「な、なに~~~~、小僧が行方不明だとぉぉ」
「そうなんです、この間の戦闘の途中、行方不明になってから連絡が取れないんです」
「私たちと戦ってるとき急にいなくなりましたね」
コスモス荘の鈴男の部屋に全員が集まっていた
「ちょっと、私のコーチをどこへやったのよマロンフラワー」
「娘っ子、ワシのメカに転移装置なぞつけておらんわ
ワシはてっきりワシの恐ろしさに驚きおののいて逃げたもんじゃとばかおもっちょったは」
「鈴男ちゃんがあんたなんかのメカにビビッて逃げるわけないでしょ」
「でもよぉ、じゃぁ、あいつはどこに行ったんだ?」
結局答えが出ぬまま全員頭を抱えてしまった
「コスモス荘の諸君!」
消えていたはずのテレビからいきなり声がした
そこにはモグラが男の男が写っていた
「ドッコイダーの行方がわかったぞ」
「今日もいいお天気だなぁ」
幸薄そうな青年が気持ちよさそうに洗濯をしていた
「おっと、今日はシエスタと三時の給仕の手伝いだった」
そういうとあわただしく片づけをして足早に中庭に急いだ
みんなの心配をよそにこの世界での生活を満喫していた
どこの世界でも貴族は貴族である
三時のお休みの時間は中庭でおやつタイムである
「う~~ん、ベイビー、君は今日も天高く浮かぶ太陽に輝いてるよ」
「そ、そんなギーシュ様ったら、あ、あの。よかったらこれクッキーなんですけれども食べていただけますか」
「お~~、僕のために焼いてくれたのか、ありがとう、もちろんいただくよ」
「ギーシュ様紅茶をお持ちいたしました」
タイミングよくシエスタが紅茶を運んできた
「ありがとうメイド君」
2人は楽しく談笑していた
シエスタが次のテーブルにお茶を出すために戻る途中
「あれ、これなんだろうなんかずいぶん高そうな香水、誰かのおとしものかしら」
職員室にでもっていこうとしていると
「ちょっと、そこのメイド」
いきなり呼び止められた
「その香水どこで手に入れたの」
金髪の縦ロールのお嬢様モンモランシーだった
「あ、先ほど拾ったものなんですがモンモランシー様のものですか」
そういい香水を手渡した
「これはギーシュにあげたやつじゃない、落とすなんて最低、ちょっとギーシュ知らない」
「ギーシュ様でしたらあちらにご案内いたしましょうか」
「ええ、とっちめてやんないと」
そういいギーシュのテーブルへ案内するが
途中で彼と楽しそうに会話してる女性とが目に入ると
「ギーシュ、これはどういうこと、あなたが好きなのは私だけっていったじゃない」
横からいきなり現れたモンモランシーに虚をつかれたギーシュはシドロモドロしていた
「しかもあまつさえ、私が特別にあなたに調合したこの香水を落としたなんて、ほんと、最低許さない」
バシン
モンモランシーに頬をたたかれて地面に突っ伏してしまったギーシュ
そこに追い討ちをかけるかのように
「ギーシュ様二股をかけてるだなんてヒドイです、あんまりです」
そういい、泣きながら去っていった
ことの一部始終はその場の全員に見られており
クスクスと笑われてしまっていた
ギーシュは立ち上がると
「おい、メイド、貴様が香水を拾ったのか」
すごい剣幕でシエスタは迫られびくびくしながら
「はい、そうです」
「貴様がモンモランシーをここに案内したんだな」
「はい、すみません」
「貴様のせいで僕はみんなの笑いものだ
貴様が香水さえ拾わなければ、モンモランシーさえ連れてこなければ」
八つ当たりもいいところだが所詮貴族と平民埋めても埋めても埋まらない差がある
彼女はただ運が悪かったのだ
彼女をたたこうとギーシュの右腕が高く上がった
バシン
そういう音が聞こえると思った
しかししなかった
振り上げられた腕を
鈴男がつかんでいた
「だめだよ、どんなことがあったって男の子が女の子に手を上げちゃいけない」
そしてシエスタとギーシュとの間に入った
「何があったかしらないけど女の子に手上げるのはだめ、男なら我慢しなさい」
そういいシエスタに向かって
「大丈夫かい、怪我はない」
やさしく気遣いをしていた
「なら、貴様、その女に変わって決闘だ、たかだか使い魔の首ひとつ刎ねても問題なかろう」
「な、なんですと~~~~~~~」
たかだか子供同士の喧嘩、ちょっと輪にればすぐ収まると思ったが
思わぬ形で火の粉が飛んできてしまった
