シン・アスカは目を覚ますと同時に、辺りがゴツゴツしているのを感じ取った。身を起こすと、一面岩だらけのところにいた。
「...月?」
状況を整理することはできなかった。さっきまでMSに乗って戦闘をしていた、その疲労は存外に大きかったようだ。シンは立ち上がり、出口のようなものがないか道なりに沿って歩き出した。誰か知っている人はいないのか、そんな焦燥を抱えつつ、ゆっくり壁伝いに進む。
...なかなか出口がみえてこないことで、次第にシンは、さっきの焦燥がどうでもよく感じてきた。戦っていたときは露ほども浮かんでこなかった「諦め」がシンを支配しかける。意識は、ベルリン郊外の湖へ飛んでいた。ステラがなぜあのとき自分に「好き」と言ってくれたのか、今ならわかるような気がする。だが
「看取ってくれる奴が...いないな」
自分の口からこんな言葉が出てしまうことを、情けないとも思えなかった。理不尽に振り回され、最後の最後でオーブに負けた。今でも議長は正しかったと思っているが、彼らの、アスラン達の意志の強さに敵わなかった。それはつまり、己の意志が弱かったことを示すものにほかならない。それを受け入れてしまい、諦めに満ちている。それが今のシンだった。
ここで彼が歩くことをやめてへたりこんでいたら、間違いなくその場で野垂れ死んでいただろう。だが、たとえ惰性であっても、歩き続けたシンに女神は微笑みを垣間見せた。
「明るいな、こっち。」
出口らしき明かりを見つけてからシンが駆け出すまでは、驚くほど早かった。なんだかんだ言っても、彼は縋り付くものを欲していた。シンの駆け足は止まらない。たとえ出口を覆う雪の壁にぶつかっても、たとえその壁を突っ切った先に足場がなくとも。
「...え.......うあああああああああああああああああああああああああああ」
なんだか内臓が引っ張られてる。次に感じたのはふかふかした新雪の感触。しかし斜面であったためシンは転がり続けた。止まったところの感触は...ザラザラしてまるで鱗のようだ。えっ...
「な...何、これ?」
次の瞬間、何か獣のような鳴き声とともに、シンは腹に衝撃波を喰らっていた。
ついに...はじめちまった。最初っからクロスオーバーとか、大丈夫かな俺?