今年最後の投稿です。
頑張りました、色々なコメント待ってます
ではどうぞ( ゚д゚)ノ
お昼を食べ終えた俺達は又も街を歩いていた
「で、次は何処に行くの?」
「ん~、………………」
「あぁ~、もう分かった」
その顔見ればプランが無かった事くらい直ぐに分かるよ…
「だって………普通ならこういうのは男の子がリードするものだって……」
いや、そんなモジモジとした感じで言われても……俺が悪いみたいになるから、ってか今朝に約束したのにリードは難しい気が………
「一応だけどそれって誰に言われた?」
「えっ、ユミルだけど」
「でしょうね、」
やっぱりあの女か、毎度のこと俺の心を弄ぶよな
「…………………じゃあ次は俺に付き合ってくれる?」
一応クリスタに確認をとる
「ふえっ!つ、付き合う………/////」
“付き合う”という言葉に過剰に反応する。なんか噛み合ってないような
「クリスタ、俺の付き添いにだからね!」
「う、うん分かってるよ!…………本当は付き合ってもいいのに………」
なんとか誤解が解けたみたいだ、最後のほうは何言ってるか聞こえなかったけど……まぁいいか
「それじゃあ行こっか!」
そう言って強引にクリスタの腕を引っ張る
「あ、早いよアレク!」
クリスタには少しばかり早かったみたいだ、ちゃんとクリスタのことを考えないとな
「ゴメン、ゴメン。ゆっくり進もう」
「うん、私の為にありがとう、…………でも強引なアレクも良かったかも////」
又も最後らへんのクリスタの声が聞こえなかった
最近、俺にもクリスタの考えてる事が分からない時がある
例えば今、……分かるとすれば、顔が少し赤いことから照れてることくらいかな
いや、それは誰でも分かるわ!
俺の目指した場所は10分程度で着いた
「…………此処なの?」
クリスタは少し不思議そうな物を見る目で辺りを見渡している、俺的にもチョイスは最悪だと思う
「まぁ………墓地は無いよな」
そう俺達は今、墓地に居る
「アレク、なんで墓地なの?」
いきなり墓地なんて連れて来られたら誰だってそうなるよな、うん。
「う~ん……実は今日、俺の父親と母親の死んだ日なんだよ」
「えっ……」
「俺も朝食後に気付いたんだけど、どうしてもお参りに行きたくて……ほら、去年は訓練で忙しかったから」
「そうなんだ……」
心なしかクリスタの顔も暗い。やっぱり墓地は不味かったかな
「クリスタが暗くなる必要はないよ、もう受け止めてる。それにクリスタには付き添ってくれただけでも感謝してるんだから」
「うん、そうだよね!」
何を理解したか分からないが、とりあえず元気になって良かった
そんなことを話しているとある墓石の前で足を止める
名前にはイアン・チプスとマーナ・チプスと彫られている
紛れもなく俺の父と母の墓石だ
「ここにアレクのお父さんとお母さんの……えっと、その……」
クリスタは口をゴニョゴニョとぼかす
それがクリスタなりの配慮なのだろう
「いいや、父と母の遺体は無いよ。たぶん巨人に喰われたから」
「そうなんだ」
「供物は無いからごめん、」
俺はしゃがんで手を合わせる
「これからも見守ってね。お父さん、お母さん」
数秒の沈黙
「よし、家族に顔も見せたし、行こうか」
その沈黙を破り、俺は立って歩き出す
クリスタも墓石に一礼をしてその場を後にした
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
墓地を出た俺とクリスタは何とも居たたまれない雰囲気の中でノープランだったのを思いだし、とりあえず近くの公園のベンチで一休みしている
やっぱ、墓地は無かったかぁ、途中からクリスタがどんどん暗くなっていくんだもん
「アレク」
はぁ、とため息を漏らした俺にの名前をクリスタが呼ぶ
「ん、どうした?」
「あのね、………あそこ!」
そう言ってクリスタが指さしたのは俺達の向かって左斜め前にあるクレープ屋さんだった
「クレープが食べたいの?」と質問すると
「うん!」
という元気な声が返ってくる
そんな声を聞いてクリスタが元気なのが分かり、少しホッとする
「じゃあ、俺が買ってくるからクリスタは此処で待ってて」
クリスタの返事も聞かずに俺はクレープ屋に向かった
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「はぁ、行っちゃった…」
アレクが一人でクレープ屋に向かった事に私は少し不機嫌になる
「アレクがリードしてくれるって言った時は凄くワクワクしたけど、まさか墓地に行くなんてびっくりだったな、私的にはもっと強気なアレクに………//////」
そんな愚痴を吐き捨て、一人の妄想タイムに入る
「きゃ!」
ところで誰かに腕を掴まれ邪魔をされる
折角アレクが抱き締めてくれて良い展開になる筈だったのに
「嬢ちゃん可愛いね、俺達と一緒に遊ばない?」
「楽しいことしようよ~」
そこに居たのは明らかに下心丸出しの二人の男だった
「あの、離してください!連れがいるんです」
必死に抵抗するが抗えない
訓練で鍛えたクリスタの体も男女の差は簡単には覆せなかった
「綺麗な金髪だねぇ」
左の男が髪をねっとりと触ってくる
私はそれに恐怖を覚える
「離してください!」
叫ぶ声も掠れていて、あまり響かない
「えへへへ、」
そう言って右の男も腰回りを触ろうとしてくる
助けてアレク!
