それと早めに切り上げるはずが写真撮影だけでこんなにかかるとは……
プロローグを入れるとこれが60話目になります。それと、しばらく見ないうちにお気に入り数が300件越えに……応援ありがとうございます
「お待たせ。二人とも」
「ゴメンね~。邪魔しちゃって」
父さんとの話が終わったので小走りで二人の元に戻った
「気にしないでください。久しぶりの再会なんですから」
「そうですよ。私たちはいつも明久君と会えますし」
二人ともちゃんと気遣いとかができて優しいよなぁ
「お詫びと言っちゃなんだけど、今日は僕が案内するよ」
「え?! 父さんが?」
父さんの提案に僕は耳を疑った
「今日の僕はただのアルバイトだからね。明久達のチケットはプレミアムチケットだったよね?」
「うん。コレだよ」
僕は父さんにチケットを渡す
「本来なら【ウェディング体験】があるはずだったんだけど、昨日ちょっと問題があって中止になっちゃたんだ。だから今日は写真撮影だけになっちゃったんだよね、ごめんね」
父さんは僕達に軽く手を合わせて謝ってきた
「明久君のお父さんのせいではないですから気にしないでください」
「そう言ってもらえると助かるよ。それと日向ちゃん、僕のことは名前で呼んでくれて構わないよ」
「で、では、昭斗さんで」
「うん。じゃあ、行こうか」
僕達は父さんの後に従っていった
「それじゃ、明久はこっちの人に、日向ちゃんと明梨ちゃんはそっちの二人について行ってね。僕はもう満足したから帰るよ、じゃあね~」
父さんは手を振りながら帰ってしまい、僕らは係員の案内に従って衣装に着替えに向かった
「それでは、準備が終わるまでこちらにお掛けになってお待ちください」
僕は着替えを終えて白いタキシードを着て撮影場所に用意されたソファに座っている。しかし、鏡で確認したが、プロの技はすごいな。本当に新郎みたいに見えたよ
ガチャ
僕が自分の服装を見ながらスタイリストさんの仕事に感心していると背中側にあるドアが開く音が聞こえたのでそちらに目を向けると
「お、お待たせ 明君」
僕の視線の先には天使がいた。いや、女神かもしれない
……その姿は、幼い頃からの長い付き合いで何度も見た事のある姿だったが、初めてあったかのように錯覚させるような幼なじみの晴姿だった
ものごころ付くころには一緒にいたので既に10年以上の付き合いだが、その純白のドレスに包まれた姿は神々しさや、美しさを際立たせて眩しいくらいだった
「え、えっと……このドレス変だったかな?」
僕が言葉を失って明梨に見惚れていると、明梨は不安そうに僕の意見を聞いてきた
「い、いや、すごく似合っているよ。つい見惚れちゃったぐらい」
「ふぇっ? あ、ありがとう。明君も、その……すごく似合っているよ(突然そんな事を言うなんて反則だよ。う~、絶対わたしの顔真っ赤だ)」
明梨は顔を赤くして俯いてしまった。そんな仕草もかわいいんだよね
「ひ、日向はまだなのかな?」
僕はこの場の雰囲気に耐えられずに話を逸らそうとする
「あ、ヒナちゃんは待ち時間がないように、わたしと明君の撮影が終わってからになるみたいだよ」
「そ、そうなんだ……」
「う、うん……」
「「………………」」
マズイ、いつもと違った服装のせいか緊張して話す事も出来ないよ。誰か、この空気をどうにかしてください
「お待たせして申し訳ありません。準備が整いましたのでこちらにお越しください」
僕の祈りが届いたのか係員の人から声がかかる。そちらに目を向けるとカメラマンの人がカメラをセッティングしていた
「では、カメラの正面にお並び下さい」
僕らは係員の指示に従いカメラの正面に移動する
「もう少し近づいてくださ~い。はい、撮りますよ~」カシャ
カメラマンの言葉に従って距離を縮めるとすぐにシャッターが切られた
「次は手を繋ぎましょうか」
「「ふぇっ?」」
カメラマンの指示に僕と明梨は同時に間の抜けた声を出してしまった
「どうしました? 早く手を繋いでください」
