ノアが天界を訪れてから数日、ついに3大勢力のトップによる会談の日となった。この会談にノアは参加しない。一応はノアは一般人ということになっているため、政治的な物事には関わらないようにということらしい。後は、ギャスパー・ヴラディと塔城小猫も不参加だ。ギャスパー・ヴラディが結局神器を扱いきれなかったため、部室にて塔城小猫と会談が終わるまで待機と言うことらしい。
時刻はすでに夜の10時を回っており、学園の周辺には人避けの結界と多数の各勢力の衛兵たちが警備をしている様子を駒王学園の屋上から眺めているノア。
「ディアッ」
突如声が聞こえたかと思うと、何者かが後ろから背中に飛びついてきた。
「ノア、久しい」
〈相変わらず君は神出鬼没だな〉
飛びついてきたのは、
「今回の会談、我らも乱入する」
〈そうか〉
オーフィスの宣戦布告に、特に反応も示さず返事をするノア。彼らがこの会談に割り込んで戦争が始まろうが、それは彼らが望んだことだ。光の国にも同じ掟があるが、ノアたちウルトラマンは基本的にその星の選択には一切の干渉をしない。例えば、A国とB国が戦争を始めて周りの国がそれに巻き込まれようが、ノアたちはその戦争を止めることはしない。あくまでその戦争は人間たちが勝手に引き起こしたものであるため、ノアたちが干渉する余地は一切ない。たとえその戦争で人類が死滅しようが星が滅ぼうが、結局は自業自得であり、それを見届けるだけしかしないのだ。
「ノア、やはり我らに協力する気、ない?」
〈何度も言わせるな。私は誰にも力を貸す気はない〉
オーフィスの勧誘を断ると、ノアはその場に座り込む。まだ禍の団が動き出すまでには少し時間がある。ならば、それまでここでのんびりとしていても誰も文句は言わないだろう。幸い、アザゼルに頼んで自身の事は議題にしないようにしてもらっているうえに、
俺、アザゼルは絶賛会議中だ。まあ詳しい事は省くが、この会談で歴史が変わるのは間違いない。リアス・グレモリーとソーナ・シトリーの報告を聞いて、サーゼクスやセラフォルー、ミカエルの野郎の話に適当に返事をしてるだけだ。
「それでリアス、一つ君に聞きたいことがある」
「はい、魔王様」
サーゼクスがリアスに質問してやがる。政治的な事だからか、リアスの方は魔王様って言ってるな。全く、かたっくるしいことこの上ないぜ。
「君たちが遭遇したという者についてだが、何か詳しい事は分からないか」
あ、やべっ。ノアの野郎からこれについての議題はしないよう頼まれてたのに、まさかあっちから聞いてくるとは
「それは・・・」
「悪いが魔王サーゼクス。私たちはその事については一切の情報を持ってはない。それに、その時に聞いたコカビエルの発言からするに、そちらの方が詳しい事は知っているのではないか?」
「ゼノヴィアッ!」
おっと、メッシュの嬢ちゃんが口を挟んできたぞ。たしかあいつ、俺やヴァーリの他にノアの正体を知ってる唯一の人物だったかな?まさかフォローを入れてくれるとはな、感謝感謝。
「そこの嬢ちゃんの言うとおり、
「アザゼル・・・」
「まあそんな目をするなよミカエル。だが、今俺らがこの場にいるのは和平を結ぶかどうかのためだ。無粋な事は詮索しないようにしようぜ?」
俺に少し睨みつけてくるミカエル。だが、なんとかこれで話は反らせたな。嬢ちゃんに他の奴らには見えないよう感謝のサムズアップを送ると、嬢ちゃんの方も得意げな顔をして胸を張る。ちょっとそれがアホらしさ全開だったのは、あとでノアの野郎にでも教えてやろう。
「それでは、今後の3大勢力の関係についてだが・・・」
サーゼクスが仕切り直す。ほんと、このメンツでいたら俺のやること少なくて楽だわ。後は、このまま何事もなく終わってくれればいいんだが・・・
そう思った矢先、世界は
騒がしい。瞑想から覚めたノアが懐いたのは、そんな感想だった。攻撃を仕掛ける禍の団のメンバーに、それに応戦する3大勢力の衛兵たち。軽い戦争状態だった。だが、そんな中で一際目立ったのが、
「ノア、ようやく起きた」
隣に座って、自分の部下たちが戦っているのを眺めていたオーフィスが呟く。
〈どれだけの時間が経っている〉
「悪魔の時間停止の神器持つ吸血鬼、暴走し、しばらく時間止まっていた。多分、1時間程度」
時間停止の神器と言えば、ギャスパー・ヴラディしか該当する者はいない。大方、部室にいたところを先に襲撃されて無理やり暴走させられたのだろう。この件に関して彼に非はない。だが、神器を制御できない彼自身には問題がある。結果的に、神器を扱えないことを逆手に取られ、3大勢力側の防御が遅れ、禍の団の侵入を許してしまったのだから。
ノアは視線をヴァーリのいる方へと移す。これから始まる赤白の戦いを見届けるために。
「魔王の血筋、って・・・・」
オッス、兵藤一誠だ。今俺の目の前にいる野郎——ヴァーリの本当の名前を知って、みんな驚きを隠せてない。そりゃあそうだ。先代魔王の血筋で、半分人間だからって理由で
「兵藤一誠」
「っ!」
ヴァーリが話しかけてきて、思わず息を飲んじまった。威圧が、今まであってきた奴らよりもヤバい。あのコカビエル以上に・・・
「運命とは残酷だとは思わないかい?」
「な、なにが言いたい・・・っ!」
「俺は魔王の血筋でありながら白龍皇の力を宿した規格外の存在。対して君は、つい数か月前まで普通の高校生だった。つまり君には、
ヴァーリの言ってることは全部正しい。俺は今まで、普通の人間として生きてきたんだ。普通の生活を送って、普通に遊んで、普通にバカやって、普通の人生しか歩んでこなかった。そんな俺が、奴と同等だなんて思ってない。そんなの、俺が一番よく分かってるんだよ!
