「今日は休みだから街まで行くわよ」
「へ、街に、なんで」
「剣を買いに行くのよ、あなたは使い魔、私の護衛なんだから」
そういい、身支度をして街へと馬を走らせた
「ぎゃあ~~~、振動が、きもちわるいいいいいい」
道中アホな青年の叫び声がした
それを空から一匹のドラゴンが追っていた
「じぬがどおぼっだ」
鈴男は満身創痍だった
初めての乗馬体験、しかも長距離、相当つらいものである
「もう、これぐらいたいしたことないでしょ、それよりあんなに後ろで叫ばれてた私の身にもなってよ」
後ろでずっと叫ばれてたルイズも相当参っていた
「それでここが街?」
「そうよ、どう?あなたなんか来たことないでしょ、王都よ」
「王都?、ふ~~ん、やっぱりRPGの世界だなぁ」
「あら、この人の多さ街の華やかさを見ても驚かないのね、もしかしてあんた都会出身?」
「都会といえば都会かな、ここよりは都会かなぁ」
どうせバカの戯言と聞き流すことにした
ここは王都、ガリアやゲルアニアの首都と勝にも劣らない発展がある
ここより栄えてる場所などないはずだとそう思ったからである
「こっちよ、この路地裏に確か武器屋があったはず」
そういいツカツカと人ごみの中を進んでいく
鈴男はそれにおいてかれないように必死についていく
やっとの思いで一軒の武器屋についた
「へい、らっしゃい、これは貴族のお嬢様、今日は何をお求めで」
「ちょっと、従者に剣を持たせたいの、何かいいのはない」
そうですね、ちょっとお待ちを
そういい奥に入っていった
その間鈴男は店内を物色していた
壁や棚にはRPGでおなじみのありとあらゆる武器が取り揃えてあった
そこで樽の中にある一振りの剣に目がいった
「貴族様これなんかいかがでしょうエキュー金貨で2千、新金貨で3千
少しお高いですが、ここ見てくださいゲルマニアのさる有名な錬金術師が鍛えた剣にございます
その一太刀はすべてのものを両断します、そしてこの神々しいまでの飾り細工
貴族の従者様が持つにこれ以上のものはございません」
「2千!!、家を買えというの私に」
あまりもの高さについ叫んでしまった
「いや、面白いさすがRPGだぁ」
そう後ろから声がした
「おお~~お前、そんなバカそうな顔して使い手か」
どうやら剣としゃべっているようだった
ついにバカな頭が焼っ切れたのかと心配したが
「ああ~~、そりゃインテリジェンスソードだ、でもよお、口が悪くて誰も買い手がつかないんでさぁ」
「おうお前俺を買え、そんは損せねぇぜ」
見るからに錆付いてはいるが刀身自体はしっかりしていて頑丈そうだった
「ルイズ、こいつが欲しい、僕は桜崎鈴男、君名前は?」
「おう、俺の名前はデルフリンガーっていうんだよろしくな」
「ちょっと、勝手に決めないで、せめてその隣のしゃべらないやつにしなさい」
「いや、僕はこいつに決めた、なんか運命を感じる」
「もうしょうがないわね、店主おいくら?」
「あ、あれをお買いで?まぁ、結構ですがこちらとしてもいい厄介払いになるので百で結構でさぁ」
そういわれルイズは支払いを済ませ店を出て行った
「あら、ダーリンあんな貧相な剣しか買ってもらえなかったのかしら」
ルイズたちが武器やから出てくるのを外で見張っていた人物たちがいた
キュルケとタバサである
先ほどギーシュを圧倒的に倒した鈴男に惚れたキュルケ
休日にルイズと鈴男が出かけるのを見て後を付けてきたのだった
ちなみにタバサは足に使われた
「でも、あれはすごい剣」
タバサがボソっと言った
「へ、あんなおんぼろそうな剣が
「得体の知れない力が付与されてる」
「そう、なら私はダーリンにもっといいマジックアイテムをプレゼントしなきゃ」
そういい、市場に消えていった
タバサも後を追うように消えていく
「デルフリンガー、デルフリンガー……」
「おいおい、相棒何考えてるんだ」
「いや、長ったらしいから何かいいあだ名はないかなってね」
ルイズの部屋で鈴男と剣デルフリンガーがしゃべっていた
「ちょっと、うるさいわよ、あんたたち」
「デル、お前がうるさいから、ルイズに怒られたじゃないか」
「おいおい、お前さんが具だらないこと考えるからだろ
っておいデルって俺のあだ名か、なんかひねりもねぇなぁ」
「うるさいってつてるでしょう」
バン
「ダーリン、愛しのダーリン、これを受け取って」
扉をいきなり開け放てキュルケが入ってきた
その後ろにはタバサもいた
「これ、ダーリンのために買ってきたの、そんなヴァリエールの買った安い剣よいもっといいものよ」
そう言い渡されたのは服だった
「これはエルフを狩るという勇者一行の服らしいわ、見て、この力強い雰囲気」
「強力な耐火魔法がかかってる…、あと未知の呪いも」
タバサが補足する
「へえ~~、ありがとう、早速着てみるよ」
ずっとジーパンとTシャツといういでたちだったので
喜び勇んで着替える
「ちょっとツェルプストーの施しなんか受けないで」
そういいルイズが乱入してきた
