僕と幼馴染と友情物語   作:sata-165

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なんだか筆が進まなかったのでこんな遅くなってすみませんでした。


それと『僕と幼馴染と友情物語(過去編・番外編)』の方に『ハロウィン』の話を追加しておきました。よかったら見てください。


初めての混浴

「な、なんでこんなことになっちゃったんだろう……」

 

僕は個室浴場の湯船に浸かりながら、今起こっている事に頭を悩ませている。それは……

 

「……明梨たちまで一緒に入ることに賛成するとは思わなかったよ。」

 

霧島さんは迷いなく賛成するだろうし、神谷さんと工藤さんは面白がって賛成する事までは予想できたけど、明梨と日向が賛成して、優子さんまで賛成するとは思わなかったよ。

今はまだ脱衣所に居るから問題ないけど、明梨と日向とお風呂に入るって考えただけで鼻のあたりが熱くなってくる。

 

ガララ

 

脱衣所への引き戸が遠慮がちに開かれる音が聞こえたので、僕は反射的に扉に背を向ける。緊張のせいで思わず背筋が伸びてしまい、落ち着くはずの入浴時間が落ち着かないものになってしまった。

 

「「し、失礼します。」」

 

「う、うん。」

 

二人の緊張した声を聞いて、僕も更に緊張してしまう。

 

「明君、隣いい?」

 

「私もいいですか?」

 

体を洗う音がしばらくしてから、二人が声をかけてきた。

 

「うん。いいよ。」

 

僕の返答を聞いた二人が湯船に浸かる。うぅ~、やっぱり緊張するな。

 

「明君たちは今日も活躍したんでしょ?」

 

「う~ん、活躍って言えるか分からないけど、覗きをしようとしていた人たちは模擬試召戦争で倒したよ。」

 

「流石ですね。とても私にはまねできません。」

 

明梨が今日の事を聞いてきたので、ありのままを話すと、日向が尊敬のまなざしを僕の方に向けてきた。その際に肩が当たり少し恥ずかしくなる。

 

「日向も明梨も心配しなくていいよ。僕は大切な人を守りたいから力をつけているんだからさ。」

 

「やっぱり、明君はズルイな……」

 

「カッコよすぎです……」

 

「ぼ、僕だって恥ずかしいんだからあんま突っ込まないでよ。」

 

僕の台詞で二人は笑い、その後は少し緊張も解けたのでのんびりとお風呂を堪能した。この合宿で唯一のいい思い出かもしれないな。

 

         ☆

 

「……雄二と一緒に入れて嬉しい。」

 

俺が湯船に浸かっていると、翔子が俺の脚の間に入り、背中を預けるように湯船に入ってきた。

 

「待て翔子、なんで広い風呂場でそんな狭い場所に入ろうとするんだ!」

 

「……雄二は嫌?」

 

「嫌じゃねえし、むしろ嬉しいが、ただ何つうか……」

 

翔子が少し俯きがちに聞いてきたので即答するが、素っ裸の状態で密着されると、こっ恥ずかしい気持ちと邪な気持ちが出てくる。

 

「……雄二は照れ屋。」

 

「ったく、今日はそう言う事にしといてやるよ。」

 

自分で責任のとれない行動を取るのを押さえるので精いっぱいなので今回は反論する余裕が無い。それに、翔子の言ってる事もあながち間違いではない。

 

「……なんか変。熱でもあるの?」

 

「な、何でもねえよ!」

 

翔子が体をこちらに向けて来たので慌てて顔を逸らす。背中が密着していただけでも限界が近かったのに正面から裸見たらどうなるか分かったもんじゃない。

 

「……雄二、顔が赤い。」

 

「あ、アレだ。湯あたりしたんだ。俺はもう出るから翔子はしっかり温まるまで浸かってろよ。」

 

俺は矢継ぎ早に言いたい事を言ってそのまま脱衣所に直行してドアを閉めた。あのまま過ちを犯したらシャレにならなかった。昔一緒に入ったのとは全然違くってヤバかったな。

 

         ☆

 

「…………なんでこうなった。」

 

俺は脱衣所で服を脱ぎながら思わず呟いた。愛子は水泳部で着替えに慣れてるからか、先に入ってると言って風呂場の方に行ってしまった。

 

「…………とりあえず、コレを飲むか。」

 

一輝に渡された薬を手に取る。一輝は抗体ができて効果が弱まると言っていたが、今回はこれに頼るしかないだろう。

 

グビッ

 

「…………ハンバーグ味とたこ焼き味か。」

 

味は美味いのだが液状でこの味は無いと思う。

 

「…………行くか。」

 

戦場に行く気持ちで風呂場の扉に手をかける。果たして俺は今日という日を乗り越えられるのか。

 

ガラッ

 

迷っていても仕方ないので扉を開ける。

 

「あ、康太、やっと来たんダ。」

 

