メタルマックス ありふれたサイドストーリー   作:KR410

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ガリィ 「・・・・・・・・・・」

メキシカンないでたち。
顔を覆うクフィーヤから僅かに覗く、ジジイの横顔。
それは何だか・・・・・、メカメカしているような。

エイジ 「どこまで行くんだ! クソジジイ!」

ガリィは黙ったまましばらく歩き続け、二人のいるその場所は、すでに町の外だった。
ガリィは、村でも評判の変わり者だったが。
彼のシルエットは、危険なモンスターの巣窟「汚染ジャングル地帯」の入り口へ消えていった。

 エイジ 「・・・・・な!」

エイジ 「・・・・・、・・・・・、 おい!、待てよ! まてってんだよーーー!!!」



勇者の壁を越えろ! 英雄は狂気をはらむ 第2話 腐れジジと豆運び

レイト 「徒歩でジャングルに!? ガリィってハンターなの?」

 

エイジ 「いいや、ジジイはただの偏屈なじいさんさ、ただのクソジジイなんだ・・・・・」

レイト 「ただのジジイは、ジャングルに入らないよ?」

エイジ 「・・・・・」

レイト 「・・・・・、それからどうなった?」

 

エイジは、にわかに複雑な表情を浮かべた。

 

エイジ 「・・・・・」

レイト 「ねえねえ?」

エイジ 「そ、それから・・・・・」

 

エイジの表情は、さらに複雑に。

勇者のノックが、さすがにウザッタくなってきた。

少しだけイラッ!とする。

だが、少しだけイラッ!が、内に篭っていたエイジの心を開放する。

 

エイジ 「・・・・・」

レイト 「で?」

エイジ 「おまえ、何だかわからねーけど、何か、何か・・・・・、スゲー!」

レイト 「んなこたいいから、続き、続きは?」

エイジ 「お、おお・・・・・」

 

エイジの表情が、少しだけ明るくなった。

 

エイジ 「ジャングルを歩ってるとさ、廃虚にたどり着いたんだ・・・・・

 

 

 ・・・・・・・・・・

 

 

   ド ガ ガ ガ ガ ガ ! ! !

 

エイジ 「う、うわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

ガリィは無言のまま、時に両腕を振りみだし、歩き続けていた。

 

エイジ 「あ、あっぶねーよ!!! ぶっ放すんならそう言えよなー!!!」

ガリィ 「・・・・・」

エイジ 「このヤロー! 何とか言いやがれーーー!!!」

ガリィ 「ぎゃーぎゃーわめくんじゃねー、ガキが!」

エイジ 「なんなんだよ! いったいなんなんだよー!!!」

 

ガリィのクソジジイはいつも飲んだくれで、ヨボヨボ、ヨロヨロのはずだった。

腕のカスタムマシンガンも、無駄弾(だま)をばら撒くだけの、かざりのはずだ。

少なくとも、ガリィに拾われたんだか、拾ったんだかのエイジには、そんなイメージしかない。

そんなメキシカンが、雑魚とはいえモンスターをなぎ払いながら、ジャングルを悠然と渉って行く。

 

ガリィ 「着いたぞ、ここじゃ。 さっさと中に入れ」

エイジ 「入れって、・・・・・、ここに?」

 

二人の眼前には、良く見ると森に飲まれて久しい感じの廃虚が現れていた。

それは、どこからどう見ても、ただの廃虚のようだった。

 

エイジ 「おい、ジジイ!」

ガリィ 「・・・・・」

エイジ 「ジジイィィィィィ!!!!!」

 

薄暗いジャングル。

怪物(おばけ)屋敷の廃虚。

ガリィは黙したまま、まっすぐに廃虚に入っていく。

 「ジジイの行動は無謀だ」

やぶれかぶれでここまでついて来たエイジですらそう思った。

 

エイジ 「自殺する気じゃねーだろな・・・・・」

 

  ドガガガ!!! ドガガガガガ!!!

 

  ガンガンガン ガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!

