アンケートは引き続き取っています
根本は改心するか、否かです。
現在の所、改心√が有力になっています
眼福と本音
「すぅすぅ……明君の匂い……」←僕の右腕に抱きついて寝ている明梨
「すぅすぅ……もう離しません……」←同じく左腕に抱きついて寝ている日向
どうしてこうなったんだろう? 僕は緊張で眠れないからこうなった経緯を思い出すことにした
今朝
ピンポーン
如月ハイランドで僕が明梨と日向に告白&プロポーズをしてからちょうど1週間、今日は日曜日なので部屋を隅々まで掃除をしようと準備をしていると玄関のチャイムが鳴った。誰だろう? 今は朝の9時だし誰かが尋ねてくる予定は無いはずだけど
ガチャ
「は~い。どちらさ……ま」
僕は玄関を開けて絶句してしまった。そこにいたのは
「お、おはよう明君」
「お、おはようございます明久君」
僕の彼女であり婚約者でもある明梨と日向だった。ただ二人の服装が
「二人ともよく似合っているよ(どうしたのさ?! その服装は!!)」
メイド服(学園祭で使用したもの)だった。あれ? 本音と建前(?)が逆だったかな
「「あ、ありがとう(ございます)」」
二人は赤くなってしまった。あ、かわいいな
「じゃなくて、なんでメイド服を着てんの?!」
「え、えっと……イヤだった?」
「嫌じゃないです」
明梨が上目づかいで聞いてきたので食い気味に答える
「そうじゃなくて、メイド服を着ている理由を聞きたいんだけど……」
「えっと、紫織さんに『清涼祭の時は接客できなかったんだし、休みの日にでもしてみたら?』ってアドバイスされたんです」
神谷さんグッジョブb。二人の着ているメイド服は清涼祭の出し物で使ったものだ、オーダーメイドで記念という事で僕の家にも燕尾服がしまってある
「まぁ立ち話もなんだし、上がってよ」
「「お邪魔します」」
僕は心の中で神谷さんに感謝しながら二人を家へと上げる
「ところで、二人ともなんでそんなに大荷物なの?」
ひとまず居間に案内してから気になっていた事を聞いてみる。日向はともかく明梨は家が隣だからすぐに取りに行ったりできるはずだが
「えっ? お父さんから聞いてないの?」
「私もお父さんが連絡を入れて置くって言っていたんですけど」
ピロリン
タイミングを見計らったかのようにメールの着信音が鳴ったので僕は携帯電話を操作してメールを確認すると
From 久遠 義史
To 吉井 明久
法事で今日は帰れないので日向のことを頼むよ
From 藤崎 透
To 吉井 明久
茜と二人きりで旅行に行くから明梨のことヨロシク
透さんと義史さんからのメールだった。二人ともなんでこんなに放任的なんだ。昨日婚約の挨拶に行った時も思ったけど……重婚に関して話しても普通に『娘のことを頼む』的な事を言われたぐらいだ。正直反対されると思っていたから拍子抜けしてしまった。
ちなみに茜さんは明梨のお母さんで見た目はかなりの美人で20代くらいに見えるほどだ。明梨と二人で並んでいると少し年の離れた姉妹にしか見えないくらいである
「……つまり二人は今日家に泊まるってこと?」
「「うん(はい)」」
僕が状況を整理してから二人に質問すると二人は頷いた。なるほど、なるほど、二人がうちに泊まるのか……
「Really?」
「「リ、Really.」」
つい英語で聞き返してしまったけどほんとのようだ。いくら付き合い始めたからといっても未成年の男女が一つ屋根の下っていうのは問題があるんじゃないか?
