カゲロウ・ストラトス   作:人類種の天敵

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ども、天敵です。
今回はコミックスの8巻祝いに。ぶっちゃけ8巻ほありとあらゆる意味で訳がわからなかった。早く続きが読みたいですな……


更識簪

「一夏ぁ!!この私が教えてやったというのに!なんだあの無様な負け方は!?」

 

「うっ……」

 

「………一夏の奴、あんなに息巻いてた割にはあっさりセシリアに負けちまったな」

 

『ブッ………!!!』

 

一夏対セシリアの戦いーーー結果を言えば勝ったのは、イギリス代表候補生セシリア・オルコットだった

 

「そこまでにしておけ、篠ノ之」

 

「千冬さ…織斑先生」

 

「千冬ね…ズパァーーンッ!!……織斑先生……」

 

「存外、代表候補生というのはあんなものだ。それをIS稼働数時間足らずの素人が、それも白式なんて欠陥機を使って勝てるはずが無いだろう」

 

しょんぼりと肩を落とした一夏に篠ノ之が容赦なく追い打ちを掛け、織斑先生がとどめを刺す

 

「………なあエネ、俺の聞き間違いかもしれねえけど、今織斑先生、一夏のISを欠陥機って言ったか?」

 

『はい!バッチリ聞こえまたしたよ!ご主人!!』

 

………なんだか織斑が可哀想になってきたな。イギリス女に突っかかられて簡単に挑発に乗った挙句俺がいない内に勝手に俺を巻き込んだのはムカついたけど、同じ男としてこんなに散々言われるのは同情するぜ

 

「あ、そうだ!じゃあ千冬ねryスパーーンッ!!……織斑先生、シンタローはどうなんだ?…ですか?」

 

「ふむ、如月に関しては私も驚いたぞ」

 

「ゑ………?…おい、エネ。聞いたか?あの織斑先生が…“あの”織斑先生が、だぞ?俺を褒めるなんて……やばいんじゃないのか?」

 

『しかも驚いたとか言ってましたよ?ご主人!“あの”世界最強のブリュンヒルデが!!ファンに知られたらご主人完璧死にますねwwww』

 

縁起でもねえこと言うなよ………やべえ、マジで殺されそうな気がしてきた

 

『基本ニジオタ・コミュショー・ヒキニートのご主人ですからその辺の小学生にも瞬殺されますよっ!』

 

いや、それは流石にねーよ

 

「……そう言えば、確か如月にはサポート用のAIがあると言っていたな…」

 

「え、サポートAI?」

 

「それだけで勝ったわけではないにせよ、有るのと無いのでは違いはあるだろうな」

 

『いやー、流石織斑先生ですっ!この私、エネちゃんに目を付けるとは!』

 

「なに言ってんだバカ、お前が担当したのは避けるだけだろーが」

 

最後の方でちょっぴり怨念の混じった弾丸を飛ばしてたけど、実質俺の狙撃だけで勝ったようなもんだろ

 

「サポートAIかぁ……」

 

ん?織斑の奴なんだか欲しそうな目をしてんな………

 

「織斑、こいつが欲しいならやろうか?」

 

「え?良いのか!?シンタロー!」

 

『ご、ご主人!?』

 

「なっ!い、一夏!」

 

スマホを持って織斑に見せる。キラキラとした織斑の無邪気な瞳には好奇心とウザさと邪気で染まったエネの奴も直視出来ないようで、目を横目に泳がせて織斑と目を合わせないようにたじろいでいた

 

「よろしくなっ!エネ」

 

『え?ご、ご主人?いやまさか、え?ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待って下さいよ弟さん!』

 

「一夏っ!!」

 

戸惑うエネ、爽やかスマイルの一夏、そこへ不機嫌な顔の篠ノ之が割って入った

 

「こんなニジオタが好きそうな物に惑わされおって……!!」

 

「ゴフッ………」

 

『あっーと!ご主人にクリティカルヒットの精神的ダメージきましたー!!』

 

篠ノ之の言葉が俺の体に、いや、取扱注意のガラスのハートに突き刺さった。

 

「え?いや、シンタローがニジオタだとかは関係無いだろ!取り消せよ箒」

 

「ふん!こんなコミュ障の持ってるサポートAIなんて使わなくても私が教えた通りにやれば十分だ!」

 

『こ、コミュ障……wwwww』

 

「…………(白目)」

 

もう俺のプライドと体力とガラスのハートのSAN値はゼロだ……もう誰か俺を殺してくれ………

 

「……教えた通りにって……箒は剣道だけでISの事は何にも教えてくれなかったろ?」

 

「う……!!」

 

「おい、聞いたかよエネ。ISについて教えてくれない癖に自信満々に私が教えたから大丈夫だってよ」

 

「うぐっ……!!」

 

『凄く自意識過剰ですねぇー。今の女尊男卑の現代を象徴してます。つまりご主人は女の奴隷なのでこれからは私にご主人様って呼んでくれませんか?』

 

「なんで周りの女はこういう奴らしかいねえんだ?」

 

