトやアスナを巻き込みたくなかった。

 

「ありがたい?どういう意味よ」

 

「いや、その……ちょっとGGOで色々あってさ。あんま気にしないで」

 

「色々って……」

 

「今回は、私1人で片付けるから」

 

明日香は鋭い視線でそう言った。が、すぐにいつもの顔に戻った。

 

「じゃ、そろそろ出掛けてくるね」

 

「そう……。気を付けてね」

 

「うんっ」

 

明日香はいつもの笑顔で出掛けた。

 

 

 

 

GGO内。明日香は出場者一覧を眺めていた。相手は元SAOプレイヤー。ラフコフの元幹部とリーダーの名前なら頭に入っているが、その名前も決勝一覧には見当たらない。

 

(……名前は、そりゃ変えてるか。やっぱり生き残ってお手合わせ願うしかないかなぁ……)

 

と、アスカはため息をつくが、「待てよ?」と閃いた。

 

(元ラフコフってことはSAO生還者。つまり、去年に生き返ったばかりなんだからこの大会に出るのは間違いなく不可能なんじゃ……。つまり、去年は出場してなかった奴が犯人か)

 

そう思うと、もう一度決勝出場一覧を見た。

 

(……って、ダメじゃん。私も初出場なんだし……誰が犯人かーなんて分からないよ。せめて、初出場じゃない人と話せれば……)

 

と、またため息をついた時だ。

 

「あら、早いのね」

 

「………いた」

 

「は?」

 

シノンを見て思わず呟いた。

 

「ねぇ、シノンさん。申し訳ないんですけど、この中で今回初出場の人っていますか?」

 

「……何よいきなり。もしかしてそいつから狙おうって作戦?」

 

「ま、まぁね」

 

「ふぅーん……まぁいいけど。少なくとも私が見たことない奴は……あなたを除くと『銃士X』と『ペイルライダー』と、これは……『スティーブン』、かな?」

 

「……その三人だけ?」

 

「ええ。そのはずだけど……」

 

「そっか。ありがと」

 

お礼を言うと、顎に手を当てるアスカ。

 

(と、なると真っ先にその三人を片付けないといけないわけか……。死銃の外見は抑えてるんだ。鉢合わせればその場で仕留めればいい。……いや、装備を変えてくる可能性だってあるんだ。油断は出来ない。多分、私がSAOのアスカという事はバレてるし……やっぱり三人とも私が叩いて、シノンに優勝を譲るしかないか)

 

難しい顔をして考えてると、隣から「ねぇ、ちょっと」と声をかけられた。

 

「えっ?な、何?」

 

「何よ、難しい顔して」

 

「いや、なんでもないですよ。明日の朝ご飯のこと考えてただけですし」

 

「あなたの朝ご飯はそんなに深刻なの?」

 

「あ、あはは……」

 

と、苦笑いでテキトーに流そうとしたが、シノンは逃さなかった。

 

「……ねぇ、なんか隠してるでしょあんた」

 

「うえっ⁉︎」

 

「なんなのよ。教えてよ」

 

「いやーシノンさんは気にしないでいいですよ」

 

「気になるわよ」

 

「気にしたら負けですよ?」

 

「おちょくってるのかしら」

 

ギロリと睨まれてアスカは仕方なさそうにため息をついた。

 

「この大会に、私と昔本気で殺し合った奴がいる」

 

「………えっ?」

 

「そいつを仕留め損ねたから、今度こそ仕留めるってだけ」

 

「殺し合ったって……」

 

「ほら、少し前のSAOってあったでしょ?アレで少しね」

 

「あなた……SAO生還者だったの?……ってことは、あなたがみんなを解放したっていう……」

 

「そう、英雄なんて呼ばれてるアスカだよ」

 

「………ごめんなさい。聞いちゃいけなかったね」

 

「ううん、SAOは私も楽しかったし気にしてないよ。でも、あいつらだけは絶対に許さない」

 

アスカはギロリと目の色を変えた。

 

「……あなたにも、事情があることは理解したわ。でも、私とは関係ないから」

 

「分かってますよ。じゃ、行きましょうか」

 

アスカとシノンは待機ドームに向かった。

 

 

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