地上を這う男   作:ぽけてぃ

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初めまして、ハーメルン初投稿です
ぱっと閃いたので頑張って書きました
ご都合主義かも知れませんが楽しい作品になるよう頑張りたいです




プロローグ

城郭都市の外縁地区ウォール・マリア南端より突出したシガンシナ区

そこに1人の少年が住んでいる

 

彼の名はアレク・チプス

 

歳は10才

父のイアン・チプスと

母のマーナ・チプスの間に産まれた子供だ

 

その日も3人はいつも通りの生活を送っていた

 

 

 

「お父さん、」

朝、朝食を食べているイアンにアレクは問いかけた

 

「ん?どうしたアレク?」

パンを一気に飲み込んでこっちを向く

 

「今日もお父さんの職場でお手伝いしてもいいですか?」

 

「ただ接客するだけだぞ、いいのか?」

 

「はい、街の人と話すのはとっても楽しいです」

イアンの職業は農家から仕入れた野菜を売る俗に言う八百屋みたいなものだ

 

「でも、子供なんだから外で遊んできたらどうだ?ほら、エレン君なんかと」

 

「エレン達と遊ぶのも楽しいけど、今日はお店を手伝いたい!」

アレクは精一杯の念を父に送る

 

「分かった、分かった…それじゃあもう少しで食べ終わるから準備しておきなさい」

 

「はい!」

元気の良い返事をして自分の部屋に向かう

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

夕方になり次第に太陽が隠れてくる

 

アレクは父の手伝いを終えて帰路に就く

 

(あぁ~、今日も楽しかったな)

ニコニコ顔で歩くアレク

 

(明日もお手伝いしたいな)

今日を振り返り、明日の事を考える

 

 

 

だがそんなの日常に終わりの鐘が告げられる

 

 

 

ピギャァァァァー

 

雷が轟くような音が壁の外から聞こえる

 

アレクは振り返り音のした方を向く

 

 

そこにいたのは

ーーーーーーーーー巨人だった

 

その巨人は五十メートルもある壁から顔をすっぽりと出していた

 

 

一瞬の静寂

 

次の瞬間

 

ドゴオォーーン!

 

巨人が壁に唯一ある扉を蹴って破壊した

 

物凄い暴風が押し寄せる

咄嗟に近くの建物にしがみつき瞼を閉じるアレク

 

 

風が止み、目を開ける

そんな彼が目にしたのは 破壊された門から沢山の巨人が街の中に侵入している光景だった

 

アレクはすぐさま今来た道を引き返す

再び父の店に帰ってくるがそこには何もなかった

否、そこには門の瓦礫によって潰され父の店があった

 

「・・・・・・・・」

何も声が出なかった

 

絶望する自分がそこにはいた。

でも、もしかしたら……

と考えるが

その希望はすぐに打ちのめされる

 

瓦礫の下から人の体の下半身が見えていた

 

(父さんだ……)

アレクは直観した

 

“父さんは死んだ”その事実を受け入れられない

 

 

アレクは呆然とそこに立ち尽くしていた

どれくらい経っただろうか

不意に後ろから声が聞こえた、それはいつも聞いていたお母さんの声だった

 

「アレクッ!良かった無事で……」ギュ

抱き締められてお母さんの温もりを感じる

 

「お母さん…お父さんがっ……」

アレクは瓦礫に埋まった体を指差してそう言う

 

「っ、!…………お父さんは死んじゃったのね…

アレク、いいからここから逃げるわよ!」

そう言うとお母さんは僕の手をしっかりと握って走り始める

 

「この先に船があって逃げ遅れた人をウォール・ローゼの中まで運んでいってくれるらしいわ」

アレクに向けてマーナは言ったがアレクはどこか上の空だった

 

(父さんが死んだのになんでお母さんはそんなに元気にしてられるの?)

別にマーナは元気なわけでわない、そもそも、自分の最愛の人が死んで元気にする方が無理な話だ

 

だがマーナにはアレクを救わなければいけなかった

それがイアンと自分を繋ぐ唯一の“もの”だったから

 

 

徐々に川が近づいてくる

だが、その時はとことん運がなかったと言えよう

 

まさか曲がり角で巨人とでくわすなんて………

 

「あ…あぁ…」

お母さんの顔が絶望の色に変わる

 

ゆっくりと近づいてくる巨人の手

 

バンッ!

お母さんが俺を突き飛ばす

 

「お…母さん…?」

尻餅をつく、すぐさま上を見上げると……

 

そこには巨人に体を掴まれるお母さんがいた

 

「逃げ…て…アレクゥゥ」

 

 

「お母さん!」

すぐに立ち上がり叫ぶ

 

「来ちゃダ…メ……、逃げて…そして生きて…アレク」

 

 

それがお母さんの最後の言葉だった

お母さんは巨人に喰われて死んだ

 

 

「・・・・・・・・うっ、うわあああぁぁぁぁぁぁ」

 

それから僕は走った

ただ、ただ走った

何も考えずに何もかもが分からなくなって

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

気づいたら僕は船の上で寝ていた、どうやら無事に船着き場に着いたらしい

 

 

お父さん……お母さん……

この二人はもういない、これからは独りで生きていかなければならない

 

 

「・・・・ひっ、うぅ……ぁぁぁぁぁ」

そこでアレクはようやく涙を流した

何時間も流した、枯れるまで泣いた

 

 

そして決めたのだ、巨人を駆逐してお父さんとお母さんの敵を討つ!

 

 

 

 

これがアレク・チプスの物語の始まりだった

 

 

 

 

 

 

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