メタルマックス ありふれたサイドストーリー   作:KR410

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無差別殺人大型ポチは、勇者を見ていない。
ポチミサイルのランチャーを破壊された数匹のポチたちも、戦場を迂回しながらエイジに向かって行く。
敵陣深く攻め込んだ勇者だが、敵側の敵性識別では、すでに空気だ。
事実、レイトにろくな装備は残っていない。
今、この戦場で、奇跡のノーマーク!
地獄を駆けるガキンチョが、精一杯、左拳を上げ人差し指を突きたて叫んでいた!

レイト 「えいじぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

地獄を潜り抜けるエイジも、その勇者のメッセージに気がついた。
何をしようとしているのかも、なぜだか何となく理解できた。
だが、レイトには無理だろうと思う。
フィエやババアについてのリサーチも、周到に考察し用意された補給も、敵勢力に対応された装備もないだろう、当然のように。

敵は、タンクバスタークラスのトップブリーダー・お尋ね者狩りの英雄と戦車をカチ割る少女。
何を考えているのか! いや、何にも考えずに特攻しているのが見え見えだった。

レイト 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

大きな声で自分を鼓舞し、勇者は魔物の城に突撃して行った。

エイジ 「・・・・・」

 ドガガガガガガガガガガ!!!!!

エイジ 「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」


混迷する時代は混沌と 第3話 魔城の勇者

-

 

ポチ 「がるるるるるるるる!」

 

  キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンン!

  ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

ミニガン装備の大型ポチは戦闘慣れしている。

エイジの潜んでいた穴蔵に殲滅攻撃をしかけては、射撃位置を変えながら、あくまで牽制射に徹しているようだった。

エイジは、敵陣地に近づくことすらできないでいた。

撃ちまくられ逃げ惑いながらも勇者の動向を気にしていると、レイトがテントに向かって爆弾ベルトを投げつける。

 

エイジ 「ま、待てって! レイトオォォォォォ!!!!!」

 

ミニガン  「キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンン!」

  ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

エイジ 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

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   ---

    -

 

深呼吸 「すうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・」

 

レイト 「・・・・・」

 

レイト 「えーーーいーーーじぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

全力で走る勇者が、左拳を上げ吼えた!

 

タグを引き抜き弾帯をほどくと、その危ないベルトをブンブン振りまわす!

 

振り回されるベルトには、お世辞にも精度が高いとはいえない、威力だけは折り紙つきの爆発系工業製品が6つも吊ってある。

いろんな意味で、軽く人間やめかかっている危ない勇者が、勢い良くベルトを投げこむと、リュックを盾にしゃがみこんだ!

 

レイト 「んんんんんどりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

  ヒュンヒュンヒュン!

 

  ポイ!

 

  ひゅる~ん

 

  ・・・・・

 

  どっかーーーーーんんん!!!!!

 

はじける六連手榴弾!

テントの壁に大穴が開き、強化繊維と樹脂系素材の残骸が木っ端で舞い散る。

 

  パラパラパラ・・・・・

 

レイト 「・・・・・うし! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

絶好調の勇者だが、まともな武装はほぼ使い果たした!

それなのに、大声で喚きながら、敵ベースに乗り込んで行った。

 

レイト 「おぉらあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

敵ベース、大型テントは15×30mぐらいだろうか。

 

突入したレイトは走った!

 

レイト 「フィエェェェェェ!!!!! どこだあぁぁぁぁぁ、フィエェェェェェ!!!!!」

 

走りに走った!!!

 

レイト 「どこだぁぁぁぁぁ、返事してよぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

色々考えて、とりあえず何にも考えずに、ただひたすらに走り抜けた!!!!!

 

レイト 「うおおおーーーーーい! だぁれか~~~!!! おおおーーーーーって、だれもいねーーーーー!!!!!」

 

だが、そこには誰もいなかった。

サーベラも、さらわれた子供達も、それどころかワン子の子一匹いなかった。

 

レイト 「なんでだーーーーー!!!!!」

 

 

天井に向かって勇者が吼えている、そのころ。

 

 

ベースに突入する勇者の姿を、弾幕地獄を潜り抜けながら目撃していたエイジは。

 

  キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンン!

  ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

チュイィィィィィンンン!!!!!

 

エイジ 「うおぉぉぉぉぉ!!! ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

 

走るエイジの足から血しぶきが舞いちった!

糸の切れた人形のように、不自然に倒れこむ少年。

 

エイジ 「ちくしょぉぉぉぉぉ!!! いぃってぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

倒れこんだエイジの周囲には、なおも激しくミニガンの攻撃が続いている!

 

 ガガガガガ!!!  ガガガガガガガガガガ!!!

 

エイジ 「うっく! ううう!!!」

 

エイジは、ガレ場の小さい起伏の影までなんとか這って行き身を隠した。

止血のために両足を縛り上げるが、それでも大量に流れ落ちる鮮血!

 

 ガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

エイジ 「うぐうう!!!」

 

そして、銃撃が止み、またしばらくのルーティーン。

ポチが次の射撃位置に向かって行く。

 

エイジ 「ううう・・・・・」

 

  キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンン!

  ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

エイジ 「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

苦悶の表情を浮かべる少年。

足からの流血、身を丸め縮こまる体をかすめる大量のソニックブーム、盾にしている小岩は徐々に削られていく。

痛みに耐え、苦いためらいの表情を浮かべるエイジは、右手に「何か」を握っている!

全ての装備を放棄して、命からがら脱出して、エイジの持ち出したものは小型デリンジャーのような「何か」だけだった。

 

 ガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

エイジ 「ううう、ううううう・・・・・ バーッッッキャローーー!!!!!」

 

 カチン☆

 

 

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   ---

    -

 

そして、再びテントの中では。

 

 

レイト 「うおぉぉぉぉぉ!!!」

 

レイトは、ありとあらゆる扉を開け、カーテンをめくり、道具箱、木箱、ダンボール、箱という箱を開け放ち、引き出し、棚、犬小屋までもひっくり返してまわり、隅々まで勇者的に漁っ・・・・・、調べたが、やっぱり誰もいない。

 

レイト 「フィエさぁぁぁぁぁん!!!!!」

 

魔物の城を駆け巡る勇者。

 

レイト 「どこにいるんだよぉぉぉぉぉ!!!!! どこにいるんだよぉぉぉぉぉ!!!!!」

レイト 「フィエさ・・・!?、 おおおーーーーー! 」

 

  !?

 

勇者が何かを見つけたようだ!

なんだ! いったいどうしたんだ? 

 

レイト 「先割れスプーン見っけ! 何かの役に立つぞ、これ! 貰っとこっと♪」

 

駆けり、巡り、そのたびに、勇者のリュックが膨らんでいく・・・・・

 

 

レイト 「フィエさーん! フィエさーーーん!!!」

 

レイト 「フィエさーーーーーんんん!!!!!  おおおーーーーー!?」

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