メタルマックス ありふれたサイドストーリー   作:KR410

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今日が終わっていく。
沈んだ夕日の残光には、闇を照らす力はもう残されていない。
だが、その頼りない、それでも燃え上がる薄明かりにわずかに照らされ、黒いシルエットの騎士達が5人。
それはまるで、朝を導くかがり火、まるで日の出前の、始まりの予感を抱いているかのような。

キュルキュラキュラキュラ♪

サーベラ 「なんだって!」


混迷する時代は混沌と 第3話 魔城の勇者 3

勇者の前には、焼け焦げた三連銃身が転がっている。

 

レイト 「・・・・・」

 

防刃グローブのおかげで苦も無くそれを掴むと、リュックに押し込む。

が、すでに所持限界!

リュックには入りきらなかった。

 

レイト 「うんにゃ! もう一個ぐらい!」

 

無理やり差し込んだ!

入りきってはいないが。

 

そーんな事をしているとき。

 

レイト 「あら? なんだろ?」

 

さっきまでの戦争の音が聞こえない。

 

レイト 「・・・・・まさか!」

 

嫌な予感が! 戦慄のイメージが! レイトの脳裏には血まみれのエイジの姿が!

 

レイト 「エイジィィィィィ!!!」

 

勇者は走り出した!

またしても、絶叫しながら。

 

警戒もそこそこにテントから勢い良く飛び出し、両足を踏んばり急ブレーキ。

砂上を滑りながら、キョロキョロと辺りを確認する。

 

レイト 「おわっ!」

 

テントのそばには、くるまがあった。

それは半分埋もれたトレーラー、何かの装置で激しく砂がふるい落とされていく。

 

レイト 「で、出たー!!!」

 

レイトは、そのトレーラーを知っている。

そして、その周囲を囲む鋼鉄の騎士達。

 

レイト 「あれ、あ、あれって・・・・・」

 

キュラキュラキュラキュラ!

 キュラキュラキュラキュラ!!

  キュラキュラキュラキュラキュラ!!!

 

レイト 「戦車ぁ!!!」

 

戦車がいる。

戦車がたくさんいる。

戦車がたくさん走っている。

 

レイト 「戦車だぁーーー!!!!!」

 

はじめて見る本物の動く戦車!

レイトは戦車に囲まれて幸せ・・・じゃなくって、勇者は戦車大隊に包囲されていた。

 

ぶおぉぉぉん ぶおぉぉぉぉぉんんん♪

ぶろろろろ~ ガシューン ぶろろろろ~♪

 

なんだかよくわからないが、トレーラーも走り出した。

なんだかよくわからないのだが、そのトレーラーの目的だけはわかっている。

 

レイト 「まあちやがれぇぇぇ!!!」

 

レイトは、数時間前にそのトレーラーを目撃していた。

忘れるはずも無い。

なぜならそのくるまは、彼を一方的にタコ殴りにしたあいつのトレーラーなのだから。

 

ガシューガシューン ぼろろろろろろろろ~♪

 

トレーラーにしては、破格の加速力!

 

レイト 「うおぉぉぉぉ! まてってんだろーーー!!!」

 

ダッシュするレイトのわきを、凄い勢いで追い越していく。

 

レイト 「うううおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

レイトの青い顔が激しく歪んでいる!

バトルスパイクに、猛然と砂が蹴り上げらている。

彼も物凄い勢いで走っていた!

 

レイト 「んのヤロオォォォォォ!!!!!!」

 

だが、徐々にスピード差が開いていく。

勇者は、咄嗟にフリーハーネスのカラビナをトレーラー背面に引っ掛けた。

当然に、後先の事など考えていなかった。

 

レイト 「よし!」

 

相対速度が開いていく、ハーネスがピーンと張り詰める!

 

レイト 「あ、あら、ヤバイイ!!!」

 

勇者は、人類の限界を超えていく!

 

レイト 「うわぁぁぁぁぁ!!!」

 

神の領域で走る勇者にとって、所持品オーバーのリュックは非常に邪魔だった・・・・・

 

レイト 「ちくしょー!」

 

勇者は、大事なもののつまったリュックを切り離した。

なんだか、とっても悔しそうだ。

 

レイト 「コンちくしょー!!!」

 

 

 

戦場からババアのトレーラーが敗走していった。

ほぼワンサイドでゲームを展開していた魔犬士サーベラ。

それはとても潔ぎがよかった。

 

 

 

   おわり

 

 

 

 

 

メタルマックス 混迷する時代は混沌と

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