愛子はすでに湯船に浸かっていたようで、縁によっかかるようにしてコチラを見ていた。ひとまず、いきなり裸体を見て倒れる危険は避けられたようで良かった。

 

「…………ああ、少し手間取った。」

 

愛子に軽く返事をしてから軽く体を洗い、愛子から距離を取るように湯船に浸かる。

 

「なんで、そんなに離れてるの?」

 

「…………気のせいだ。」

 

俺は顔を逸らして愛子の質問を流す。風呂が広めで助かった。もし体を密着しなくてはいけないならば、風呂の湯を俺の鼻血で赤に染めていたかもしれない。

 

「ふ~ん……そう言うんダ?」

 

愛子から不穏な気を感じるが、そちらに目を向けたら、俺は赤い噴水を作る可能性があるので顔を逸らしたまま固まる。

 

ピトッ

 

「…………何を!?」

 

愛子が近寄ってくる気配がしたと思ったら、いきなり左腕に柔らかい感触が当たってきた。

 

「うん? どうかしたノ?」

 

愛子の方を見ると、少し口元に笑みを浮かべながら小首を傾げていた。

 

「…………いや、腕に何か当たって……」

 

「気のせいじゃないノ?」

 

愛子は何食わぬ顔をして、俺の左腕に抱きついてきた。

 

「…………っ!? 胸が……」

 

俺は反射的に空いている右手で鼻を押さえるが、その前に数滴の血が湯船に落ちた。

 

「ちょっ、康太! 血が……」

 

愛子が慌てて俺の前に回り込んできた。そのせいで愛子の裸体が俺の視界に映りこんでしまい……

 

プッシューーッ

 

俺はそこで意識を手放した。

 

         ☆

 

「康太はどうなっただろうな……」

 

オレは湯船につかりながら親父の薬を渡した康太の事を考えていた。

 

「土屋君? でも、一輝君のお父さんの薬を渡したんだから大丈夫なんじゃないの?」

 

隣でオレと同じように湯船に浸かっている優子が自分の意見を言ってくる。

 

「確かにそうなんだが……」

 

「そんなに心配なら男女別ではいればよかったんじゃない? 賛成したアタシが言うのもどうかと思うけど。」

 

後半は少し小さめに言ったが、肩が当たる程度の距離に居るのでなんなく聞き取れた。

 

「別に心配なわけじゃねえよ。ただ、他のこと考えていないと落ちつかねえんだよ。」

 

風呂でタオルはマナー違反なので優子もオレも全裸の状態で湯船に浸かっている。あいにく隣に裸の彼女がいて、大人しくしてられる神経は持ち合わせていない。

 

「そ、そうなんだ。……落ち着いているから気にしてないのかと思ってわ。」

 

「んなわけねえだろ。だから、少し気にかかった康太のこと考えてたんだよ。あの薬は親父の話だと、使えば抗体ができて効果が弱まるらしいからな。」

 

話を切り上げて話題を元に戻す。

 

「抗体ってそんなに簡単にできるものなの?」

 

「モノにもよるらしいが、基本的に連続で服用すると一般的な医薬品でも抗体ができるからな。康太の場合、鼻血吹いてるかもしれないな。」

 

「愛子も何するか分からないわね。」

 

確かに工藤ならわざとそういう行動するかもしれねえな。

 

「まぁ、考えても仕方ねえか。」

 

「そうね。」

 

オレらは考えても仕方ないと結論付けて、出来るだけ何も考えないようにして風呂に浸かった。

 

         ☆

 

「やはり風呂は落ちつくのぅ……」

 

儂は湯船につかりながら一日の疲れを取る。

 

「ふふっ、なんだか仕事を終えた父親みたいね。」

 

紫織が微笑しながら湯船に入る。

 

「FFF団の相手をしたんじゃから、一仕事したも同然じゃぞ。」

 

あやつらを始末するのは専門の業者でも雇いたくなるのじゃ。

 

「じゃあ、何かご褒美でもあげなくちゃいけないわね。」

 

「儂らが勝手にやったことじゃから、その必要は無いのじゃ。」

 

紫織の提案はありがたいが、儂らは特に対価を求めて行動をしてはおらんのじゃ。

 

「なら気にしなくていいわ。これは、あたしが勝手にやることだから。」

 

「なっ、何をしとるんじゃ!?」

 

紫織は儂の背後に回り込むと、後ろから抱きついてきた。

 

「男の子ってこういう事されるのが好きなんでしょ? それとも嫌だったかしら?」

 

「い、嫌ではないのじゃが。……儂らは付き合い始めて月日もあまり経っておらんし……」

 

そもそも同じ風呂に入ると言う行為自体あまりすべきではないと思うのじゃが……

 

「嫌じゃないならいいじゃない。疲れているんならしっかりと体を休めないと。」

 

「む、むぅ……」

 

何か言いくるめられたような気がするのじゃが、心地いいのは確かなので、儂は紫織の言葉に甘えて体を休めることにしたのじゃ。

 

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