これも皆様のおかげでございます。これからも、よろしくお願いします。
恐らくこれが高校一年生最後のD×Dの投稿になります。
上手く書けたか心配ですが、どうぞ。
授業参観日。それは、日頃の学校での生徒たちの学業の姿をその親や兄弟に見てもらう日である。ある者は親が来ることに期待を抱き、またある者は親が来ることに絶望するものもいる。ノアやゼノヴィアはそのどちらにも当てはまらない。理由は単純、見に来る親や兄弟がいないからだ。ゼノヴィアの場合は、親の代わりになるのは彼女を育てていた教会のシスターだろうが、彼女は数日ほど前に教会最大のタブーである神の不在を知ったために追放された身だ。今や独り身の彼女に授業参観に来るような者は一人としていないだろう。
ここまで聞いたのなら、大方の人間は彼女の今の境遇に同情を抱くだろう。親もおらず、育ててくれた場所からも追放された彼女は、さぞかし悲しい毎日を送っていると思うだろう。
「えへへ~ほらほらノア、もっと私に近づいてもいいんだぞ? それとも私の方から近づいた方が良いか?」
そんなことを思っていた者たちに教えたい、現実はこうであると。今の彼女の表情からは「悲しい」という感情など微塵も感じない。むしろ、この上ない幸せを感じている表情だ。それもそのはず。先日彼女は、人生初の初恋の相手であるノアに、人生初の告白を成功させたばかりなのだ。とは言っても、ノアからの返事は「友達から」ということなので正式に恋人同士になっわけではないのだが、彼女の中では告白が成功したという事実だけが残っており、もう半分恋人同士みたいにノアと接している。しかも、クラスの生徒たちの親御が見に来ている授業参観にも関わらずだ。先ほどから周りの視線がすごく痛い気がする。今は授業の一環でパートナーと一緒に作業をする時間なのだが、パートナー探しが開始された瞬間にゼノヴィアに捕獲されたノアは、いま彼女と机を合わせている。しかもわざとらしく先ほどからノアの胸に胸を押し当てているので、クラスメイトやその保護者、特に男性からの視線が凄い。
〈とりあえず、今は授業中だから静かにしろ〉
「むぅーノアはもう少し緩くなった方が良いぞ」
むしろ君はその緩さをどうにかしろ。と心の中で思ったノアは間違っていないはず。恋する女性がまさかここまで面倒くさいものだとは思わなかった。兎も角、これ以上目立たないように静かに授業を受けながらゼノヴィアの相手をしなければならない。
『授業中にイチャついてんじゃねえよ、爆発しやがれ!』
クラス中の男性の心の声が聞こえてしまったノア。なぜ妻子がいる筈の男性からもこんな声が聞こえてくるのか謎だが、どうやらとっくに手遅れだったようだ。
○●○
授業参観のため午前中しか授業がないため、12時を少し過ぎたところで本日の授業はこれで終了ということになった。英語の時間に兵藤一誠がリアス・グレモリーの裸体像を粘土で作ったせいで途中からオークションになってしまったが、結局兵藤一誠はその像を誰にも売らなかったらしい。ノアの方と言えば、特に作るようなものも浮かばなかったためとりあえずゼノヴィアを作ってみたのだが、クラスメイトに見つかる前に早急にゼノヴィアに回収されてしまったため特に注目も浴びなかった。まあそちらの方がノアとしては好都合なのだが。
が、ノアの目的はただ授業参観に参加することではない。この学園には魔王の妹が2人いる。リアス・グレモリーとソーナ・シトリーの二人だ。この二人の兄と姉である魔王は極度のシスコンらしく、授業参観のために仕事をすべて投げ捨ててでも来るだろうとアザゼルから聞いていたノアは、今日授業を受けている間も魔王の気配を探っていたのだ。案の定、4時限目の授業が始まる前に魔王の気配と思われるのが2つ、学園内に入ってきたのを察したのだが、さすがは魔王というべきか二人とも気配は最小限に抑えていた。もっとも、ノアの前ではそんな対策何の意味も持たないのだが。
「どうかしたのかノア?」
顔を覗き込んできたゼノヴィアに一瞬視線を落とす。こうして近づかれると、少しばかり歩きにくいために距離を取って歩いていたのだが、なぜかこの少女はこうやってノアに近づいてくる。