結構本気で頭を抱える。こんなはずじゃなかった……あのクリスマスにカノとアヤノの親父さんのあの言葉に乗せられなければ、今頃……今頃………

 

「分かったか!一夏。お前にあんな物はいらん!」

 

「俺の事だろ、なんで箒が決めるんだよ?」

 

「…はぁ、とりあえず俺はあっちの控え室に行くから、後でな、一夏」

 

こいつらの喧嘩には付き合ってられない俺は2人に声をかけて部屋を出た

 

「………はぁ、ったく、篠ノ之の奴、想像以上に面倒くせえな……」

 

『ああいうタイプに多いんですよねぇ、好きな人に想いを打ち明けられないっていうwwザマァwww』

 

「…………………」

 

『…………………』

 

(………………???……あ?え?エネの奴、いや、貴音の奴、まさかの自虐ネタか?)

 

『(…………おかしいですねー、あの目つき悪い木刀さんと同じ共通点を持つご主人が私の言ってる事に気付けないなんて………)』

 

(………まあ、可哀想だから言わないでおいてやろう)

 

『(ご主人があまりにも可哀想なのでノーコメントにしておいてあげましょう)』

 

変な所で同じ思考の2人だった………

 

「………ん?」

 

『?どうしました?ご主人』

 

控え室まで歩いていると、目の前に誰かが立っていた。そいつの髪は内跳ねの青い髪だった

 

(青い髪……染めてんのか?……)

 

『(…………ん?あ、あれは……いや。あの子はまさか………)』

 

「………如月シンタロー…で、合ってる?」

 

「え、あ、ああ……お前は誰「4組の更識簪」」

 

更識?目の前の女生徒の名前に、記憶を辿るシンタロー。そしてそれは苦もなくすぐに回答へ辿り着いた

 

「ああ、楯無の妹か何か……か……」

 

閃いたように呟いたシンタローだったが、直後に目の前の女生徒、更識簪から鋭い目つきで睨まれてちょっぴり逃げ腰になる

 

(はぁぁ!?なんで俺が睨まれるんだよ!?)

 

『ご主人…何か失礼ないことでも言ったんじゃないですか?』

 

(俺は何も言ってねえだろ!?)

 

『ご主人はデリカシーに欠けますからね!』

 

「………貴方の、さっきの戦いを見た」

 

更識簪が口を開くが、シンタローは既に先程の睨みで若干ビビっており、アッハイと冷や汗をかきながら頷いている

 

「それで、終盤で出てきた2丁拳銃の彼女を、貴方は知ってるの?」

 

「………ん?彼女?」

 

2丁拳銃の彼女?……簪が言ってるのは…もしかしてエネの事か?……

 

「とぼけないで、あの容姿、あの2丁拳銃を使った戦闘スタイル。彼女は閃光の舞姫エネの筈………!!」

 

「ブッ………!!!」

 

閃光の舞姫(笑)その単語が出てきた瞬間からシンタローの腹筋が崩壊し始めた

 

『あ?何笑って……笑ってんじゃないわよ!アンタアァ!!』

 

「ぶふふ……せ、閃光の…舞姫……くく、く、くく……は、腹が痛くなってきた……」

 

腹を抱えて蹲るシンタロー。彼にとって閃光の舞姫(笑)という言葉は危険タグ(笑)に分類されるようだ

 

「くっくっくくくく………ん?」

 

「…………(ゴミを見るような目)」

 

「………わ、悪い……」

 

顔を上げた瞬間、更識簪の氷よりも冷たい凍てつく波動を感じて目を泳がせるシンタロー。どうやら彼女は怒らせない方が良いらしい

 

「それで、彼女を知ってるの?」

 

「ああ…でも、それがアンタにとって一体何なんだ?」

 

「今は……言えない。それじゃあ次の織斑一夏との試合、頑張って。私は貴方を応援してるから」

 

「?????あ、ああ」

 

そして簪は体を翻して観客席の方へ歩いて行った。その後ろ姿を眺めていたシンタローは、手に持ったスマホの中にいるエネへ視線を向けた

 

「エネ、お前あの簪ってのとどんな関係なんだよ」

 

『え、えっと…それは、ですねぇ……』

 

「閃光の舞姫(笑)関連ってことは分かるぜ?」

 

『あんたいい加減にしときなさいよ?』

 

これは……俺は遂にエネを脅すネタを掴んだぜ。よし、このまま上手くいけば俺のPCからこいつを追い出せる日もそう遠くないかもな

 

『も、もう!あの子の事は今いいんで、とっととピッチに行ったほうがいいですよー!』

 

「急かすなよエネ」

 

黒歴史を探られまいとピッチに急がせるエネをほくそ笑む。これで、もうこいつに振り回されることはないな

 

 




簪と貴音は、全国大会でしのぎを削った戦友とも言えるべきライバルで、簪としては今回のセシリア戦で見た閃光の舞姫エネ(笑)は久しぶりに見た事でシンタローに問い詰めたのが今回になります。簪サンはこれからも度々と絡んでくると思います……タブンネ
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