地上を這う男   作:ぽけてぃ

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前書きって余り書くことが無いですね
ではどうぞ( ゚д゚)ノ


3話

 

 

 

アレクの開拓地行きが決まった日の夜

明日の朝に開拓地行きの馬車にのるので今は食堂で最期の飯を食べている

 

そんなアレクは眼から光が消えて

顔は今にも崩れ落ちそうな程だった

 

 

 

 

「おい、彼奴だよ彼奴、今回の立体起動のテストで唯一失敗した奴」ヒソヒソ

 

笑いたきゃ笑えよ、どうせ俺には才能がないんだよ

 

「動きが凄かったよね、どうしてあんな動きが出来るんだろう」ヒソヒソ

 

そんなの俺が聞きてーよ

 

「開拓地行きだなんて可哀想だよね」ヒソヒソ

 

何が可哀想だよ、同情するふりはやめてくれ

 

「まぁでも、兵士になるより開拓地で暮らすほうが安全だからな良かったんじゃねーの」ヒソヒソ

 

分かったよーな事言ってんじゃねぇよ、俺の唯一の生きる希望だったんだぞ、親の仇を討つ事が唯一の………

 

 

 

頭が冷えていて周りの声が良く聞こえた。その憐れみの声を聞くたびにアレクの心は虚しくなっていくばかりであった

 

実はテストが終った直後にエレン、アルミン、ミカサの3人が励ましに来たのだが、その時のアレクに届く筈もなく

アレクは3人が正直なんて言ったのかさえも覚えていなかった

 

 

 

 

「……アレク」

不意にそんな声が目の前から聞こえて顔をあげる

 

そこにいたのはクリスタとユミルだった

 

「ははっ、クリスタにはこんな情けない姿は見せたくなかったな」

アレクは心なしか笑った、その顔は全くと言っていいほど笑ってなかった

 

「だろうな、今のお前の顔は笑える程に醜いぞ」

ユミルが俺を嘲笑うかのようにそう言った

 

「・・・・・、ありがとうなユミル、下手に同情されるよりもそっちの方が何倍も気が楽だ」

俺はそう言って少し笑顔を作る

少し気が楽になった気がした

 

「あの……アレク、話したい事があるから食事が終ったら会えないかな?」

クリスタが俺にそう言った

 

話………なんなのだろうか?

親友の事は無しにしてくれ…とかだろうか?

 

「・・・・・分かった」

少し間を置いて返事する

 

「うん、それじゃあ外で待ってるね」

そう言うとクリスタとユミルは食堂から速やかに出ていった

 

 

 

 

 

 

ご飯を食べ終わり食堂を出る

 

そこにいたのはクリスタ1人だった

 

「・・・・・・・ユミルは?」

 

「ユミルはいないよ、私がアレクと話したかっただけだから」

 

「・・・・・・そうか」

 

「・・・アレク・・・少し歩かない?」

 

「・・・・・いいよ」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

外は既に日が沈み真っ暗だった

外灯や建物からの光があり、ようやく辺りが見えるくらいだ

 

月が雲に隠れている

 

 

「ユミルがさ、“私はもう言いたい事を言ったから後はクリスタに任した”だって。本当にユミルらしいよね」

 

「そうだな……」

確かにアイツらしいな

 

「………あの…昨日はゴメンね、励ましに行こうと思ったんだけど、ユミルに止められて……」

 

そういう事か………なんか少しだけ安心したな

 

「そうか……クリスタが俺の事を嫌いになったんじゃなくて良かったよ」

 

「ふふっ、アレク変なの、親友を嫌いになるわけないでしょ」

そんな事を平然と言い放つ

 

「っ、!……ありがとな」

 

「へへっ、どういたしまして」

満面の笑顔のクリスタ、やはりこんな時でも女神の笑顔は健在だ

 

「本当にありがとう……最後にクリスタと話せて良かったよ」

 

「最…後……」

と、そこでクリスタが歩みを止める

 

「どうした……?」

必然的にアレクも足を止める

 

「本当に…最後なの?」

クリスタは上目遣いでそう言う、見れば目に涙を溜めている

 

「・・・・・・」

俺は何も言えなくなる

 

「本当にこのまま開拓地に行くの?それでいいの?アレクは兵士になるんじゃなかったの?」

 

「でも……」

 

「でもじゃない!」

いきなり叫ぶ

 

「アレクには目標があるんでしょ!私には分かるの……昨日今日の付き合いだけどアレクがどれだけ兵士になりたいか、どれだけ巨人を憎んでいるか痛いほどに分かった………なのにこんなところで躓いた位で諦めるの?それともアレクにとって家族はそんなものだったの?」

今にも泣きそうなのを必死に抑えて叫ぶ

 

「違う……俺にとって家族は世界で一番大切なものだ…だからそれを奪った巨人は許さない」

ようやくアレクは自分の気持ちを言った

 

「だったら……だったら、こんなところで諦めないでよ」

そう言って俺の胸に顔を押さえる

 