〈別に何でもない〉
素気ない返事を返すと、ゼノヴィアは首をかしげる。
「そうか? だったらせめてもう少し普通の態度をとった方が良いぞ。皆お前が何か考えてると思ってわざわざ道を開けてくれているんだからな」
ゼノヴィアに言われて周りを見てみれば、確かにノアとゼノヴィアの進行方向には生徒は一切いない。悪意が全くないことはうれしいのだが、これはさすがに悪目立ちすぎる。在校生はまだいいとして、その保護者達は自分の子供にヒソヒソと何かを聞いている者までいる。
こうなれば、早急にサーゼクス・ルシファーを探さなければ。と思ったノアは、サーゼクス・ルシファーが兵藤一誠の家に行った事を知るまで、ずっと校内を探し回っていた。
〈というわけだ。今晩は私とゼノヴィアもお邪魔させてもらう〉
「よろしく頼むぞ、イッセー」
「いや、どういうわけだよ!?」
兵藤家のリビングに兵藤一誠の突っ込みが響き渡る。どうしてもサーゼクス・ルシファーに一言言いたいがために兵藤家まで来たのだが、なぜかゼノヴィアまで付いてきてしまった。もっとも、彼の父親と母親は来客が増えて余計に嬉しそうだったが。
「まあまあいいじゃないのイッセー。お客様がこんなに家に来るなんて初めてなんだから」
「そうだぞイッセー。お前みたいなバカがノア君みたいな子と友達っていうことだけでも奇跡なのに、リアスさんやアーシアちゃんみたいな未来の嫁さん候補まで・・・うぅ! 孫の顔を見られる日が来るなんて、本当に奇跡だ!」
「やだぁもう、お父さんったら」
涙を流しながら感動に浸る兵藤一誠の父、そしてそれを励ます母。孫の顔というのはまだまだ早い気がするが、少なくともあと一人兵藤一誠に好意を抱いている人がいるから、可能性は大きいだろう。それにしても、ここまで兵藤一誠の親が賑やかだとは思わなかった。子供があのような変態ということもあるが、純粋に子供が成長していることを喜んでいる節もある。この親に育てられたからこそ、もしかしたら兵藤一誠はあそこまで純粋な人生を生きているのかもしれない。
「初めましてかな? リアスの兄のサーゼクス・グレモリーだ。君がリアスの部活の顧問のノア君かな?」
現れたのは、リアス・グレモリーと同じ紅色の髪をした男性、サーゼクス・ルシファーだ。グレモリー姓を名乗っているのは、恐らく兵藤一誠の親の前だからだろう。
〈初めましてだな、サーゼクス・グレモリー〉
ノアは普段のように挨拶をするが、その眼には少しばかり警戒の色があった。それは向こうも同じらしく、サーゼクス・ルシファーの後ろに控えてる銀髪のメイドからは異様なプレッシャーを感じる。もっとも、本気を出せば一瞬で叩きのめすことも可能なのだが、ここには一般人の兵藤夫婦がいるためにそんな無粋な真似は出来ない。何より、彼らと争う理由は今のところない。ノアは出来れば戦いは避けたい方である。こんなところで無駄な争いはしたくないのだ。
「それで、君は私に何か言いたいことがあってきたのだろ?」
どうやら、向こうはノアが来た理由はある程度分かっているらしい。しかし、ノアの正体には気づいていないらしく、あまりノアの事に関して言及はしてこない。下手な質問をして、関係を悪化させたくないという考えからくるものだろう。
〈単刀直入に言う、君たちは何があってこの町を悪魔の領地としている?〉
「この町は大昔、私たちの種族がお世話になった場所だ。だから、私たちはこの町に恩返しをしようと・・・」
〈そんな嘘はいらない。私は本当の事だ聞きたい〉
サーゼクス・ルシファーの嘘を一刀両断するノア。調べてみたが、この町はリアス・グレモリーが人間界に来る前から別の悪魔が住んでいたらしい。だが、その悪魔は当時教会出身だった戦士と恋に落ち、さらには悪魔のレーティング・ゲームに置いての不正を知ってしまったがために、この町で粛正されたらしい。恩返しというのなら、なぜそんな酷い事をする。しかも、それは完全に悪魔側の問題だ。その二人を粛正する際に、多少この町にも被害が出た。そんなことをしておいて「恩返し」などと、笑止千万だ。
「本当は、私もよくわからないのだよ。なぜこの土地が悪魔の領地とされているのか、なぜこの町には多くの種族が集まってくるのか。私は、一時それはイッセー君の
