一夏戦は何も出来ないほどボコボコにしてやる
『ご主人大丈夫ですか〜?』
「だだだ、だ大丈夫ぶぶたぞぞ、えええ、エネ?」
「あら、如月さんは私と同じスナイパーライフルですの?ほほほほほ。これはもう勝ったも同然ですわ。如月さん?わたくしは優しいので今ここで土下座しながら泣いて謝れば許さない事もなんとかかんとか」
『泣いて謝って土下座してそのまま住処に帰れニート野郎だそうですよ〜ご主人!』
「えぁ?悪い、何言ってるか聞いてなかった。あと、俺別に何もして無くねえか?……つーか、何で俺が1番最初なんだよ……織斑先生の話だと一夏が先だって話じゃ……」
『あ、始まりましたよご主人』
エネののんきな声を皮切りに目の前をレーザーが通って行った……って
「うおっ!?『始まりましたよご主人』じゃねーよ!避けるのはお前が担当だろ!?」
『えー?仕方ないですね〜それじゃーいっきますよー!』
「はぁ……たく、やるぞ。エネ」
遡る事数時間前
『カゲロウアイズの使い方もバッチリですし!あの金髪縦ロールをぶっ潰しましょうね!ご主人』
「ああ…」
『あれ?いつにも増して顔が陰気臭い引きこもり野郎の顔してますよ!ごーしゅーじーんー』
「うるせえよっ!」
ラファール・リヴァイブとカゲロウアイズ軽い慣らしの後、まず初めに織斑対オルコットの試合だから俺とエネは観客席までの廊下を歩いていた
『もしかして今朝の慣らしでバテたんですか〜?ご主人は本当にひ弱ですね〜』
「あれが慣らしかよ……」
☆今朝☆
『もっとかっ飛ばしますよ!!ご主人ーー!!』
「ぅげっ!…お、おい…も、もう少しスピード落とせこのバカッ!!う!?」
『ジェットコースターのようなエネちゃんの超高速機動を見せてやりますよ!ご主人ー!』
「おぼろろろろろろろ(ry」
「あれが慣らしだと思うのはお前だけだこのバカ!」
『ご主人があの後飛びながら吐いてたのは長さんも思わず苦笑いしてましたからねー!虹が出来てましたよ!虹がwwww』
「はぁ……」
このバカの所為とカゲロウアイズの負担が思ったより強かったのもあって俺は少し気分が悪い
「あ!如月君!」
「?山田先生?どうしたんすか、そんなに慌てて」
山田先生が慌てて走ってきたように息を切らせて立ち止まった
「………」
『ご・主・人〜?』
「な、何だよエネ!」
少し山田先生の胸の方をちょっとだけ見てしまったが……驚かすんじゃねえよ
『どこ見てんです?』
「べ、別にどこも見てねえよ」
た、ただ山田先生のって、モモの奴と同じくらいあるな……とか……
『アヤノちゃんにちくりますよぉ?まったく』
「う、うるせえな……で、話ってなんすか?山田先生」
話を逸らすように山田先生に話を聞く。
……内容は、試合前なのに織斑の機体が届いていないらしい。それで、ラファール・リヴァイブですぐに出れる俺を探してきたそうだ
「すみませんが如月君。今から織斑君の代わりに先にセシリアさんと戦ってもらえないでしょうか?」
「………はぁ、分かっ…分かりましたよ、山田先生、織斑の代わりに出るんで、顔上げてもらえないっすか?」
ペコペコと餅つきバッタよろしく頭を下げまくる山田先生が、俺の一言で目を輝かせた
「ありがとうございます!如月君!!……あぁ、良かった……これで織斑先生にアイアンクローを喰らわずに済みます………」
「…………」
織斑先生の凶暴性に俺の警戒度が1……いや、ハザードランク1,000にまで到達したところで、エネを介して団長たちに連絡を取る
「……ああ、団長か?」
『どうしたシンタロー。何か問題でもあったのか?』
いつもと同じキドとの通信だが、キドの口調がどこか弾んでいるような気がする……こいつ、もしかしてIS学園に来て少し興奮してないか?……いや、違うな……?
