【読切作】Sword Art Online〜Unlimited Incarnation〜 作:なおTEL
そこに、三人の
「なぁ、ショー」
「どうした、カジノ?」
「いや、大したことじゃねえんだが、本当にスズカちゃん置いてってよかったのか?」
「……文句は言われるかもな」
「別にこのクエストは三人限定とかそういう制限はなかったんだし、一緒にパーティ組んだ方がもう少し楽できたんじゃないか?」
「今更だなー、なぁショー?」
「ああ。今更だ」
「今更だけどさ」
「あいつはあいつでアルゴから用事があったみたいだし」
「あの二人は仲いいよなー」
「確かに」
「実はそういう関係?」
「そういう関係って?」
「そういう関係だろ?」
「どうでもいいが、お前ら二人も〝そういう関係〟じゃねえかなんて言われてるな」
「「どういう意味だ!?」」
「そういう意味だ」
「……おいロークス。その情報の出処は?」
「……アルゴだが」
「……まさか、その仕業はお前か?」
「…………はて、何を根拠に」
「やっべ今めっちゃ目の前の馬鹿顔をPKしたくなってきた」
「お前みたいな
「ようし、そこに直れッ! 今からお前の抜けたどたまから両断してやるからよぉッ!」
「おい」
「カカカッ、できるもんならやってみな。その前にお前の身体はミンチ確定ダァ」
「おまえら……」
「けったいなユニークスキル持ちがァッ!!」
「その魔剣との別れの言葉は済ませたかァッ!?」
二〇二四年九月下旬。アインクラッド第66層、迷宮区裏ダンジョン『魔人の間』。隠しクエストにて唯一攻略可能となるそのダンジョンの最奥部にて、今先ほど協力して倒して見せた十数の人影と、パーティリーダーを無視して、二人の少年がいつものしょうもない私闘を演じていた。
二人に呆れた視線を向ける曲刀を腰に下げたパーティリーダーは色素を落とした灰被りのような薄黒髪の青年。深緑のフード付き半袖パーカーのような丈の長い衣服は下半分が前を開き腹部からは一斤染のインナーが覗いており、そこからベルトで区切るように、ラインの入った鳶色のパンツを履いている。両手には革製のグローブを身につけており、黒のブーツには鋼鉄製のプロテクターが備えられている。
そんな冷めた視線も意に介さず私闘を始めんとする二人の内の一人は焦げたような赤毛の小柄な少年──に見える青年であり、その身に纏う装束は真紅に統一されているが、胸のプレートやガントレット、レギンスといった装甲は黒曜石のような美しき輝きを見せる。しかし、何よりも目に見張るのは、その両手に構えられた体躯に見合わぬ眩しき黄金の大剣。決して潤沢な装飾品はなく、無駄のない洗練とした造りのそれは、まさに見るものを惹きつける魔性の輝きを放っていた。
もう一人は全身を鮮やかな空色に染めた白髪の少年。相対する赤毛の少年とは対照的に手足のプロテクターとなる籠手具足を除いて装甲の類は一切身につけず身軽な装束に身を包み、他の二人とは──この世界の人間とは異なり一切の武器を身に着けていなかった。一見、無防備に見える姿だが、何も握られていない両の手で拳を作り構えるとたちまち並々ならぬ気迫が滲み出るのを感じられない者はここにはいない。
そして、青き光を帯びた黄金の大剣はシステムに導かれるまままっすぐ一直線に、その見た目と重量とは裏腹な速度をもって低く構える白髪の少年に振り下ろされた。
対する少年は臆することなく、愉快に笑みを浮かべて、大型モンスターすら一刀に伏すその重い斬撃に、抜刀の如く腰から全身の回転運動によって放たれた青き拳撃を重ねる。
二対の輝く軌跡が交差する刹那、
「いい加減にしろォッ!!」
一閃の風が煌めいた。