初めて出来た、勇者の仲間。
そのエイジ少年に紹介された「たっつぁん」こと、青鬼の龍。
友達の友達は友達、仲間の仲間は仲間。
レイトの世界はそんな世界だった。
へたり込む勇者の眼前には、夕日に照らされた青鬼が、恐ろしい形相でジョジョ立ちをしている!
腕をゴキゴキ鳴らしながら・・・・・
勇者は、激しい目まいに襲われていた。
レイト 「う・・・・・、 むぐぅ! ぐ・・・・・、 かはっ!!!」
痙攣しながら、苦しそうな呼吸をするレイト。
はたして、龍(たつ)は何をしに追ってきたのか?
彼は、勇者に何をしたのだろうか?
たつ 「レェイィトォォォォォ!!!」
たつは、懐から細長い何かを取り出した。
たつ 「ほら、ゆっくりだ、呼吸するんだ! パニクルなよ、落ちつけ、落ちつけよー!」
レイト 「ふ、ふぅー、ふぅー・・・・・、 う、ぐふっ!」
恐ろしい形相の鬼の顔が、レイトの至近でドアップだった。
襲いくる痙攣と疲労、眼前には悪魔の息吹。
1日で3回も死にかけるなど、さすがの勇者も経験は無い。
レイト 「ひ、ひぐ、かはっ! はぁ、はぁ、はぁ」
たつ 「いいか、じっとしてろ、動くなよ!」
たつは、細長い筒のような物を、雄叫びをあげながら逆手で抜き放った!
抜き放たれた筒からは注射器のようなものが飛び出し、回転しながら宙を舞う!
レイト 「ぐ、ふぐっ! (い、息が! 何だ! 苦し、くる・し・・い・・・・・) 」
レイトは、前のめりに倒れ込み、力なく首もとをかきむしりながら苦しんでいる。
たつが、そんな勇者の首元を押さえつけると、仕事人張に注射器をぶっ刺した!!!
レイト 「 (ぐあぁ! 苦しい! 息が、息が、できないよ!!!) 」
痙攣する少年は、泡を吹き、涙を流していた。
呼吸困難に陥りながら、症状を自覚しながら、しかしレイトにはどうする事もできなかった。
そして、勇者は意識を失った。
薄れゆく意識の中、青鬼の叫び声が聞こえていた。
無駄にどでかい叫び声で、威圧的な低い声で、とてもぶっきらぼうな口調だがレイトの身を案じる台詞で。
レイト 「 (今度こそ・・・・・、だめ、かも・・・・・・・・・・) 」
・・・・・・・・・・
世界が暗闇に覆われていく。
鼓動が力弱く聞こえている。
誰かに頬をはたかれる感覚が、かすかにする。
そして、レイトは深い眠りに落ちた。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
第2話 完?
・・・・・・・・・・
バァァァチバチバチィィィ☆
レイト 「痛てぇ!!!」
レイト 「・・・・・・・・・・?」
レイト 「・・・・・、ここは? ・・・・・」
レイト 「・・・・・・・・・・天国?」
混濁気味に意識を取り戻した。
激しく首元に走る痛み!
勇者は、ぼんやりとまぶたを開いた。
ぼやけた視界に写る天井の豆電球。
頼りなく、ぶらぶらと、明滅するその電球は、なんだかとっても貧乏くさかった。
レイト 「・・・・・・・・・・」
貧乏くさく揺れる電球を眺めながら、再びまぶたを閉じる勇者。
安らかなる睡眠を求める少年、まぶたがとっても重かった。
オルガンの旋律が、かすかにだが、激しく走っていた。
・・・・・
謎の声 「・・イト!!! レ・・・ト!!!」
レイト 「・・・・・」
謎の声 「・・・トォォォ!!! しっかりしろよぉ!!! レイトオォォォォォ!!!!!」
レイト 「うぅぅるせぇぇぇぇぇーーー!!!」
レイトは、起きざまに謎の人物に「びよよ~ん」と飛びかかった!
レイト 「ぐわぁぁぁぁぁ!!! この、クソフランケンがぁぁぁぁぁ!!!!!」
謎の声 「おぉんんんどおぉぉぉりゃりゃりゃあぁぁぁぁぁ!!!」
激しい雄叫びを上げながら、激しい雄叫びに返り討ちにあった。
レイト 「げふぅ!!!」
謎の人 「だいじょうぶかぁぁぁぁぁ!!! しっかりしろよおぉぉぉぉぉ!!!」
投げ飛ばされ、のしかかられて、身動きを封じられた勇者。
レイト 「があああぁぁぁぁぁ! ぁぁぁぁぁ・・・・・ ぁぁぁ、ぁぁ、ぁ、あれ?」
謎の人 「まだ、動くなよ! 毒が回っちまうだろうが!!!」
レイト 「・・・・・はひ?」
首元には、鈍く冷たく、銀色に光る長モノが・・・・・
謎の人 「興奮するんじゃねー、じっとしてろ、いいな!!!」
レイト 「・・・・・あれれ? 豆電球は???」
ぎゅわ~ん! と、視界に光が飛び込んできた。
薄暗い小屋で目覚め、フランケンと喧嘩中のはずだったんだけど、いつの間にやら砂塵舞う熱砂の丘に移動していた。
レイト 「れれ? ・・・・・たっつぁん? ・・・・・だよね?」
たつ 「いいか、よく聞けよ! お前は病気なんだ、わかるな?」
レイト 「・・・・・病気? オレが?」
たつ 「オメーは、「びょ・う・き」だ!!! だろうがよ!」
レイト 「はひ!」
たつの表情が青鬼に変わり、レイトの首元がひんやりとした。
焼けた砂上で焼ける背中もひんやりした。
生きた心地がしなかった。
レイト 「ひぃー! た、たつさん! わかったです、わかったから、その巨大なナイフを振り回さないでー!!!」
たつ 「動くんじゃねーよ」
たつは、レイトの目を睨みつけたまま砂の大地にドスを突き立てると、レイトの腕と足を簡易の手錠で縛り上げた。
それから、長ドスを振るって2回転、手馴れた様で「ストン☆」と鞘に収めるたっつぁん。
回転する刃が、音もなく砂塵を切り裂く。
その仕草は、とても「恐ろ・冷た」かった。
彼は、どう見ても怒っている。
レイトは、フレンドリーに「たっつぁん」と呼んでいたことを、とても、ものすご~く後悔するのだった。
レイト 「 (そうか、タメ口が駄目なタイプだったのか・・・・・、父ちゃん言ってたな。 「初対面、敬意は無くても先ず敬語」って・・・・・) 」
収めた鞘を投げ捨てて、長筒から一際大きな注射器を取り出すと、恐怖の顔面・への字に曲がった口でキャップをくわえ捨てて、再び雄叫びを上げながら、勇者に向かって振り下ろした!
たつ 「うおぉんどぉりゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
レイト 「ちょ! ちょっと!!! まってぇぇぇ!!! うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
プスッッッ♪
レイト 「ああ・・・・・、あああああ・・・・・、またか・・・・・」
大きなシリンダーが、首元にぶっ刺さっている!
今度こそ、バイバイ勇者?
意識が再び遠のいていくようだった。
レイト 「・・・・・おわり?」
おわり
メタルマックス 勇者の壁を越えろ! 英雄は狂気をはらむ