「それに俺は、人生を変える奇跡に出会えた」
ヴァーリの奴が続けて言う。なんだ、あいつの言ってる奇跡って?
「君たちも知っている『ノアの神』に会ったんだよ」
『っ!』
ヴァーリの発言に、俺たち全員が驚く。いや、アザゼルだけは驚いてないところを見ると、あいつはとっくに知ってたな。
それよりも、ヴァーリの言った『ノアの神』の方だ。大昔に現れた光の巨人で、無限の龍神オーフィスも下す力を持つ最強の存在。神のような姿と、その時にその巨人が発した『ノア』という言葉を組み合わせて『ノアの神』と呼ばれているらしい。まさかそんな大それた神様にあいつが会ってるなんて・・・っ!
「実に素晴らしかったよ。圧倒的な力に強力な技の数々、俺が子供扱いされたんだからな!」
仮面越しでも分かる。あいつ、笑ってやがる
「奥の手に取っておいた
「何が言いたい・・・」
「ここまで言ってまだ分からないのか? 今代の赤龍帝と白龍皇の戦いは、既に俺の勝利で決まっているのだよ! 未だ何の輝きも表さない君と違って、俺はその輝きにさらに磨きをかけてきた! そんな君は、俺にとっては邪魔なんだよ。君がいると、どうしてもアルビオンが騒ぐんでね。だから・・・」
ヴァーリが翼を広げた瞬間、俺の目の前に奴の仮面が見えてた
「君にはここで死んでもらう」
刹那、衝撃が俺の腹を襲った
「うごっ・・・・・」
ヴァーリに殴られた俺は、勢いよく後ろへ殴り飛ばされ校舎の壁に激突する。うっ!咄嗟に籠手を出現させて防除をしたが、全然防ぎ切れてねえ。それどころか、モロに奴の攻撃を喰らった左腕が痙攣してる。これが、ヴァーリの力。俺なんかとは、全然違い過ぎる・・・っ!
「その程度でくたばってくれるなよ兵藤一誠。せめて
「人を馬鹿にしやがって・・・こちとらお前に散々言われて頭に来てんだ! その減らず口を今すぐ塞いでやる!」
こいつにどこまで通用するかは全くわからねえ。だが、いつまでも一方的に馬鹿にされるのは性に合わねえんだ!
『正気か相棒? やつの力は全盛期の俺たちに匹敵するほどまで高められている。お前が無間地獄を味わっても到底敵わないほど差は歴然だ』
「ドライグ・・・それでも、男には男の意地ってもんがあるんだ!」
無謀かもしれない。死にに行くだけかもしれない。だけど俺は、ヴァーリに挑まないといけない!もし今こいつから逃げたら、俺は
『フハハハハ! 全く面白い奴だなお前は! 今のお前は、怒りや憎しみではなく、たった一人の男に近づくために歴代最強の白龍皇に挑もうというのか! 良いだろう、乗り掛かった船だ! 地獄の底まで貴様と相乗りしてやる! 兵藤一誠!』
ありがとうよドライグ!さあこっからは、男の意地のぶつかり合いだ!
宿題終わらせる合間に書いたので駄文です。すみません書く暇がなかなかないんですm(__)m
言い忘れてましたが、ノアが関わらない原作シーンは殆ど削っていきますので、分かりずらかったら申し訳ありません。(特に終盤は数冊分は削ることになると思います)なるべく分かりやすくは書きますが、どうしても分からないところがあれば原作を読むなどしていただければと思います。
感想、お気に入り登録、評価など大歓迎です。ではまた今度、アデュー