 

速い発射音の銃声が、廃虚にしばらくこだました。

 

エイジ 「・・・・・、ジ、ジジイィィィィィ!!!」

 

慌てて廃虚に突入するエイジ。

中は真っ暗闇だが、モンスターの唸り声が道を示してくれていた。

 

エイジ 「ジジイィィィィィ!!!」

 

 がごぉぉぉぉぉん!!!

 

エイジ 「いぃぃってぇぇぇぇぇ!!!」

ガリィ 「やかましいわ、クソガキ!」

エイジ 「くぅぅぅ、このクソジジイーーー!」

 

ガルシアの赤い目が、暗闇に浮かんでいる。

 

ガリィ 「おいガキ、てめーは今日限りでクビじゃ、さっさと出てけ」

エイジ 「な、な? な、なんだってー!」

ガリィ 「ほらよ、今日までの駄賃だ」

 

ガリィは、コインを床にばら撒いた。

チャリン♪ チャリリ~ン♪ と、固い地面をコインが転げる音がする。

いくらばら撒いたかは暗くて見えないが、額はたいしたこと無い感じだった。

 

エイジ 「く、クビだと!!! なに言ってやがる、稼ぎはほとんど俺のだろ! 給料だってまともにもらってねんだぞ!」

 

エイジにとって普段のガリィは、ほんとにただのクソジジイだった。

飲んだくれ社長の小型貨物(軽トラ)、ガルシア運送の住み込み従業員「エイジ」。

だが、今日のガリィは、いつもとちょっと違っていた。

他人に干渉する事もされることも極端に嫌う、村のハグレ・はみ出し・グレジジイ。

クビの件(くだり)にしろ、助けに行けのエールか? とも思うのだが、そんなのはいつものジジイのキャラではない。

だいたい、エールだとしても退職金がはした金すぎだった。

普段が普段だけに、ちょっと腹たつぐらいに!

 

ガリィ 「いいからよ、退職金、受けとって、さっさと出てけってんじゃ」

エイジ 「いったい何のつもりだよ、こんなとこまで連れて来て。 なんなんだよいったい!」

ガリィ 「うっせぇー! 黙って受け取れねーのか!」

エイジ 「ちっくしょー!!! オレはこれからどうすりゃいいんだよ!」

ガリィ 「だから言うとるじゃろが! それを受け取って出てきゃいいんじゃ!」

エイジ 「うるせーな、そんな小銭いらねーよ!」

ガリィ 「んっっっと、おめぇー、勘が悪りーよなー!!!」

 

ジジイの目が光った。

ぼんやりと薄ら赤いライトが、周囲を照らし出す。

 

ガリィ 「黙って受け取りやがれ、クソガキが」

エイジ 「いらねーって言ってんだろが、ジジイ」

ガリィ 「バッカヤローが! ほら! それ! 受け取れってんだよ!」

 

ジジイは、微光量の目を最大限に光らせて、機関銃の腕をバタつかせて、何かをアピールしている。

何だか、必死な様子だ。

 

エイジ 「いらねっつってんだよ、んなはした金!」

ガリィ 「ばっか、お前、バカだろー、ほんと! バカッ!!!」

エイジ 「るせぇぇぇ!!! アル中の薬中ジジイにかまってる暇はねんだよー!」

ガリィ 「んだとぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

ジジイは怒った。

ゴチィィィィィンンン!!! と鋼のゲンコツを一撃!

 

エイジ 「いいいってぇぇぇぇぇ!!!」

 

そして、むなぐらをつかみ持ち上げると、エイジを投げ飛ばした。

 

エイジ 「おわぁぁぁぁ! クッソジジイィィィィィ!!!!!」

 

まあ、この程度のパワハラは日常茶飯事のエイジ少年。

仕事でもめたとき(ジジイが)の尻拭いには、よくこんな感じで輸送車(軽トラ)のコックピット(運転席)に問答無用で放り込まれて、出撃(出勤)するのだった。

早朝や深夜にたたき起こされて♪

 

そしてそんな時には、ガリィは決まってこう言うのだった。

 

 

 

  ガリィ 「クソガキ、仕事の時間だぞ」

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