あふれ出る正義感ゆえの行動だが激しく後悔をしている鈴男
しかし、状況は変わらなかった眼前にはギーシュが薔薇のような杖を構えていた
「まぁ、今なら土下座してあのメイド共々謝るなら半殺しで許してやる」
そういわれたがいくらビビリの鈴男でも相手が悪いのに謝る気などなく
しかもどうせ子供と高をくくっていた
「そっちこそ、あんな態度をとってシエスタに謝れ」
「そうか交渉決裂だな、では行くぞ」
そういいギーシュが杖を振ると薔薇の花びらが舞った
花びらが地面に落ちるとそこから土が盛り上がった
土は瞬く間に西洋の甲冑の姿をとり各々がさまざまな武器を持っていた
「へ、な、なんですかその技は」
たかが子供と高をくくっていたため唖然としていた
「ふふ、君よけないと死ぬよ、行け僕のワルキューレたち」
その言葉とともに甲冑たちが動き出した
その動きはぎこちないもののだが
ドゴン
甲冑の攻撃をぎりぎりでよけた鈴男、しかしその一撃は地面をえぐっていた
「ちょちょ、し、死ぬって、まじでやばいよ」
戦局は明らかだった
3体のワルキューレたちに追い詰められるがギャグ補正で常人離れした動きで回避する
「へ~~、なかなかやるね、でもいつまでも逃げてられないよ」
そういい、さらに杖を振る
その言葉に危険を感じた鈴男はその場を離れた
ザス
一瞬前までいた場所に大きな刃物がつき刺さったような穴が開いた
「ちょっと、これはやばいよ、た、たんま」
「はは、いくら君でもワルキューレとこの見えない刃エアカッターを混ぜられたら危ないよね」
そういいお互いは一定の距離を置いてにらみ合った
「バカ犬、何してるの!!」
野次馬の中からルイズの声がした
そちらへ顔を向けると野次馬を掻き分けルイズがでてきた
「バカ犬、何をやらかしたか知らないけど、ギーシュに謝りなさい」
「やだ」
「なに、ぐだぐだ言ってるの、謝りなさい、あんたがどうあがいても貴族には勝てないの」
「ルイズ、これは男と男の決闘だ、女はでしゃばらないでもらえるかな
まぁ、あれだ素手ではかわいそうだ」
そういうと杖を振る、すると鈴男の目の前に一本の剣が現れた
「ルイズ大丈夫、正義は勝つ」
そう言い、剣を抜いた
「うお~~~、なんか力があふれてきた」
いつの間にか左手の甲のルーンが光り輝いていた
「学園長、これを見てください」
「なんだね、ノックもなしにいきなり部屋に入ってきおって」
学園長室のドアを勢いよく開けたコルベールは机に深々と腰掛けた老人に一冊の本を差し出した
「ルイズが召還した使い魔のルーンが珍しいものだったので調べていましたら、始祖ブリミルの使い魔ガンダールヴのものと一致しました」
そこ言葉に学園長も気だるげなめを見開いた
「まぁ、でもちょうどいい、今まさにその使い魔とグラモン家の三男が決闘をしておる
その話が本当ならこの決闘見ものになるよのぉ」
「うぉ~~~~~、勇気が正義があふれてくる」
そういうとすばやく3体のワルキューレたちを片付けた
「はは、やっと本気になったか使い魔君、ならこっちも本気だ」
そういうと目の前に5体のワルキューレが現れた
それらが一斉に鈴男めがけて襲ってきた
「多勢に無勢って卑怯だぞそれでも貴族か」
そういいながら一体、また一体と片付けていく
その合間にもギーシュがエアカッターを放ってくるがそれを物ともせず
すばやくよけ状況をどんどん有利に持っていく
「ははは、僕って変身しなくってもこんなにすごかったんだぁ」
そういいつつ最後の一体を切り捨てた
そしてその刃をギーシュに向けた
「どうだい、降参するか」
精神力を使い果たしもう魔法を使えないギーシュはただの人、平民と大差ない
しかし、この男はまだ余裕を持っている殺される
すさまじいまでの恐怖をギーシュは気絶してしまった
ギーシュが気絶すると鈴男の持っている剣が土に帰っていった
周りで切り捨てられて倒れていたワルキューレたちも土に帰っていった
「勝ったの?」
その光景を唖然と見ていたルイズはそういい鈴男の元にゆっくり歩み寄っていく
「あんた怪我は?」
「ああ、大丈夫だよ、ごめんね、心配させて」
「もう、心配かけるんじゃないわよ」
2人は広場から去っていった
周りのものは貴族が平民に圧倒させられたというこの事実を飲み込めずに動き出せなかった