プロローグ
「だぁ~!何で!何で!俺が武器庫の整理をしないといけないんだよ!」
頭を掻きながら、ぼやく一人の青年の容姿はというと。
ショートヘアーの黒髪にブラウンの瞳、普通の顔立ちに服装は青い学生服を身に纏っていながら、ガラクタの様に山盛りになったガラクタもとい武器を整理している最中。
「何で!ガラクタばっかりじゃあねェか!・・・片付けろよ!糞爺」
その場にいない人物に、キレながら、ガラクタの様な物を投げると偶然なのか。必然なのか。跳ね返り、棚にあった箱に投げた物が当たり落ちてしまう。
「あ」
落ちた物に近づくと木箱の蓋を止めていた紙が外れていた。
「ヤバッ!爺に怒られるぞ!コレッ」
慌てふためくが青年はあることに気づく。
「ん?・・何だ?この筒は?」
木箱から筒のような物を取りだし、舐め回す様に見るとボタンの様なスイッチを見つける青年。
「これは、押したらダメだな・・・うん」
と言いながらも指はそのボタンの上に置かれており案の定そのまま
ポチっとボタンのスイッチを押してしまう青年。
「あっ・・・ああああァー!!」
間抜けな声の後に叫び声を上げる青年の体を光が包む。
「ま、眩しい!」
光に包まれた青年。
数分、数秒位で光が消え、青年も消えていた。
そして、場所はとある部屋のベット。
「早く起きてよ!朝だよ!!」
「はっ」
可愛らしい少女の声で目を開けると飛び上がる様にベットから上半身を起こす青年は顔に手を当てながら、辺りを見渡しふぅ~と一息を吐きながら。
「何処だよ・・・ここ?」
と呟くように言って、頭を抱える青年は辺りを見るとそこは、先程までいた武器庫ではなく。全く別の場所のしかも、知らない部屋に青年は突然飛ばされた事に困惑するはずが、なにを思たのか。
「よし、町に出掛けよう」
と言い出す青年。何を思って言ったのか?ただのバカなのか?考えてからの最終的に出た結果がこの町に出掛けようである。ハッキリ言ってバカな発言を咬ますバカもとい青年は、ベットから立ち上がり、机の隣にある引き出しの扉を引っ張り、今着る服を選ぶ。
「どれを着ますかな♪・・・って、楽しむところか?・・・違うな・・うん」
今の状況では、考えられない程ノリノリで服を選ぶ青年は、決めた服を持ち汗で湿った服と濡れた体を洗うため洗面所に向かい汗を流すこと数十分。
「ふぅ~。さっぱりしたぜェ」
スボンを履き上半身裸のスタイルのままタオルで頭を拭く青年は自分の家の気分並みに冷蔵庫を開ける。
「って、何もないし・・・やっぱり行くか」
中を見ると中には何もなく。町に出掛けようと服を着る青年は、不意に机に目を向けると机の上に何かが置かれていた。
「何だこれ?・・・手帳か?」
そこに置かれていたのは、長方形の手帳に書かれていた文字を声に出して言う青年。
「駒王学園?」
手帳に書かれていたのは、学園名だった。青年は手に持った手帳を開き最初のページを目にした時に青年は驚きの声を上げる。
「十六夜朱刃って、俺の名前じゃん!しかも、顔写真まで何で!?」
だぁ~!と頭を掻きながら、頭を悩ませる。
無理もない。今先、来たばかりのに自分の名前と顔写真まであると言うことは一つ。
「人的・・嫌、違うな。多分、あれだ・・・爺から聞いた事がある。異世界の自分と交代できる。宝具があるって、聞いたがまさかあの筒が・・・。
はぁ~とため息を深く吐き、頬を両手で殴る。
「って、こんな事より先ずは、この世界のことだな。金ならこの部屋の中を探せばある筈だし、外に出るか」
部屋のあっちこっちを見て、金を見つけ出した十六夜は、部屋から外に出って、自分が出てきた建物を見る。その建物は二階建てのアパートで看板を見た瞬間、十六夜は、目線を外し歩く。そこから離れたいのか。走るように街へ向かう十六夜は、そのアパートの看板に書かれていたのは・・・。
「あのネーミングセンスはねぇわ。独身荘って、悲しくなるわ。・・・って、違う違う」
アパートの名前に軽くツッコミを入れる十六夜は、首を横に振り、今自分の立場を思い出す。
