アスナの妹を作って、SAOに放り込んだ   作:フリーザ様

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第61話

 

 

装備が全部フル回復し、ポーションなどの買い出しも済ませ、一同は出発した。

マップにも表示されないようなアルン裏通りの細い路地を右に左に進み、階段を上がって民家の庭まで通り抜けた先に、扉がある。そこからアルヴヘイムに繋がっているのだ。

 

「うわぁ……いったい何段あるのこれ」

 

その扉を開けて中を覗き込んだリズが呟いた。

 

「んー、アインクラッドの迷宮区タワーまるまる一個分くらいはあったかなー」

 

先頭に立っていたアスナがあっさり答えると、リズもシリカもクラインもうへぇっとした顔になる。

 

「よーっし、じゃあ下まで競争しようかっ」

 

『断る』

 

アスカの案はシノンとシリカ以外全員に断られた。

 

「えーなんでよー。その方が早く着くって」

 

「これから未知のダンジョン行くってのに冗談じゃないわよ」

 

リズが冷たく言った。アスカはふぅーむ、と少し考えた後、ちょいちょいとシノンを呼んだ。

 

「何よ」

 

「ちょっと向こう向いて」

 

「なんで?」

 

「いいから」

 

で、全員の前に立たせて後ろを向かせると、アスカは思いっきり尻尾を握った。

 

「ふぎゃあっ⁉︎」

 

「ちょっとキリトそれセクハラだって」

 

「や、お前だろ握ったの」

 

またまたシリカとシノン以外全員がジトーッとアスカを睨む。ここでシノンを怒らせて、みんなで逃げれば追いかけっこ出来る、と思ったのだが……このままではシノンに追い掛けられるのも殺されるのも自分だけと悲しいことになると覚悟した時だ。シノンは顔を赤らめながら言った。

 

「……そ、その、私……アスカになら……握られても、いい、わよ……?」

 

「えっ……?」

 

チラッチラッとアスカを横目で見るシノン。えー、何この空気ーと全員が思う中、微妙な空気のまま出発した。

 

 

 

 

アルヴヘイムに到着。アスナが滑らかに詠唱し、全員に凍結耐性を上昇させる魔法を掛けた。

リーファが指を唇に当てて口笛を鳴らした。直後、くおぉぉぉー……ん、と鳴き声が聞こえた。象とクラゲが合体したような生物が飛んで来た。

 

「トンキーさーん!」

 

ユイがアスカの肩で声を呼び掛ける。

 

「うわっ、キモっ」

 

思わずアスカが漏らした呟きに、リーファがギロリと睨む。

 

「キモくないもん!」

 

「いやぁ、こんな優しいガタノゾーアみたいなの……キモっ」

 

「ガタノ……?ふぅーん、そういうこと言うの。なら乗せてあげないもん、あそこまで歩いていけば」

 

「いや無理でしょ!」

 

「だったらトンキーに謝って」

 

「うっ……ご、ゴメンねトンキー……」

 

俯いて謝るアスカ。で、全員がトンキーの上に乗り込む。トンキーがクラインの頭をふさふさの鼻で撫でた。

 

「うびょるほ⁉︎」

 

「ほれ、背中に乗れっつってるよ」

 

キリトが奇声を上げたクラインの背中を押した。

 

「そ、そう言ってもよぉ、俺、アメ車と空飛ぶ象には乗るなっつうのが爺ちゃんの遺言でよぉ……」

 

「こないだダイシーカフェで、爺ちゃんの手作りっつって干し柿くれただろ!美味かったからまな下さい!」

 

言って背中をもう一押しして、クラインを無理矢理背中に移動させ、最後にキリトが乗ってようやく全員乗り込んだ。

 

「よぉーし、トンキー、ダンジョンの入り口までお願い!」

 

リーファに言われ、巨大な象クラゲは羽を羽ばたかせて出発した。背中に乗りながら、アスカが呟いた。

 

「………意外と背中ふかふかしてる……」

 

「ほんとですねぇ〜」

 

背中でペタンと座り込んでるアスカと、その横のユイ。

 

「象とかクラゲって毛生えてたっけ?」

 

「え、さぁ?」

 

キリトの素朴な疑問に困ったように返答するリズ。その時だ。いきなりトンキーがすべての翼を鋭角に畳み、急激なダイブをした。

 

「うわああああ⁉︎」

 

男二人の太い絶叫。

 

「きゃああああ!」

 

女性陣の高い悲鳴。

 

「やっほーーーーーーう!」

 

一人ご機嫌なリーファ。

背中に生えてる毛を両手で掴み、風圧を必死に耐えた。

 

 

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