またノアの神か。アザゼル、コカビエルに続いて、サーゼクス・ルシファーからもその名前が出てくるとは思わなかったノア。自分と似た姿をしたその光の巨人の正体が、もしかしたら一番懸念すべきことなのかもしれない。
「何か考えことかな?」
〈いや、別に何でもない。話を続けてくれて構わない〉
ノアの神に関して考えるのはあとにして、今はサーゼクス・ルシファーの話を聞くことに集中するノア。今日こうして兵藤家に来たのは、サーゼクス・ルシファーから話を聞くためなのだから。
「話を続けるが、『ノアの神』が戦いを終えて何処かに消えたあたりから、この町には何かが起こり始めている。力の異様な集結、空間の歪み、そのすべてがこの町を中心に起こっているのだ」
〈それが、君たちがこの町を領地としている理由か?〉
「詳しい事情は分からないが、少なくともそれが大きな理由だろうね。現に、私たちよりも長い時を生きている悪魔には魔王の命令を受け付けない独立部隊を作ってこの町に潜入をさせている奴らまでいる」
〈それで、嘘をついた理由は?〉
大体悪魔がこの町を領地にしている理由は分かった。『ノアの神』と呼ばれる巨人が大昔にこの土地に現れたときから、何か異様な物によって異常が起きている。それを調査し、あわよくば自分たちの力にしようと悪魔の老人たちは考えているのだろう。
「全く、たかが数千年生きている子供がおもちゃ欲しさに・・・」
「え?」
〈すまん今のは忘れてくれ〉
ついつい口を滑らせて本音を言ってしまったノア。これでは何のためにメモ帳を使って会話をしているのか分からなくなってしまう。はっきり言って、35万年以上生きてきたノアからしてみればこの世界にいる者は無限のオーフィスと夢幻のグレートレッドを除いて、全員子供ぐらいの年齢なのだ。後々に大きな被害が出そうな事は避けたいノアからしてみれば、悪魔の老人たちがやろうとしていることは迷惑以外の何物でもない。
「嘘をついた理由についてだが・・・君はこの町に起きたことを知っているのだろう?」
〈無論すべて調べさせてもらった。少々骨が折れたがな〉
「ならば、当然リアスがこの町での悲劇を知らないことも知っているのだろう?」
〈まあ、シスコンと名高いサーゼクス・ルシファーの事だからそんなことは予想がつく〉
リアス・グレモリーが真実を知ったのなら、きっと絶望するだろう。自分がこの町で起きた悲劇を隠蔽するために用意された後釜でしかないと分かった時、彼女がどんな行動に出るかはノアも分からない。
「君が本当にリアス・グレモリーの事を愛しているのなら、すべてを話せ」
ノアは真剣な眼差しで、サーゼクス・ルシファーに言った。
「愛とは、優しさだけでは成り立たない。厳しさもあり、信頼もあり、その中に優しさがあってこそ『愛』は生まれる。君がリアス・グレモリーの事を信頼しているのなら、厳しさを持って彼女に真実を話せ。それは同時に、彼女に対しての優しさにもなるのだから」
「ノア君、君は一体・・・・」
唖然とするサーゼクス・ルシファーにノアは告げた。
〈裏の世界に詳しい少年とでも思っていてくれて構わない〉
下手なことをして正体を知られるわけにはいかない。少しばかり暈した答えをしたノアは、兵藤一誠の母の入れてくれたお茶を、ゆっくりと飲んだ。
最後はちょっと変になっちゃった・・・そもそも、原作でもなんで駒王町が悪魔の領地なのか明かされてないのに、その理由考えるとかすごいめんどくさかった。
タグに「アンチ・ヘイト」を付け加えましたが、あくまで念のためなので。でも、ノアにとっては一部の悪魔はアンチの対象になるかな?
今月と来月は「デート・ア・DRIVE」のリメイク版の投稿やいろいろなイベントが詰まってるので次回の投稿はおそらく4月になります。
「このすば」にはまったので「この最凶最悪のウルティノイドにも祝福を!」という短編を書いてみました。主人公はもちろんダークザギです。ネット紳士の方じゃなくて暗黒破壊神の方ですけど、アクアなどのキャラに振り回されてその面影はありませんww
もしよかったら見てください。
では、また今度