「俺は今、危機的な状況なんだ。・・・でも俺がいた世界とあまりにも変わってねし?変わってるとしたら、異様な数の魔力保持者」
十六夜が感じ取った数だけでも、数十人ほど。
「まぁ。今は買い出し・・・ナニかしら、アクションを起こすだろ。それにこの街を探索したいし!」
笑いながら街がある場所へ軽い足並みで向かい。時間が過ぎ去り、買い物も無事に終えた帰り道。
「結構、時間過ぎちまったか?」
空は薄暗く成っており、時間を見ようにも、両手が荷物で塞がっており、時間を見ることも儘ならない状況で歩いていると公園が見えて来た
「おっ!公園じゃん少し休憩してから帰るか」
公園に入り、荷物をベンチに置き荷物を枕にするように、目を閉じ少し眠ってしまった十六夜。すると声が十六夜の耳に入ってくる。
「・・・い。お・・よ。バカも・・」
「グゥ~」
耳に入ってくる声に、イビキで返事を返す十六夜に、声の主の額に青筋が浮かび上がり怒りのメーターが上昇すると同時に怒鳴るように叫ぶ。
「早く起きんか!!馬鹿者ッ!」
「グフゥ」
突然の額に激痛が走り、蛙が踏まれたような声を上げながら起き上がる十六夜。
「何しやがる!人の眠りを邪魔するヤツは・・死ぃ・・?」
文字通りに言葉がつまり、辺りを見渡すと公園の風景ではなく、真っ白い部屋で、ベンチで寝ていたのにも関わらず。気づくと寝ていたのはソファーの上で寝てた十六夜は一瞬にして、風景が変わったと同時に飛び起き辺りを見渡す。
「アレ?こ、公園は?あと・・・何処なの?」
「此処は夢の中じゃよ」
「え?」
後ろから聞こえてきた声に聞き覚えがあり、後ろを振り向くとそこには白髪の老人が立っていた。
「クソ・・ジジィ?」
「何じゃあ。ハグか?なら、来い・・コイコイコーイ!!」
「ああ、死にやがれ!クソジジィ!!」
クソジジィと呼ばれる白髪の老人に走る勢いからの跳び蹴りを繰り出す朱刃。
「危なぁ!き、貴様いきなり、攻撃を仕掛けるとは、どういうつもりじゃあ!!?」
「喧しい!誰のせいだと思ていやがる!!」
ギリギリの所で上体反らしで交わし、激怒する老人に右ストレートを打ちながら言う朱刃。
「危なぁ!又しても、貴様・・マジ生意気ダの!マジで」
「うるせぇー。マジで一発だけ、殴らせてお願いだから」
避ける老人にさらに、追い討ちを仕掛ける朱刃に老人は話を続ける。
「嫌じゃあよ。って、話が進まんから話すぞ」
「嫌々。何勝手に話そうとしていやがるッ!」
また殴り掛かる朱刃に老人はため息を吐きながら何かを呟く。
「まったく。バインド」
「グゥ」
朱刃の体に銀色の光の帯が絡まり動きを封じる。
放せ!と悶えるも一向に取れない帯。
「やっと、話せるの・・・」
わざとらしい咳払いをしてから話し出す老人。
「貴様も知っての通り、此処は異世界じゃあ」
「・・・
驚いた顔をせず寧ろ納得した顔で老人を見る朱刃。
「知っておったのか?朱刃」
「ああ、最初に来た時からな。で、いい加減に要件を言えよ。爺さん」
ブチッと体に巻き付いている銀色の帯を破り立ち上がる。
「・・・何のことじゃあ?」
「惚けるのは無しだぜぇ。爺さん・・・この世界・・嫌、この異世界に俺を送ったんだ」
「・・・」
黙り混む老人を無視して話を続ける朱刃。
「黙りは肯定と受け取っていいんだな・・・爺さん・・嫌、オーディン」
「・・・すまん。今は言えんのじゃ。だが、頼むから今、話す内容はお前にしか出来ん依頼じゃあ」
真剣な顔をしながら、頭を下げるオーディンに朱刃は頬を掻きながら顔を背けオーディンに言う。
「アンタが謝んな。何か・・・キモい。気持ち悪い、吐き気がオロロロロロッ」
「酷ッ!そこまでワシはキモいのかって、吐いちゃてるしィ!ジジィ、だい・だい・大ショック何ですけど!!」
鼻と口を押さえる朱刃は、堪えきれずに胃液を吐き出す光景を見ていたオーディンは、傷つきながらもツッコミを朱刃にするオーディン。