「お前今何してんだ?」
『い、いや……クク……何でもないぞ…うん、何でも…ない……ぷ……』
「?」
『ちょ、ちょっと!キド!笑ってないで助けてよーー』
『あ!ちょっと逃げないで!カノちゃん!!』
『ぐへぇ…!?』
『やーん!カノちゃん可愛いーー!!お肌すべすべーー!!!』
「???」
一体どんな状況だよ…
『で、で?そ、それで一体なんだ?…クク…し、シンタロー……』
「……俺の試合の時間が変更になったからそれを言っとこうと思ってよ…」
『そ、そうか!ぷ……な、何時からだ?』
「今からだ」
『今から?そうか、分かった。メカクシ団員の晴れ舞台だ、楽しみにしてるぞ』
団長の言葉を最後に通話をブツっと切った。
そして部屋に入ると、目の前には織斑と織斑先生と山田先生、そして何故か篠ノ之がいた
「あ!シンタロー」
俺にいち早く気付いた織斑がブンブンと手を振り、その後ろから篠ノ之が親の仇を見るような目つきと殺気で俺を並んできた……帰りてえ……
『篠ノ之って娘、目つき悪いですよねぇ!ご主人っ、まあ、ご主人みたいに目が死んでるよりかはマシですけどねっ♪』
「ああ、そうだな。どっかの誰かさんみたいに誰彼構わずガンつけるような目よりかマシで良かったな」
エネとの会話は何時も売り言葉に買い言葉だ
「如月、準備は出来ているな」
「え?いや、ここに着いたのさっきなんでこれからですけど…「で・き・て・い・る・な?」………………………………………………はい」
なんだよこの人マジで怖えええよ。う、やべぇ……この人にまで殺気向けられて吐きそうだ……
「あ、ISの起動の仕方は分かりますか?如月君。まずISを自分にーー」
山田先生が何か言ってるが織斑先生(とオマケに篠ノ之)の殺気を浴びている今の俺には残念ながら聞こえない。さっさとラファールを起動させる
「……ほう、以前にもISを動かしたことがあるのか?如月」
「い、いや。朝も動かしたし、別に初めてってわけじゃね……ないです」
スナイパーライフルを展開、グリップを握ってカタパルトに腰を下ろす
「シンタロー。頑張れよ!!」
「ん?ああ」
一夏が俺を応援するが、篠ノ之の目つきがもっときつくなるので俺はさっさとカタパルトから発射した
???
「おや、どこかで試合が始まったようですね、では私たちも行きましょうか、セトくん。今日は基本的な用務員の仕事を教えますよ」
「了解っす、轡木さん。」
「ははは、それにしても、楯山君から君を紹介された時は、どんな子が来るかと思いましたが、真面目で素直そうですね」
「ええ!お父さんはなんて言ってたっすか?」
「いえいえ、楯山君の紹介では、君はとても明るくて活発な自慢の息子だそうですよ」
「そうっすか!…そういえば、お父さんと轡木さんはどこで知り合ったんすか?」
「ああ、それはですね、彼は昔私の教え子だったんですが……すこしばかり手のかかる子だったんですよ…。そんな彼がこんなに立派な子を持つなんて………………」
「ふぅ……っくッ……うぅぅ…は、吐きそうだ………」
『ご主人本当に激しい運動苦手ですねー。ISの操縦者向いてないんじゃないですかー?www』
エネの声にマジで向いてないから勘弁してくれよ。と悲痛な声を叫びたかったが、オルコットの第二射がそろそろくるので横にずれる
「は、外した?…」
「悪りいけど、お前が開幕狙ってんのは目に見えてたからよ」
オルコットの間抜けな声にスナイパーライフルのスコープを覗きながら小さく呟く。そして、立て続けにトリガーを6回引いた
「あっ……!くっ!?当てた!?男の分際で!?」
「止まってる相手を当てるだけだろ……なんでそんな驚くんだよ……」
6発全てヘッドショットを決めてブーストを使うと、なぜかオルコットが驚いているので眉をひそめる
「射撃戦で!こんな!!男なんかに!!!」
「……………」
オルコットから発せられたレーザーが真っ直ぐ俺に向かってくる。その真っ直ぐすぎる射線を既に読んでいた俺は、軽いブースト噴射で回避しながらトリガーを引く
「な!きゃぁあ!!?」
「いい的だぜ、オルコット」
スコープをガン見しながら機体を後ろへ動かす。エネがサポートしているおかげでこの辺はスムーズに動くことができる
『ご主人、こっちが有利なんですから少しは嬉しそうにしたらどうです?これじゃあ陰気野郎が金髪縦ロールを虐めてる図にしか見えないですよー?』
エネの言葉にむすっとした顔でスナイパーライフルを撃ち続ける
「うるせえよ!……それより、お前の方こそ準備は良いのか?来るぞ」
片目を瞑り、もう片方の目で覗くスコープの向こうには、スナイパーライフルを構えるのをやめ、射撃を中断したオルコットの姿が映っていた
「わたくしは!負けるわけにはいかないのですわ!!!お行きなさい、ブルーティアーズ!」
俺はまずオルコットからターゲットをブルーティアーズに変更する。1発、1番下側のビットを撃つ。2発、反動で銃身が跳ね上がったのを利用してその上のビットを狙う。3発、4発、5発…………
