まんたま - TRUE END -   作:数取団乱闘生

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第三本「名字は大事。名前はDQNでも可」

自称担当声優の決まった軽音部は次にいったい何をするのであろうか。

 

「おっすーごめんね今日日直でさぁ」

時子が一番遅れて部室へやって来た。

「ねぇねぇ知ってる?兵庫県だけ日直を日番っていうらしいよ?」

いきなりどうでもいい話題を振り出した魔美。

「ホント?あんたバカなのに意外とどうでもいいこと知ってるよね」

「そんな知識を蓄える前に自分の存在を自覚しなさい」

「んもう龍子ちゃん冷たーい」

相変わらず金時一人置いてけぼりで女子トークに花を咲かす。

「おいてめぇ」

そんな中丞美が金時に話しかけてきた。性格上女子トークは苦手なようである。

「あぁどうした?」

「おまえ何でこんな部活に入って来たんだ?どうせおまえこの世に一人だけの男なんだからさぞモテてきたんだろ。だったら運動部にでも入って女子にきゃーきゃー言われてろよ」

「それは……」

時子ちゃんが好きで話しかけらこんなことに…とても言えなかった。

「転校生の時子ちゃんにまぁ学校でも案内してあげようかなーって思ったらいつの間にかこんなことに…って感じだな」

「あっそう」

あまり丞美は納得していない様子だった。金時の態度から嘘だと分かっているらしい。

「俺のことより君らのこと聞かしてくれよ。俺何にも知らないからさ。例えば名字も知らねーし…」

「むむむっ!」

川平慈英のモノマネかというぐらいの勢いで突然近付いて来た時子。

「ど、どうした?」

「やっぱりそこ気になっちゃう感じ?」

「ま、まぁそりゃ気にはなるよな」

「じゃっまた考えよっか」

「はぁ?」

金時に説明もないまま時子はまたホワイトボードを持ち出してきた。

「第一回チキチキ!あたしたちの名字を考えよーう!」

「待て待て!考えようってなんだよ!ここは作者と編集の企画会議か!自分の名字だろ?さっさと名乗れば良いだけの話じゃねーか!」

「あー坂田くん、それ言うんだ」

突然部室内の空気が重くなる。

「えっ?何?俺なんか悪いことでも言った?割と普通のことしか言ってない気がするんだけど…」

「いやいやただ単にあたしら全員親から絶縁されて名字がないだけだから」

「えーっ⁉︎ ただ単にってそんなふわっとしたものじゃないだろ!ギャグっぽく言うなよ!」

さらっと衝撃の事実を聞かされてしまった金時。

「でも逮捕されたのは時子ちゃんと龍子ちゃんだけだろ?確か後の二人は親のおかげで逮捕されずに済んだんじゃ…」

「バカかおまえ、オレも魔美も元親が子供の為に金払ったわけじゃねーことぐらい分かるだろ。自分の顔に泥を塗りたくないから金で揉み消しただけだっつーの」

「ちょっと待って何でこんないきなりブラックな展開になってんの?」

突然過ぎる展開に金時はストパーなのにテンパる。

「まぁまぁ坂田くんが気にすることじゃないよ。だから気軽な気持ちであたしたちの名字を考えていこう」

「気軽な気持ちで出来るかっ!俺そこまでデリカシー無い男じゃないからさ!ちょっと気使うだろ!」

「ったく…だからコイツに言うのは止めようって言ったんだよ。偽名でも何でも名乗れば良いだろ。別にコイツに保険証なんか見せる機会なんてねーんだからさ」

チッと舌打ちしながらそう言った丞美。

「でもあたしたち今保険証なんか持ってないよ?そもそも戸籍とかあるのかなぁ?」

「無いでしょうね。おそらく親からは死亡扱いされていると思うわ。わたしたちがこの学園に入れたのも学園権力者も世界戦争に参加していてわたしたちの事情を知ってくれていたからよ」

「俺今とんでもない話を聞いてんな…」

話が大き過ぎて逆に段々と冷静になってきた金時。

「まぁそんなことはどうでも良いから名字を考えようよ。このまま3年間名字が無いままだと先生たちは事情を知ってるけど他の生徒は知らないんだから変に思われるよ?」

「そういえばマイネームさっき先生からコレもらったよ〜」

相変わらず自分を呼べない魔美が見せた紙には

[今日中に適当でも良いので名字を考えてきてください。理由…明日から中間テストなので]

と書かれていた。

「いや、いろいろツッコミどころが多いな!まず魔美!何で今見せんの?明らかに遅いだろ!それに明日からテストってなんだよ!聞いてねーよ!」

ここぞとばかりにツッコもうと吠える金時。

「だからこそ考えないと!あたしたちの名字を!世界をこの手に掴む為に!」

「何言ってんの?」

 

だがここで問題が生じた。

声優の時のようにじっくり考えたかったのだが、時間が無いのだ。

「適当で良いって向こうも言ってんだから適当で良いんじゃねーのか?」

「でもこれから最低3年間は名乗っていかなければならない。出来れば変なものにはしたくない」

「うーん……じゃあもうコレで良くない?」

そう言った時子はホワイトボードに

[杉田時子 石田龍子 子安丞美 三木魔美]

と書き出した。

「まぁコレで良いか」

「仕方ないわね」

「サバの味噌煮も異論はないよ〜」

三人も特に何も言わずに賛成した。

「ちょっと待て!サバの味噌煮にもツッコミたいけどその前に…コレただのお前らの元キャラの中の人じゃねーか!」

 

第三本完。

 

 

またお会いしましょう

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