目を閉じて、私が心の中で叫んだ瞬間だった
「やめろよ」
そんな怒りを剥き出しの低い声が聞こえて私は目を開ける
そこに居たのは男の手を握り締めているアレクだったのだが、その表情は今までに見たことのないくらい怒っていた
「クリスタから離れろよ」
殺気さえも纏ったような声にビビったのか男二人はアレクから少し距離をとる
「お前、その女の彼氏か?」
「あぁ、そうだけど何?」
「彼氏…彼女……こ…い……び………」
そこで私の脳がオーバーヒートする。
こんな状況なのに顔が耳まで赤くなるのを感じる
「…………ちっ、彼氏持ちかよ…しらけたわ、行くぞ」
「お、おう…」
右の男が諦めてクルリと後ろを向いて何事もなく立ち去る
それにつられてもう一人の男もその場を後にした
「クリスタ大丈夫?」
アレクが私のほうに駆け寄る
大丈夫っと言おうとしたが、地面に座り込む
どうやら私は自分でも気づかぬ内に腰を抜かしていたらしい
「大丈夫じゃないみたいだね、ほら手を貸して」
伸ばしてきた手に掴まって立ち上がりベンチに再度座る
「ゴメンねクリスタ、怖い思いしたんじゃないかな……一緒に行けば良かったね」
アレクが謝罪してくるが正直アレクは全く悪くない
「こっちも……なんかゴメンね」
悪いのはアレクじゃないと思い、私も謝罪する
「それじゃあ俺の気が収まらない、何かして欲しいことはない?」
して欲しいこと……して欲しいことは山程ある、キスしてほしい、抱き締めてほしい、撫でてほしい…………
でも今はーーーー
「肩を貸してくれないかな?少し緊張が緩んで眠くなった」
そう、これで充分だ
「分かった」
そう言ってアレクは私の隣に座る
そんなアレクの肩に顔をのせて私は静かに眠りについた
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
クリスタはどれくらい寝ただろうか
いつの間にか俺も寝ていて起きたときには夕方だった
横を見ると相も変わらずクリスタの寝顔がある。
凄く可愛い、本当に女神みたいだ
俺はクリスタの金髪をそっと撫でてみる。本人はむず痒いのか「うぅっ、」という声を漏らしている
これまた凄くサラサラで綺麗だった
ただその行為は昼間の柄の悪い奴等を彷彿とさせて少し苛立つ
「やっぱりクリスタが他の男にとられるのは嫌だなぁ」
自分でも再確認する、自分がクリスタを好きということを
「んっ………アレク?」
そこでようやく起きたクリスタは一度辺りを見渡して大きく目を開けた
「あぁ!もうこんなに時間が経ってる!折角のアレクとの………」
「俺は別に気にしてないよ」
「私は気にするの!……あぁ…」
明らかにテンションの低いクリスタを元気づけようと髪を撫でる
「うぅ~////」
よほど恥ずかしかったのか直ぐに俯いてしまった
だから俺も心の準備に入った
「俺、クリスタの事が好きだ」
クリスタが落ち着いたと思われたときに俺は覚悟を決めて言った
「えっ?」
クリスタも当然の反応をとる
「昼に男にクリスタがナンパされているのを見て、凄く腹立たしい気持ちになったんだ。それで再確認した、他の男にクリスタを渡したくないって。だ、だからクリスタが良ければ俺と付き合ってくれないかな?」
一世一代の大勝負
俺は固唾を飲んでクリスタの返事を待つ
「嬉しい……/////」
クリスタの声から聞こえたのはそんな声だった
「私もアレクの事が大好き!だから……アレクから告白されて……凄く幸せな気持ち///////」
「本当に?」
「うん!本当に本当だよ!」
「やったぁぁぁ!」
嬉しさのあまり、ついクリスタに抱きついてしまった
クリスタも俺の背中に手を回す
それから10分はそのまま抱き合っていた
「アレク」
「ん~何?」
少し冷静さを取り戻してきた俺にクリスタは問いかける
「あの……その………恋人の証拠が欲しいなぁ~って////////」
恋人の証拠?それって………
そんなことを考えていると
いつの間にかクリスタは目を閉じて唇を徐々に近づけていた
俺も唇を近づける
チュッ
俺の唇がクリスタの頬っぺたに当たる
「ふぇっ!?////」
予期せぬ事態にクリスタは混乱の様子だ
「今日はこれくらいで……ね?」
「うぅ~~//////////」
照れて顔を俯けるが耳が凄く赤いのが見えて満足な感じになる
ってかキスは恥ずかしくなくて、頬っぺにチューは恥ずかしいって……
「今日は帰ろうか」
「う、うん」
こうして俺とクリスタは付き合うことになった。デートも完璧で………えっ?墓場はダメだったって?…………終わり良ければ全て良しですよ
とにかく!俺はこの日のことを胸に刻み付けて一生忘れないだろう
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
その夜のクリスタとユミルの部屋では
「ユミル~♪」
そんな浮かれた声で入っていたのは紛れまなくクリスタだった
それなのに顔は今までにないほどに弛みきっている
「ようクリスタ、えらく上機嫌だな。さてはアレクと何かあったな」
そんなクリスタの態度にいち早く察知するユミル。この辺りは流石ユミルと言ったところだろう
「うん!」
「(まぁあの二人だから手を繋いだや頭を撫でられた、抱きついたってところかな) んで、何があったんだ?」
ユミルは自分の推理のが当たっていると確信してお茶を飲む
「うん!アレクと付き合うことになった!」
「ブフゥゥーー」
思いっきり飲んでいたお茶を撒き散らしましたとさ
流石に作者も墓地は無いと思います
デートの日が巨人に襲われた日というのは後付けです。
すいません
ご都合主義ですがこれからも宜しくお願いします