「……ち、やっぱ硬えな。そろそろ使うぞ」
スコープから目を離して手に持ったフラッシュバンを投げて目眩しをする
『了解です!No.3「目を欺く」起動!』
フワッと、白い蛇の頭のような細いビットが、次第に黒へと変色していき。まるで人をからかっているようにクネクネと変則的に動きながらオルコットへ突っ込む
「おほほほほほ!どうしたのですか!?わたくしのブルーティアーズに突っ込むなど、血迷っているとしか言いようがございませんわ!!!」
オルコットのビットであるブルーティアーズが、「目を欺く」ビットへ火線を集中する
「目隠し完了……か」
「目を欺く」ビットに踊らされ、偽物を相手にビットを撃ちまくるオルコット
『続いてぇーー!!No.9「目を醒ます」No.6「目が覚める」発動!!じゃ、ご主人行ってきますねー』
新たに現れた白いビットの内、片方が黄緑色に染められていき、もう片方のビットが青色に変わって、黄緑色のビット「目を醒ます」へと合体する
『接続状態……94...95...97...99...100%!接続完了、エネちゃん!いっきまーーーーす』
黄緑色の「目を醒ます」ビットがグニャグニャと形を変形させていき。遂に人のような姿に変わっていく。
黒いツインテールに耳元にはヘッドフォン。口元……首には悪趣味なガスマスクを付け、黒くダボついたジャージを羽織った目付きの悪い女。「閃光の舞姫・エネ(笑)」が顕現した
「おい(笑)閃光の舞姫(笑)、気分はどうだ?」
『んー、そうね。……っておい!アンタ、何笑ってんのよ』
ギロリと睨み付けるエネ……もとい榎本貴音にプルプルと首を振りながら口元を隠す……だが、既に俺の腹筋は限界だ
「ぶっ……!」
『あーー!!!笑ってんじゃないわよ!!このクソ童貞!うるさい!笑うな!死ね!』
閃光の舞姫(笑)が拳をブンブンと振り上げて喚く。その手には二対の拳銃が握られている
『アンタ、後で覚えときなさいよ?』
「いいから早く行けよ(笑)」
『ったく、行くわよ。金髪縦ロール……その胸もぎ取ってやるーーー!!』
私怨全開のエネが手に2丁拳銃を持って突き進む
「!?新手!?て、ティアーズ!!」
オルコットのビットがエネを囲むが、エネは縦横上下などの変則的な動きでビットの弾幕を避ける
「…しっかし、まだまだ無駄があり過ぎなんだよな………」
スコープから目を離さずタン、タンと小気味好くビットを狙い撃ちしながら呟く……その後、ドン、と爆発音がして、エネを囲んでいた4機のビットが墜落していく
『閃光乱舞……決まった』
「………ぶふっ……」
なにやらドヤ顔でそう呟いたエネの声を、ISのハイパーセンサーか何かが拾ってしまったのでつい吹き出してしまった
『………なに笑ってんのよ?』
ギロリとこちらを睨み付けるエネから顔を逸らす。今あいつの顔を見るのは危険だ
「そ、そんな……ブルーティアーズが……わ、わた、わたくしの…………」
「残念だったな、オルコット」
「!?…如月……さん!?何故そこにーー」
自慢のビットの撃墜と、俺が2人いる。という事実にオルコットが残りのティアーズを動かせないほどの動揺を表す。そこへスナイパーライフルの弾倉全てヘッドショットする。最後の弾丸が直撃したあと、試合終了のブザーが鳴った
「………終わったか、鷹月が言うほど代表候補生って、強くなかったな……」
ふぅ、吐息を吐いて観客席を見渡す。キドの「目を隠す」で姿を消しているか?と思ったが、観客席の隅っこに、キド、モモ、アヤノの親父さん、あと肩で息をする女装カノがいた
『ごっしゅじーん。というわけで試合も終わったことですしぃ?ご主人のエロ画像フォルダをネット上にばら撒いて良いですかぁ?良いですよねぇ?分かりました!今すぐばら撒ーー』
「やめろ!!?」
目を醒ます・目が覚める、によって精製された閃光の舞姫(笑)エネから抜け出し、俺のラファールのハイパーセンサーに戻ってきたエネが、ハイパーセンサー上に俺の画像フォルダの写真を次々と出しては消し出しては消しを繰り返す
『あ、これなんてどうです?ご主人が何時間もの末見つけ出したアヤノちゃん似のエ○画像』
「ぐはっ…………そ、それだけは………」
『えー?なんででーすかー?あー、確かにwwwこんな画像持ってたなんてアヤノちゃんに知られたら二度と口聞いてもらえませんもんねーwwwwwwあぁ!それとも、あなクズ人間と吊り目さんにバラしますぅ?ご主人w晴れて社会から抹殺』
「ぐふっ!?や、やめ……『如月!とっとと戻れ!』……はい」
鼓膜をぶち破るほどの大声で怒鳴られたあと、しょんぼりと帰っていく。その後、オルコットのビット修理をすこし挟んで、オルコット対一夏となった
最初の方の轡木さんと一緒にいた人って誰なんだろうーね……
あと今回はエネちゃんの姿は1号の方でしたが、次からは黒歴史封印って事で今のエネちゃんの姿になります。コンボとしては目を醒ます×目が覚めるーーー遥貴と同じで相性良いと思います