「そ、それで、明君の家にお世話になるんだし」
「そのお礼にご奉仕しようと思ってメイド服で来たんです」
二人は少し俯きがちで説明してきた。『ご奉仕』って言葉だけで僕の友達は昇天しそうだな。かく言う僕も込み上げてくる熱いものを抑えるのに必死ではあるが
「明君 部屋の掃除をしてたの?」
明梨は部屋の中を見ながらそんなことを聞いてきた
「うん、天気もいいからちょうどいいと思ってね」
改めて部屋を見渡してみると掃除機やはたきなど掃除用品が表に出ている
「掃除は私たちがしますから明久君は休んでて下さい」
「休んでてって言われてもすることも無いから僕も手伝うよ」
そう言いながら立ち上がる二人に続いて僕も腰を上げる
「わ、私たちだけで十分ですから休んでて下さい」
「そう言うわけにもいかないよ。二人に任せて僕が何もしないってのは気分が悪いし……」
「はぁ~、分かったよ。じゃあ3人で掃除しようか。(明君はこういうときは頑固だもんね)」
明梨は僕の性格を分かっているからか諦めたようだ
「さ、それじゃ、掃除を始めようか」
意見も纏まったので掃除を開始した
ピーー
「あれ? 誰か炊飯器使ったの?」
僕は炊飯器の音に気付いて二人に聞く
「うん。もうすぐお昼だしご飯炊いたんだけど、ダメだった?」
「いや、気になっただけだよ。そういえば、もうお昼か」
明梨の言葉に時計を見てみるともう11時半、3人で作業をしていたため粗方掃除は済んでいた
「じゃあ、わたしとヒナちゃんでご飯作っちゃうから明君はそこで待ってて」
「僕も手伝うよ」
「だ、ダメです。明久君は休んでて下さい」
「いや、でも……」
「明君はわたしとヒナちゃんの腕が信じられないの?」
「そんなことは無いよ。二人の料理はすごい美味しいよ」
「そう思っているなら、ここは任せて明久君は休んでて下さい」
さすがにこう言われては仕方がないので僕は大人しくソファで休むことにした
トントントントン
キッチンから軽やかな包丁の音が聞こえてきたのでそちらに目を向けると明梨が野菜を切っていた
「ん? 明君 どうかした?」
僕の視線に気づいたのか明梨が手を止めてこちらに顔を向けてきた
「何でもないよ。ただ、幸せだな~って思ってさ」
先週まではこんなことになるなんて夢にも思ってなかったからな
「突然どうしたんですか?」
僕らの会話が気になったのか、食器の準備をしていた日向も会話に混ざってきた
「いやさ、こんな可愛い娘と付き合えて、手料理まで食べられるなんて僕は幸せだってことだよ」
二人とも可愛くて、料理も出来て、優しくて、ほんと理想的なお嫁さんって感じだよね
「そ、そんなにストレートに言われると恥ずかしいよ」
「付き合い始めてから明久君が大胆になった気がするんですけど……」
二人は恥ずかしいのか顔を赤くして俯いてしまった
「赤くなってる二人もかわいいよ。それに、付き合っているんだし想いは言葉にしないと伝わらないからね」
今までは変な事を言って嫌われたりしたらと考えて口にしなかった言葉もあったからね
「「想いは言葉にしないと伝わらない……か(ですか)」」
明梨と日向が僕の言葉を反芻するように呟く
「わたしも明君みたいにカッコよくて、強くて、優しい人と付き合えて幸せだよ」
「私も明久君と付き合えて幸せです。……家事スキルが高かったのはちょっとショックでしたけど」
「うん、あれはちょっと自信をなくしちゃうよね」
二人が少し冷たい視線を向けてきた
「ふ、二人だって家庭科で高得点だし、家事スキル高いよね」
僕はこの言葉でこの視線から逃れられると思ったが
「「明君(明久君)の料理にショックを受けたから努力したんだよ(努力したんです)」」
どうやら地雷を踏んでしまったようだ
「なんかゴメンなさい」
「こっちこそゴメン。なんかムキになっちゃって」
「私こそ余計な事を言ってしまってすみませんでした。家事が得意なのはいいことなのに……」
「いや、日向は悪くないよ。思っている事は言ってくれた方が助かるし」
……………………………
気まずさから沈黙に包まれる
「と、とりあえず、ご飯作っちゃおうよ」
「そ、そうですね。お腹もすいてきましたし」
「じゃあ僕はテーブル拭いとくよ」
明梨の言葉で僕らはやっと動き始めた
次話にはイチャイチャが見られる……はずです。