「いてててて...」
シンはゆっくりと体を起こした、と同時に気づく腐敗臭。上からは何故か生暖かいそよ風。雪があってこんなに寒かったはずなのになんで?と疑問に思いつつ自分の周りに影を作っているその巨影を見上げた。そして、
「へっ?」
巨影には、目があった。口らしきものもあるようだ。その隙間から覗くは牙。どうやら生き物の頭らしい。そして全体で見たとき、シンの脳裏に浮かんだのは、小さい頃よく読んだ恐竜図鑑の挿絵だった。
巨影の眼が、再びシンを見据えた
「あ...あ......あああああああああああああああああああああ」
シンは、肉食獣に対し叫んでしまったのは完全なる失態だと気づく余裕すら忘れていた。そしてその行動に触発されたのか、巨影もとい巨獣がその顎を開きつつシンに突っ込んだ。シンは何も考えず、その一撃を感覚の赴くまま躱す。躱す。もう躱すことだけしか考えられない。何回目ともしれない噛み付きを躱した直後、横合いからの一撃がシンを襲う。
宙に舞い上がったその一瞬で、シンは受身の体制を取る。訓練の賜物と新雪のおかげで、怪我をせず着地することができた。全身に衝撃が来ているがこらえて、様子を見る。距離が取れたと判断したシンは、着ていたパイロットスーツの中を探るが...
「ナイフ...ない!?拳銃は?...ファッ!?」
そうしている間にも、巨獣が猛スピードで突進してくる。顎による一撃で奴に食われるのはなんとしても避けねば、感覚ではなんとなく分かっていても、急な事態の連続に頭も体も対応できない。
死ぬ...「うぉおおおおおおおああああああああっ」
巨獣がその顎でシンの命を刈り取ろうと首を伸ばしたそのとき、シンは身体のコントロールを取り戻した。それどころか奴の股を抜いてこの一撃を躱すルートも見える。ここで「もう遅い」などと思っていたなら、文字通り手遅れだっただろう。しかし、何度も死の危機を乗り越えてきたシンの生存本能は彼に「大丈夫」と告げる。まず顎、次いでその巨大な前肢、最後に後肢と尻尾の間を抜いて...
予測が甘かったのか、シンは尻尾に跳ね飛ばされた。受身!......内臓が引っ張られる!?
「うそっ...」
落ちる感覚、それから何か物にぶつかった衝撃がきたのち、シンの意識は刈り取られていった。
なかなか文字数って伸びませんね(汗)
シンが種割れを起こしました。しかし大した活躍もできずシンの意識がログアウトしました(謝)