メタルマックス ありふれたサイドストーリー   作:KR410

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ノアが破壊されてから数十年が経過した。

そんな世界。

とある貧しい村の孤児、レイト少年。

年齢は多分10才、かなり痩せこけている。


家出

姉 「レイト、大丈夫?」

 

旅立ちの日、心配そうな姉の声で少年は目を覚ました。

 

姉 「気分はどお?」

レイト 「う、う~・・・、あ~・・・」

 

レイトの顔は酷い事になっていた。

顔中が青く腫れ上がり、原型がよくわからないほどに変形している。

そして、ろれつも回らない。

 

姉 「よかった、熱は下がってる。 もー、心配したんだからね!」

レイト 「あ~、お~・・・・・」

姉 「え、何? 何が言いたいの」

レイト 「お、オレ、うぐ!・・・・・」

姉 「まだ無理しちゃだめよ、おとなしく寝てなさい」

 

少年は、口の中も傷だらけだった。

会話するのもきついのだが、それでも何かを伝えようとしていた。

彼は意地でも起き上がると。

 

レイト 「ぐぅ、ぬぐぐぅ、おおぉぉぉぉぉ!!!!!」

姉 「だ、ダメ、ダメよ、なにを意地になってるの!」

 

押さえつける姉の腕を押し返し、少年は起き上がった!

 

レイト 「姉ちゃん・・・・・、姉ちゃん、オレ、ここ出てく・・・・・」

姉 「え!? 何を、急に何を言い出だすの!!!」

 

姉さんが、おでこに手を当てた。

熱は下がっている。

 

姉 「頭、打ったのね! もう少し寝てなさい!」

レイト 「ぐ、うぐ! お、オレ・・・・・」

姉 「レイト! しっかりしなさい! レイトー!!!」

 

少年は気を失った・・・・・

 

 

 ・・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・

 

 

数時間後、良い子は寝ているド深夜にレイトは目を覚ました。

体中が痛いのだが、痛みよりも多きな優しさが彼の腕を伝っていた。

彼のそばで、姉が看病に疲れて眠っているのだった。

レイトの腕を握ったままで。

彼女も昼間の重労働でくたびれているだろうに。

 

レイト 「(姉ちゃん、行って来るよ、オレ・・・・・)」

 

レイトは、呟いた。

姉の腕を優しくほどき、寝ている彼女に毛布をかけながら。

あたりを見回すと、数人の兄弟達も寝ている。

みんなをおこさない様に、手紙を2通書き上げると、こざっぱりとした旅の支度を済ませ、みんなの寝顔、部屋の景色をしばらく目に焼き付けた。

物思いにふける彼の心に、血のつながらない兄弟達、特に、母にも等しい姉の言葉が鮮明に蘇っていた。

 

レイト 「・・・・・、ねえちゃん、オレ、世界を変えてくるから、それまで元気で」

 

勇者は肌寒い快晴の真夜中に、こっそりと旅立った。

見送る者は、砂塵に霞む、薄ぼんやりと浮かぶ三日月だけだった。

 

貧乏なこの村にはオフィスはない。

そんなわけで、ハンターライセンスも持ってない。

みなし子の彼に、ろくな所持品もお金もあるはずがない。

それでも、だぼだぼの防寒着に手を突っ込んで、よろよろと頼りない足取りで村を出て行った。

 

その相貌からは、計り知れない大きな志を抱いて!




-

壊れた世界の辺鄙で貧しい村。

当然、そんなところに支援が届くはずもない。
村人は、村を守るためならば何でもするしかなかった。
親無しの子供達。
彼らなど、子供でいられる時間すらない。
孤児院とは名ばかりの、イカレタ強制労働収容所での過酷な労働と戦闘員としての洗脳に近い教育。

それでも、少なくとも、村の中は壊れた世界ほど壊れてはいなかった。
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