「何よ、ルイズ、私と彼の恋を邪魔する気」
「何が恋よ、あなたが勝手に迫ってるだけじゃない」
「彼の喜びようを見てみなさい」
「それはこいつがただバカな犬だから、物をもらって喜んでるだけ」
ルイズとキュルケのいいあいをよそにタバサに手伝ってもらいながら
勇者の服を着た鈴男だがサイズがあまりにも大きすぎるためとても着れたものじゃかった
「カレーはどこだぁぁぁぁぁ」
着た瞬間いきなり騒ぎ出した鈴男
「エルフはどこだ、見つけたらぬが~~~す」
それは服を脱ぐまで続き、ルイズとキュルケの言い合いもさらにヒートアップ
翌日先生方に怒られてしまった
「え、シエスタがいない」
せっかくもらった服をサイズ直ししてもらおうとシエスタの元に訪れた鈴男
しかし、厨房にシエスタの姿はなく、その場にいた厨房長マルトーさんに聞くと
「そうかお前は聞いてなかったのか、あいつはなぁ、くううう」
心底悔しそうにマルトーは語った
「女好きの貴族がな、この間たまたまこの学園を訪れたときにシエスタを一目見て気に入っちまったんだと
最初のうちは学園も断っていたんだが上から圧力がかかって今日いっちまったよ」
「くそ、貴族がなんだ、平民が」
この世界に来てできた最初の友達がさらわれた
この事実に言い知れようのない怒りを感じた鈴男
「マルトーさん、その貴族の屋敷はどこですか」
「デル、これからやることは黙っておいてくれないか」
あれから少ししてから森の中でデルに向かって話しかける
「おう、娘っ子を助けに行くんだろ」
「ああ、それと僕のもうひとつの力を使う」
「もうひとつの力?」
「変身」
「おでれ~~た、にし手も間抜けな格好だな」
「いくぞ、相棒」
そういい真っ赤なマントを翻し青い鎧が夕焼けに照らされながらかけて行った
「ふふふ、かわいい、小羊ちゃん」
半裸のでっぷりふとったおっさんが
ベットの上に縛られて口をふさがれたシエスタの元に近づく
「さぁ、夜は長いたっぷり楽しもうねぇ」
ドン
おっさんがシエスタに迫る前に天井を破り何かが落ちてきた
「ふははははは、株式会社オタンコナス製造超汎用型パワードスーツドッコイダー
可憐な少女を助けるため異世界の荒波に負けずただいま参上」
「何打貴様は、ここが貴族の屋敷と知ってのことか」
「可憐な少女を誘拐するとは許せない正義の鉄槌を下す」
「貴様も不憫だったなそんな少女のためにこのトライアングルメイジ様のところにくるとは」
そういい杖を取り出した
「死ぬがいい」
そういうと鈴男に向かって氷の矢が放たれた
「相棒、俺を抜け」
背中のデルが叫んだ
すぐさま鈴男がデルを抜き矢を切り落とした
「ぐぐ、貴様やりおるな、しかし、これでしまいだ」
鈴男を中心に空間が凍ろうとしていた
「おおお、私の正義の心は決して凍りはしない、おおおおおおおおお」
「相棒、いいぜいいぜ、いい感じに心が震えてるぜ、おおおおお」
中段で構えられたデルの刀身が輝きだした
パリン
枷が外れたような音がした
一瞬の閃光の後デルの刀身は今までのさび付いたものではなく
光り輝く物となった
「思い出したぜ、行け相棒、俺を振るえその心の震えのままに俺を振るえ」
「ぬおおおお、必殺スペシャルダイナマイツエキセントリック峰打ち」
鈴男が一気に間合いを踏み込んだ
貴族の体を剣戟が一閃した
「悪は滅びた、少女よ私に捕まりなさい」
「…様、どうかなさいましたか」
騒ぎを聞きつけようやく護衛のものが現れた
「貴様、何者だ」
窓からシエスタをかかえ逃げ出そうとしている鈴男に向かっていった
「私の名はドッコイダー、さらわれた少女、確かに返してもらった、ふははははは」
そういい窓から飛び降り赤いマントを翻し夜闇を駆けていった
「少女よ、ここまで来ればもう安心だ」
学園の前までくると彼女をおろした
「あ、あの。ドッコイダー様」
「もしまたなにかあった時は私の名を呼びなさい、さらばだ」
そういい颯爽と去っていった
「ドッコイダー様」
シエスタは自分の窮地を救ってくれたヒーローにうっとりしていた
「シエスタ~~、シエスタ~~」
後ろから彼女を呼ぶ声がして振り返ると
「シエスタ~~」
のんきな顔をした青年がやってきた
「鈴男さん、どうしてここに」
「いや、シエスタが攫われたってきいて夜中にこっそり助けに行こうとしたら」
「あ、ありがとうございます、でも、ドッコイダー様に助けていただいて」
「そう、ドッコイダーに、よかったね」
そこからシエスタはいかにドッコイダーがかっこよく助けてくれたのかを語りながら学園に帰っていった
翌日、トリステインはドッコイダーの話題でもちきりと思っていた鈴男だが
あの貴族が昨夜のことを恥と思い緘口令を敷いたらしく
まったく持って話題にもならなかった
しかし、人の口に堰は立てられなくドッコイダーのうわさが
いつの間にか平民のヒーローとして囁かれていた
「あ、よかったら、シエスタこれ仕立て直してもらえる、それとカレーって知らない?」