口についている胃液物を拭きながらオーディンに言う。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・マジでアンタの真剣顔が気持ち悪かった。アンタがシリアスとか似合わないっての!アンタは寒いギャグ言って俺が殴る関係だろう」
それにと付け加え「アンタと俺の仲だろ」と言いながら肩に軽く拳を突く。
「お主と言う奴は・・・本当に、ホントにすまん」
「で、その依頼内容を聞こうか」
「ああ。お主を異世界に飛ばしたのは、ある人物がその異世界に逃げたのじゃ」
先ずはこれを見よ。と言って懐から結晶を取りだして握りつぶす。
砕けた破片が何かの映像を写し出しある人物が写り出す。
「こいつは!」
声を上げたのは、朱刃だったその顔色は驚きを見せていた。
「何で!コイツがいるんだ!!爺さん!!?コイツは・・・」
「そうだ。お主とお主の相棒が命を賭けて死闘のさいに殺した半神(ハーフゴット)であり、貴様の師匠であるアーミッドだ」
「!」
驚愕する朱刃の纏っていた空気が徐々に殺気へと変わり大きくなりだす。
それは目の前のオーディンすら冷や汗を流す程の強力な殺気。
「や、やめんか!年老いを何だと思とる!!」
オーディンの声に我に帰り殺気を押さえる朱刃。
押さえられた殺気を確認し、オーディンに謝る。
「悪い。でも、何でコイツが生きていやがるんだ!?」
「それは此方でもヴァルキリー達に調査させておる。その調査で分かったのがこの異世界に奴が居る事だけだ」
「で、俺にそいつを殺せってか?ハッキリ言って・・・勝ってねぇよ。悔しいけどな。アイツが居たから何となったから・・・」
悔しさの余り握り拳を作る朱刃だったがその顔は悲しみが混じっている。
「・・・朱刃。すまん。お主にこんな事を頼むとは、ワシは主神失格じゃあな」
「けっ、何言ってんだよ!アンタがしっかりしないでどうすんだよ!・・・アンタに付き従っているヴァルキリーの奴等が聞いたら悲しむだろ!」
オーディンに近づき胸ぐらを掴み掛かり言う朱刃は、そのままの状態で話を続ける。
「頼れよ!俺をアンタには、返しきれねぇ。恩がある・・・任しとけって、何とかするからよ」
胸ぐらを掴んだ手を緩めオーディンの胸に拳を当てながら、笑う朱刃。
先ほどまでの悔しさと悲しみが嘘のように消えたことが分かり鼻で笑うオーディン。
「フン。お主と言う奴は、本当に・・・ありがとう」
「ってな訳で、行きますか。俺を帰してくれよ。爺さん」
「分かった。あとこれを持っていけ」
投げてきたのは小型の木箱。
振り向き様にキャッチーする朱刃。
「おっと。何すんの!?危ないじゃん!落としたらどうする・・・って、何これ?」
「お主を助けてくれるアイテムじゃあ。それとこれも渡しておくぞ」
次に投げてきたのはカードケース。
「カードケース?何に使うの?」
「移動式鬼札だ。それに行きたいところを念じればその場所に行ける優れものじゃあ」
「あんがとよ。じゃあ行くわ」
「分かった・・・では、またな」
「ああ、またな」
指を鳴らすとその場には朱刃の姿がなくなっていた。
「頼むぞ・・・朱刃」
朱刃が消えた所を背に向けまた指を鳴らすとオーディンも消え真っ白な空間も消え失せた。
そして、場所は公園のベンチ。
「ン~!これからどうするよ」
横に寝ている体勢から座る体勢に変わりながら空を見る。
「何でアンタが生きてんだよ・・・アーミッド」
それは悲しみと怒りが混ざった声。
瞼を閉じる朱刃。
オーディンには、あー言ったが朱刃には、まだあの事の出来事は今でも覚えていた自分の師匠であり、兄貴分だた人物を一度ならず二度までこの手で殺めるのかと言う。重い・・・重すぎるほどの重さに朱刃は一杯だった。
「・・・考えても仕方ねよ。アンタが生き返るんなら、俺の手でアンタを止める・・・殺してもだ!」
強く持った覚悟を再び胸に抱く朱刃はベンチから立ち上がる。
「じゃあ帰るか」
買い物袋を手に持ち公園から出ようとした時だった。
「ン!これは人払いの結界に似ていやがる。どこからだ?」
