アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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第56話

 

 

ALO。キリトは中に入るなり全員に聞いた。

 

「みんな、アスカはどうだ⁉︎」

 

「それが……」

 

言いにくそうな顔をしながらモニターを見るリズ。画面では、アスカは防戦一方だった。

 

「おいおいマジかよ。ラフコフにこんな奴いたか?」

 

戻って来たクラインが呟いた。

 

「……あの野郎…我が豊穣神アスカ=セレス様に何てことをしてくれてんだ……」

 

ギリギリとグラスを握り潰しそうなシリカ。

 

「……アスカ」

 

不安そうな声を上げるアスナ。だが、一人キリトだけは真顔だった。

 

「………大丈夫だよ」

 

「? どういう事?」

 

リーファがキリトの呟きに反応した。それに、ニヤリと笑って返すキリト。

 

「あいつを誰だと思ってんだ?あのヒースクリフを倒して俺たちをSAOから解放した英雄だぜ?たかがラフコフの一人くらい、あいつなら余裕だよ」

 

「で、でも、さっきからやられてるし……」

 

「大丈夫、黙って見てようぜ」

 

キリトが言うと、リーファは仕方なさそうに黙った。

 

 

 

 

「ぐあっ……!」

 

腹に蹴りを入れられ、アスカはビルに叩きつけられた。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「ここまで、だな。女神、アスカ、文化アタック」

 

「法隆寺崩す気かよ……」

 

ユラユラと立ち上がるアスカ。そして、光剣のスイッチを入れた。

 

「まだ、ヤル気か?いい加減、諦めろ。お前は、俺に殺され、無様に転がり、あの女が、死ぬ所を、黙って見るしか、ない」

 

「……まぁ、認めるよ。かなり強くなったね。上から目線になるつもりなんてないけど、確かに油断してた」

 

「なら、お前に、もう勝機は、ない。HPも、半分を切っている。諦めて、さっさと死ね」

 

言いながら死銃はアスカにフラッシング・ペネトレイターを放った。並みのプレイヤーでは見切れないほどの速さだ。だが、それをアスカは最低限の動きだけで回避して、死銃の顔面に拳を叩き込んだ。

 

「ッ⁉︎」

 

「こっからは、私も本気出すぜ」

 

言うと、アスカは光剣を握り直した。

 

「ふん、ハッタリか、或いは、本当に、隠し玉が、あるのかもしれないが、お前は、ここで、負ける」

 

剣を構える死銃と、棒立ちのままだが油断はしていないアスカ。直後だ。死銃の姿が消えた。と、思ったらアスカは光剣を上にガードするように振り上げ、死銃の攻撃を防ぐ。そして、死銃の剣先を握って投げ飛ばした。

投げられながらも、空中で回転しながら死銃はアスカの肩を斬った。ガードはしたが、完全には防ぎ切れずにHPゲージが減る。

それでもまったく気にせずに、地面に腰から落ちた死銃にアスカは死銃に突きを放った。ドゴォッと地面の抉れる音が響き、砂煙が舞う。

その砂煙の上から死銃が出てきて、正面から縦にアスカを斬った。咄嗟に、降って来る剣を掴んでる死銃の手を掴んでガードして、死銃の腹に蹴りを叩き込み、蹴り飛ばす。

さらに、肩を剣で突き刺し、上に振り抜いた。死銃は肩を抉れながら後ろに吹き飛び、倒れた。

その背中を追うアスカ。思いっきり突きを放つが、死銃は首を曲げて躱し、アスカの顔面に拳を叩き込む。後ろに吹っ飛ぶアスカに突きを放つが、アスカは自分の腕を一本犠牲にして回避し、死銃に頭突きして後ろに怯ませあと、光剣で顔面に突きを放った。

ギリギリ、剣で突きを弾いたものの、腹を蹴り飛ばされて、後ろにぶっ飛ぶ。

 

(どういう、ことだ)

 

死銃は心の中で問いながら立ち上がる。

 

(奴のHPは、もう半分も、ないはずだ。それなのに、HPの、消費を、恐れるどころか、向こうから、仕掛けてくる)

 

考えてる間にも向かって来ているアスカに、若干引きながらも死銃は応戦している。

 

(あの女を守る、つもりが、なくなったのか?)

 

アスカのボディーブローが、死銃の顔面に直撃し、大きくぶっ飛ばされた。

 

「こっの……!」

 

死銃が立ち上がり、アスカに攻撃を仕掛けた。だが、アスカがギィンッとその剣を腕ごと斬り飛ばした。

 

(どういう、ことだ……!)

 

「ここまでだよ」

 

見下ろすアスカと、後ろに手を着いて尻餅をつく死銃。

 

「ふん、俺が、やられても、まだ、終わらない。あの人が、終わらせない。あの人が、お前を……」

 

「しつこい奴は嫌われるよ?」

 

言うと、アスカは光剣を振り下ろし、肩から反対側の腰に掛けて、死銃を斬り裂いた。

 

「終わってないなら、また私が終わらせるだけだ」

 

そう吐き棄てると、アスカは光剣をしまって、田園へと引き返した。数メートル歩いた所で、シノンが微笑んでるのが見えた。

 

「終わったよ、シノンさん」

 

「うん。見てた」

 

「もうヘトヘトだよ……全力全開の戦闘なんて久し振り」

 

「随分と荒っぽい戦い方するのね……。攻撃が当たってもお構いないだったじゃない」

 

「剣と体型がもうちょいまともだったらもっと早く倒せてたと思うんだけどなぁ……」

 

「倒せることは前提なのね……」

 

呆れるシノン。

 

「ね、アスカ」

 

「はい?」

 

「お願いがあるの」

 

「んー?」

 

「まぁ、とりあえず試合が終わってからでいいかな。ギャラリーも怒ってるだろうし、早く終わらせましょう?」

 

「お、戦う?」

 

言いながらアスカは光剣のスイッチを再び入れた。

 

「違うわよ。というか、そんな片腕のない状態のあんたと戦って勝っても、全然自慢にならないわ」

 

「……え?じゃあどうするの?」

 

「レアケースだけど、北米サーバーの第一回BoBは、二人同時優勝だったんだって。理由は優勝するはずだった人が油断して、お土産グレネードなんてけち臭い手に引っかかったから」

 

「オミヤゲグレネード?何それ?テロ?」

 

「負けそうな人が、巻きぞえ狙いで死に際にグレネードを転がすこと。ん、ほら、これあげる」

 

言われて渡されたのは黒い球体。反射的にそれを受け取ると、プラズマ・グレネードだった。

 

「〜〜〜ッ⁉︎ちょっ、シノッ……!」

 

声を上げた時には、シノンに抱き着かれていた。元々、外見はロリアスカのため、一度抱きつかれれば身動きが取れない。

 

「はーなーしーてー!」

 

「やーだ♪」

 

直後、都市廃墟に大きな爆発が起こる。

 

試合時間、二時間四分三十七秒。

第三回バレット・オブ・バレッツ本大会バトルロイヤル、終了。

リザルト、【Sinon】及び【Asuka】同時優勝。

 

 

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