「魔剣士」
ではなくって、「魔犬士」!!!
大破壊末期のブリーダー達は、そんな呼び名で呼ばれていたと、うちの爺さんが言っていた。
その中でも、特に優秀なトップブリーダーがいたのだとか。
彼らのことを「伝説の英雄」と呼び、たたえるトレーダーも多いらしい。
だが、うちの爺さんは、魔犬士の話をしながら、いつも 「わしゃー、あのインチキ愛犬家は好かん!!!」 と悪態交じりにつばを飛ばしながらわめいていた。
砂漠の魔犬士 「サーベラ」
人は彼女の事をこう呼ぶ。
「5番目の首」 と。
どこにでもありふれているような、ただのガキンチョ、レイト少年。
夜も遅くに、街をおん出て行く。
財布はとっても軽量だった。
所持金は・・・・・、聞かないであげてね。
食料のあても・・・・・、当然無い。
装備は自称ジェットトーチ(ライター)に自称ダブルカーボンピック(杖)に自称バトルスパイク改(ぼろ靴)。
そして、村の周囲には怪奇な深緑のジャングルと不毛の砂漠が延々と続いていた。
大砂塵にも埋もれないジャングル、そこは、怪しく凶暴なモンスターの巣窟になっている。
不毛の砂漠は、モンスターは少ないのだが、並みの腕前では、その遥か大自然にあっけなく返り討ちである。
レイトは、親父を勘当して、あての無い砂漠に旅に出た。
だが、そんなに父親を恨んでいるわけでもない。
はたから見ればそうとしか見えないのだが、やけっぱちになったわけでもなかった。
彼の旅の目的、それは、あえて言葉で表現するならば、あの言葉がぴったりだった。
「地球救済」
彼は、ハンターになりたいから旅立ったわけでは無かった。
世界を救いたいから勇者になりたいのである。
まだ幼いレイト少年だが、こう見えてすでに数十人の兄や妹の死に目に会っている。
それも、かなりひどい、残酷で無慈悲なものだった。
そんな壊れた世界の人々を襲う病魔、圧倒的な絶望と無力感による覇気の無さ。
モンスターハンター達の活躍を賞賛しながらも、内心では無駄なあがきだと誰しもが思い、笑っているのだった。
だが、暗い生い立ちからではあるが、とても 「勇者」 な動機で旅に出た、ただのレイト。
どんなに絶望に打ちひしがれようと、後ろを振り返らない勇者だった。
そして、そこはメタルマックス♪
敵も味方も、特定の物事に格別執着する者は、さほど多くない。
そんな世界だから、誰にののしられようが、けなされようが、歩き続けていれば何とかなるものだった。
レイトも、暗く砂の舞い上がる、凍える砂漠を、命あるかぎり歩き続ける。
晴天のその砂漠ですら、およそ命ある者にはたまらない地獄であるが。
暗く、凍える、視界不良の夜の砂漠。
多くのモンスターたちも巣穴でじっと朝を待ち息を潜めていた。
そんな地獄を、その砂漠で唯一、貧相な少年が一人、歩いていく。
バトルスパイクとカーボンピックを砂漠にヨロヨロと精一杯、突き立てながら。
レイト 「うー、さ、さぶいよー、痛いよー、勇者になりてーよー」
レイト 「ねーちゃーん、腹減ったよぉーーー・・・・・」
歩き続ければ何とかなる!!!
・・・・・
のだろうか?