朱刃は目を閉じ出所を探す。
「彼処か!」
噴水の後ろから感じ取った結界から同じ魔力質を感じ取る。
朱刃は感じ取った瞬間もう一つ魔力ではなく。気配を感じ取った。
「この気配、一つは人外でもう一つは・・・人間だと!」
ヤベェーと声に出しながら噴水を飛び越える朱刃。
だが、もはや手遅れに過ぎなかった。
「ちっ、遅かったか」
舌打ちをしながら着地と同時に腹部から血を出して倒れている青年に駆け寄るが血が溢れでっており虫の息になっていた。
「人間・・・何者だ?」
後ろから聞こえる女性の声。
振り替えると漆黒の天使の翼に薄着の女が立ていた。
「アンタがこれを殺ったのか?」
「ええ、その子に宿っているって、言っても人間が分かるわけないわね」
だからと言ったと同時に真っ赤な光の槍が朱刃に向かって投げられる。
普通の人間なら取れない速度の槍。
投げた女は笑みを浮かべる。
これで終わった。
だが、彼女は知らない。それが普通の人間では無いことを。
そして、今知るのだ。
己が殺ってはいけないことをしている事に。
「フンっ」
ガラス細工の様に割れる光の槍。
「な、何ィ!!?」
驚愕する女。無理もない武器ならまだ分かるが投げた相手は蹴りだけで自分の槍を粉砕させたのだ。
「あり得ない!人間のしかも、魔力を持たない人間にわ、私の槍がァ!!」
然程、自信があったのか。怒りに任せ光の槍を手に持ち向かってくる女。何故怒ってるのか分からないが今の朱刃は関係ない。
あるのは、今向かってくる女をどうするのかと言うことだけ。
「歯食いしばれェ!!!!」
「ガハッ」
光の槍をギリギリで交わしボディーに強烈な左を炸裂されくの字に曲がりながら噴水の後ろにある電灯に当たる。
スルスルと地面に落ちる女を見て中指を立てる。
「ハッしてやったぜぇ!って、違う違う」
辺りを見渡し、別の意味で冷や汗を流す朱刃。
それもそのはず、血塗れの死体の青年、電灯に倒れている薄着の痴女にその中心に立っている朱刃。
「こ、これって・・・ヤバくねぇ?」
朱刃は想像してしまう。これがもし、目撃されたらとおもうとガタガタと音が出るのではないかと思うほど顔は真っ青で体が震える朱刃。
「だぁ!爺さんにアンナカッコいいセリフ言ったばかりなのにぃ!」
その場でしゃがみこみながら、頭をかく朱刃の足元に真っ赤な魔方陣が出現する。
「真っ赤な魔方陣?」
そこから現れたのは魔方陣と同じ程の真っ赤な髪で制服を着ている女が現れた服の胸元に見に覚えのある模様があり学生だと分かる。
「あの模様、何処かで見たことがあるような内容な・・・ン~?」
「そこの貴方、ここで何をしているの?」
「へ?」
突然、話し掛けられ間抜けな返事を返す朱刃。
「・・・プッアハハハハハ!」
「わ、笑うなぁ!!」
可笑しかったのか笑いだす女に声をあげる朱刃。
その顔は笑い出した女と同じ髪のように真っ赤になっていた。
「久しぶりに声を上げて笑ったわ」
「うるせぇー。笑うなぁ!」
ガルルと犬のように威嚇する朱刃に咳払いをする女は先程までとは違い真剣な顔で話を始める。
「貴方が殺ったのかしら?」
と後ろにある死体の青年を指で指していた。
「ち、誓って違うから。俺じゃあなく。彼処に倒れてる堕天使だって」
「な!堕天使ですって、ん?ちょっと待って・・・何故貴方が堕天使の事を知っているのよ」
「えーっと、アハ・・・じゃあまた。さいなら!!」
あり得ない程の速さで走り出した朱刃に唖然と見る女。
だが、朱刃は知らなかったその時の女とまた出会う事になるとは思わなかった。
そして、独身荘。
「ハァ、ハァ、ハァ。疲れたって、何かあるぞ」
ポケットにあるものを取り出すとそこには・・・。
「あっ、これがあったの忘れてた」
バタッとベットに倒れる朱刃。
手には、オーディンから貰ったカードケースが握られ、近くには、木箱も落ちていた。
こんな感じで良かったのか分かりませんが誤字があったら教えてください。
感想もよろしくお願いします。
(甘口で)