何故だろうクリスタの言葉はアレクの心の一番奥にまで響いてくる

凄く短い付き合いなのにエレン達の言葉よりも心に突き刺さる

 

アレクにとってクリスタはそこまで大きな存在になっていた

 

「………………そうだな…俺、もう少しだけ足掻いてみるよ」

クリスタの頭に手をのせる

 

「…うん」

クリスタも胸にうずくまったまま頷く

 

「ありがとうなクリスタ」

 

 

そのまま動かない二人、この光景はあと10分は続いた

 

いつの間にか月は雲から出ていた

 

綺麗な満月だった

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「お願いします、このまま兵士として此処に居させてください!」

 

クリスタと別れたあと俺はキース教官の自室に赴いた

 

「お前は立体起動が出来ないだろ、そんな奴は囮にも使えん!明日の馬車で開拓地に行ってもらう」

だが突きつけられたのは無慈悲な事実だった

 

「………なれます…」ボソッ

 

「なんだ?」

 

「なれます!なってみせます、立体起動を使わなくても囮に!」

 

「それは地面を走って巨人と対峙するということか?」

 

「はい、それでも構いません!だから……だからお願です、兵士としてやらせてください!」

アレクは誠心誠意の土下座をする

 

「そこまでしてか…」

教官の目がアレクを真っ直ぐにとらえる

 

「そこまでしてもです!」

アレクも教官の目を見つめ返す

 

俺は今、試されている……覚悟を…本気を示さないと!

 

「なぜそこまでする」

 

「親の仇です」

 

「親の仇…チプス……あの立体起動の素質……やはりお前はイアンの子供か!」

唐突に出て来た父親の名前に驚く

 

「何故…父の名前を?」

アレクはただ疑問に思った

 

「そうか……イアンは私と同期で入った奴でな一緒に兵士になる筈だった」

 

「えっ、父は兵士を目指したのですか」

新しい事実だった

 

「ああ、だが彼奴は立体起動のテストで落第した…それからマーナと出会い商売をやり始めたとか……」

 

そうだったのか……

 

「そうか、お前がイアンの息子か、彼奴はここで諦めたがお前は諦めないのか?」

 

父は諦めた、でも俺は違う!俺を応援してくれてる人がいるんだ、それに答えないでどうする!

 

「はい、諦めません!覚悟は出来てます」

力強く言った

 

「…………分かった、特別だがお前はこのまま残って訓練に勤しめ」

 

その言葉が聞こえた時

アレクは心の底から嬉しかった

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「だが1つだけ言っておく、あくまでお前は巨人の囮だ、餌だ、そこだけは忘れるんじゃないぞ」

 

「はい!なってみせます、最強の囮に!」

そう言ってアレクは教官の部屋を出ていった

 

 

 

「最強の囮……か、面白いやつだなお前の息子は」

1人で笑うキース教官がそこにはいた

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

アレクは走っていた

この気持ちを誰に伝えようと考えた時に、真っ先に思い付いたあの少女の所に向かっていた

 

クリスタは自分を待っていたのだろうか、教官の部屋を出たすぐ突き当たりの廊下にいた

 

「クリスタ!」

大声でそう叫ぶ

 

「えっ、アレク!?」

いきなり態度が豹変したアレクに戸惑うクリスタ

 

「やったよ俺!此処に残れるようになった!」

前置きもなく真っ先に結果を報告する

 

「えっ、本当に!」

 

「うん、本当に本当!」

 

「やったぁぁぁぁ」

そ言うってクリスタはアレクに飛び付く

 

「ふげえっ、」

 

クリスタに押し倒される

 

「あっ…そ、そのごめん…/////」

自分が何をしたか自覚して顔を赤くしてすぐさまどく

 

「いいよ、それより俺エレン達に伝えに行くから」

 

「うん、分かった。また明日ねアレク!」

 

「おう、また明日なクリスタ!」

 

 

そう言って二人は別れていった

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ユミル~♪」

 

クリスタはアレクと別れた後にユミルと自分の宿屋にはいる

 

「お、偉く上機嫌だな」

(こりぁ、遂にくっついたかこの二人、私のお陰だね)

 

「えっとね、アレクが此処に残れるんだって!」

 

「……………で、」

 

「でって、それだけだよ」

 

「………………はあぁ!?」

 

「!?」

 

「それって、お前!告らなかったのか!?」

 

「えっ、当然だけど……」

 

「はぁぁぁ、マジかよ」

 

「ん?どうしたのユミル?」

 

「なんでもねぇよ、けっ、人がせっかく絶好の機会を与えてあげたっていうのに………なんか馬鹿馬鹿しくなったな、寝るわ」

 

「う、うん?お休みユミル」

 

 

 

こうしてアレクの開拓地行きの取り止めが決まったのだった

 

 

 

 

 





『最強の囮』です、ハイキューの日向の事ですが
アレクにピッタシだと思い使わせてもらいました

あと、この二次小説ではユミルはアレクとクリスタルがくっつくのを応援している設定です

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