「は、はい!」
「きゃっ」
カメラマンに急かされて僕は明梨の手を勢い良く握ってしまい、明梨が軽く悲鳴を上げてしまった
「あ、ご、ゴメン」
直ぐに僕は手を合わせて明梨に頭を下げた。いきなり手を握っちゃったし驚くのも仕方ないか
「あ、謝らなくてもいいよ。突然だったから驚いただけだし」
「え、え~と、それじゃあ」
「うん」
僕がそっと明梨の手を握ると明梨も握り返してきた
「では、撮りま~す。(カシャ) 次は新婦さんが新郎さんの腕に抱きついてくださ~い」
カメラマンはシャッターを切り終えると、さらに過激な指示を出してきた。う、腕に抱きつくって……ダメだ考えただけでもおかしくなりそうだ
むにゅっ
僕が妄s、想像していると腕に柔らかい感触が伝わってきた
「あ、明梨?! な、な、な、なにしてるの?」
僕は突然の出来事にかなりどもってしまう
「え?! カメラマンさんの指示に従ったんだけど……イヤだった?」
「嫌なわけないよ。むしろ嬉しかったというかなんというか……ゴニョゴニョ」
明梨が不安そうに聞いてきたので、即座に返答するが本音まで出そうになって言葉を濁してしまった。明梨の胸が腕に当たっているのは気にしないようにしよう……僕の理性が崩れてしまいそうだからな
「こちらを向いてくださ~い。はい、いいですよ~」カシャカシャ
カメラマンの一言で僕らがカメラの方に向き直ると、今度は数回シャッターが切られた。もしかして、さっきまでのは練習みたいのでここからが本番なのか?
「次はお姫様だっこをお願いしま~す」
「えぇっ?!」
カメラマンのさらなる指示に僕は大声を上げてしまった
「どうしました?早くお願いしま~す」
「ど、どうする? 明梨」
カメラマンに急かされたので明梨の意見を聞くことにした。たぶん明梨なら断ってくれると思ったのだが
「わ、わたしは明君が良いなら……」
予想外の答えが返ってきた
「ちょっ、明梨。何を言ってるの?」
「せ、せっかくの機会だし。その……明君なら(ゴニョゴニョ)……」
最後の方はよく聞き取れなかったが、明梨はOKみたいだな
「そ、それじゃあ」
「うん、お願いします」
僕が明梨の肩に手を回すと明梨は僕の首に腕をまわしてきた
「よっと」
僕は少し屈んでから明梨を抱き上げる。明梨の顔が近くにあって恥ずかしいな
「あ、あの、わたし重くない?」
明梨が恥ずかしそうに聞いてきた。なんで女の人ってそんなに体重を気にするんだろうか?無理なダイエットとかは体にも悪いのに
「ん? ぜんぜん重くないよ」
僕は思っていた事を口にした。まぁ僕は鍛えているから多少重くても大丈夫だったんだけど、正直こんなに軽いとは思わなかった
「あ、ありがと……」
「ん? どういたしまして?」
なんでお礼を言ってきたのかは分からなかったけど、とりあえず返答しておく
「では、写真を取りますから、こっちを向いてくださ~い」カシャカシャ
指示に従ってカメラの方を向くと数回シャッターが切られた
「次は新婦さんをもっと抱き寄せてくださ~い」
「は~い」
「ひゃんっ」
流石にこの系統の指示にも慣れてきたので僕は指示通りに明梨を抱き寄せると、僕の左手に柔らかい感触が伝わると同時に明梨が小さく悲鳴を上げる。……また、やってしまった
「ご、ごめん。決してそんなつもりじゃなくて……」
「う、うん。大丈夫だから、そんなに謝らないで」
体勢が体勢なだけに土下座することもできないので、明梨を抱きかかえたまま謝ると、明梨は赤くなって俯きながらも許してくれた
「う~ん。初々しいですね~」カシャカシャ
そんな状況だったので、康太の連写スピードを超える連写をしているカメラマンにまでは気が回らなかった
次回は日向編になります。明久PARTがこんな長くなるとは……
PS:導入部分の案が思いついたので、合宿編の後に『暴走召喚獣編』を書こうと思います。
記憶が曖昧なので、おかしな点が出るかもしれないので、できればあらすじを教えていただけると助かります。